#03 死神と太陽
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side.コビー
「はーっ、お前強くなってねえ?!」
炎天下の中の稽古の休憩中。
木陰で上着を脱いで水道水で軽く水浴びしながらヘルメッポさんが叫んだ。
「そうですか?えへへ、普段のトレーニングが効いてきたかな!」
「くっそー!次は負けねえからな!」
ヘルメッポさんがポケットから古い新聞広告を出して広げて見ていた。
「何見てるんですか?」
「あ、おい!」
ひょいっとヘルメッポさんからチラシを奪って見ると、ロシーさん…黙祷会にいた女の人の写真だった。
海軍将校の白い制服を着て、海をバックに柔らかく微笑んでいる写真。
あの人、こんな風に笑うのか。
美しいけど、可愛らしい。僕が思った通りの人だ。
「返せよ、おい!」
ヘルメッポさんがひったくろうとするのをかわす。
「ヘルメッポさん、このチラシの人って…」
「ん?『美しすぎる海兵』がどうかしたか?」
ヘルメッポさんが首をかしげる。
「『美しすぎる海兵』…?」
「お前知らねーのか?!かなり有名だっただろ?!」
「すみません、僕そういうの疎くて…」
「名前も階級も年齢も不明なんだが、2~3年くらい前にこの写真が出回ってよお、『美しすぎる海兵』なんて見出しがついて、めちゃくちゃ世間でブームになったんだよ。海兵募集のチラシになったこともある写真だぞ?」
「?なんでヘルメッポさんは未だにそのチラシ持ってるんですか?」
「うるせーな!いいだろ別に!」
「もうちょっと見せてください!」
ヘルメッポさんが顔を赤くして取り返そうとするけど、僕はひょいひょいっとかわしながら、チラシを眺める。
どこまで見てもやっぱり可愛らしい人だ。
センゴク元帥は『死神』なんて言ってたけど、そう言うほど嫌な空気を全く感じない。
「おい、コビー、いつまで見てるんだ、返せ!」
「ヘルメッポさん、これください」
「はあ?!嫌だよ!つかお前女苦手じゃなかったか?!」
「じゃあコピー取らせてください」
「それならいいけどよ…なんだ?お前、実はこういう女が好みなのか?」
「さて!第二ラウンドいきますか!」
「ってオイ、無視かよ!!!」
チラシをポケットに入れて、準備を始める。
死神に恋をするなんてと笑われるだろうか。
でも、ヘルメッポさんだって、この女の人の正体を知らないんだから。
僕は知ってしまっただけで、彼女は死神でもなんでもない。
死神と呼ばれて忌み嫌われていたって、今の僕は、あの人に夢中なんです。
「はーっ、お前強くなってねえ?!」
炎天下の中の稽古の休憩中。
木陰で上着を脱いで水道水で軽く水浴びしながらヘルメッポさんが叫んだ。
「そうですか?えへへ、普段のトレーニングが効いてきたかな!」
「くっそー!次は負けねえからな!」
ヘルメッポさんがポケットから古い新聞広告を出して広げて見ていた。
「何見てるんですか?」
「あ、おい!」
ひょいっとヘルメッポさんからチラシを奪って見ると、ロシーさん…黙祷会にいた女の人の写真だった。
海軍将校の白い制服を着て、海をバックに柔らかく微笑んでいる写真。
あの人、こんな風に笑うのか。
美しいけど、可愛らしい。僕が思った通りの人だ。
「返せよ、おい!」
ヘルメッポさんがひったくろうとするのをかわす。
「ヘルメッポさん、このチラシの人って…」
「ん?『美しすぎる海兵』がどうかしたか?」
ヘルメッポさんが首をかしげる。
「『美しすぎる海兵』…?」
「お前知らねーのか?!かなり有名だっただろ?!」
「すみません、僕そういうの疎くて…」
「名前も階級も年齢も不明なんだが、2~3年くらい前にこの写真が出回ってよお、『美しすぎる海兵』なんて見出しがついて、めちゃくちゃ世間でブームになったんだよ。海兵募集のチラシになったこともある写真だぞ?」
「?なんでヘルメッポさんは未だにそのチラシ持ってるんですか?」
「うるせーな!いいだろ別に!」
「もうちょっと見せてください!」
ヘルメッポさんが顔を赤くして取り返そうとするけど、僕はひょいひょいっとかわしながら、チラシを眺める。
どこまで見てもやっぱり可愛らしい人だ。
センゴク元帥は『死神』なんて言ってたけど、そう言うほど嫌な空気を全く感じない。
「おい、コビー、いつまで見てるんだ、返せ!」
「ヘルメッポさん、これください」
「はあ?!嫌だよ!つかお前女苦手じゃなかったか?!」
「じゃあコピー取らせてください」
「それならいいけどよ…なんだ?お前、実はこういう女が好みなのか?」
「さて!第二ラウンドいきますか!」
「ってオイ、無視かよ!!!」
チラシをポケットに入れて、準備を始める。
死神に恋をするなんてと笑われるだろうか。
でも、ヘルメッポさんだって、この女の人の正体を知らないんだから。
僕は知ってしまっただけで、彼女は死神でもなんでもない。
死神と呼ばれて忌み嫌われていたって、今の僕は、あの人に夢中なんです。