第一話 学園のはじまり
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「……ちっ」
観念したグレンが、本性を曝け出すように舌打ちした。
「ペラペラ、おしゃべりな野郎だな。俺の目的は、おまえとは違う。
俺を巻き込むな」
「あ、もう敬語やめるんだ。じゃ友達?友達になる?」
「うるせえ」
グレンは即答した。
深夜は楽しそうに笑う。
「どうせ、ここでは僕くらいしか仲間はいないんだ」
そう言って、深夜が手を差し出す。
「よろしく、グレン」
グレンはその手を見た。
そして――
パシッ。
差し出された手を払いのける。
「俺に近づくな」
「……はは」
深夜は手を引っ込める。
怒るでもなく、むしろ面白そうに笑った。
「そっか」
そして、ふとグレンの後ろへ視線を向ける。
「……あ」
グレンが眉を寄せる。
「なんだよ」
深夜は、グレンの前の席にいる少女を見た。
今朝、グレンと一緒にいた子。
先程からちょっと、自分に殺気立てている子。
表情までは見せないけれど。
今まで二人の会話に入ることなく、静かに席に座っていた。
水森トワ。
深夜は少しだけ目を細めた。
「でも君は――」
そしてグレンを見る。
「一人じゃなかったね。君は誰?」
トワはその視線に気づいた。躊躇うも、振り返ると、深夜と目が合う。
「……私?」
「うん」
深夜が笑う。
「グレンの友達?」
グレンの表情は、変化は分かりづらいけど、怒ってる。
話しをふられるとは思っていなかったため、振り返ってしまった自分に苛立つ。
無視すればよかった。でも、殺気立ててたのに、軽々入ってきた。
嫌われてよかったのに。でも、もう答えない方が不自然だし、今朝の状況見られてる。
従者?従者なのに「グレン」呼びはおかしいし、グレンを慕ってるわけでもない。
トワは少し考えてから答える。
「……まあ、友達かな」
コイツと同じように、グレンの許嫁と堂々と出来ればどれほど楽なんだろう。
気持ちが落ち込むのは、バレたらダメ。
「へぇ」
深夜がグレンを見る。
「友達なんだ?」
「……」
グレンは答えない。
「なんだよ」
深夜が楽しそうに笑う。
「いや、別に」
トワは二人のやり取りを見て、少しだけ首を傾げた。
「何?」
「なんでもないよ」
深夜はそう言って、トワに笑いかける。
「よろしくね、トワ」
「……うん」
それだけ言って、トワは前を向いた。
深夜もそれ以上は何も言わなかった。
けれど――
「……」
グレンの隣で、深夜は少しだけ考える。
一瀬グレン。
そして、その前にいるトワは、グレンのことをよく分かっているようだった。
――友達、か。
深夜は小さく笑った。
一方のグレンは、そんな深夜を横目で見る。
「……何笑ってんだよ」
「別に?」
「気持ち悪いな」
「ひどいなぁ」
入学式、立派な講堂で行われる。
長い話を聞き、校長の話しを聞く。そして、生徒代表――柊真昼。
堂々とした姿勢に、凛と強く美しいその姿は、男子のみならず女子の憧れの的にもなる。
トワを除いて。
(あれが……柊真昼)
グレンが好きな相手。グレンを好きな子。
両想いな筈なのに、分家と本家という運命だけで結ばれない二人。
そして、柊深夜の許嫁。
「……」
ふと、視線を感じた。顔を上げると、列の前の方の深夜が得意気に顔をニヤつかせている。
自分の後ろにいるグレンにでも、挑発してるように。
グレンが、また舌打ちしている。
入学式も終わり、何とか今日は乗り切れそうだ。
「帰るぞ、トワ」
グレンに声をかけられ、振り返る。
朝、あんな話をしたから、てっきり一人かと思ったけど。
否定する義理もないので、頷いた。
「わかった」
グレンの後ろにつくトワ。
そんな二人を、深夜はジーッと観察していた。
(……友達、ねぇ……)
観念したグレンが、本性を曝け出すように舌打ちした。
「ペラペラ、おしゃべりな野郎だな。俺の目的は、おまえとは違う。
俺を巻き込むな」
「あ、もう敬語やめるんだ。じゃ友達?友達になる?」
「うるせえ」
グレンは即答した。
深夜は楽しそうに笑う。
「どうせ、ここでは僕くらいしか仲間はいないんだ」
そう言って、深夜が手を差し出す。
「よろしく、グレン」
グレンはその手を見た。
そして――
パシッ。
差し出された手を払いのける。
「俺に近づくな」
「……はは」
深夜は手を引っ込める。
怒るでもなく、むしろ面白そうに笑った。
「そっか」
そして、ふとグレンの後ろへ視線を向ける。
「……あ」
グレンが眉を寄せる。
「なんだよ」
深夜は、グレンの前の席にいる少女を見た。
今朝、グレンと一緒にいた子。
先程からちょっと、自分に殺気立てている子。
表情までは見せないけれど。
今まで二人の会話に入ることなく、静かに席に座っていた。
水森トワ。
深夜は少しだけ目を細めた。
「でも君は――」
そしてグレンを見る。
「一人じゃなかったね。君は誰?」
トワはその視線に気づいた。躊躇うも、振り返ると、深夜と目が合う。
「……私?」
「うん」
深夜が笑う。
「グレンの友達?」
グレンの表情は、変化は分かりづらいけど、怒ってる。
話しをふられるとは思っていなかったため、振り返ってしまった自分に苛立つ。
無視すればよかった。でも、殺気立ててたのに、軽々入ってきた。
嫌われてよかったのに。でも、もう答えない方が不自然だし、今朝の状況見られてる。
従者?従者なのに「グレン」呼びはおかしいし、グレンを慕ってるわけでもない。
トワは少し考えてから答える。
「……まあ、友達かな」
コイツと同じように、グレンの許嫁と堂々と出来ればどれほど楽なんだろう。
気持ちが落ち込むのは、バレたらダメ。
「へぇ」
深夜がグレンを見る。
「友達なんだ?」
「……」
グレンは答えない。
「なんだよ」
深夜が楽しそうに笑う。
「いや、別に」
トワは二人のやり取りを見て、少しだけ首を傾げた。
「何?」
「なんでもないよ」
深夜はそう言って、トワに笑いかける。
「よろしくね、トワ」
「……うん」
それだけ言って、トワは前を向いた。
深夜もそれ以上は何も言わなかった。
けれど――
「……」
グレンの隣で、深夜は少しだけ考える。
一瀬グレン。
そして、その前にいるトワは、グレンのことをよく分かっているようだった。
――友達、か。
深夜は小さく笑った。
一方のグレンは、そんな深夜を横目で見る。
「……何笑ってんだよ」
「別に?」
「気持ち悪いな」
「ひどいなぁ」
入学式、立派な講堂で行われる。
長い話を聞き、校長の話しを聞く。そして、生徒代表――柊真昼。
堂々とした姿勢に、凛と強く美しいその姿は、男子のみならず女子の憧れの的にもなる。
トワを除いて。
(あれが……柊真昼)
グレンが好きな相手。グレンを好きな子。
両想いな筈なのに、分家と本家という運命だけで結ばれない二人。
そして、柊深夜の許嫁。
「……」
ふと、視線を感じた。顔を上げると、列の前の方の深夜が得意気に顔をニヤつかせている。
自分の後ろにいるグレンにでも、挑発してるように。
グレンが、また舌打ちしている。
入学式も終わり、何とか今日は乗り切れそうだ。
「帰るぞ、トワ」
グレンに声をかけられ、振り返る。
朝、あんな話をしたから、てっきり一人かと思ったけど。
否定する義理もないので、頷いた。
「わかった」
グレンの後ろにつくトワ。
そんな二人を、深夜はジーッと観察していた。
(……友達、ねぇ……)