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「・・・ちくちくする」
少年がセーターのすそを引っぱり、眉を八の字に寄せる。
どうやら、着心地がお気に召さないらしい。
だが、見た目はすこぶる可愛らしかった。
兎の耳のような奇妙な髪型さえなければ、
子供服のCMに出てきそうだ。燐が満足そうに眺める。
「いーじゃん、コレ」
「可愛い」
「そうでしょう?」
制服ではなく着物姿のしえみが、胸に手を置いてニコニコと笑う。
出雲とともに服を選べたことがよほどうれしかったようで、
いつも以上に朗(ほが)らかな顔をしている。
「神木さんが選んでくれたんだよ」
出雲が、ちょっと、という風にしえみを制するより先に、
勝呂がうげっと露骨に驚いた顔でまじまじと出雲を見た。
「・・・まゆげが選んだんかい・・・」
「じ、時間がなかったから、テキトーにみつくろっただけよっ!!悪い!?」
出雲がカッと耳元まで赤くなる。
そんな出雲に視線を向けた少年が、セーターから手を放し、
おどおどと手を伸ばすと、制服のスカートを不思議そうにめくった。
「きゃあああぁ!!!」
真っ赤になった出雲がスカートを両手で押さえる。
玲薇の方は私服で従来お気に入りの長スカートのためか、
標的が出雲になってしまったのだろう。
「おおおぉおお!!!」
色めきたった志摩が、桃色の叫びを上げる。
今にも、『神様、あざッす!!』と天を仰ぎかねない様子に、
半泣きになった出雲が真っ赤な顔でキッと睨む。
「こら!!」
燐が少年の耳をぎゅうっと引っ張って教育的指導を行う横で、
勝呂と子猫丸が会話をかわしつつ玄関に向かう。
「オイ、そろそろ集合時間やぞ」
「え、もうそないな時間ですか?」
幼稚園の頃に起きた『志摩・変態仮面事件』以来の手慣れた連携だ。
一人逃げ遅れた志摩が、般若の形相の出雲にたじろき、あとずさる。
「ははは・・・いや、見てへんって・・・見てへんから、
そんな怖い顔せんと・・・ネ?出雲ちゃ~ん」
「結局、風呂入っただけで休憩終わってもうたな」
任務に戻る四人をしえみと玲薇とともに玄関まで見送りに出た燐が、
勝呂の何げないつぶやきに、すまなそうな顔で半乾きの頭をボリボリとかく。
「なんか、忙しいとこ悪かったな」
「困った時はお互いさまや」
何でもないというように、勝呂が片手を振る。
「ホント、最低よ」
その横で、出雲は志摩を睨みつけた。
バツ悪げに笑った志摩が勝呂の長身の後ろに、さっと身を隠す。
『ホンマ、コイツはしょーもなー』という、そんな表情になった勝呂が切り出す。
「ほんなら、そろそろ行くわ」
「気をつけてね」
身を案ずる言葉を送る玲薇に続け、子猫丸が言った。
「また、お風呂借りに来ますね」
燐もようやく笑顔になる。
「おう!」
「うん!」
「みんな、任務頑張ってね」
燐と玲薇としえみが大きく手を振る中、
四人の姿が下り坂の先に消えていく。
それを見届けて、寮の中に戻ろうとしたところで、
しえみがキョロキョロとあたりを見まわした。
「どうしたの?」
不意に玲薇が聞く。
「あの子は?」
「「!?」」
ぎょっとし、周囲を見わたす二人。
「いない?さっきまでいたのに」
湯冷めせぬよう厚着させ、一緒に見送りに連れてきたのだ。
それが忽然と消えている。
「あんにゃろー!!」
うめいた燐が、入ったばかりの玄関から飛び出す。
「どこ行きやがった!?」
「燐・・・」
しえみがうろたえる。
「お前は母ちゃんが心配すっから、家に帰ってろ」
「私も一緒捜す!」
でも、もう外は夕暮れ。
「いや、玲薇はここで待っててくれ」
「けど!」
「すぐ戻っから!!」
「あ、燐!」
少年がセーターのすそを引っぱり、眉を八の字に寄せる。
どうやら、着心地がお気に召さないらしい。
だが、見た目はすこぶる可愛らしかった。
兎の耳のような奇妙な髪型さえなければ、
子供服のCMに出てきそうだ。燐が満足そうに眺める。
「いーじゃん、コレ」
「可愛い」
「そうでしょう?」
制服ではなく着物姿のしえみが、胸に手を置いてニコニコと笑う。
出雲とともに服を選べたことがよほどうれしかったようで、
いつも以上に朗(ほが)らかな顔をしている。
「神木さんが選んでくれたんだよ」
出雲が、ちょっと、という風にしえみを制するより先に、
勝呂がうげっと露骨に驚いた顔でまじまじと出雲を見た。
「・・・まゆげが選んだんかい・・・」
「じ、時間がなかったから、テキトーにみつくろっただけよっ!!悪い!?」
出雲がカッと耳元まで赤くなる。
そんな出雲に視線を向けた少年が、セーターから手を放し、
おどおどと手を伸ばすと、制服のスカートを不思議そうにめくった。
「きゃあああぁ!!!」
真っ赤になった出雲がスカートを両手で押さえる。
玲薇の方は私服で従来お気に入りの長スカートのためか、
標的が出雲になってしまったのだろう。
「おおおぉおお!!!」
色めきたった志摩が、桃色の叫びを上げる。
今にも、『神様、あざッす!!』と天を仰ぎかねない様子に、
半泣きになった出雲が真っ赤な顔でキッと睨む。
「こら!!」
燐が少年の耳をぎゅうっと引っ張って教育的指導を行う横で、
勝呂と子猫丸が会話をかわしつつ玄関に向かう。
「オイ、そろそろ集合時間やぞ」
「え、もうそないな時間ですか?」
幼稚園の頃に起きた『志摩・変態仮面事件』以来の手慣れた連携だ。
一人逃げ遅れた志摩が、般若の形相の出雲にたじろき、あとずさる。
「ははは・・・いや、見てへんって・・・見てへんから、
そんな怖い顔せんと・・・ネ?出雲ちゃ~ん」
「結局、風呂入っただけで休憩終わってもうたな」
任務に戻る四人をしえみと玲薇とともに玄関まで見送りに出た燐が、
勝呂の何げないつぶやきに、すまなそうな顔で半乾きの頭をボリボリとかく。
「なんか、忙しいとこ悪かったな」
「困った時はお互いさまや」
何でもないというように、勝呂が片手を振る。
「ホント、最低よ」
その横で、出雲は志摩を睨みつけた。
バツ悪げに笑った志摩が勝呂の長身の後ろに、さっと身を隠す。
『ホンマ、コイツはしょーもなー』という、そんな表情になった勝呂が切り出す。
「ほんなら、そろそろ行くわ」
「気をつけてね」
身を案ずる言葉を送る玲薇に続け、子猫丸が言った。
「また、お風呂借りに来ますね」
燐もようやく笑顔になる。
「おう!」
「うん!」
「みんな、任務頑張ってね」
燐と玲薇としえみが大きく手を振る中、
四人の姿が下り坂の先に消えていく。
それを見届けて、寮の中に戻ろうとしたところで、
しえみがキョロキョロとあたりを見まわした。
「どうしたの?」
不意に玲薇が聞く。
「あの子は?」
「「!?」」
ぎょっとし、周囲を見わたす二人。
「いない?さっきまでいたのに」
湯冷めせぬよう厚着させ、一緒に見送りに連れてきたのだ。
それが忽然と消えている。
「あんにゃろー!!」
うめいた燐が、入ったばかりの玄関から飛び出す。
「どこ行きやがった!?」
「燐・・・」
しえみがうろたえる。
「お前は母ちゃんが心配すっから、家に帰ってろ」
「私も一緒捜す!」
でも、もう外は夕暮れ。
「いや、玲薇はここで待っててくれ」
「けど!」
「すぐ戻っから!!」
「あ、燐!」