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続いて、バッターボックスに立つのは玲薇だ。
あいつは、見かけによらず運動だって出来る。
「いっけー!玲薇ー!」
燐の声援を受けつつ、バットを構える。
「ふん、今度こそ打たれまい」
精神統一でもするように、勝呂は深く深呼吸。
そう女に何度も打たれては、自分が情けなくなる。
一球目は、勝呂の見事なピッチングに手も足も出ない。
「玲薇!ゴリラの打球なんて、打っちゃいなさい!楽勝よ」
いつもの皮肉な出雲の言葉に、勝呂の眉間にシワがよる。
「誰がゴリラや、まゆげ!」
「・・・ゴリラ」
いや、出雲と勝呂にとっては珍しくもなんともない会話だ。日常茶飯だ。
「玲薇ー!お前なら打てる!」
「そんな自身満々に言われても・・・あ」
そうだ。燐と雪男と一緒にトレーニングした場所にあったではないか。
バッティングマシンみたいなやつが。あの感覚を思い出して。
「こうなったら、絶対に打たせはせん!」
出雲のゴリラ発言に、勝呂はさらに闘志が燃えているよう。
二球目も、バットを振るもののボールには当たらない。
「もう一度!」
「これで、しまいや!!」
三球目も、ストライクゾーン。何度も同じコースなんだ。いってやる!
カキーンと、高い音が響く。
「「あ」」
しかし、ボールは勝呂の前にコロコロと転がる。
「ちょっと!」
まさかのピッチャーごろに、出雲は浮き足状態。
ハッとした勝呂は、咄嗟にボールを拾い玲薇をタッチ。
「あ、アウト!」
子猫丸が宣言し、出雲は一塁に止まったまま玲薇の番は終了。
「アハハ・・・ごめん」
しょんぼり、玲薇は次の燐に謝る。
「いいって。俺が、打ってくるから」
バッターボックスに立つ燐は、片手で持ったバットでフェンスの向こうを指している。
勝呂の顔を見ると、ニヤリと不敵に笑った。
「よ、予告ホームランやと?」
勝呂が怒りに震える。
「貴様、ワシのストレートがどんだけ速いか知らへんな」
「・・・アホくさ」
出雲がしらけた声でつぶやく。
先ほどの打球で、玲薇が打ってくれてれば、もっと楽しかったのに。
それを耳ざとく聞きつけた志摩が、ここぞとばかりに出雲にすり寄る。
「なぁ、なぁ、出雲ちゃ~ん。二人でバックレへん?」
「はぁ!?誰が、アンタなんかと!!」
「も~、ホンマ、つれないなぁ~・・・出雲ちゃんは」
すげなく一蹴され、タハーと肩を落とす志摩。
「受けてみ、ワシの超高速ストレート!」
勝呂の剛速球が低い唸りを上げる。
百三十キロ近く出ていたであろうそれを・・・しかし、燐が軽々と打ち返す。
球は一塁の志摩の方へと飛んでいく。
「オ~ライ、オ~ライ」
だが、上がった志摩のグローブを弾いて外野へ。
唯一の外野手である宝はパペットで遊んでいる。その間に燐はまんまと一塁へ。
勝呂が、ぐぬぬぬ、と奥歯を噛みしめる。
慌てて球を拾った志摩が二塁へ送球するも、コントロールが乱れ、
二塁を守るしえみのグローブから数メートル離れた場所にボトリと落ちた。
しえみがオタオタと球を取りに走る。
「レベル低すぎ」
冷ややかにつぶやいた出雲が、もはや走ることすらせず、悠々と二塁を踏む。
「よーし、うさ麻呂!次は、お前の出番だ!!」
一塁の燐がベンチのうさ麻呂に声をかける。
「頑張って、うさ麻呂君」
アウトになっていた玲薇が、うさ麻呂の背中を押す。
そして、一時的に燐は一塁を離れ、二人のもとにきてくれる。
燐はうさ麻呂の手を引っ張ってバッターボックスに連れていくと、
小さな両手にバットを握らせた。
その手に自分の手を重ね、バットを大きく振ってみせる。
「いいか?球が来たら思いっきり振るんだぞ!!」
あいつは、見かけによらず運動だって出来る。
「いっけー!玲薇ー!」
燐の声援を受けつつ、バットを構える。
「ふん、今度こそ打たれまい」
精神統一でもするように、勝呂は深く深呼吸。
そう女に何度も打たれては、自分が情けなくなる。
一球目は、勝呂の見事なピッチングに手も足も出ない。
「玲薇!ゴリラの打球なんて、打っちゃいなさい!楽勝よ」
いつもの皮肉な出雲の言葉に、勝呂の眉間にシワがよる。
「誰がゴリラや、まゆげ!」
「・・・ゴリラ」
いや、出雲と勝呂にとっては珍しくもなんともない会話だ。日常茶飯だ。
「玲薇ー!お前なら打てる!」
「そんな自身満々に言われても・・・あ」
そうだ。燐と雪男と一緒にトレーニングした場所にあったではないか。
バッティングマシンみたいなやつが。あの感覚を思い出して。
「こうなったら、絶対に打たせはせん!」
出雲のゴリラ発言に、勝呂はさらに闘志が燃えているよう。
二球目も、バットを振るもののボールには当たらない。
「もう一度!」
「これで、しまいや!!」
三球目も、ストライクゾーン。何度も同じコースなんだ。いってやる!
カキーンと、高い音が響く。
「「あ」」
しかし、ボールは勝呂の前にコロコロと転がる。
「ちょっと!」
まさかのピッチャーごろに、出雲は浮き足状態。
ハッとした勝呂は、咄嗟にボールを拾い玲薇をタッチ。
「あ、アウト!」
子猫丸が宣言し、出雲は一塁に止まったまま玲薇の番は終了。
「アハハ・・・ごめん」
しょんぼり、玲薇は次の燐に謝る。
「いいって。俺が、打ってくるから」
バッターボックスに立つ燐は、片手で持ったバットでフェンスの向こうを指している。
勝呂の顔を見ると、ニヤリと不敵に笑った。
「よ、予告ホームランやと?」
勝呂が怒りに震える。
「貴様、ワシのストレートがどんだけ速いか知らへんな」
「・・・アホくさ」
出雲がしらけた声でつぶやく。
先ほどの打球で、玲薇が打ってくれてれば、もっと楽しかったのに。
それを耳ざとく聞きつけた志摩が、ここぞとばかりに出雲にすり寄る。
「なぁ、なぁ、出雲ちゃ~ん。二人でバックレへん?」
「はぁ!?誰が、アンタなんかと!!」
「も~、ホンマ、つれないなぁ~・・・出雲ちゃんは」
すげなく一蹴され、タハーと肩を落とす志摩。
「受けてみ、ワシの超高速ストレート!」
勝呂の剛速球が低い唸りを上げる。
百三十キロ近く出ていたであろうそれを・・・しかし、燐が軽々と打ち返す。
球は一塁の志摩の方へと飛んでいく。
「オ~ライ、オ~ライ」
だが、上がった志摩のグローブを弾いて外野へ。
唯一の外野手である宝はパペットで遊んでいる。その間に燐はまんまと一塁へ。
勝呂が、ぐぬぬぬ、と奥歯を噛みしめる。
慌てて球を拾った志摩が二塁へ送球するも、コントロールが乱れ、
二塁を守るしえみのグローブから数メートル離れた場所にボトリと落ちた。
しえみがオタオタと球を取りに走る。
「レベル低すぎ」
冷ややかにつぶやいた出雲が、もはや走ることすらせず、悠々と二塁を踏む。
「よーし、うさ麻呂!次は、お前の出番だ!!」
一塁の燐がベンチのうさ麻呂に声をかける。
「頑張って、うさ麻呂君」
アウトになっていた玲薇が、うさ麻呂の背中を押す。
そして、一時的に燐は一塁を離れ、二人のもとにきてくれる。
燐はうさ麻呂の手を引っ張ってバッターボックスに連れていくと、
小さな両手にバットを握らせた。
その手に自分の手を重ね、バットを大きく振ってみせる。
「いいか?球が来たら思いっきり振るんだぞ!!」