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夢小説設定
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「ごちそーさまでした!」
キレイに食べ終えたお膳の前で、うさ麻呂が小さな両手を合わせる。
口元にべったりとついたケチャップを、燐が横からナプキンでグリグリと拭き取ってやる。
「うさ麻呂くん、ちゃんと『ごちそうさま』って言えるようになったね」
向かいの席に座ったしえみがうさ麻呂の成長ぶりを褒める。
その横で、出雲が何かをこらえるように口を一文字に結び、
さっきから瞬きもせずにうさ麻呂の一挙一動を見守っている。
きっと、燐がうさ麻呂に対してやっていることを出雲もしたいのだろう。
普段ツンケンしてる出雲だが、可愛い物好きだからなぁ。
などと、手の平で小さなアクビを隠しつつ思う玲薇。
男子寮旧館の食堂にて、遅い昼食を終えたばかりの面々は、
椅子に座ったまま食後の時間をまったりと過ごしていた。
連日続く任務のせいか、勝呂、志摩、子猫丸の三人は疲労の色が濃い。
今もぐったりとしている。
「うさ麻呂くん、こんなに可愛いのにどうして封印されてたんですかね?」
目の下に隈を作った子猫丸が口を開く。
「わからぬ」
うさ麻呂が頬を膨らませて答える。そして、ぷいっとそっぽを向いてしまった。
怒らせてしまったのかと気を揉む子猫丸に、燐がすかさずフォローした。
「身に覚えがねーらしいんだ」
すると、そんな会話の流れを無視するように、
今まで屍のように椅子の背にもたれかかっていた志摩が、うがーっ、とわめいた。
「あ~!祭りが足りひん!!ギブミーフェスティバー!!」
「なんやねん、急に。てか、なんで英語やねん」
と、勝呂が嫌そうに友を見やる。そんな中、玲薇は心臓をバクバクさせていた。
(ビックリした・・・)
志摩の急な心の叫びに。
志摩は志摩で、情けない顔で泣き言をもらす。
「そやかて、目の前で祭りを見せつけられながら任務なんて、生殺しですよ」
「弱音吐くなや。それも、今夜の一丁目の警備で終わりやろ」
勝呂の返答に、子猫丸が首を傾げる。
「あれ?それ、一昨日ですよね?今夜は六丁目の・・・」
「ちょっと、それは昨日じゃない。今夜は三丁目よ」
と、しかめっ面の出雲が話題に加わる。
だが、皆がてんでんばらばらのことを主張するため、
会話が噛み合わない。次第に混乱していく。
「坊、しっかりしてくださいよ。疲れてるんはわかりますけど・・・」
「お前かて、さっきコンビニに行って、何買いに行ったか忘れて帰ってきたやないか!」
「そういえば、柔造さんや金造さんには会えたん?志摩さん」
「え?何で?兄貴たちは京都やろ?」
「だから、一昨日は六丁目やろ?昨日は三丁目で・・・いや・・・一昨日が三丁目やったか?
あー、もう、わけわからん!!どないなっとんねん!」
「もう、何なのよ、コレ!?どうなってるの・・・!?」
任務に参加していない燐と玲薇としえみの三人は、
会話に加わろうにも詳細がわからない。
ただ遠巻きに見守るだけだ。
そこに開け放した窓から虫が入ってきた。
ぶぅんと小さな羽音を立てて机の上にとまる。
小さなトンボぐらいの大きさをしたかなりグロテスクな色合いの虫だ。
「ヒィ」
何をするわけでもないその虫に対し、過剰な反応をする玲薇。
「お前、ホント虫嫌いになったよな」
腕にしがみつく玲薇に、少々呆れる燐。
彼女をこんなに虫嫌いにさせたのは、雪男やシュラがさせた、
提灯(実際は悪魔のペグランタン)を連れてくる任務の際、
チューチィの大群に群がれてからだ。
「いや、だって・・・」
虫を触るなんて、おかしな考え。きっとこれに賛同してくれるのは、
同じく虫嫌いの志摩くらいだろう。
『ぎっ・・・・・ぎゃあぁぁあー!!む、虫ーっ!!は、早う、どっかやってぇな!!』
・・・しかし、いつもなら叫ぶ志摩なのに、なぜか動じていない。
恐怖のあまり固まっているのかと思えば、あまつさえ虫の羽をやさしくつまんだのだ。
「こんなとこ入ってきたらあかんやろ?潰されてまうで」
そう言うと、窓のそばまで歩いていき、そっと逃がしてやっている。
キレイに食べ終えたお膳の前で、うさ麻呂が小さな両手を合わせる。
口元にべったりとついたケチャップを、燐が横からナプキンでグリグリと拭き取ってやる。
「うさ麻呂くん、ちゃんと『ごちそうさま』って言えるようになったね」
向かいの席に座ったしえみがうさ麻呂の成長ぶりを褒める。
その横で、出雲が何かをこらえるように口を一文字に結び、
さっきから瞬きもせずにうさ麻呂の一挙一動を見守っている。
きっと、燐がうさ麻呂に対してやっていることを出雲もしたいのだろう。
普段ツンケンしてる出雲だが、可愛い物好きだからなぁ。
などと、手の平で小さなアクビを隠しつつ思う玲薇。
男子寮旧館の食堂にて、遅い昼食を終えたばかりの面々は、
椅子に座ったまま食後の時間をまったりと過ごしていた。
連日続く任務のせいか、勝呂、志摩、子猫丸の三人は疲労の色が濃い。
今もぐったりとしている。
「うさ麻呂くん、こんなに可愛いのにどうして封印されてたんですかね?」
目の下に隈を作った子猫丸が口を開く。
「わからぬ」
うさ麻呂が頬を膨らませて答える。そして、ぷいっとそっぽを向いてしまった。
怒らせてしまったのかと気を揉む子猫丸に、燐がすかさずフォローした。
「身に覚えがねーらしいんだ」
すると、そんな会話の流れを無視するように、
今まで屍のように椅子の背にもたれかかっていた志摩が、うがーっ、とわめいた。
「あ~!祭りが足りひん!!ギブミーフェスティバー!!」
「なんやねん、急に。てか、なんで英語やねん」
と、勝呂が嫌そうに友を見やる。そんな中、玲薇は心臓をバクバクさせていた。
(ビックリした・・・)
志摩の急な心の叫びに。
志摩は志摩で、情けない顔で泣き言をもらす。
「そやかて、目の前で祭りを見せつけられながら任務なんて、生殺しですよ」
「弱音吐くなや。それも、今夜の一丁目の警備で終わりやろ」
勝呂の返答に、子猫丸が首を傾げる。
「あれ?それ、一昨日ですよね?今夜は六丁目の・・・」
「ちょっと、それは昨日じゃない。今夜は三丁目よ」
と、しかめっ面の出雲が話題に加わる。
だが、皆がてんでんばらばらのことを主張するため、
会話が噛み合わない。次第に混乱していく。
「坊、しっかりしてくださいよ。疲れてるんはわかりますけど・・・」
「お前かて、さっきコンビニに行って、何買いに行ったか忘れて帰ってきたやないか!」
「そういえば、柔造さんや金造さんには会えたん?志摩さん」
「え?何で?兄貴たちは京都やろ?」
「だから、一昨日は六丁目やろ?昨日は三丁目で・・・いや・・・一昨日が三丁目やったか?
あー、もう、わけわからん!!どないなっとんねん!」
「もう、何なのよ、コレ!?どうなってるの・・・!?」
任務に参加していない燐と玲薇としえみの三人は、
会話に加わろうにも詳細がわからない。
ただ遠巻きに見守るだけだ。
そこに開け放した窓から虫が入ってきた。
ぶぅんと小さな羽音を立てて机の上にとまる。
小さなトンボぐらいの大きさをしたかなりグロテスクな色合いの虫だ。
「ヒィ」
何をするわけでもないその虫に対し、過剰な反応をする玲薇。
「お前、ホント虫嫌いになったよな」
腕にしがみつく玲薇に、少々呆れる燐。
彼女をこんなに虫嫌いにさせたのは、雪男やシュラがさせた、
提灯(実際は悪魔のペグランタン)を連れてくる任務の際、
チューチィの大群に群がれてからだ。
「いや、だって・・・」
虫を触るなんて、おかしな考え。きっとこれに賛同してくれるのは、
同じく虫嫌いの志摩くらいだろう。
『ぎっ・・・・・ぎゃあぁぁあー!!む、虫ーっ!!は、早う、どっかやってぇな!!』
・・・しかし、いつもなら叫ぶ志摩なのに、なぜか動じていない。
恐怖のあまり固まっているのかと思えば、あまつさえ虫の羽をやさしくつまんだのだ。
「こんなとこ入ってきたらあかんやろ?潰されてまうで」
そう言うと、窓のそばまで歩いていき、そっと逃がしてやっている。