第二話 本音
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燃え上がる雪男の左目。戻ってきた、サタン。
「どうしたんや!?」
状況を把握しきれてない勝呂たちが駆け寄ろうとするが、雪男が制止する。
「だめだ、僕に近づくな!」
「「「!!」」」
後ろのほうにいる燐たちの中心が騒がしいことに気付いたオセオラたちは、雪男の状態を理解したライトニングが指示を出す。
「奥村先生・・・(まさか)反応してるのか!?奥村雪男を憑依体に近付けるな!エリクサーも入ってないただの人形なのに、
サタンはよほどこの「型」がお気に入りらしい。憑依体は殺す」
「判った。アタシが憑依体から離す」
「退避も頼む」
名乗り出るルーシーにライトニングは託し、先手の戦闘態勢に入る。その空気感に、思わずオセオラはため息混じりになるが。
「仕方がないか・・・」
「ぼくが殺る」
戦闘態勢になったオセオラを止めたのは、ライトニングだ。
「オセオラはもしものサタンの邪魔に備えてて」
「ルーイン!」
「友達に似てるんでしょ。躊躇されると困る」
退避命令をしに来たルーシーから玲薇達に、騎士團員達に広がる。
「聞け!!戦闘態勢を取り、ここから離れて待機しろ!」
「「「でも・・・」」」
「ガキの面倒をみてるヒマはないよ。お前は残りな」
さすが長老といったところか。言い返させない強さに、玲薇達はたじろくが、燐と雪男には別命令が入る。
「弟を背負って、アタシについてくるんだ」
「バァちゃん!了解!」
未だ消えない、雪男の左目の青い炎。サタンを必死に抑えているのか、雪男の息遣いも荒くなる。
「頑張れ雪男。後でな!!」
「気ぃつけぇや」
見てはいけない。アレを、もう一度見てしまったら、その時は。
「燐、雪男・・・」
取り残された玲薇が呟く。
「うわぁ!」
「きゃあ!」
その時、太陽の光とは別に、強烈な光が頭上から降り注いだ。目が潰れそうな、眩しい光。
「まさか、ずっと真上に隠れていたのか!?」
光の王、ルシフェルの登場だ。ルシフェルは天使の羽根を持つ、悪魔の顔をした赤子達を従えライトニングやオセオラらを攻撃させた。
「ルーイン!!」
サタンの憑依体に向け詠唱を始めるライトニングを庇うオセオラだったが、相手の方が何枚も上手。
そして、その憑依体から雪男を遠ざけようと誘導していたルーシーと燐の間に、悪魔である女性の人の姿をしたイブリースが姿を現す。
雪男を背負っていた燐だが、地面から現れたイブリースの同胞、火国の兵らの登場に雪男を落としてしまったその一瞬で、
雪男はイブリースらの手にいってしまった。炎が万全ではない燐は、手も足も出ない状態。ただ、どうにも出来ない。
その中で燐は火国の兵らを相手にする。人の姿ではなく、マグマのような体をした巨大兵に。
イブリースに連れ去られた雪男は、ルシフェルの前に献上させられていた。
ルシフェルの周りには、イブリース、アスタロト、エギュンと、面子が揃ってしまったのだ。現実的ではあって欲しくない目の前の光景。
「・・・よくぞ無事で」
「あ、あの」
ボロボロなエギュンの姿。自分の姿は気に止めず、エギュンは泣きながらエリクサーの事態を訴えた。
「す、すみません・・・守れたのは、たった一滴」
「・・・・・・・」
「・・・あ、あの・・・兄さま」
「勝った」
一滴の完成していたエリクサー。細い試験管に入れられたエリクサーは、誉の手により機械に保管される。
体調を崩しながらも、再度ルシフェルが問いかけた。そのエリクサーとともに保管されていたあるもの。
「・・・彼女の血は」
「無事です」
「至急、お召し替えを・・・」
「は!」
今も膨れ上がるサタンの炎を雪男は必死に抑える。
(血・・・血・・・?まさか・・・)
あの時、自分達の状態を知る為に取られた採血。何も考えていなかった。玲薇がここにいなくても、僅かな血があれば憑依体に入れられる。
憑依体の体に悪魔そのものの血が巡っていく。そこにエリクサーが加えられれば。
(そうか、なんであの時もっと・・・)
もう既に、奴らの手に必要なものは渡っていた。大切なものはいつも・・・。守る守ると決めていたって、結局は。
(いや、落ちつけ。僕さえ見なければ、死んだって目を開けなければ)
だが雪男に囁かれるサタンの声は、止まらない。不気味に笑い言葉が紡がれる。
[お前は見るしかない、わかってるはずだ。お前が見なければ、オレはまた世界中の人間を探し回る。
大勢死ぬことになるぞ。あの青い夜みたいになァ?]
(そうか!)
憑依体は服を着せられ、首から注射器でエリクサー、そして玲薇の血を入れられていく。
「・・・父上。ついに、今日が運命の日です」
入れものが完成した憑依体に向き合い、ルシフェルが語る。
「お約束の憑依体を、ここに上納致します。
森羅万象の霊長にして至上神。その完全なるお姿を今一度ご拝謁賜りたく」
(そもそも最初から、答えはこれしかなかった)
[クク、さぁ、オレを見ろ]
促されるまま抑えていた左目を開放する雪男。その瞬間、サタンは憑依体に乗り移り急ぐ。
ルーシーに命令され、皆と一緒に燐達と離れた場所で戦闘態勢をとりつつ待機していた玲薇。
「・・・?」
イブリースが従える火国の兵らが邪魔をする中、雪男達の様子はここからだとわからない。
ドクンと、静かに、鼓動が一拍だけ、自分を制止させる。
「・・・なに?」
空気がまた変わった。雪男を追いかけて、リニュウに乗った時に感じとったあの空気。
『ゲヘナと同じ』
憑依体に乗り移ったサタン。悪魔特有の尻尾、尖った耳、そして燐と同じ青い炎が。
「・・・あー・・・最高。よくやった、ルシフェル。お前が一番乗りだ」
「重畳の至り・・・。どうか、我々の御方に、ゲホッ、そして、ゲホッ、私の望みをお聞きください・・・!」
膝をつき、口から血を出しながらルシフェルは必死に願う。
「あー、そんな事言ったか。いいぞ、試しに言ってみろ」
「・・・私の望みはただひとつ。アッシャーを破壊し、悪魔が人間のように生きられる世界に再生すること」
「・・・ルシフェル、気に入ったぞ」
「おお・・・」
「・・・クッ、ククク、アッシャーをこの足で踏み潰し、この手でつくり直す。オレの、この、手で、好き勝手に!」
何がどうなり初めるのか。
「気に入った・・・!!」
足元の地面から姿を現す悪魔。自分達人間の隣に現れる悪魔。空も、大地も、目の見える範囲は全て悪魔の姿が露わになる。
それらは一箇所、憑依体の中に入ったサタンの周りに集まり出した。
「蹂躙せよ」
「どうしたんや!?」
状況を把握しきれてない勝呂たちが駆け寄ろうとするが、雪男が制止する。
「だめだ、僕に近づくな!」
「「「!!」」」
後ろのほうにいる燐たちの中心が騒がしいことに気付いたオセオラたちは、雪男の状態を理解したライトニングが指示を出す。
「奥村先生・・・(まさか)反応してるのか!?奥村雪男を憑依体に近付けるな!エリクサーも入ってないただの人形なのに、
サタンはよほどこの「型」がお気に入りらしい。憑依体は殺す」
「判った。アタシが憑依体から離す」
「退避も頼む」
名乗り出るルーシーにライトニングは託し、先手の戦闘態勢に入る。その空気感に、思わずオセオラはため息混じりになるが。
「仕方がないか・・・」
「ぼくが殺る」
戦闘態勢になったオセオラを止めたのは、ライトニングだ。
「オセオラはもしものサタンの邪魔に備えてて」
「ルーイン!」
「友達に似てるんでしょ。躊躇されると困る」
退避命令をしに来たルーシーから玲薇達に、騎士團員達に広がる。
「聞け!!戦闘態勢を取り、ここから離れて待機しろ!」
「「「でも・・・」」」
「ガキの面倒をみてるヒマはないよ。お前は残りな」
さすが長老といったところか。言い返させない強さに、玲薇達はたじろくが、燐と雪男には別命令が入る。
「弟を背負って、アタシについてくるんだ」
「バァちゃん!了解!」
未だ消えない、雪男の左目の青い炎。サタンを必死に抑えているのか、雪男の息遣いも荒くなる。
「頑張れ雪男。後でな!!」
「気ぃつけぇや」
見てはいけない。アレを、もう一度見てしまったら、その時は。
「燐、雪男・・・」
取り残された玲薇が呟く。
「うわぁ!」
「きゃあ!」
その時、太陽の光とは別に、強烈な光が頭上から降り注いだ。目が潰れそうな、眩しい光。
「まさか、ずっと真上に隠れていたのか!?」
光の王、ルシフェルの登場だ。ルシフェルは天使の羽根を持つ、悪魔の顔をした赤子達を従えライトニングやオセオラらを攻撃させた。
「ルーイン!!」
サタンの憑依体に向け詠唱を始めるライトニングを庇うオセオラだったが、相手の方が何枚も上手。
そして、その憑依体から雪男を遠ざけようと誘導していたルーシーと燐の間に、悪魔である女性の人の姿をしたイブリースが姿を現す。
雪男を背負っていた燐だが、地面から現れたイブリースの同胞、火国の兵らの登場に雪男を落としてしまったその一瞬で、
雪男はイブリースらの手にいってしまった。炎が万全ではない燐は、手も足も出ない状態。ただ、どうにも出来ない。
その中で燐は火国の兵らを相手にする。人の姿ではなく、マグマのような体をした巨大兵に。
イブリースに連れ去られた雪男は、ルシフェルの前に献上させられていた。
ルシフェルの周りには、イブリース、アスタロト、エギュンと、面子が揃ってしまったのだ。現実的ではあって欲しくない目の前の光景。
「・・・よくぞ無事で」
「あ、あの」
ボロボロなエギュンの姿。自分の姿は気に止めず、エギュンは泣きながらエリクサーの事態を訴えた。
「す、すみません・・・守れたのは、たった一滴」
「・・・・・・・」
「・・・あ、あの・・・兄さま」
「勝った」
一滴の完成していたエリクサー。細い試験管に入れられたエリクサーは、誉の手により機械に保管される。
体調を崩しながらも、再度ルシフェルが問いかけた。そのエリクサーとともに保管されていたあるもの。
「・・・彼女の血は」
「無事です」
「至急、お召し替えを・・・」
「は!」
今も膨れ上がるサタンの炎を雪男は必死に抑える。
(血・・・血・・・?まさか・・・)
あの時、自分達の状態を知る為に取られた採血。何も考えていなかった。玲薇がここにいなくても、僅かな血があれば憑依体に入れられる。
憑依体の体に悪魔そのものの血が巡っていく。そこにエリクサーが加えられれば。
(そうか、なんであの時もっと・・・)
もう既に、奴らの手に必要なものは渡っていた。大切なものはいつも・・・。守る守ると決めていたって、結局は。
(いや、落ちつけ。僕さえ見なければ、死んだって目を開けなければ)
だが雪男に囁かれるサタンの声は、止まらない。不気味に笑い言葉が紡がれる。
[お前は見るしかない、わかってるはずだ。お前が見なければ、オレはまた世界中の人間を探し回る。
大勢死ぬことになるぞ。あの青い夜みたいになァ?]
(そうか!)
憑依体は服を着せられ、首から注射器でエリクサー、そして玲薇の血を入れられていく。
「・・・父上。ついに、今日が運命の日です」
入れものが完成した憑依体に向き合い、ルシフェルが語る。
「お約束の憑依体を、ここに上納致します。
森羅万象の霊長にして至上神。その完全なるお姿を今一度ご拝謁賜りたく」
(そもそも最初から、答えはこれしかなかった)
[クク、さぁ、オレを見ろ]
促されるまま抑えていた左目を開放する雪男。その瞬間、サタンは憑依体に乗り移り急ぐ。
ルーシーに命令され、皆と一緒に燐達と離れた場所で戦闘態勢をとりつつ待機していた玲薇。
「・・・?」
イブリースが従える火国の兵らが邪魔をする中、雪男達の様子はここからだとわからない。
ドクンと、静かに、鼓動が一拍だけ、自分を制止させる。
「・・・なに?」
空気がまた変わった。雪男を追いかけて、リニュウに乗った時に感じとったあの空気。
『ゲヘナと同じ』
憑依体に乗り移ったサタン。悪魔特有の尻尾、尖った耳、そして燐と同じ青い炎が。
「・・・あー・・・最高。よくやった、ルシフェル。お前が一番乗りだ」
「重畳の至り・・・。どうか、我々の御方に、ゲホッ、そして、ゲホッ、私の望みをお聞きください・・・!」
膝をつき、口から血を出しながらルシフェルは必死に願う。
「あー、そんな事言ったか。いいぞ、試しに言ってみろ」
「・・・私の望みはただひとつ。アッシャーを破壊し、悪魔が人間のように生きられる世界に再生すること」
「・・・ルシフェル、気に入ったぞ」
「おお・・・」
「・・・クッ、ククク、アッシャーをこの足で踏み潰し、この手でつくり直す。オレの、この、手で、好き勝手に!」
何がどうなり初めるのか。
「気に入った・・・!!」
足元の地面から姿を現す悪魔。自分達人間の隣に現れる悪魔。空も、大地も、目の見える範囲は全て悪魔の姿が露わになる。
それらは一箇所、憑依体の中に入ったサタンの周りに集まり出した。
「蹂躙せよ」
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