第二話 交わる刃
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グレンのいない教室。
(…帰り、グレンの迎えにいこう)
その前に、一組と二組の方に、従者を迎えに行かないと。
あの二人が困るだろう。
「トワ」
「……」
グレンじゃない、そして、小百合と時雨の呼び方とも違う。
「トワ」
「……」
斜め後ろのアイツ、柊深夜。
「トワ」
三度呼ばれ、さすがにうざく感じる。
殺そうとした相手に、よく声をかけられるな。
「……話しかけないで」
深夜は一度、口を閉じた。
さすがに怒らせたらしい。
「……ごめん。怒らせるつもりなかったんだけど」
「……」
「あのさ」
トワがちらっと深夜を見る。
「……もしかして」
深夜が少しだけ首を傾げる。
「グレンが好きだった?」
「……ッ!?」
「あ、ビンゴ?」
深刻そうな表情で謝ってきたと思った瞬間にこれだ。
グレンがいない間に告げてしまおうか?
いや……グレンが、嫌がる。
「ち、違う……」
「ふ〜ん?」
言葉と、深夜のニヤニヤした表情が一致してない。
「僕には隠さなくていいのに」
「……なんで、そう思ったの」
「だってさ」
深夜は、さっきのトワの顔を思い出す。
「あんな顔して、グレンを守ろうとするから」
「……」
「友達ってだけじゃ、あんなことしないでしょ?
グレンの従者ってわけでもなさそうだし」
「……知らない」
「君とグレン、どっちが強い?」
「グレン」
「へ〜?」
久しぶりに散々な1日だった。
やはりこの学校は、生徒が……いや、お偉い柊家様との仲良し家柄でないものは、
たぶんどうでもよくて、さらにその下にいる一瀬家は本当にどうでもいいのだろう。
仮にここでグレンやトワがどうなったところで、困りはしないのだ。
珍しくトワが小百合と時雨を迎えに行くと、二人は驚きながらも嬉しそうにしてくれた。
まぁ、一緒に医務室行く理由を話したら、すぐさまグレンの所に行くのはさすが従者。
迎えに行った頃には、グレンはすっかり体調はよさそうだ。
「グレン様、大丈夫ですか?」
小百合が涙目になりながら聞いた。
「大丈夫だ。ちょっと失敗したが、体は動く」
「グレン様を怪我させたその、柊深夜を私追いかけます」
「やめろ、時雨。怪我人が増えるだけだ」
「しかし……」
「帰ったら、また修練場で相手してくれ」
「わかりました」
トワたちが来る前、グレンはここで真昼と会っていた。
彼女達と真昼を、鉢合わせすることなくすんでほんの少し助かった。
トワは小百合と時雨と一緒に話しに入ってくる様子がない。
「……」
トワは、グレンの姿を見つめる。
本当は、今すぐ抱きつきたかった。
無事だったことが嬉しくて。
怖かったことを全部吐き出したくて。
でも、動けなかった。
本当は心配で、許嫁なんだから、お互い抱きしめたっておかしくないのに。
「……俺がいない教室で、何かやらかしたか、トワ?」
トワはビクッと、体を震わす。
「……な、何もしてないよ」
「そうか?」
グレンが立ち上がる。
(……ダメ)
さっき深夜に言われた言葉が、頭から離れない。
『もしかして、グレンが好きだった?』
「……」
図星だった。
だから余計に、グレンの前では平静を装わなければならない。
「トワ?」
そんなトワの心境も知らず、グレンは少し屈み、顔を合わせた。
「……本当に、何もないよ」
「そうか?」
グレンはそれ以上追及しなかった。
「うん」
「……ならいいけどな」
「……」
黙るトワが、先を行く。
その様子を見て、小百合と時雨が顔を見合わせた。
「……?」
「……?」
いつもの様子と少し違うトワに。
(…帰り、グレンの迎えにいこう)
その前に、一組と二組の方に、従者を迎えに行かないと。
あの二人が困るだろう。
「トワ」
「……」
グレンじゃない、そして、小百合と時雨の呼び方とも違う。
「トワ」
「……」
斜め後ろのアイツ、柊深夜。
「トワ」
三度呼ばれ、さすがにうざく感じる。
殺そうとした相手に、よく声をかけられるな。
「……話しかけないで」
深夜は一度、口を閉じた。
さすがに怒らせたらしい。
「……ごめん。怒らせるつもりなかったんだけど」
「……」
「あのさ」
トワがちらっと深夜を見る。
「……もしかして」
深夜が少しだけ首を傾げる。
「グレンが好きだった?」
「……ッ!?」
「あ、ビンゴ?」
深刻そうな表情で謝ってきたと思った瞬間にこれだ。
グレンがいない間に告げてしまおうか?
いや……グレンが、嫌がる。
「ち、違う……」
「ふ〜ん?」
言葉と、深夜のニヤニヤした表情が一致してない。
「僕には隠さなくていいのに」
「……なんで、そう思ったの」
「だってさ」
深夜は、さっきのトワの顔を思い出す。
「あんな顔して、グレンを守ろうとするから」
「……」
「友達ってだけじゃ、あんなことしないでしょ?
グレンの従者ってわけでもなさそうだし」
「……知らない」
「君とグレン、どっちが強い?」
「グレン」
「へ〜?」
久しぶりに散々な1日だった。
やはりこの学校は、生徒が……いや、お偉い柊家様との仲良し家柄でないものは、
たぶんどうでもよくて、さらにその下にいる一瀬家は本当にどうでもいいのだろう。
仮にここでグレンやトワがどうなったところで、困りはしないのだ。
珍しくトワが小百合と時雨を迎えに行くと、二人は驚きながらも嬉しそうにしてくれた。
まぁ、一緒に医務室行く理由を話したら、すぐさまグレンの所に行くのはさすが従者。
迎えに行った頃には、グレンはすっかり体調はよさそうだ。
「グレン様、大丈夫ですか?」
小百合が涙目になりながら聞いた。
「大丈夫だ。ちょっと失敗したが、体は動く」
「グレン様を怪我させたその、柊深夜を私追いかけます」
「やめろ、時雨。怪我人が増えるだけだ」
「しかし……」
「帰ったら、また修練場で相手してくれ」
「わかりました」
トワたちが来る前、グレンはここで真昼と会っていた。
彼女達と真昼を、鉢合わせすることなくすんでほんの少し助かった。
トワは小百合と時雨と一緒に話しに入ってくる様子がない。
「……」
トワは、グレンの姿を見つめる。
本当は、今すぐ抱きつきたかった。
無事だったことが嬉しくて。
怖かったことを全部吐き出したくて。
でも、動けなかった。
本当は心配で、許嫁なんだから、お互い抱きしめたっておかしくないのに。
「……俺がいない教室で、何かやらかしたか、トワ?」
トワはビクッと、体を震わす。
「……な、何もしてないよ」
「そうか?」
グレンが立ち上がる。
(……ダメ)
さっき深夜に言われた言葉が、頭から離れない。
『もしかして、グレンが好きだった?』
「……」
図星だった。
だから余計に、グレンの前では平静を装わなければならない。
「トワ?」
そんなトワの心境も知らず、グレンは少し屈み、顔を合わせた。
「……本当に、何もないよ」
「そうか?」
グレンはそれ以上追及しなかった。
「うん」
「……ならいいけどな」
「……」
黙るトワが、先を行く。
その様子を見て、小百合と時雨が顔を見合わせた。
「……?」
「……?」
いつもの様子と少し違うトワに。