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「ったく、どこ行っちまったんだよ・・・」
風呂上がりの肌に、吹きつける夕風が冷たい。
木の陰や、ベンチの下、果てはゴミ箱の中まで探しながら、
周囲を駆けまわる。途中、祭りのお面を被った子供とすれ違い駆け寄るが、
お面の下は普通の少年だった。
「悪ィ」
と、離れる。
「くそ」
あれからいくらも経っていない。それほど遠くには行っていないはずだ・・・。
男子寮旧館から歩いて数分のところにある小さな公園の前を通り過ぎようとし、
石段の上で丸くなっているクロを見つけた。
クロは猫又で、一応、燐の使い魔ということになっているが、
実際には家族のようなものだ。
「クロ!」
燐の呼び声にぴんと耳を立てたクロが、むくっと顔を上げる。
燐を見つけるとうれしそうな顔でぴょんと飛んできた。
《りん、どうしたんだ?》
「なぁ、クロ。変な髪型したちっこいガキ見なかったか?」
《へんなかみがた?》
「背はこれぐらいで、こんな風に、昔のマロみてえな丸っこい髪の形しててさ・・・」
身ぶり手ぶりを交え説明しかけたところで、燐が言葉を止める。
少し離れた石柱の上にぽつんと座っている少年を見つけたのだ。
「!!・・・アイツ・・・」
あんなところに、という言葉を飲み込む。
両手で膝を抱え、背中を丸めた少年の姿はいかにもちっぽけで、
ひどく淋しげに見えた。
燐の顔から、険が消える。
淋しげなその横顔が、ちっぽけな背中が、
昔の・・・幼い頃の自分と重なった。
《みつけた!へんなかみがた!》
燐の横で叫ぶと、クロは公園の石段を駆け下りる。
草むらを走り抜けて、少年の座っている石柱の下につくと、
それを器用によじ登り、逃げようとする少年を巨大化した姿でぎゅっと押さえつけた。
《りーん!つかまえたぞ!!》
得意満面に報告するクロの下で、少年はジタバタと暴れていたが、
やがて諦めたのか動かなくなった。
直後、ぐーぐるぎゅるるるぅーっと、盛大な音があたりに響きわたった。
草むらを突っ切り、二人に駆け寄った燐が、
その音に気づき目を丸くする。
「な、なんだ?すげー音したぞ・・・??」
《お、おれじゃないぞ!》
と、クロ。
《このこども、すごくおなかへってるみたいだ》
燐がクロの下でむすっとそっぽを向いている少年をじっと見つめる。
そして、明るい顔で二ッと笑ってみせた。
「んじゃ、皆でメシにすっか!」
「ふんふんふん♪」
しえみを見送り、少年の事を燐に任せた玲薇#は、
キッチンに立ち鼻歌まじりに料理を進めていた。
もしかしたら、遅くなったら皆お腹空かせてるだろうと思ったし、
雪男にも何か温かいスープを出せればいいと考えたからだ。
「ただいまー」
燐の声だ。
「おかえり!」
出迎えると、少年と一緒にどうやらクロも連れて帰ってきたようだ。
かわりに、エプロン姿の玲薇にきょとんとなる。
「あれ?お前・・・」
「今、ご飯作ってたところ」
「おお」
キッチンへいけば、きれいに洗ってある野菜や、
切りかけの食材、解凍中の肉が置いてあった。
「えーとね、ポテトサラダにミネストローネ作ろうと思ってて、
あとはメイン何にしようか悩んでたところ。何がいい?」
「そうだな・・・うっし!メインは俺に任せろ。いいの思い付いたからよ」
「いいの?」
クロは燐に向かってニャーニャー鳴いている。
まるで、《なぁに?なぁに?》と聞いているように。
「ふふふ。それは、秘密ってことで。
玲薇はその二つよろしくな」
「了解」
風呂上がりの肌に、吹きつける夕風が冷たい。
木の陰や、ベンチの下、果てはゴミ箱の中まで探しながら、
周囲を駆けまわる。途中、祭りのお面を被った子供とすれ違い駆け寄るが、
お面の下は普通の少年だった。
「悪ィ」
と、離れる。
「くそ」
あれからいくらも経っていない。それほど遠くには行っていないはずだ・・・。
男子寮旧館から歩いて数分のところにある小さな公園の前を通り過ぎようとし、
石段の上で丸くなっているクロを見つけた。
クロは猫又で、一応、燐の使い魔ということになっているが、
実際には家族のようなものだ。
「クロ!」
燐の呼び声にぴんと耳を立てたクロが、むくっと顔を上げる。
燐を見つけるとうれしそうな顔でぴょんと飛んできた。
《りん、どうしたんだ?》
「なぁ、クロ。変な髪型したちっこいガキ見なかったか?」
《へんなかみがた?》
「背はこれぐらいで、こんな風に、昔のマロみてえな丸っこい髪の形しててさ・・・」
身ぶり手ぶりを交え説明しかけたところで、燐が言葉を止める。
少し離れた石柱の上にぽつんと座っている少年を見つけたのだ。
「!!・・・アイツ・・・」
あんなところに、という言葉を飲み込む。
両手で膝を抱え、背中を丸めた少年の姿はいかにもちっぽけで、
ひどく淋しげに見えた。
燐の顔から、険が消える。
淋しげなその横顔が、ちっぽけな背中が、
昔の・・・幼い頃の自分と重なった。
《みつけた!へんなかみがた!》
燐の横で叫ぶと、クロは公園の石段を駆け下りる。
草むらを走り抜けて、少年の座っている石柱の下につくと、
それを器用によじ登り、逃げようとする少年を巨大化した姿でぎゅっと押さえつけた。
《りーん!つかまえたぞ!!》
得意満面に報告するクロの下で、少年はジタバタと暴れていたが、
やがて諦めたのか動かなくなった。
直後、ぐーぐるぎゅるるるぅーっと、盛大な音があたりに響きわたった。
草むらを突っ切り、二人に駆け寄った燐が、
その音に気づき目を丸くする。
「な、なんだ?すげー音したぞ・・・??」
《お、おれじゃないぞ!》
と、クロ。
《このこども、すごくおなかへってるみたいだ》
燐がクロの下でむすっとそっぽを向いている少年をじっと見つめる。
そして、明るい顔で二ッと笑ってみせた。
「んじゃ、皆でメシにすっか!」
「ふんふんふん♪」
しえみを見送り、少年の事を燐に任せた玲薇#は、
キッチンに立ち鼻歌まじりに料理を進めていた。
もしかしたら、遅くなったら皆お腹空かせてるだろうと思ったし、
雪男にも何か温かいスープを出せればいいと考えたからだ。
「ただいまー」
燐の声だ。
「おかえり!」
出迎えると、少年と一緒にどうやらクロも連れて帰ってきたようだ。
かわりに、エプロン姿の玲薇にきょとんとなる。
「あれ?お前・・・」
「今、ご飯作ってたところ」
「おお」
キッチンへいけば、きれいに洗ってある野菜や、
切りかけの食材、解凍中の肉が置いてあった。
「えーとね、ポテトサラダにミネストローネ作ろうと思ってて、
あとはメイン何にしようか悩んでたところ。何がいい?」
「そうだな・・・うっし!メインは俺に任せろ。いいの思い付いたからよ」
「いいの?」
クロは燐に向かってニャーニャー鳴いている。
まるで、《なぁに?なぁに?》と聞いているように。
「ふふふ。それは、秘密ってことで。
玲薇はその二つよろしくな」
「了解」