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序.前線へ

地面に横たわる深緑色。
その後に跡形もなく消え去り、一つだけ落ちている宝石・・
「倒せど倒せど元の色には戻りませんねー。なんなら余計にくすむばかりだ」
琥珀色の瞳の男が同じ瞳の女に言う。
女は能面の様に表情を変化させることなく、影のみで微笑う・・・
「我らが女王に悟られてはならぬ・・・・・・・・のだから仕方なき事よ。今日も彼女は頑張っておられるのだから」
答えになっていない応えに、男は苦笑しつつも「目的は同じですから別にいいんですけどね」と呟く。
―嗚呼、この世界の人が本当・・の事を知ったらどうなるのかなー。今の奴らにも教えてからにすればよかったのかなー
男はポケットから取り出した今にも朽ちてしまいそうな紙の束を取り出すと印を付けていく。
「にしても、ここ最近増えてませんか?後数百年で終わりそうだと思ったのにありえないペースで増加してますよ」
「あの馬鹿が、同盟を破り人間なんぞと手を組むからだ…維持できないからと敵の母体数まで増やしおって。お前と我だけでは足りぬ…」
ちゃんとこの人の戦力に入れてもらえているのだと、安心した男は花が咲きそうな程の笑みを浮かべる。
「それじゃあ、そろそろ帰りましょうか!長い事席を外すと女王様とその他大勢に怪しまれますから!」
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