"密輸四天王"シリーズ
1. ~密輸四天王の初会合~
漢 は非常に機嫌が悪かった。
何故 ならば、ボスと2人きりで
酒を飲み交わすと思っていたのに、
ボスの物真似をした奴と、
能面 を付けた野郎が相席していたからだ。
「ボス‼︎コイツら誰アルネ!」
「俺ノツレダ。安心シロ。」
ボスは2人に自己紹介をするように促した。
---------✄----------------✄-------
「それジャあ、マズワ俺だネ」
そう言って立ち上がったのは、
ボスの物真似をしている奴。
ボスと違うところと言えば、
イヌのマスクを付けていないくらいだ。
「俺ワ情報屋ッテ呼ばレテいるネ‼︎
俺と出会ッタ人皆んナ友達ダヨ~」
「お前何でボスと同じ格好カ⁉︎
弁髪 まで真似して気に食わないネ‼︎」
あぁ~コレね、と情報屋は
口角をニヤッと上げた。
「何かあッタ時、ボスのセイに出来るデショ?
コレ非常に便利ネ~!」
漢は腰に吊るしていた剣を迷わず抜き、
情報屋に勢いよく迫る。
「漢ヤメロ。コイツワ、
コウイウ冗談ヲ言ウ奴ナンダ。」
仲良くしてやってくれ、と
ボスは漢の肩を叩いた。
ボスの頼みならば仕方がない。
漢は納得出来ない面持ちのまま
渋々 、剣をソードホルダーにしまった。
---------✄----------------✄-------
情報屋の自己紹介が終わるや否や、
音もなく立ち上がったのは、あの能面野郎。
「…シリアルキラー」
それだけ言って、また座った。
漢は思わず身震いした。
コイツだけは絶対に怒らせてはいけない。
殺伐 とした雰囲気、
身体 中に飛び散るカラフルな血、
そして何処 を見ているのか、
男なのか女なのか、
笑っているのか怒っているのか、
何1つ掴めないその姿に漢は困惑した。
「はッハッはっ、怖ガらセナいヨ~」
「………」
「シリアルキラー、申シ訳ナサソウダナ」
「ほラホら、気持チだケじャ伝ワラないヨ‼︎」
何故、ボスと情報屋はコイツの感情が
読み取れるんだろう。
漢は不思議に思うと同時に、
自分はまだまだ武闘派として
未熟なのかもしれないと感じた。
---------✄----------------✄-------
初会合がゴタつきながら終わった後、
ボスは全員が乗れる自家用寝台列車を
走らせてくれた。
情報屋とシリアルキラーは
騒がしい様子で先に乗車して行った。
(と言っても喋っているのは殆 ど情報屋だったが)
「ボス。俺、いつかシリアルキラーを倒して、
もっともっと強くならねばいけないアル。」
ボスはその言葉に驚いた様子を少し見せたが、
直 ぐにフッと笑ってこう言った。
「俺タチワ、モウ四天王トイウ仲間ダゼ?
争ッテ勝チ負ケヲ決メルノワ
目的ジャナインダ。」
「オマエワ俺ガ見込ンダ漢 ダ。
コレ以上言葉ワ要ラナイダロウ。」
ボスのその言葉を聞いて、
漢 はこの4人でやっていくのも
悪くはないのかもしれないと思った。
ボスが俺を見込んでくれたのだから。
「オい‼︎漢~!お前時間にルーずダなァ。
遅延料シッかリ払エよな‼︎」
…やっぱり撤回。
「情報屋‼︎呼び捨て辞めろネ‼︎」
「アれ⁉︎キレてンの‼︎漢だケにカンカンね‼︎」
「貴様~‼︎やっぱり斬るアル‼︎」
やれやれ、とボスは笑みを溢 すのであった。
-つづく
酒を飲み交わすと思っていたのに、
ボスの物真似をした奴と、
「ボス‼︎コイツら誰アルネ!」
「俺ノツレダ。安心シロ。」
ボスは2人に自己紹介をするように促した。
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「それジャあ、マズワ俺だネ」
そう言って立ち上がったのは、
ボスの物真似をしている奴。
ボスと違うところと言えば、
イヌのマスクを付けていないくらいだ。
「俺ワ情報屋ッテ呼ばレテいるネ‼︎
俺と出会ッタ人皆んナ友達ダヨ~」
「お前何でボスと同じ格好カ⁉︎
あぁ~コレね、と情報屋は
口角をニヤッと上げた。
「何かあッタ時、ボスのセイに出来るデショ?
コレ非常に便利ネ~!」
漢は腰に吊るしていた剣を迷わず抜き、
情報屋に勢いよく迫る。
「漢ヤメロ。コイツワ、
コウイウ冗談ヲ言ウ奴ナンダ。」
仲良くしてやってくれ、と
ボスは漢の肩を叩いた。
ボスの頼みならば仕方がない。
漢は納得出来ない面持ちのまま
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情報屋の自己紹介が終わるや否や、
音もなく立ち上がったのは、あの能面野郎。
「…シリアルキラー」
それだけ言って、また座った。
漢は思わず身震いした。
コイツだけは絶対に怒らせてはいけない。
そして
男なのか女なのか、
笑っているのか怒っているのか、
何1つ掴めないその姿に漢は困惑した。
「はッハッはっ、怖ガらセナいヨ~」
「………」
「シリアルキラー、申シ訳ナサソウダナ」
「ほラホら、気持チだケじャ伝ワラないヨ‼︎」
何故、ボスと情報屋はコイツの感情が
読み取れるんだろう。
漢は不思議に思うと同時に、
自分はまだまだ武闘派として
未熟なのかもしれないと感じた。
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初会合がゴタつきながら終わった後、
ボスは全員が乗れる自家用寝台列車を
走らせてくれた。
情報屋とシリアルキラーは
騒がしい様子で先に乗車して行った。
(と言っても喋っているのは
「ボス。俺、いつかシリアルキラーを倒して、
もっともっと強くならねばいけないアル。」
ボスはその言葉に驚いた様子を少し見せたが、
「俺タチワ、モウ四天王トイウ仲間ダゼ?
争ッテ勝チ負ケヲ決メルノワ
目的ジャナインダ。」
「オマエワ俺ガ見込ンダ
コレ以上言葉ワ要ラナイダロウ。」
ボスのその言葉を聞いて、
悪くはないのかもしれないと思った。
ボスが俺を見込んでくれたのだから。
「オい‼︎漢~!お前時間にルーずダなァ。
遅延料シッかリ払エよな‼︎」
…やっぱり撤回。
「情報屋‼︎呼び捨て辞めろネ‼︎」
「アれ⁉︎キレてンの‼︎漢だケにカンカンね‼︎」
「貴様~‼︎やっぱり斬るアル‼︎」
やれやれ、とボスは笑みを
-つづく
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