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「!?」
学園町にわたされているロープウェイに乗って、現場へと移動していた雪男は、
窓越しになんとなく目にしたその光景に、文字通り開いた口がふさがらなくなった。
目下、謹慎中のはずの兄と玲薇が、
寮の裏にある広場で監視中の悪魔を放し飼いにしている。
それはまだいいとして、同じく謹慎中のしえみや、他の塾生まで巻きこみ、
呑気に三角ベースを楽しんでる姿に、歯ぎしりしたい衝動に駆られる。
(何をやっているんだ・・・二人して!!)
昔からだが、自分に出来ないことは兄がやり遂げてしまう。
もしかすると、今回の玲薇との喧嘩でも、
もう自分の知らぬ間に仲を取り戻したのだろう。
同じ決意を固くしている二人。離そうと思っても、きっとそれは無理かもしれない・・・。
(玲薇・・・)
どんなに近くにいて手を伸ばしても、つかめきれない存在。
幽霊列車の任務の時、兄のとった行動と自分で彼女を頼った行動により、
もう少しで死なすところだった。それがたまらず悔しく、八つ当たりしてしまったんだ。
あんな酷いことをやってしまった・・・。
玲薇まであそこまで反抗的に兄に荷担するのは、
いままで自分がとった行動の当てつけかもしれない・・・。
自分の想いだけを、ぶつけすぎてきた・・・。
冷静に考えれば、バカバカしいことではないか。
「どうした?」
リュウの声に、我に返る。
窓の外を見られてはマズイ。そう思ったものの、遅かった。
「何かあったのか?」
「いえ・・・その・・・」
雪男が言葉を濁す。不審げな顔でリュウが窓をのぞきこむ。
その先には、バットを手に仲よくじゃれ合っている燐と玲薇と悪魔の少年の姿が・・・。
思わず手のひらで両目を覆いたくなる。
どうしてこんな時に想いにふけったかと、自分の心の中で毒つく。
案の定、リュウの顔が歪んだ。
「ほう。ずいぶんと楽しく見張ってるじゃないか」
嫌みっぽくそう言うと、真顔に戻り、鋭い視線を雪男へ向けた。
「目ざわりだ。問題になる前にどうにかしろ」
「・・・すみません。きつく言い聞かせておきます」
雪男が頭を下げる。
リュウは窓の外に再び視線を据えると、憎悪といってもいい眼差しを燐に向けた。
「死んだ霊を助けようとして任務に失敗・・・挙げ句の果てに悪魔と楽しくお遊戯。
そんな奴を祓魔師にしようなどと、ここの連中はバカか」
「・・・・・・・」
「悪魔はしょせん、悪魔だ。絆など結べるはずがない」
悪魔の少年と一緒に笑う玲薇は、まるで太陽のようだ。
しかし、それにリュウは気にくわなかったのだろう。
「お前の愚かな兄と女にも、そう言っておけ」
蔑んだリュウの言葉が胸に刺さる。雪男は奥歯をぎゅっと噛みしめた。
地上では、悪魔の少年が振ったバットに球が当たり、
大きな弧を描いてフェンスの向こうに吸い込まれていた。
うれしそうに広場を駆ける悪魔の少年の様子にリュウが両目を細める。
ほんの一瞬だけ、辛そうな色をたたえたが、次の瞬間には冷たさを取り戻していた。
満塁ホームランを打ったうさ麻呂は皆から褒められ、すっかりご満悦だった。
寮の玄関に並んで皆を見送り、入れ替わりのようにやって来たクロと一緒に厨房でスキヤキを囲む。
それから燐は、一緒にお風呂に入り、しえみと出雲に買ってもらったモコモコのパジャマを着せてやる。
並んで歯磨きをして、一つのベッドで就寝。足で首を絞められうなされる燐に対し、
笑顔ですやすやと寝るうさ麻呂。
翌日もドロドロになった三人がやって来たので、皆でワイワイ入浴し、
湯上がりに冷たい牛乳で一服・・・デザートには、玲薇特性手作りプリンを。
「うん、うまい!」
「ホント!?」
「玲薇ちゃんは、お菓子作りも上手やな」
「それだけは、燐に負けたくないからね」
「なんだよ、それ」
「りん、これなんじゃ?」
プリンも食べ終えていたうさ麻呂は、どうやらどこからか碁盤を見つけてきた。
学園町にわたされているロープウェイに乗って、現場へと移動していた雪男は、
窓越しになんとなく目にしたその光景に、文字通り開いた口がふさがらなくなった。
目下、謹慎中のはずの兄と玲薇が、
寮の裏にある広場で監視中の悪魔を放し飼いにしている。
それはまだいいとして、同じく謹慎中のしえみや、他の塾生まで巻きこみ、
呑気に三角ベースを楽しんでる姿に、歯ぎしりしたい衝動に駆られる。
(何をやっているんだ・・・二人して!!)
昔からだが、自分に出来ないことは兄がやり遂げてしまう。
もしかすると、今回の玲薇との喧嘩でも、
もう自分の知らぬ間に仲を取り戻したのだろう。
同じ決意を固くしている二人。離そうと思っても、きっとそれは無理かもしれない・・・。
(玲薇・・・)
どんなに近くにいて手を伸ばしても、つかめきれない存在。
幽霊列車の任務の時、兄のとった行動と自分で彼女を頼った行動により、
もう少しで死なすところだった。それがたまらず悔しく、八つ当たりしてしまったんだ。
あんな酷いことをやってしまった・・・。
玲薇まであそこまで反抗的に兄に荷担するのは、
いままで自分がとった行動の当てつけかもしれない・・・。
自分の想いだけを、ぶつけすぎてきた・・・。
冷静に考えれば、バカバカしいことではないか。
「どうした?」
リュウの声に、我に返る。
窓の外を見られてはマズイ。そう思ったものの、遅かった。
「何かあったのか?」
「いえ・・・その・・・」
雪男が言葉を濁す。不審げな顔でリュウが窓をのぞきこむ。
その先には、バットを手に仲よくじゃれ合っている燐と玲薇と悪魔の少年の姿が・・・。
思わず手のひらで両目を覆いたくなる。
どうしてこんな時に想いにふけったかと、自分の心の中で毒つく。
案の定、リュウの顔が歪んだ。
「ほう。ずいぶんと楽しく見張ってるじゃないか」
嫌みっぽくそう言うと、真顔に戻り、鋭い視線を雪男へ向けた。
「目ざわりだ。問題になる前にどうにかしろ」
「・・・すみません。きつく言い聞かせておきます」
雪男が頭を下げる。
リュウは窓の外に再び視線を据えると、憎悪といってもいい眼差しを燐に向けた。
「死んだ霊を助けようとして任務に失敗・・・挙げ句の果てに悪魔と楽しくお遊戯。
そんな奴を祓魔師にしようなどと、ここの連中はバカか」
「・・・・・・・」
「悪魔はしょせん、悪魔だ。絆など結べるはずがない」
悪魔の少年と一緒に笑う玲薇は、まるで太陽のようだ。
しかし、それにリュウは気にくわなかったのだろう。
「お前の愚かな兄と女にも、そう言っておけ」
蔑んだリュウの言葉が胸に刺さる。雪男は奥歯をぎゅっと噛みしめた。
地上では、悪魔の少年が振ったバットに球が当たり、
大きな弧を描いてフェンスの向こうに吸い込まれていた。
うれしそうに広場を駆ける悪魔の少年の様子にリュウが両目を細める。
ほんの一瞬だけ、辛そうな色をたたえたが、次の瞬間には冷たさを取り戻していた。
満塁ホームランを打ったうさ麻呂は皆から褒められ、すっかりご満悦だった。
寮の玄関に並んで皆を見送り、入れ替わりのようにやって来たクロと一緒に厨房でスキヤキを囲む。
それから燐は、一緒にお風呂に入り、しえみと出雲に買ってもらったモコモコのパジャマを着せてやる。
並んで歯磨きをして、一つのベッドで就寝。足で首を絞められうなされる燐に対し、
笑顔ですやすやと寝るうさ麻呂。
翌日もドロドロになった三人がやって来たので、皆でワイワイ入浴し、
湯上がりに冷たい牛乳で一服・・・デザートには、玲薇特性手作りプリンを。
「うん、うまい!」
「ホント!?」
「玲薇ちゃんは、お菓子作りも上手やな」
「それだけは、燐に負けたくないからね」
「なんだよ、それ」
「りん、これなんじゃ?」
プリンも食べ終えていたうさ麻呂は、どうやらどこからか碁盤を見つけてきた。