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もともと、シャワーを借りるつもりで来た三人の決断は早かった。
「オイ、そっち行ったで!」
「うわあぁ・・・ちょっ、おとなしゅうしてえや!!」
「ほらほら、ええ子やから」
「奥村、まわりこめや!」
「おう!よっと、と・・・よーし、つかまえたぞ!」
「よしゃ!今のうちや。洗ってまえ」
四人がかりでなんとか少年を風呂に入れる。
最初は極度にお湯を怖がっていた少年も、
みんなで湯船に浸かる頃には、ぐったりとしていて、
それほど抵抗しなかった。
ただ、顔に水がかかるのが嫌らしく、小さな手でしきりに顔をこすっていた。
「はぁ~、ええお湯やった」
勝呂、志摩、子猫丸の三人は、脱衣所の隅に備えつけられた冷蔵庫から、
キンキンに冷えた瓶入り牛乳を取り出し、一息ついている。
以前、強化合宿で泊まりこんだことがあるため、
勝手知ったる他人の家、といった感じだ。
「よし、なんとか臭さも消えたな」
濡れネズミのようになった少年の髪をタオルで拭いてやった後で、
燐がくんくんと鼻を蠢かせる。魅惑的かどうかは抜きにして、
半年くらい据え置いた雑巾のような臭いはどうにか消えている。
鼻歌まじりにドライヤーを動かしていると、
濡れてぺたりと頭に貼りついていた少年の髪が、
ピョンともとの髷の形に戻った。
「うお!?」
燐が驚く。
「耳・・・?いや、角か・・・??」
一人頭をひねっていると、裸ん坊の少年がくちゅんとくしゃみをした。
「なんだ、お前、寒いのか?えーっと、上着、上着・・・」
周囲を見まわし、少年の着ていた服を洗濯機に放り込んだことを思い出す。
「そっか」
着物などろくに洗ったことはないが、あまりの臭さに、
本体だけを洗ってもしかたないと判断したのだ。
(まぁ、玲薇ならうまく洗ってくれるだろうし)
もしかすると、二、三度洗濯しないとあの強烈な臭いは落ちないかもしれない。
「お前の着てたヤツ、洗っちまったんだよな」
「どないしたん?奥村くん」
牛乳を飲み終えた志摩が呑気に声をかけてきたので、事情を説明する。
「俺のじゃデカイし・・・雪男のはもっとデカイし・・・玲薇のは・・・」
いや、やめておこう。
「うーん、どうすっかなぁ」
ドライヤーを持ったまま悩む燐。
「そうや」
燐と一緒に首をひねっていた志摩が、手のひらを叩く。
「女の子と言えば、子供好き。子供好きと言えば、女の子や!
玲薇ちゃんに頼んで、出雲ちゃんと、
杜山さんに連絡つけてみてもらえんやろか?」
と、いかにも軟派な彼らしいことを提案する。それに同意する燐。
「おお。志摩、冴えてんな!」
「ふふふ。せやろ?」
「ちょっと、玲薇んとこいってくる」
「俺も」
どさくさ紛れに燐の後を追う志摩を、
飲みかけの牛乳瓶を持った子猫丸は呆れている。
「志摩さんは、また・・・」
その横で、勝呂は眉間にしわを寄せた顔で頭をひねらせた。
「杜山さんは、まあ、ええとして、あのまゆげにそないな可愛げがあるんかいな?」
それならまだ、風美夜が選んだ方が・・・そこは、黙っておこう。
「なんでアタシたちが、この子の服、買ってこなきゃいけないのよ!?」
案の定、休憩中に携帯で呼び出された神木出雲は、開口一番、そう言い放った。
「ごめんね、出雲」
申し訳ない、と両手を合わせて謝罪する玲薇。
でも、彼女から連絡してきてくれたのが嬉しかったのは事実。
「はい」
照れくさいような不機嫌な顔で子供服の入った紙袋をよこす。
「ありがとう」
一応、買ってきてくれていることが、なんだかんだ言いつつも世話好きな彼女。
「燐」
それを、燐に手渡す。
「サンキュー」
出雲にも玲薇にも礼を言って、中に入っていた子供服を手早く少年に着せる。
「オイ、そっち行ったで!」
「うわあぁ・・・ちょっ、おとなしゅうしてえや!!」
「ほらほら、ええ子やから」
「奥村、まわりこめや!」
「おう!よっと、と・・・よーし、つかまえたぞ!」
「よしゃ!今のうちや。洗ってまえ」
四人がかりでなんとか少年を風呂に入れる。
最初は極度にお湯を怖がっていた少年も、
みんなで湯船に浸かる頃には、ぐったりとしていて、
それほど抵抗しなかった。
ただ、顔に水がかかるのが嫌らしく、小さな手でしきりに顔をこすっていた。
「はぁ~、ええお湯やった」
勝呂、志摩、子猫丸の三人は、脱衣所の隅に備えつけられた冷蔵庫から、
キンキンに冷えた瓶入り牛乳を取り出し、一息ついている。
以前、強化合宿で泊まりこんだことがあるため、
勝手知ったる他人の家、といった感じだ。
「よし、なんとか臭さも消えたな」
濡れネズミのようになった少年の髪をタオルで拭いてやった後で、
燐がくんくんと鼻を蠢かせる。魅惑的かどうかは抜きにして、
半年くらい据え置いた雑巾のような臭いはどうにか消えている。
鼻歌まじりにドライヤーを動かしていると、
濡れてぺたりと頭に貼りついていた少年の髪が、
ピョンともとの髷の形に戻った。
「うお!?」
燐が驚く。
「耳・・・?いや、角か・・・??」
一人頭をひねっていると、裸ん坊の少年がくちゅんとくしゃみをした。
「なんだ、お前、寒いのか?えーっと、上着、上着・・・」
周囲を見まわし、少年の着ていた服を洗濯機に放り込んだことを思い出す。
「そっか」
着物などろくに洗ったことはないが、あまりの臭さに、
本体だけを洗ってもしかたないと判断したのだ。
(まぁ、玲薇ならうまく洗ってくれるだろうし)
もしかすると、二、三度洗濯しないとあの強烈な臭いは落ちないかもしれない。
「お前の着てたヤツ、洗っちまったんだよな」
「どないしたん?奥村くん」
牛乳を飲み終えた志摩が呑気に声をかけてきたので、事情を説明する。
「俺のじゃデカイし・・・雪男のはもっとデカイし・・・玲薇のは・・・」
いや、やめておこう。
「うーん、どうすっかなぁ」
ドライヤーを持ったまま悩む燐。
「そうや」
燐と一緒に首をひねっていた志摩が、手のひらを叩く。
「女の子と言えば、子供好き。子供好きと言えば、女の子や!
玲薇ちゃんに頼んで、出雲ちゃんと、
杜山さんに連絡つけてみてもらえんやろか?」
と、いかにも軟派な彼らしいことを提案する。それに同意する燐。
「おお。志摩、冴えてんな!」
「ふふふ。せやろ?」
「ちょっと、玲薇んとこいってくる」
「俺も」
どさくさ紛れに燐の後を追う志摩を、
飲みかけの牛乳瓶を持った子猫丸は呆れている。
「志摩さんは、また・・・」
その横で、勝呂は眉間にしわを寄せた顔で頭をひねらせた。
「杜山さんは、まあ、ええとして、あのまゆげにそないな可愛げがあるんかいな?」
それならまだ、風美夜が選んだ方が・・・そこは、黙っておこう。
「なんでアタシたちが、この子の服、買ってこなきゃいけないのよ!?」
案の定、休憩中に携帯で呼び出された神木出雲は、開口一番、そう言い放った。
「ごめんね、出雲」
申し訳ない、と両手を合わせて謝罪する玲薇。
でも、彼女から連絡してきてくれたのが嬉しかったのは事実。
「はい」
照れくさいような不機嫌な顔で子供服の入った紙袋をよこす。
「ありがとう」
一応、買ってきてくれていることが、なんだかんだ言いつつも世話好きな彼女。
「燐」
それを、燐に手渡す。
「サンキュー」
出雲にも玲薇にも礼を言って、中に入っていた子供服を手早く少年に着せる。