#06 幸せな時間
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side.コビー
AM4:00
海兵の朝は早い。
ソファーから起きると、ふわっとバターの香りが鼻をくすぐった。
香りのする方へ顔を向けると、セナガキさんがパンケーキを焼いているところだった。
「おはよう」
「お…おはようございます…」
見間違いかと思って、目をこすって、眼鏡をかけ直すと、セナガキさんが、ふふっとほほ笑みかけてくれた。
ゆるめの黒のVネックのTシャツに海軍ジャージ。
おしゃれな恰好ではないけど、惚れた弱みってやつかな。
何着ててもかわいく見える。
いい朝だなあ、と思いながら立ち上がって、セナガキさんの後ろに立つ。
「怪我、もう大丈夫なんですか?」
「うん、心配かけてごめんね」
「よかった…」
僕がほっとしたのを見て、セナガキさんは少しほほ笑んだ。
安静にすれば治るとはいえ心配だったから無理言って泊まっちゃったけど、本当に大丈夫そうだ。
「なに?」
「いえ…可愛すぎて見惚れてしまいました」
「…ありがと」
セナガキさんが少し照れくさそうにしながら、パンケーキをサラダの盛られたプレートに盛って、バターと蜂蜜をおしゃれにかけてくれた。
すごくふわふわしてそう。
しかも表面に焼き色でクマの顔の絵が描かれている。
コーヒーと煙草のイメージしかないから、朝にこんなにかわいらしいパンケーキを作るなんて意外すぎてキュンときてしまう。
「もしかして、僕のために…?」
「うん、一緒に食べよう」
「…」
「どうしたの?」
「感動をかみしめてます…」
「朝から忙しいね」
セナガキさんはかわいいしゆるゆるの部屋着だし僕のためにかわいいパンケーキ焼いてくれてるし、朝から心臓が追い付かないくらいキュンキュンする…。
人ってこんなに変わるもんなんだって思うくらい、いつもの殺気立った様子もなく、穏やかだ。
「…カフェオレ?」
「ありがとうございます」
僕のマグカップにコーヒーと温めたミルクを注いでくれる。
ミルク多めで。
僕の好みを分かってくれていることが、たまらなく嬉しい。
セナガキさんは、いつも通り僕のを作り終えてから、自分用に濃いめにブラックコーヒーを淹れた。
「いただきます」
「いただきます」
パンケーキにフォークを刺すと、お店のやつみたいにふわっふわで、甘くておいしい。
「おいしいです」
「よかった」
「セナガキさんって料理できたんですね」
「まあ、そこそこなら」
「すっごくおいしい…生きててよかった」
「そう」
ほら。やっぱり、セナガキさん、雰囲気変わった。
すごく、柔らかく、女性らしくなった気がする。
「今度はなに?」
セナガキさんは僕の顔を覗き込んだ。
「いえ…新婚ってこんな感じなのかなあと思いまして…」
「…何言ってるの」
「僕、今すごく幸せです」
僕がそう言うと、セナガキさんがパンケーキをほおばった。
「今夜また泊ってもいいですか…?」
「今日は私仕事だよ?」
「そうなんですけど…あなたの帰りを待ちたいです」
「…いいけど、無理しないでね、朝稽古あるんだし」
「ありがとうございます!ごちそうさまでした!」
手をパンと合わせて、お皿を片付けて、歯を磨いてさっと着替える。
「セナガキさん」
支度ができてから、皿を洗ってくれているセナガキさんを後ろから抱きしめてみたら、セナガキさんがすこしびくっとした。
「早くしないと遅れるよ」
「いってらっしゃいのキス、してくれませんか?」
「ええっ」
「だって…僕が寝てるときにしてくれたことあったじゃないですか」
「えっ…起きてたの!?」
「お願いしますよ」
「…もう…」
セナガキさんは手を拭いてこっちを見た。
ああ、今は僕の方が身長高いことに気が付いて、少し屈む。
少し緊張しながら、ゆっくり顔を近づけた。
ちゅっ、と、控えめな音がして、唇が離れた。
今度は僕がセナガキさんの口を塞ぐ。
唇を離すと、セナガキさんが顔を真っ赤にしていた。
「ごちそうさまでした!いってきます!」
僕はそう言って、いつも入ってくる窓から訓練場まで月歩で向かった。
僕もしかして今人生のピーク…?
幸せすぎて怖いんですけど…。
AM4:00
海兵の朝は早い。
ソファーから起きると、ふわっとバターの香りが鼻をくすぐった。
香りのする方へ顔を向けると、セナガキさんがパンケーキを焼いているところだった。
「おはよう」
「お…おはようございます…」
見間違いかと思って、目をこすって、眼鏡をかけ直すと、セナガキさんが、ふふっとほほ笑みかけてくれた。
ゆるめの黒のVネックのTシャツに海軍ジャージ。
おしゃれな恰好ではないけど、惚れた弱みってやつかな。
何着ててもかわいく見える。
いい朝だなあ、と思いながら立ち上がって、セナガキさんの後ろに立つ。
「怪我、もう大丈夫なんですか?」
「うん、心配かけてごめんね」
「よかった…」
僕がほっとしたのを見て、セナガキさんは少しほほ笑んだ。
安静にすれば治るとはいえ心配だったから無理言って泊まっちゃったけど、本当に大丈夫そうだ。
「なに?」
「いえ…可愛すぎて見惚れてしまいました」
「…ありがと」
セナガキさんが少し照れくさそうにしながら、パンケーキをサラダの盛られたプレートに盛って、バターと蜂蜜をおしゃれにかけてくれた。
すごくふわふわしてそう。
しかも表面に焼き色でクマの顔の絵が描かれている。
コーヒーと煙草のイメージしかないから、朝にこんなにかわいらしいパンケーキを作るなんて意外すぎてキュンときてしまう。
「もしかして、僕のために…?」
「うん、一緒に食べよう」
「…」
「どうしたの?」
「感動をかみしめてます…」
「朝から忙しいね」
セナガキさんはかわいいしゆるゆるの部屋着だし僕のためにかわいいパンケーキ焼いてくれてるし、朝から心臓が追い付かないくらいキュンキュンする…。
人ってこんなに変わるもんなんだって思うくらい、いつもの殺気立った様子もなく、穏やかだ。
「…カフェオレ?」
「ありがとうございます」
僕のマグカップにコーヒーと温めたミルクを注いでくれる。
ミルク多めで。
僕の好みを分かってくれていることが、たまらなく嬉しい。
セナガキさんは、いつも通り僕のを作り終えてから、自分用に濃いめにブラックコーヒーを淹れた。
「いただきます」
「いただきます」
パンケーキにフォークを刺すと、お店のやつみたいにふわっふわで、甘くておいしい。
「おいしいです」
「よかった」
「セナガキさんって料理できたんですね」
「まあ、そこそこなら」
「すっごくおいしい…生きててよかった」
「そう」
ほら。やっぱり、セナガキさん、雰囲気変わった。
すごく、柔らかく、女性らしくなった気がする。
「今度はなに?」
セナガキさんは僕の顔を覗き込んだ。
「いえ…新婚ってこんな感じなのかなあと思いまして…」
「…何言ってるの」
「僕、今すごく幸せです」
僕がそう言うと、セナガキさんがパンケーキをほおばった。
「今夜また泊ってもいいですか…?」
「今日は私仕事だよ?」
「そうなんですけど…あなたの帰りを待ちたいです」
「…いいけど、無理しないでね、朝稽古あるんだし」
「ありがとうございます!ごちそうさまでした!」
手をパンと合わせて、お皿を片付けて、歯を磨いてさっと着替える。
「セナガキさん」
支度ができてから、皿を洗ってくれているセナガキさんを後ろから抱きしめてみたら、セナガキさんがすこしびくっとした。
「早くしないと遅れるよ」
「いってらっしゃいのキス、してくれませんか?」
「ええっ」
「だって…僕が寝てるときにしてくれたことあったじゃないですか」
「えっ…起きてたの!?」
「お願いしますよ」
「…もう…」
セナガキさんは手を拭いてこっちを見た。
ああ、今は僕の方が身長高いことに気が付いて、少し屈む。
少し緊張しながら、ゆっくり顔を近づけた。
ちゅっ、と、控えめな音がして、唇が離れた。
今度は僕がセナガキさんの口を塞ぐ。
唇を離すと、セナガキさんが顔を真っ赤にしていた。
「ごちそうさまでした!いってきます!」
僕はそう言って、いつも入ってくる窓から訓練場まで月歩で向かった。
僕もしかして今人生のピーク…?
幸せすぎて怖いんですけど…。