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夢小説設定
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「うさ麻呂!!」
まぶたを開けた瞬間、大声で叫んでいた。
「!!」
ガタッと、物騒な物音がし、ハッととなりを見れば、目をぱちくりさせている玲薇。
「燐、どうしたの・・・?」
恐る恐る問いかけられる。
「玲薇・・・?」
気づけば椅子から立ち上がり、抱きしめていた。
「よかった・・・。無事だったんだな」
「え・・・?」
「つーか、なんで俺、ここに?」
改めて周囲を見渡せば、ここは見慣れた寮の自室。
「なんでって、何?」
「ん?何ってお前、この部屋にあったじゃねぇか・・・」
部屋の中央に顔を向けると、そこにあったはずの鉄の檻がなくなっていた。
それだけで、妙に部屋がガランとして見えた。
「ねぇ、燐。大丈夫・・・?」
おかしい。自分と玲薇の話が、噛み合ってない?
「そういえば、別の部屋にいた、ような・・・?」
「別の部屋?私はずっと、ここの部屋だけど」
「はぁ?」
いったい、どうなってんだ?
すると、ドアノブをまわす音がして雪男が部屋に入ってきた。
「ただいま」
「おかえり」
「雪男!!」
助け船でも待っていたかのように、燐は噛みつくように問い質す。
「玲薇を別の部屋にやったん、憶えてるか!?」
「僕が、玲薇を・・・?」
何でそんなことをする必要があるんだというように、雪男はぐっと眉を寄せる。
「じゃ、じゃあ、あの子供たちは!?皆はどうなった!?街は!?うさ麻呂は!?」
「「・・・・・・・・」」
だが、雪男も玲薇も黙ったまま。
「僕が玲薇を別の部屋に移す根拠は?それに、うさまろ・・・?寝ボケてるの?兄さん」
「・・・なら、お前が玲薇を・・・お、襲ったことは・・・」
「は!?」
「・・・そんな事、絶対あり得ない」
キッパリ言い放つ雪男に、少々カチンと頭にくる燐。
「したんだよ!!とぼけてるだけだろ!」
「殺生な。僕が玲薇にそんなことすると思う!?
そうする可能性は、兄さんの方があるんじゃないの?」
「な、なんだと!?」
「ストーップ!!」
自分を置いて言い争う二人の間に割り込む。
「もう、本人がいる前でそんなこと言わないで!恥ずかしいっ」
「だってよ!」
雪男が小さくため息をつく。
「兄さん、浮かれるのはお祭りの期間だけにしてくれ。
今日からはちゃんと心を入れ替えて」
「・・・・・・・」
何も言わず、燐はふらふらと窓に近寄る。
「ちょっと、兄さん、聞いてるの?」
不服そうに声を尖らす弟を無視し、窓をのぞきこむ。
窓の外には雪が降っていた。しんしんと降り積もる大粒のボタン雪に街が白く覆われている。
コールタールに黒く汚染された街の姿は、どこにもない。
燐がつぶやく。アイツが、と。
「・・・アイツが・・・喰ってくれたんだ・・・」
自分たちと過ごした時間を喰らうことで、すべてなかったことにしたのだ。
街を救うために。今度こそ本当に、皆を幸せにするために。
こみ上げてくる想いに喉の奥が熱くなった。
「燐?」
「アイツ?」
燐の奇行を不思議そうに眺めていた二人は顔を合わせ、雪男がためらいがちに聞いた。
「さっきから、何を言っているんだ?兄さん。うさまろって、何?」
「!?お前、憶えてないのか・・・?玲薇は、うさ麻呂のこと・・・」
「さぁ・・・?」
・・・憶えてない、か。
まぶたを開けた瞬間、大声で叫んでいた。
「!!」
ガタッと、物騒な物音がし、ハッととなりを見れば、目をぱちくりさせている玲薇。
「燐、どうしたの・・・?」
恐る恐る問いかけられる。
「玲薇・・・?」
気づけば椅子から立ち上がり、抱きしめていた。
「よかった・・・。無事だったんだな」
「え・・・?」
「つーか、なんで俺、ここに?」
改めて周囲を見渡せば、ここは見慣れた寮の自室。
「なんでって、何?」
「ん?何ってお前、この部屋にあったじゃねぇか・・・」
部屋の中央に顔を向けると、そこにあったはずの鉄の檻がなくなっていた。
それだけで、妙に部屋がガランとして見えた。
「ねぇ、燐。大丈夫・・・?」
おかしい。自分と玲薇の話が、噛み合ってない?
「そういえば、別の部屋にいた、ような・・・?」
「別の部屋?私はずっと、ここの部屋だけど」
「はぁ?」
いったい、どうなってんだ?
すると、ドアノブをまわす音がして雪男が部屋に入ってきた。
「ただいま」
「おかえり」
「雪男!!」
助け船でも待っていたかのように、燐は噛みつくように問い質す。
「玲薇を別の部屋にやったん、憶えてるか!?」
「僕が、玲薇を・・・?」
何でそんなことをする必要があるんだというように、雪男はぐっと眉を寄せる。
「じゃ、じゃあ、あの子供たちは!?皆はどうなった!?街は!?うさ麻呂は!?」
「「・・・・・・・・」」
だが、雪男も玲薇も黙ったまま。
「僕が玲薇を別の部屋に移す根拠は?それに、うさまろ・・・?寝ボケてるの?兄さん」
「・・・なら、お前が玲薇を・・・お、襲ったことは・・・」
「は!?」
「・・・そんな事、絶対あり得ない」
キッパリ言い放つ雪男に、少々カチンと頭にくる燐。
「したんだよ!!とぼけてるだけだろ!」
「殺生な。僕が玲薇にそんなことすると思う!?
そうする可能性は、兄さんの方があるんじゃないの?」
「な、なんだと!?」
「ストーップ!!」
自分を置いて言い争う二人の間に割り込む。
「もう、本人がいる前でそんなこと言わないで!恥ずかしいっ」
「だってよ!」
雪男が小さくため息をつく。
「兄さん、浮かれるのはお祭りの期間だけにしてくれ。
今日からはちゃんと心を入れ替えて」
「・・・・・・・」
何も言わず、燐はふらふらと窓に近寄る。
「ちょっと、兄さん、聞いてるの?」
不服そうに声を尖らす弟を無視し、窓をのぞきこむ。
窓の外には雪が降っていた。しんしんと降り積もる大粒のボタン雪に街が白く覆われている。
コールタールに黒く汚染された街の姿は、どこにもない。
燐がつぶやく。アイツが、と。
「・・・アイツが・・・喰ってくれたんだ・・・」
自分たちと過ごした時間を喰らうことで、すべてなかったことにしたのだ。
街を救うために。今度こそ本当に、皆を幸せにするために。
こみ上げてくる想いに喉の奥が熱くなった。
「燐?」
「アイツ?」
燐の奇行を不思議そうに眺めていた二人は顔を合わせ、雪男がためらいがちに聞いた。
「さっきから、何を言っているんだ?兄さん。うさまろって、何?」
「!?お前、憶えてないのか・・・?玲薇は、うさ麻呂のこと・・・」
「さぁ・・・?」
・・・憶えてない、か。