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夢小説設定
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大量の悪魔の侵入を許してしまった街は、未曾有の混乱をきたしていた。
本部の面々が記憶を喰われてしまったことで、祓魔師の数が圧倒的に不足し、
悪魔の見えない人々は、いきなりビルが崩れたり爆発したりすることで、
パニックに陥っている。街のいたるところで騒動が起きている。
その中を燐や雪男、玲薇に、塾生の面々がうさ麻呂を探して駆けずりまわっていた。
(どこ行っちまったんだ・・・うさ麻呂!)
鉄橋の上で、大声で叫ぶ。
大通りに沿った歩道に雪男と玲薇の姿が見え、階段を駆け降りる。
「あ、燐」
「おう。そっちは、どうだ?」
「まだ、何も・・・」
雪男が険しい表情で首を横に振る。
その時、制服のポケットから携帯の呼び出し音が鳴った。
「はい、奥村です。ええ、まだ見つかっていません。え?西・・・」
冷静に対応する弟のとなりで、燐が周囲を見まわす。
(アレは、何だ?)
その視線を不意に止める。
離れた場所にある地下鉄の入口に、人の足らしきものと頭らしきものが見えた。
誰かが倒れている。
(うさ麻呂!?)
アイツの仕業だ。瞬間的にそう思った。
雪男はまだ電話の相手と話している。
燐は弟をその場に残し、地下鉄の入口へと向かった。
「燐!」
彼の突然の行動に戸惑う。一度玲薇は雪男を見る。
どうにか、燐を止めることが出来ないかと思い後を追う。
その時に分かった。人が、倒れていることに。
「燐、待って!」
「玲薇!お前・・・」
「うさ麻呂くんね?」
「きっと、アイツの仕業に間違いねぇんだ」
「私も行く」
もう、犠牲を出さないために。誰かの大切な記憶を喰わせないために。
「けど・・・」
もう、守られるばっかりの私じゃない。
その彼女の真剣な眼差しに、燐は小さなため息をついた。
「・・・わかった。なら、俺から離れるなよ」
「・・・わかりました。今すぐ、向かいます」
電話を切った雪男が、顔を上げる。
「連絡があった。今から・・・」
だが、そこに二人の姿はなかった。
「兄さん・・・?玲薇・・・?」
訝しげに雪男が周囲を見まわすと、少し離れたところに地下鉄の入口が見えた。
人影らしきものが二つ倒れている。目を凝らしつつ近づくと、
人影はともに祓魔師だった。
「・・・・・・」
二人は、先ほどのリュウの部下同様、眠るように気を失っていた。
その脇に、動物のものらしき毛が落ちている。
ふんわりとしたそれは、兎の毛だった。
本部の面々が記憶を喰われてしまったことで、祓魔師の数が圧倒的に不足し、
悪魔の見えない人々は、いきなりビルが崩れたり爆発したりすることで、
パニックに陥っている。街のいたるところで騒動が起きている。
その中を燐や雪男、玲薇に、塾生の面々がうさ麻呂を探して駆けずりまわっていた。
(どこ行っちまったんだ・・・うさ麻呂!)
鉄橋の上で、大声で叫ぶ。
大通りに沿った歩道に雪男と玲薇の姿が見え、階段を駆け降りる。
「あ、燐」
「おう。そっちは、どうだ?」
「まだ、何も・・・」
雪男が険しい表情で首を横に振る。
その時、制服のポケットから携帯の呼び出し音が鳴った。
「はい、奥村です。ええ、まだ見つかっていません。え?西・・・」
冷静に対応する弟のとなりで、燐が周囲を見まわす。
(アレは、何だ?)
その視線を不意に止める。
離れた場所にある地下鉄の入口に、人の足らしきものと頭らしきものが見えた。
誰かが倒れている。
(うさ麻呂!?)
アイツの仕業だ。瞬間的にそう思った。
雪男はまだ電話の相手と話している。
燐は弟をその場に残し、地下鉄の入口へと向かった。
「燐!」
彼の突然の行動に戸惑う。一度玲薇は雪男を見る。
どうにか、燐を止めることが出来ないかと思い後を追う。
その時に分かった。人が、倒れていることに。
「燐、待って!」
「玲薇!お前・・・」
「うさ麻呂くんね?」
「きっと、アイツの仕業に間違いねぇんだ」
「私も行く」
もう、犠牲を出さないために。誰かの大切な記憶を喰わせないために。
「けど・・・」
もう、守られるばっかりの私じゃない。
その彼女の真剣な眼差しに、燐は小さなため息をついた。
「・・・わかった。なら、俺から離れるなよ」
「・・・わかりました。今すぐ、向かいます」
電話を切った雪男が、顔を上げる。
「連絡があった。今から・・・」
だが、そこに二人の姿はなかった。
「兄さん・・・?玲薇・・・?」
訝しげに雪男が周囲を見まわすと、少し離れたところに地下鉄の入口が見えた。
人影らしきものが二つ倒れている。目を凝らしつつ近づくと、
人影はともに祓魔師だった。
「・・・・・・」
二人は、先ほどのリュウの部下同様、眠るように気を失っていた。
その脇に、動物のものらしき毛が落ちている。
ふんわりとしたそれは、兎の毛だった。