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夢小説設定
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両者、同時に視線を向ける。
ゴミ屋敷の入り口のドアが吹き飛ばされ、
ドアの前にいた祓魔師がその巻き添えを食らって、
後方に跳ね飛ばされた。
わずかな間があって、ゴミ屋敷の奥から、アンティークのベビーカーが、
カタカタ、カタ・・・という木製の車輪のまわる音とともに出てきた。
時代遅れのセルロイドの人形が、古びた玩具に埋もれるように乗っている。
錆びた取っ手を押しているのは、不気味な顔をしたクマのぬいぐるみで、
小さな彼はほとんどつま先立ちになっていた。
その姿勢でよちよちと歩きながら、祓魔師たちの間を進んでいく。
その異様な光景に、祓魔師たちが思わず道を開ける。
すると、ベビーカーの上でセルロイドの人形がむくりと起き上がった。
まるで、目覚めたての赤ん坊のようにむずかった顔で伸びをすると、
頭を首の上でぐりんと一回転させた。
大きく波打った毛糸の髪が徐々に伸び始める。
髪とともに肥大化した人形の頭が、にたりと邪悪に嗤った。
「下がれ!!」
我に返った祓魔師たちがベビーカーから距離を取る。
だが、武器を構える前に、ふやけた麺のように膨張した髪の毛が、彼らに襲いかかる。
雪男が動くより早く、低く舌打ちしたリュウが、鉄橋の上から飛び降りた。
軽やかに着地すると、疾風のようにその場を駆け抜けた。
人形の手前で地面を軽く蹴り、宙を舞う。
そのまま、棍の先を肥大化した人形の額に容赦なく突き刺した。
断末魔の悲鳴を上げた人形が、その場に崩れ落ちる。
その頭部に着地したリュウが、祓魔師たちを見まわして檄(げき)を飛ばす。
「何をちんたらやってる!!お前ら、それでも祓魔師か!」
そんな彼の背後に、ベビーカーを押していたクマのぬいぐるみが、
ゆらゆらと浮かび上がった。リュウの首筋を見つめ、
両目を怪しく光らせるそれに気づいた雪男が、
リュウが棍を手に振り返るより早く、銃弾を放つ。
青く澄んだ空に、発砲音がたて続けに鳴り響く。
全身に純銀製の銃弾を浴びたクマのぬいぐるみが、
原形をとどめず四散した。
「・・・ふん」
リュウが鼻を鳴らし、背後に曲げていた首を戻す。
雪男と目が合うと、その唇をニヤリと歪めた。
人形の頭から飛び降り、半分の長さに縮めた棍を腰のホルスターに戻しつつ、
雪男のもとへ歩み寄る。
「お前は使えそうだな」
傲岸(ごうがん)にそう言い放つと、
ファンシーなキャンディーのケースを投げてよこした。
銃をしまっていた雪男が反射的にそれを受け取る。
リアクションに困っていると、リュウはさっさともといた鉄橋に戻ってしまった。
呆れるほどマイペースだ。
(いや、それよりも、コレをどうしろって言うんだ・・・?あの人)
眉をひそめた雪男が、ケースの背後についているプラスチックのレバーを下げる。
すると動物の顔になった蓋が開き、中からキャンディーが飛び出してきた。
慌てて口に入れようとするが、思いのほか高く飛んだキャンディーが、
眼鏡に当たって地面に落ちてしまう。
「・・・・・・」
やや憮然とした面持ちの雪男を、
他の祓魔師たちが何とも言いがたい表情で、遠巻きに眺めていた・・・。
ゴミ屋敷の入り口のドアが吹き飛ばされ、
ドアの前にいた祓魔師がその巻き添えを食らって、
後方に跳ね飛ばされた。
わずかな間があって、ゴミ屋敷の奥から、アンティークのベビーカーが、
カタカタ、カタ・・・という木製の車輪のまわる音とともに出てきた。
時代遅れのセルロイドの人形が、古びた玩具に埋もれるように乗っている。
錆びた取っ手を押しているのは、不気味な顔をしたクマのぬいぐるみで、
小さな彼はほとんどつま先立ちになっていた。
その姿勢でよちよちと歩きながら、祓魔師たちの間を進んでいく。
その異様な光景に、祓魔師たちが思わず道を開ける。
すると、ベビーカーの上でセルロイドの人形がむくりと起き上がった。
まるで、目覚めたての赤ん坊のようにむずかった顔で伸びをすると、
頭を首の上でぐりんと一回転させた。
大きく波打った毛糸の髪が徐々に伸び始める。
髪とともに肥大化した人形の頭が、にたりと邪悪に嗤った。
「下がれ!!」
我に返った祓魔師たちがベビーカーから距離を取る。
だが、武器を構える前に、ふやけた麺のように膨張した髪の毛が、彼らに襲いかかる。
雪男が動くより早く、低く舌打ちしたリュウが、鉄橋の上から飛び降りた。
軽やかに着地すると、疾風のようにその場を駆け抜けた。
人形の手前で地面を軽く蹴り、宙を舞う。
そのまま、棍の先を肥大化した人形の額に容赦なく突き刺した。
断末魔の悲鳴を上げた人形が、その場に崩れ落ちる。
その頭部に着地したリュウが、祓魔師たちを見まわして檄(げき)を飛ばす。
「何をちんたらやってる!!お前ら、それでも祓魔師か!」
そんな彼の背後に、ベビーカーを押していたクマのぬいぐるみが、
ゆらゆらと浮かび上がった。リュウの首筋を見つめ、
両目を怪しく光らせるそれに気づいた雪男が、
リュウが棍を手に振り返るより早く、銃弾を放つ。
青く澄んだ空に、発砲音がたて続けに鳴り響く。
全身に純銀製の銃弾を浴びたクマのぬいぐるみが、
原形をとどめず四散した。
「・・・ふん」
リュウが鼻を鳴らし、背後に曲げていた首を戻す。
雪男と目が合うと、その唇をニヤリと歪めた。
人形の頭から飛び降り、半分の長さに縮めた棍を腰のホルスターに戻しつつ、
雪男のもとへ歩み寄る。
「お前は使えそうだな」
傲岸(ごうがん)にそう言い放つと、
ファンシーなキャンディーのケースを投げてよこした。
銃をしまっていた雪男が反射的にそれを受け取る。
リアクションに困っていると、リュウはさっさともといた鉄橋に戻ってしまった。
呆れるほどマイペースだ。
(いや、それよりも、コレをどうしろって言うんだ・・・?あの人)
眉をひそめた雪男が、ケースの背後についているプラスチックのレバーを下げる。
すると動物の顔になった蓋が開き、中からキャンディーが飛び出してきた。
慌てて口に入れようとするが、思いのほか高く飛んだキャンディーが、
眼鏡に当たって地面に落ちてしまう。
「・・・・・・」
やや憮然とした面持ちの雪男を、
他の祓魔師たちが何とも言いがたい表情で、遠巻きに眺めていた・・・。