#06 幸せな時間
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「あ、セナガキさん、おかえりなさい!」
「ただいま」
部屋に戻ると、仕事終わりのコビーがいた。
「なにしてんだ?」
「おにぎり作ってます。朝ご飯のお礼です」
「そんなことしなくていいのに」
「いいんです、僕の気持ちですから」
めちゃくちゃいびつでやたらと大きなおにぎりがキッチンにずらりと並んでいる。
「何個作ってるんだよ…」
「僕のが5個だから、セナガキさんが10個です」
「どういう計算だよ」
「出かけてたんですか?」
「センゴクさんに呼ばれてた」
「そうですか…はい、できました!セナガキさん、梅好きですか?」
「好きだよ」
「よかった!僕も梅が一番好きなんです!はい、あーんしてください」
口をあけると、余りの米で作ったような小さなおにぎりを口にほうりこまれる。
「ん、おいしい」
照れ笑いするコビーを見て、こみあげてくるものを感じた。
もう、この顔も見られなくなるのか…。
こんなふうに、毎日コビーに会えなくなるのか…。
「…」
「どうかしましたか?」
「いや…なんでもない」
私は離れたくない気持ちを押し殺して、できるかぎりからっと笑った。
「もしかして、センゴク元帥に何か言われたんですか?」
「え?」
「なんだか悲しい顔してるから…」
やっぱりこいつには隠せないか。
まだ心の準備ができていないけど…もうそんな悠長なことも言ってられない。
私は一回深呼吸して、コビーに向き直った。
「………コビー」
「別れよう」
end.