#07 短くて7年…
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side.コビー
「別れるって…」
「もうここへは来ないでほしい」
セナガキさんの言葉の意味が理解できない。
だって、キスしたのもつい最近だし、泊まることが多くなっても嫌がってるようには全く見えなかった。
両思いだと思ってたんだけど…。
「…ごめんなさい」
「え」
「告白、してなかったですよね、僕…」
「…」
「それで付き合ってると思い込んでしまうなんて、とんだ勘違い野郎ですよね…すみません…」
「付き合ってなかったら、別れようなんて言わない」
「…」
付き合ってると思ってくれていたことが余計に突き刺さった。
「僕、何かしてしまいましたか…?」
セナガキさんは首を横に振る。
「僕と時間がほとんど合わないから?」
「ううん」
「キスしたいとか、最近要求多くなっちゃってましたもんね、僕…」
「そうじゃない」
「勝手にキッチン借りておにぎり作ったこと怒ってます…?」
「違うって…コビーは悪くない…」
「じゃあ、どうして…」
「…ごめん」
「そんなの納得できません」
「…」
「僕のこと、好きじゃなくなっちゃいましたか…?」
「……………」
セナガキさんが、こくっとうなずいた。
(嫌いなわけがない)
(離れたくない)
(でも、言わなきゃ、さよならしなきゃ)
(ごめんね、コビー)
(愛してる)
その瞬間、セナガキさんの悲痛な心の声が大量に聞こえてきて、くらくらしてきた。
どうして、そんな嘘つくんですか…
訊きたくても、訊けない。
きっと理由があるのはわかるけど
それを訊くのが怖い。
好きじゃなくなった、なんて、嘘でも傷つくもんなんだな…って。
そう思ったらぼろぼろ涙が出てきて、みっともなく泣き崩れた。
セナガキさんは僕の様子を見ていたけど、しばらくして窓から外へ出て行った。
取り残されてしまったみたいだ。