#05 紛争
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side.コビー
世界政府と非加盟国の全面戦争に駆り出されることになるとは思わなかった。
銃声。大砲。
追いかけて撃ち殺す兵士。
血を噴き出して倒れる市民。
泣き叫ぶ子供。
火事でもくもくと上がる煙。
焼けた死肉と血の悪臭。
どこにいても死体の山で吐きそうな中、一般市民の安全確保のために船に誘導していく。
気が狂いそうだ。
『…人の命を奪うことに慣れるな』
セナガキさんの言葉をふっと思い出したときだった。
向こうの方に、セナガキさんらしき人が血だまりの中に倒れているのを見つけてしまった。
「セナガキさん…!?」
僕はセナガキさんに駆け寄った。
5歳くらいの子供を抱いて、血を吐いて倒れている。
「セナガキさん!!しっかりしてください!」
子供を引きはがして態勢を変えようとした瞬間、一気に血の気が引いた。
セナガキさんが抱いていた子供が、セナガキさんの胸を短剣で刺していた。
子供は子供とは思えない顔で持っていた短剣を僕に刺そうとする。
僕はそれを弾き飛ばす。
短剣は宙を舞って、向こうの方の地面に刺さった。
「なにしてるんだ!!!」
子供をしかりつけるが、子供は殺気立って僕をにらみつけた。
だめだ、気にはなるけど構ってる場合じゃない。
セナガキさんの手当てをしなきゃ…。
僕はセナガキさんを医療班の軍艦に連れて行こうとしたが、セナガキさんは抵抗して僕を突き飛ばした。
「セナガキさん!!」
「置いてけ…医療班には、診てもらえねえ…」
「何言ってるんですか!
「知ってるだろ…俺は、死んだ人間だから、さ…」
「そんな…!!!」
「俺は、いいから…この子を…連れてってやってくれ…」
僕は迷わず子供を置いてセナガキさんを抱き抱えて走った。
「コビー…!」
「セナガキさんを助けない選択肢は僕の中にありませんから!」
「頼むから…子供を助けてやってくれよ…!!」
セナガキさんが僕の上着を強く握って息も絶え絶えに叫ぶように言った。
「どうして!?あなたを殺そうとしてたんですよ!?」
「そうしねえと生きていけねえ子だっているんだよ!!」
「!」
「…お願いだ…あの子を、助けてやってくれ…俺が、ちゃんと育てるから…!!」
「馬鹿なこと言わないでください!!」
セナガキさんは力尽きて、ふっと気を失った。
子供が僕とセナガキさんをにらんでいる。
セナガキさんの言う通りかもしれない。
この地域で生き残った子供は、きっと親もいなくて、自分の力で戦争を乗り切らないといけないんだ…。
僕はあまり気乗りしないし、どうしてセナガキさんがそこまでこの子にこだわるのか全く理解できないけど、ここでこの子を置いていったら一生恨まれる気がして、子供を肩車して船の方へ走った。
~~~~~~~~~~~~~~~
マリンフォードまでかなり離れていたけど、船で応急処置をしながらなんとか辿りついた。
医療班がダメなら、この人を受け入れて手当てしてくれそうな人は、もう一人しかいない。
僕はセンゴク元帥の部屋の扉をバタンと開けた。
それと同時に、センゴク元帥がこちらを見る。
「失礼します!センゴク元帥…!!お願いします、セナガキさんを助けてください…!!」
ぐったりしたセナガキさんを見て、センゴク元帥はガタッと椅子から立ち上がった。
「セナガキさん、子供を助けようとして、逆に胸を刺されて…!」
「お願いします…!セナガキさんを、助けてください…もうあなたしか!頼れる人はいないんです!!!」
「…ここでしばらく待っていろ」
センゴク元帥はそう言うと、僕の腕からセナガキさんを受け取って部屋を出た。
世界政府と非加盟国の全面戦争に駆り出されることになるとは思わなかった。
銃声。大砲。
追いかけて撃ち殺す兵士。
血を噴き出して倒れる市民。
泣き叫ぶ子供。
火事でもくもくと上がる煙。
焼けた死肉と血の悪臭。
どこにいても死体の山で吐きそうな中、一般市民の安全確保のために船に誘導していく。
気が狂いそうだ。
『…人の命を奪うことに慣れるな』
セナガキさんの言葉をふっと思い出したときだった。
向こうの方に、セナガキさんらしき人が血だまりの中に倒れているのを見つけてしまった。
「セナガキさん…!?」
僕はセナガキさんに駆け寄った。
5歳くらいの子供を抱いて、血を吐いて倒れている。
「セナガキさん!!しっかりしてください!」
子供を引きはがして態勢を変えようとした瞬間、一気に血の気が引いた。
セナガキさんが抱いていた子供が、セナガキさんの胸を短剣で刺していた。
子供は子供とは思えない顔で持っていた短剣を僕に刺そうとする。
僕はそれを弾き飛ばす。
短剣は宙を舞って、向こうの方の地面に刺さった。
「なにしてるんだ!!!」
子供をしかりつけるが、子供は殺気立って僕をにらみつけた。
だめだ、気にはなるけど構ってる場合じゃない。
セナガキさんの手当てをしなきゃ…。
僕はセナガキさんを医療班の軍艦に連れて行こうとしたが、セナガキさんは抵抗して僕を突き飛ばした。
「セナガキさん!!」
「置いてけ…医療班には、診てもらえねえ…」
「何言ってるんですか!
「知ってるだろ…俺は、死んだ人間だから、さ…」
「そんな…!!!」
「俺は、いいから…この子を…連れてってやってくれ…」
僕は迷わず子供を置いてセナガキさんを抱き抱えて走った。
「コビー…!」
「セナガキさんを助けない選択肢は僕の中にありませんから!」
「頼むから…子供を助けてやってくれよ…!!」
セナガキさんが僕の上着を強く握って息も絶え絶えに叫ぶように言った。
「どうして!?あなたを殺そうとしてたんですよ!?」
「そうしねえと生きていけねえ子だっているんだよ!!」
「!」
「…お願いだ…あの子を、助けてやってくれ…俺が、ちゃんと育てるから…!!」
「馬鹿なこと言わないでください!!」
セナガキさんは力尽きて、ふっと気を失った。
子供が僕とセナガキさんをにらんでいる。
セナガキさんの言う通りかもしれない。
この地域で生き残った子供は、きっと親もいなくて、自分の力で戦争を乗り切らないといけないんだ…。
僕はあまり気乗りしないし、どうしてセナガキさんがそこまでこの子にこだわるのか全く理解できないけど、ここでこの子を置いていったら一生恨まれる気がして、子供を肩車して船の方へ走った。
~~~~~~~~~~~~~~~
マリンフォードまでかなり離れていたけど、船で応急処置をしながらなんとか辿りついた。
医療班がダメなら、この人を受け入れて手当てしてくれそうな人は、もう一人しかいない。
僕はセンゴク元帥の部屋の扉をバタンと開けた。
それと同時に、センゴク元帥がこちらを見る。
「失礼します!センゴク元帥…!!お願いします、セナガキさんを助けてください…!!」
ぐったりしたセナガキさんを見て、センゴク元帥はガタッと椅子から立ち上がった。
「セナガキさん、子供を助けようとして、逆に胸を刺されて…!」
「お願いします…!セナガキさんを、助けてください…もうあなたしか!頼れる人はいないんです!!!」
「…ここでしばらく待っていろ」
センゴク元帥はそう言うと、僕の腕からセナガキさんを受け取って部屋を出た。