中学時代
[人は、生まれながらに平等だ]なんて言葉を聞いたことがある。果たしてそうだろうか。
現に今、その言葉を真っ向から否定してやりたい。現代ヒーロー社会なんて言われたものだが、そんなの関係ない。
中学二年の頃からだろうか、"個性"届けを出す為に、授業が行われた。"個性"は身体機能の一つ。
最も成長期である今、再び記録を書き直すために中学の、皆内心ワクワクする行事の一つであった。
「"個性"か・・・」
この頃の##NAME2####NAME1##は、誰とも仲良くなんて関係は持ち合わせていない。
桜の"個性"。最初は皆、可愛いとか、綺麗とか言ってくれる。でも、桜にまつわる話のせいで、どんどん疎遠された。
国語や古典の授業が、大嫌いだった。自分はそんなんじゃないと、自分自身に言い聞かせていた。
「なぁ、お前将来どうすんの?」
「え?もちろん、ヒーローじゃね?でもなー、ヒーロー不向きなんだよな」
「それ、一番ダメなやつだろ。まぁ、"個性"でも、ないような奴いるけどな!」
「アハハ!それ、自分が屍になるとかっつーの!?」
「ねぇ、可哀想だからやめなよ」
「味方したら、あんたもイジメられるよ」
(・・・・・・・・)
意地汚いのは、本人に聞こえるようにわざとらしく話していること。
(関わってねーんだから、ほっとけよ・・・)
内心悪態つき、知らぬ振りしてやり過ごす。
「やっぱヒーローって言ったらオールマイトっスよね!」
「エンデヴァーは?」
「あれは認めてないっス」
「イナサはあれだろ、将来ヒーローだろ。俺たちの中で"個性"でヒーローに向いてんの、お前だけじゃん」
「目指すなら一番!雄英高校!」
(・・・雄英、かぁ・・・)
ヒーローを目指す者なら、誰しもが憧れ夢見る高校。偏差値もさることながら、実技試験では他と違い有名だ。
(・・・ヒーロー・・・)
##NAME1##も、1度は夢見た。自分がヒーローになれば、ここにいる奴ら全員見下せると。
だが、それは到底無理な話。何せ今現在の"個性"は、髪の毛が桜に少し変化して、腕が幹になるくらい。
誰かと戦ったり、困っている人の救助なんて尚更。逆に自分が助けてもらいたいくらいだ。
"個性"を使う授業では、皆それぞれ使い方がわかっているようで、攻撃系の技はほとんど見られない。
だから不向き。そこからどうやって発展させようとか考えない、口だけの連中。
##NAME1##も、結局はその一人。目立たずに、空気のような存在でいるのでいい。
桜の"個性"で今出来ること、それは腕と足を幹にして・・・それから髪の毛が花びらになっていく。
手のひらに桜を乗せたその時だった。強い風が吹き付け、その桜が空へ吹き飛ばされる。
「あ・・・」
「俺の"個性"旋風!これならわかりやすいっスよね!」
ドンと胸を張って先生に言う夜嵐イナサ。風を操る彼の"個性"も、またわかりずらいと判断されていたのだろう。
「夜嵐・・・風を少し操る程度」
「ななっ!!?」
うるさいくらいデカイ声の、大胆なリアクションをする彼は、いつもクラスの中心にいる。
笑われてもめげることもなければ、顔を下に向けることもない。多分、どんな壁にぶち当たっても体当たりで突き進むだろう。
「もっと桜だせるっスか!?」
「え・・・」
だからだろうか。この桜の"個性"のせいで嫌われている自分にも、迷うことなく真っ直ぐな目で話かけてきた。
「なんかこう・・・風操るのに分かりやすくするためにあんたの"個性"貸して欲しい!
木の葉っぱえぐってもいいが、それだと減点食らってヒーローうんぬんじゃなくなるから!」
「・・・・・・・・・・」
「頼む!!」
少し考える。でもまぁ・・・ちょっとだけなら・・・。
##NAME1##は小さく息を吐き、ふっと目を閉じ集中する。髪の毛がピンクに光と、手のひらに桜が乗った。
「・・・桜になってる時間は短いから・・・」
よくて10分から15分といったところか。
「十分!!」
「!!」
自分の桜が、こんなにも高く舞い上がるなんて、思ってなかった。
見上げた青空の向こうには鳥・・・いや、あれはウィングヒーローホークスだ。
何処かに行く途中なのか、帰る途中なのか##NAME1##には知るよしもないけれど。
本物の鳥のように自由に飛ぶホークス。彼は桜に気づいたのか、辺りをキョロキョロしている。
「あっぶなー」
"個性"剛翼。背中の羽の感知能力のおかげで、なんとか風に吹かれた桜をよけた。
屋根の上のアンテナにしがみつき、顔を下に向ける。グラウンドに集まっている子供たちが目に入った。
「ふーん、学生か。ありゃ」
先ほどつかみとった桜は、いつの間にか一本の黒い髪の毛にもどっていたのだ。
「・・・髪の毛が桜になるのか・・・て、時間時間!」
二人にとってこの出逢いはほんの数秒。インターンで再び出会う時、二人はこの出来事はお互い覚えていない。
##NAME1##の目の前で、ニカッと笑っている夜嵐がいる。
「ありがとう!あんたのお陰で自分をアピール出来たっス!」
「いや、私は別になにも・・・」
あれから夜嵐は先生に、自分の本来の力を見せつけた。彼の将来の夢はやっぱりヒーローなのだろう。
「これで雄英高校受けられる!ヒーローへの第一歩!」
「イナサー、いつまで話してんだよ」
「帰るぞー」
「ああ、イカン。じゃ!」
「・・・・・・・・・」
"個性"旋風の如く去っていく夜嵐。いったい、彼はなんなんだ。
多分、この頃からだと思う。さらに女子からの嫌がらせや、男子達のバカ騒ぎに巻き込まれるのは。
現に今、その言葉を真っ向から否定してやりたい。現代ヒーロー社会なんて言われたものだが、そんなの関係ない。
中学二年の頃からだろうか、"個性"届けを出す為に、授業が行われた。"個性"は身体機能の一つ。
最も成長期である今、再び記録を書き直すために中学の、皆内心ワクワクする行事の一つであった。
「"個性"か・・・」
この頃の##NAME2####NAME1##は、誰とも仲良くなんて関係は持ち合わせていない。
桜の"個性"。最初は皆、可愛いとか、綺麗とか言ってくれる。でも、桜にまつわる話のせいで、どんどん疎遠された。
国語や古典の授業が、大嫌いだった。自分はそんなんじゃないと、自分自身に言い聞かせていた。
「なぁ、お前将来どうすんの?」
「え?もちろん、ヒーローじゃね?でもなー、ヒーロー不向きなんだよな」
「それ、一番ダメなやつだろ。まぁ、"個性"でも、ないような奴いるけどな!」
「アハハ!それ、自分が屍になるとかっつーの!?」
「ねぇ、可哀想だからやめなよ」
「味方したら、あんたもイジメられるよ」
(・・・・・・・・)
意地汚いのは、本人に聞こえるようにわざとらしく話していること。
(関わってねーんだから、ほっとけよ・・・)
内心悪態つき、知らぬ振りしてやり過ごす。
「やっぱヒーローって言ったらオールマイトっスよね!」
「エンデヴァーは?」
「あれは認めてないっス」
「イナサはあれだろ、将来ヒーローだろ。俺たちの中で"個性"でヒーローに向いてんの、お前だけじゃん」
「目指すなら一番!雄英高校!」
(・・・雄英、かぁ・・・)
ヒーローを目指す者なら、誰しもが憧れ夢見る高校。偏差値もさることながら、実技試験では他と違い有名だ。
(・・・ヒーロー・・・)
##NAME1##も、1度は夢見た。自分がヒーローになれば、ここにいる奴ら全員見下せると。
だが、それは到底無理な話。何せ今現在の"個性"は、髪の毛が桜に少し変化して、腕が幹になるくらい。
誰かと戦ったり、困っている人の救助なんて尚更。逆に自分が助けてもらいたいくらいだ。
"個性"を使う授業では、皆それぞれ使い方がわかっているようで、攻撃系の技はほとんど見られない。
だから不向き。そこからどうやって発展させようとか考えない、口だけの連中。
##NAME1##も、結局はその一人。目立たずに、空気のような存在でいるのでいい。
桜の"個性"で今出来ること、それは腕と足を幹にして・・・それから髪の毛が花びらになっていく。
手のひらに桜を乗せたその時だった。強い風が吹き付け、その桜が空へ吹き飛ばされる。
「あ・・・」
「俺の"個性"旋風!これならわかりやすいっスよね!」
ドンと胸を張って先生に言う夜嵐イナサ。風を操る彼の"個性"も、またわかりずらいと判断されていたのだろう。
「夜嵐・・・風を少し操る程度」
「ななっ!!?」
うるさいくらいデカイ声の、大胆なリアクションをする彼は、いつもクラスの中心にいる。
笑われてもめげることもなければ、顔を下に向けることもない。多分、どんな壁にぶち当たっても体当たりで突き進むだろう。
「もっと桜だせるっスか!?」
「え・・・」
だからだろうか。この桜の"個性"のせいで嫌われている自分にも、迷うことなく真っ直ぐな目で話かけてきた。
「なんかこう・・・風操るのに分かりやすくするためにあんたの"個性"貸して欲しい!
木の葉っぱえぐってもいいが、それだと減点食らってヒーローうんぬんじゃなくなるから!」
「・・・・・・・・・・」
「頼む!!」
少し考える。でもまぁ・・・ちょっとだけなら・・・。
##NAME1##は小さく息を吐き、ふっと目を閉じ集中する。髪の毛がピンクに光と、手のひらに桜が乗った。
「・・・桜になってる時間は短いから・・・」
よくて10分から15分といったところか。
「十分!!」
「!!」
自分の桜が、こんなにも高く舞い上がるなんて、思ってなかった。
見上げた青空の向こうには鳥・・・いや、あれはウィングヒーローホークスだ。
何処かに行く途中なのか、帰る途中なのか##NAME1##には知るよしもないけれど。
本物の鳥のように自由に飛ぶホークス。彼は桜に気づいたのか、辺りをキョロキョロしている。
「あっぶなー」
"個性"剛翼。背中の羽の感知能力のおかげで、なんとか風に吹かれた桜をよけた。
屋根の上のアンテナにしがみつき、顔を下に向ける。グラウンドに集まっている子供たちが目に入った。
「ふーん、学生か。ありゃ」
先ほどつかみとった桜は、いつの間にか一本の黒い髪の毛にもどっていたのだ。
「・・・髪の毛が桜になるのか・・・て、時間時間!」
二人にとってこの出逢いはほんの数秒。インターンで再び出会う時、二人はこの出来事はお互い覚えていない。
##NAME1##の目の前で、ニカッと笑っている夜嵐がいる。
「ありがとう!あんたのお陰で自分をアピール出来たっス!」
「いや、私は別になにも・・・」
あれから夜嵐は先生に、自分の本来の力を見せつけた。彼の将来の夢はやっぱりヒーローなのだろう。
「これで雄英高校受けられる!ヒーローへの第一歩!」
「イナサー、いつまで話してんだよ」
「帰るぞー」
「ああ、イカン。じゃ!」
「・・・・・・・・・」
"個性"旋風の如く去っていく夜嵐。いったい、彼はなんなんだ。
多分、この頃からだと思う。さらに女子からの嫌がらせや、男子達のバカ騒ぎに巻き込まれるのは。
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