#09 ツバメが旅立つ頃に
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ある日のこと。
朝稽古が終わって部屋に戻ろうとしたら、ヘルメッポさんに呼び止められた。
「コビー!今朝の新聞読んだか!?」
「いえ、まだ読んでませんが…」
そう言うと、ヘルメッポさんが新聞の第一面を僕の前に突き出した。
見出しは『マリージョア大虐殺 犯人はあの『美しすぎる海兵』』。
ヘルメッポさんにもらったあのチラシと同じ写真が載っているのを見てはっとして中身を読んでいく。
昨日、マリージョアで世界政府の要人647人が殺害された。
犯人はかつて『美しすぎる海兵』で話題になった『ツバメ中将』。
彼女は現在レッドラインの断崖絶壁を飛び降りて行方不明。
海軍がレヴェリー加盟国全域で厳戒態勢を取っているそうだ。
「行方不明…?!」
「それだけじゃねえぜ、見ろよこれ!」
新聞の中に挟んでいた手配書を僕に見せる。
あの『美しすぎる海兵』の写真の下に『ツバメ 生死問わず 28億ベリー』と書かれてあった。
「28億…!?」
「やべえぞ、手配書に海兵が載るなんて異例中の異例だ!世間では海軍が中将を切り捨てたことになってる。
しかもいきなりこの金額でレヴェリー加盟国全土で厳戒態勢ってことは、政府はツバメ中将を本気で殺すつもりだ」
「そんな…!!なにかの間違いではないんですか…?!」
「分かんねえよ、とにかく俺たちも駆り出されてるだろ?上の人に聞くしかねえよ!
ほら、早く準備しろ!」
「はいっ!」
ツバメさんが生きているかもしれない…。
不謹慎かもしれないけど、それを聞いて僕はずっと胸が高鳴っていた。
短くて7年…なんて嘘なのかもしれない。
僕は船に飛び乗って、厳戒態勢の敷かれた小さな島へ赴いた。