アイドルと出会いました
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「〜〜〜♪」
私は小さい頃からアイドルになりたかった。
女の子なら1度は憧れるであろう存在に例に漏れず私もなりたかった。
でも現実は悲しいかな顔も大したこと無ければ歌唱力がある訳でも踊りが上手いわけでもなく、入学した学校は何故か男子校。
結局憧れで終わ……らなかった。
高校生になった私は今でも歌うのが大好きだし踊るのも好きでこうして人気のない場所を見つけては1人でアイドルごっこをしていた。
観客はいつも0人、一体何がダメだったんでしょうかねー。
たまに来るのは小鳥くらい、この時はアイドルではなくプリンセスになった気分だ。
しかしレッスンもした事が無い所詮素人が見様見真似でやっている真似事で見られるのは恥ずかしし秘密がばれるわけにも行かないので今日もひっそりと楽しんでいた。
「あ〜やっぱこのアニメの曲最高だなぁ……」
これから彼女の人生を大きく変える出会いがあるとは知らずに。
────
そんなユウの運命を大きく変える人物は今日も校内で陽キャのパリピ軍団とのエンカウントを避けながら歩いていた。
(あいつらのエンカウント率ほんとおかしいって……雑魚敵並に頻繁に出てくる癖に仲間呼びもするししかも逃げる選択しても逃げられないし……勝手に逃げてくメタルスライムを見習って欲しいですわほんと……)
そんな陽キャに対する愚痴をブツブツと唱えながら歩いているとどこかから聞き覚えのある曲、正確には歌声が聞こえてきた。
(うわなっつ……これ昔ネット内でめちゃくちゃ流行ってたアニメの曲じゃね?今どきこの曲知ってる人なんて学内に居たんだ……これは拙者と並ぶ中々の猛者とお見受けした。一体どんなフレンズが歌っていらっしゃるのか……あ、あわよくば友達に……なんて……ぐふふ……)
そんなことを考えながらイデアは歌声の人物を見た瞬間きゅうりを見た猫が如く驚きのあまり飛び退いて急いで物陰に隠れた。
「え、え、え、あれうちの寮の子だよね?とととととというかあの子って……」
そう、イデアが驚いたのには理由がある。
ユウはイグニハイド寮生でありこの学園唯一の女子なのである。
手違いでも何でもなく間違いなく魔法の鏡によって選ばれイグニハイド寮に配属された前代未聞の人物、それがユウであった。
その事を知った学園側は男装をして過ごす事を条件に入学を許可した。
こんなにもあっさり条件1つで彼女の入学が決まったのはきっと今の学園長が"優しいから"である。
この事実を知っているのはユウが配属された先のイグニハイド寮生のみ。
イグニハイド寮生は他の寮生との交流があまりない為口が堅い、と信頼されこの事が知らされていた。
最初伝えられた時もちろん皆混乱していた。
こんな飢えた野獣の巣窟に女子一人ってそれなんてエロゲ!?うちの寮って事はお、お、おお近付きになれたり?あわよくばがあったり?
なんてことを考えていたが勿論そんなことも無く、女子と話した事が少ない人物が集まるイグニハイド寮では数日こそ色めき立ち湧き上がったものの日にちが経つ事に自分たちには無理と悟り特に何も起こらなかった。
そんなある意味でイグニハイド生限定で有名人の彼女が目の前で楽しそうに歌いながら踊っていた。
初めて経験するの光景に思わずイデアは目を奪われ物陰からユウを見つめていた。
「ふぅ……」
「あ、き、君うちの寮の人だよね? その曲好きなの……? それあれだよね、昔ネットで流行ってたアニメの曲だよね?」
(え、拙者今何やってる? まさか話しかけてたりしないよね? あれ?)
気がつけば曲が終わると同時にイデアは声をかけていた、考えるより先に同士かもしれない相手、しかも女子にめぐりあえた喜びから声をかけていたのである。
「あ、き、急に声来てごめん、拙者……じゃなくて僕もその曲好きで振りも踊りも完璧だったから……」
(あばばばばやばいって、やっちゃったって、あーあ完全に拙者の人生終わりましたわ。馴れ馴れしすぎるしよくよく考えたらアニメ見てるとは限らなくね? たまたま知ってたとかそういうパターンの場合もあるよね? 絶対キモいって思われたリアル訳あり男装女子とか超レア属性の女子に嫌われたとか生きていけない。無理、穴があったら引きこもりたい……)
そんなイデアの心情とは裏腹にこちらも相当焦っていた。
(ひ、ヒエ〜www見られてたンゴwwwしかもうちの寮長wwwオワタwww私の学生生活終わったナリwww)
そう、彼女はイグニハイド生。
なんと言ってもイグニハイド生、ユウも立派なオタクであった。
「は、はい! ありがとうございます。このアニメ当時リアタイで視聴しててそこからずっと好きで特に1期のOPが超好きで神曲過ぎて未だに歌も踊りも覚えてて……あの、イデア先輩もお好きなんですか……?」
(やばい今完全聞かれてない部分まで無駄に答えたしかも早口)
「え、めちゃくちゃ好き……しかもリアタイで視聴していたとは羨ましい……さては君相当ガチ勢ですな? いやぁまさかこの学園に知ってる人が居るなんて思わなくて驚かせてしまい申し訳ない」
((この人もしかして……))
この時2人は同じ事を思っていた、この人は自分と同士だと。
オタクとオタクは惹かれ合うのだ。
「いえ、こちらこそお恥ずかしいところをお見せし致しました……」
「そ、そんなことないよ! あの……君から拙者同じ波動を感じているんだけど、あ、アニメとか好きだったりする……? も、もし違ったらごめん! 拙者の事は綺麗すっぱり忘れて残りのキャンパスライフを謳歌して下され!」
(き、聞いてしまった、いやでも間違いないこの話し方このオーラは拙者と同じ陰の者…! 間違いない、拙者の過去の経験の賜物である陰キャレーダーがビンビンに反応している……!)
ユウは嬉しかった、密かにかっこいいと思っていたイデアがまさか自分と同じくオタクでしかも自分の大好きな作品を知っていることに全身の体温が一気に上がるのをかんじた
「全然違くないです! イデア先輩のお察しの通り私もお、オタクです!」
「や、やっぱり!?良かった〜! これでえ、違いますよ……って言われた日には今すぐここで闇堕ちするかと思いましたぞwwwいや〜拙者の目は狂っていなかったようでござるな!この曲振りまで踊れるのは絶対そうだと思ったんだよね、でゅふふwww他はどんな系統のアニメをご視聴で? あ、ゲームとかもやっていたり?」
陰キャは仲間をみつかると距離の詰め方が異常に早いのである。
そして口調も早いのである。
「バリバリやってますよ! 昔からアニメもアイドル系が好きで最近はどっちもソシャゲで沢山出てるから毎日アプリの行き来だけで時間があっという間に立ってて……!」
「あ〜めちゃくちゃ分かりますわ〜アイドル系って音ゲー多いしイベント重なると特に大変だよね。1日48時間くらい欲しくない?」
「欲しいです、オタクやってると時間感覚おかしくないですか? 何やっててもすぐ時間経つんですけどオタクって絶対1日短く設定されてますよね?不平等じゃないですか?」
「ぶふぉwww分かりみwwwこの試合終わったら寝ようって思って時計みたら1時間経ってるのってそういうことだったんですね、謎が解けましたわwww」
2人の会話は止まらなかった、今まで我慢していた話を思いっきり互いに話し合っていた。
イデアは3年間溜まっていた分を、ユウは抱えている秘密のせいで中々人と関わることに踏み出せなかった分を思い切り。
気がつけば辺りは暗くなっていた。
「あ、もうこんな時間なんですね……先輩今日ありがとうございました、凄く楽しかったです! 私ご存知の通りの境遇なので友達全然居なくて……色々お話出来て楽しかったです! あ、先輩に対していきなり友達なんて失礼でしたよね…今更ですけど私と友達になって頂けますか…?」
(と、友達……! この学園に入学してからいい事なんて1つもなかった拙者につ、遂に友人が、しかも女子の……! え、もしかしてこの子拙者の事好きなんじゃね?拙者もついにリア充の仲間入り?すまない、ネッ友よ拙者は一足先に"あちら側"でまっていよう)
オタク特有の勘違いによりイデアの頭の中ではイキリオタクワールドが展開されていた
「むしろ拙者達前世からの友だったのでは? と言うくらいユウ氏にシンパシーを感じている件について。無論是非友達からよろしくお願いしますぞ」
「ふふ、よろしくお願いします!」
「じ、じゃぁもう暗いし自室に戻りますか。ふひひ、ユウ氏は着いてますなぁ、陰キャ専用ルートをご案内致しますぞ」
私は小さい頃からアイドルになりたかった。
女の子なら1度は憧れるであろう存在に例に漏れず私もなりたかった。
でも現実は悲しいかな顔も大したこと無ければ歌唱力がある訳でも踊りが上手いわけでもなく、入学した学校は何故か男子校。
結局憧れで終わ……らなかった。
高校生になった私は今でも歌うのが大好きだし踊るのも好きでこうして人気のない場所を見つけては1人でアイドルごっこをしていた。
観客はいつも0人、一体何がダメだったんでしょうかねー。
たまに来るのは小鳥くらい、この時はアイドルではなくプリンセスになった気分だ。
しかしレッスンもした事が無い所詮素人が見様見真似でやっている真似事で見られるのは恥ずかしし秘密がばれるわけにも行かないので今日もひっそりと楽しんでいた。
「あ〜やっぱこのアニメの曲最高だなぁ……」
これから彼女の人生を大きく変える出会いがあるとは知らずに。
────
そんなユウの運命を大きく変える人物は今日も校内で陽キャのパリピ軍団とのエンカウントを避けながら歩いていた。
(あいつらのエンカウント率ほんとおかしいって……雑魚敵並に頻繁に出てくる癖に仲間呼びもするししかも逃げる選択しても逃げられないし……勝手に逃げてくメタルスライムを見習って欲しいですわほんと……)
そんな陽キャに対する愚痴をブツブツと唱えながら歩いているとどこかから聞き覚えのある曲、正確には歌声が聞こえてきた。
(うわなっつ……これ昔ネット内でめちゃくちゃ流行ってたアニメの曲じゃね?今どきこの曲知ってる人なんて学内に居たんだ……これは拙者と並ぶ中々の猛者とお見受けした。一体どんなフレンズが歌っていらっしゃるのか……あ、あわよくば友達に……なんて……ぐふふ……)
そんなことを考えながらイデアは歌声の人物を見た瞬間きゅうりを見た猫が如く驚きのあまり飛び退いて急いで物陰に隠れた。
「え、え、え、あれうちの寮の子だよね?とととととというかあの子って……」
そう、イデアが驚いたのには理由がある。
ユウはイグニハイド寮生でありこの学園唯一の女子なのである。
手違いでも何でもなく間違いなく魔法の鏡によって選ばれイグニハイド寮に配属された前代未聞の人物、それがユウであった。
その事を知った学園側は男装をして過ごす事を条件に入学を許可した。
こんなにもあっさり条件1つで彼女の入学が決まったのはきっと今の学園長が"優しいから"である。
この事実を知っているのはユウが配属された先のイグニハイド寮生のみ。
イグニハイド寮生は他の寮生との交流があまりない為口が堅い、と信頼されこの事が知らされていた。
最初伝えられた時もちろん皆混乱していた。
こんな飢えた野獣の巣窟に女子一人ってそれなんてエロゲ!?うちの寮って事はお、お、おお近付きになれたり?あわよくばがあったり?
なんてことを考えていたが勿論そんなことも無く、女子と話した事が少ない人物が集まるイグニハイド寮では数日こそ色めき立ち湧き上がったものの日にちが経つ事に自分たちには無理と悟り特に何も起こらなかった。
そんなある意味でイグニハイド生限定で有名人の彼女が目の前で楽しそうに歌いながら踊っていた。
初めて経験するの光景に思わずイデアは目を奪われ物陰からユウを見つめていた。
「ふぅ……」
「あ、き、君うちの寮の人だよね? その曲好きなの……? それあれだよね、昔ネットで流行ってたアニメの曲だよね?」
(え、拙者今何やってる? まさか話しかけてたりしないよね? あれ?)
気がつけば曲が終わると同時にイデアは声をかけていた、考えるより先に同士かもしれない相手、しかも女子にめぐりあえた喜びから声をかけていたのである。
「あ、き、急に声来てごめん、拙者……じゃなくて僕もその曲好きで振りも踊りも完璧だったから……」
(あばばばばやばいって、やっちゃったって、あーあ完全に拙者の人生終わりましたわ。馴れ馴れしすぎるしよくよく考えたらアニメ見てるとは限らなくね? たまたま知ってたとかそういうパターンの場合もあるよね? 絶対キモいって思われたリアル訳あり男装女子とか超レア属性の女子に嫌われたとか生きていけない。無理、穴があったら引きこもりたい……)
そんなイデアの心情とは裏腹にこちらも相当焦っていた。
(ひ、ヒエ〜www見られてたンゴwwwしかもうちの寮長wwwオワタwww私の学生生活終わったナリwww)
そう、彼女はイグニハイド生。
なんと言ってもイグニハイド生、ユウも立派なオタクであった。
「は、はい! ありがとうございます。このアニメ当時リアタイで視聴しててそこからずっと好きで特に1期のOPが超好きで神曲過ぎて未だに歌も踊りも覚えてて……あの、イデア先輩もお好きなんですか……?」
(やばい今完全聞かれてない部分まで無駄に答えたしかも早口)
「え、めちゃくちゃ好き……しかもリアタイで視聴していたとは羨ましい……さては君相当ガチ勢ですな? いやぁまさかこの学園に知ってる人が居るなんて思わなくて驚かせてしまい申し訳ない」
((この人もしかして……))
この時2人は同じ事を思っていた、この人は自分と同士だと。
オタクとオタクは惹かれ合うのだ。
「いえ、こちらこそお恥ずかしいところをお見せし致しました……」
「そ、そんなことないよ! あの……君から拙者同じ波動を感じているんだけど、あ、アニメとか好きだったりする……? も、もし違ったらごめん! 拙者の事は綺麗すっぱり忘れて残りのキャンパスライフを謳歌して下され!」
(き、聞いてしまった、いやでも間違いないこの話し方このオーラは拙者と同じ陰の者…! 間違いない、拙者の過去の経験の賜物である陰キャレーダーがビンビンに反応している……!)
ユウは嬉しかった、密かにかっこいいと思っていたイデアがまさか自分と同じくオタクでしかも自分の大好きな作品を知っていることに全身の体温が一気に上がるのをかんじた
「全然違くないです! イデア先輩のお察しの通り私もお、オタクです!」
「や、やっぱり!?良かった〜! これでえ、違いますよ……って言われた日には今すぐここで闇堕ちするかと思いましたぞwwwいや〜拙者の目は狂っていなかったようでござるな!この曲振りまで踊れるのは絶対そうだと思ったんだよね、でゅふふwww他はどんな系統のアニメをご視聴で? あ、ゲームとかもやっていたり?」
陰キャは仲間をみつかると距離の詰め方が異常に早いのである。
そして口調も早いのである。
「バリバリやってますよ! 昔からアニメもアイドル系が好きで最近はどっちもソシャゲで沢山出てるから毎日アプリの行き来だけで時間があっという間に立ってて……!」
「あ〜めちゃくちゃ分かりますわ〜アイドル系って音ゲー多いしイベント重なると特に大変だよね。1日48時間くらい欲しくない?」
「欲しいです、オタクやってると時間感覚おかしくないですか? 何やっててもすぐ時間経つんですけどオタクって絶対1日短く設定されてますよね?不平等じゃないですか?」
「ぶふぉwww分かりみwwwこの試合終わったら寝ようって思って時計みたら1時間経ってるのってそういうことだったんですね、謎が解けましたわwww」
2人の会話は止まらなかった、今まで我慢していた話を思いっきり互いに話し合っていた。
イデアは3年間溜まっていた分を、ユウは抱えている秘密のせいで中々人と関わることに踏み出せなかった分を思い切り。
気がつけば辺りは暗くなっていた。
「あ、もうこんな時間なんですね……先輩今日ありがとうございました、凄く楽しかったです! 私ご存知の通りの境遇なので友達全然居なくて……色々お話出来て楽しかったです! あ、先輩に対していきなり友達なんて失礼でしたよね…今更ですけど私と友達になって頂けますか…?」
(と、友達……! この学園に入学してからいい事なんて1つもなかった拙者につ、遂に友人が、しかも女子の……! え、もしかしてこの子拙者の事好きなんじゃね?拙者もついにリア充の仲間入り?すまない、ネッ友よ拙者は一足先に"あちら側"でまっていよう)
オタク特有の勘違いによりイデアの頭の中ではイキリオタクワールドが展開されていた
「むしろ拙者達前世からの友だったのでは? と言うくらいユウ氏にシンパシーを感じている件について。無論是非友達からよろしくお願いしますぞ」
「ふふ、よろしくお願いします!」
「じ、じゃぁもう暗いし自室に戻りますか。ふひひ、ユウ氏は着いてますなぁ、陰キャ専用ルートをご案内致しますぞ」
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