#03 死神と太陽
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「セナガキさん」
僕は今日もあなたに会いに行く。
僕が声をかけるまでは、死んだような表情をしていることが多いけど、僕に気づくと、少し優しい顔になる。
「また来たのかよ」
口調がぶっきらぼうな割に、いつも窓を開けて窓枠に座って煙草を吹かして待ってくれているし、追い出そうともしない。
相変わらず本名も素性も何も教えてくれないけど、普通に話してくれるようになった。
この前贈ったひまわりも、ああは言っていたけどちゃんと本棚の上に飾ってくれている。
嫌われているわけではないようだ。
最近彼女はセナガキさんでいることが多い。
部屋以外のところで会ったときはやっぱり外見がコロコロ変わっているけれど、部屋にいるときはいつも彼だ。
身長は180くらいか。僕の身長が彼の目線より少し下くらいになるけど、僕より一回りか二回り細い。
これでもかというほど金メッシュの入った黒髪の癖っ毛。
黒い切れ長の瞳。涼しげで整った顔立ち。
サングラスをスーツのジャケットにしまい、金のリングピアスを3つもつけて、黒スーツに黒ネクタイ黒手袋で、いつもタバコを吸っている。
口調も声色も雰囲気も男の人になれるのは不思議だ。
悪魔の実の能力だろうか。
そして、いつもスーツや顔に返り血がべっとりついている。
「ちゃんと寝てるのか?まだ日も出てねえ時間から毎日毎日」
「寝てますよ!朝稽古に行く前に寄ってるんですから。セナガキさんこそ、ちゃんと寝てるんですか?」
「俺はいいんだよ、そういうもんだから」
セナガキさんは煙草に火をつける。
「ああ、俺、明日から3日ほど帰って来ねえから。来てもいねえぞ」
「そうですか。任務ご苦労様です」
そう言って敬礼した僕を、セナガキさんは不思議そうな顔で見た。
「?どうかしましたか?」
セナガキさんは目を逸らした。
「お前…なんで毎日俺に会いに来るんだ?」
「えっ、そりゃあ…あなたが好きだから」
さらっと答えると、セナガキさんは少し困惑しているようだった。
「名前も、素性も、何も分からねえのに?」
「だって、あなたの声はいつも僕に優しいから…ずっと聴いていたくて…へへっ」
「………俺がなんで素性を隠してこんなところに棲んでいるのか知っているのか?」
「ええ、センゴク元帥に聞きました」
信じられない、といったように、セナガキさんは僕を見た。
「でも、それでも僕は毎日あなたに会いたい」
「だから、ちゃんと無事に帰ってきてくださいね」
セナガキさんの瞳の奥が一瞬揺れたけれど、何事もなかったかのように、また煙草に火をつけて、呟いた。
「………もう嫌だ、お前」
end.
僕は今日もあなたに会いに行く。
僕が声をかけるまでは、死んだような表情をしていることが多いけど、僕に気づくと、少し優しい顔になる。
「また来たのかよ」
口調がぶっきらぼうな割に、いつも窓を開けて窓枠に座って煙草を吹かして待ってくれているし、追い出そうともしない。
相変わらず本名も素性も何も教えてくれないけど、普通に話してくれるようになった。
この前贈ったひまわりも、ああは言っていたけどちゃんと本棚の上に飾ってくれている。
嫌われているわけではないようだ。
最近彼女はセナガキさんでいることが多い。
部屋以外のところで会ったときはやっぱり外見がコロコロ変わっているけれど、部屋にいるときはいつも彼だ。
身長は180くらいか。僕の身長が彼の目線より少し下くらいになるけど、僕より一回りか二回り細い。
これでもかというほど金メッシュの入った黒髪の癖っ毛。
黒い切れ長の瞳。涼しげで整った顔立ち。
サングラスをスーツのジャケットにしまい、金のリングピアスを3つもつけて、黒スーツに黒ネクタイ黒手袋で、いつもタバコを吸っている。
口調も声色も雰囲気も男の人になれるのは不思議だ。
悪魔の実の能力だろうか。
そして、いつもスーツや顔に返り血がべっとりついている。
「ちゃんと寝てるのか?まだ日も出てねえ時間から毎日毎日」
「寝てますよ!朝稽古に行く前に寄ってるんですから。セナガキさんこそ、ちゃんと寝てるんですか?」
「俺はいいんだよ、そういうもんだから」
セナガキさんは煙草に火をつける。
「ああ、俺、明日から3日ほど帰って来ねえから。来てもいねえぞ」
「そうですか。任務ご苦労様です」
そう言って敬礼した僕を、セナガキさんは不思議そうな顔で見た。
「?どうかしましたか?」
セナガキさんは目を逸らした。
「お前…なんで毎日俺に会いに来るんだ?」
「えっ、そりゃあ…あなたが好きだから」
さらっと答えると、セナガキさんは少し困惑しているようだった。
「名前も、素性も、何も分からねえのに?」
「だって、あなたの声はいつも僕に優しいから…ずっと聴いていたくて…へへっ」
「………俺がなんで素性を隠してこんなところに棲んでいるのか知っているのか?」
「ええ、センゴク元帥に聞きました」
信じられない、といったように、セナガキさんは僕を見た。
「でも、それでも僕は毎日あなたに会いたい」
「だから、ちゃんと無事に帰ってきてくださいね」
セナガキさんの瞳の奥が一瞬揺れたけれど、何事もなかったかのように、また煙草に火をつけて、呟いた。
「………もう嫌だ、お前」
end.