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夢小説設定
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「う~ん・・・」
無性に目の前がまぶしく、燐が両目をつぶったまま眉を寄せる。
半開きになった口をむにゃむにゃと動かし、まぶたを開ける。
いつの間にか、窓の外が明るくなっていた。
机の上に太陽の光が燦々と注いでいる。
「ヤベッ!また、寝落ち!?」
青ざめた燐が、ガバッと椅子の上で身体を起こす。
ふと、顔の横あたりに視線を感じた。そちらに顔を向けると、
檻の中の少年と目が合った。燐が反応する前に少年がさっと目を逸らす。
どうやら、まだ警戒しているらしい。
(メフィストの野郎・・・世話っていったって、どーすりゃいいんだよ?)
よわった燐が、ガシガシと寝癖のついた髪をかく。
すると、コンコンとノック音。
「燐・・・今、燐だけ?」
「玲薇か?」
「おにぎり作ったけど、食べる?」
「おう!」
玲薇を部屋に通す。彼女の視線は、少年に向けられた。
「まだ、ご機嫌ナナメなんだ」
「はは、まぁな」
雪男の椅子を借りて、燐の机で一緒に食べる。
机の上に置いてあった飲みかけのペットボトルをつかみ、
口元へ運ぶ燐。中に入っていた水は、日差しを浴びていたせいか少し生ぬるい。
ごくりと飲みこむと、少年がじーっとこちらを見つめているのがわかった。
だが、燐が視線を向けると慌てて目を逸らしてしまう。
玲薇も、少年に向ける。
嘆息した燐が、椅子に座ったまま腕を伸ばし、
飲みかけのペットボトルを檻の間に差し入れた。
「燐?」
疑問になる玲薇に、少年はまぶたがちょっと上がる。
「喉、渇いたろ?」
「・・・・・・」
「ちょっと、いいの?」
「大丈夫だろ、ホラ」
少年はペットボトルを凝視しているが、受け取ろうとはしない。
水が入っていることをわからせた方がいいだろうと、
ボトルの底を左右に振ってみせる。
ちゃぷんちゃぷんという涼やかな音を立てて、中の水がゆれる。
少年の大きな目が、それを追って左右にゆれる。
再び、燐を見据えた少年が、ばっと両手を出してペットボトルを奪った。
しばらく、中をのぞいたり、匂いを嗅いだりしていたが、
ようやく口元へ運んだ。
恐る恐るそれを飲みこんだ少年の顔が、ぱっと明るくなる。
思わず二人も、笑顔がほころぶ。
よほど喉が渇いていたのか、ぎゅっとボトルをつかみ、ごくごく飲みほす。
ぷはー、と一息ついた少年が、直後、ぶるりと小さく震えた。
「?」
「どうした?」
少年はその場にすくっと立ち上がると、
色鮮やかな着物の裾をたくし上げ、
七五三の子供が着るような袴を膝のあたりまで下げた。
「まさか!」
「げっ!?」
どうやら、尿意を催したらしいとわかり、燐が慌てて叫ぶ。
「わ~!!ちょっと待て!!そこですんな!!」
叫んだ拍子に、椅子もひっくり返るほど。
「おっと」
すれすれで玲薇は椅子をキャッチする。
その間に燐は、メフィストから渡された鍵で錠を開けた。
「俺、行ってくる!」
玲薇に一言残し、少年を横抱きにかかえ、
階段の脇にある共用トイレに飛びこんだ。
「ふー、間に合った・・・って、ん?」
燐が、自身の抱えている少年から発する異臭に気づき、
少年の頭にくんくんと鼻を近づける。
その途端、トイレの個室に漂っているアンモニアの臭いが、
気にならなくなるほどの悪臭が、ツーンと鼻を刺激した。
「くっ、くっせぇー・・・!!」
頭がくらくらする。燐が思わず天を仰いだ。
「牛乳拭いてほったらかしといたゾーキンとジジイの靴下の臭いだな、こりゃ」
そうつぶやくと、燐の腕の中で少年がキッと両眉を吊り上げた。
「ぶれいもの!くさいとはなんだッ!!」
「!?」
叫び声やうめき声以外で初めて聞いた少年の声に、燐が目を丸くする。
「お・・・お前、しゃべれるのか!?」
少年の顔をのぞきこもうとすると、がぶりと腕を噛まれた。
無性に目の前がまぶしく、燐が両目をつぶったまま眉を寄せる。
半開きになった口をむにゃむにゃと動かし、まぶたを開ける。
いつの間にか、窓の外が明るくなっていた。
机の上に太陽の光が燦々と注いでいる。
「ヤベッ!また、寝落ち!?」
青ざめた燐が、ガバッと椅子の上で身体を起こす。
ふと、顔の横あたりに視線を感じた。そちらに顔を向けると、
檻の中の少年と目が合った。燐が反応する前に少年がさっと目を逸らす。
どうやら、まだ警戒しているらしい。
(メフィストの野郎・・・世話っていったって、どーすりゃいいんだよ?)
よわった燐が、ガシガシと寝癖のついた髪をかく。
すると、コンコンとノック音。
「燐・・・今、燐だけ?」
「玲薇か?」
「おにぎり作ったけど、食べる?」
「おう!」
玲薇を部屋に通す。彼女の視線は、少年に向けられた。
「まだ、ご機嫌ナナメなんだ」
「はは、まぁな」
雪男の椅子を借りて、燐の机で一緒に食べる。
机の上に置いてあった飲みかけのペットボトルをつかみ、
口元へ運ぶ燐。中に入っていた水は、日差しを浴びていたせいか少し生ぬるい。
ごくりと飲みこむと、少年がじーっとこちらを見つめているのがわかった。
だが、燐が視線を向けると慌てて目を逸らしてしまう。
玲薇も、少年に向ける。
嘆息した燐が、椅子に座ったまま腕を伸ばし、
飲みかけのペットボトルを檻の間に差し入れた。
「燐?」
疑問になる玲薇に、少年はまぶたがちょっと上がる。
「喉、渇いたろ?」
「・・・・・・」
「ちょっと、いいの?」
「大丈夫だろ、ホラ」
少年はペットボトルを凝視しているが、受け取ろうとはしない。
水が入っていることをわからせた方がいいだろうと、
ボトルの底を左右に振ってみせる。
ちゃぷんちゃぷんという涼やかな音を立てて、中の水がゆれる。
少年の大きな目が、それを追って左右にゆれる。
再び、燐を見据えた少年が、ばっと両手を出してペットボトルを奪った。
しばらく、中をのぞいたり、匂いを嗅いだりしていたが、
ようやく口元へ運んだ。
恐る恐るそれを飲みこんだ少年の顔が、ぱっと明るくなる。
思わず二人も、笑顔がほころぶ。
よほど喉が渇いていたのか、ぎゅっとボトルをつかみ、ごくごく飲みほす。
ぷはー、と一息ついた少年が、直後、ぶるりと小さく震えた。
「?」
「どうした?」
少年はその場にすくっと立ち上がると、
色鮮やかな着物の裾をたくし上げ、
七五三の子供が着るような袴を膝のあたりまで下げた。
「まさか!」
「げっ!?」
どうやら、尿意を催したらしいとわかり、燐が慌てて叫ぶ。
「わ~!!ちょっと待て!!そこですんな!!」
叫んだ拍子に、椅子もひっくり返るほど。
「おっと」
すれすれで玲薇は椅子をキャッチする。
その間に燐は、メフィストから渡された鍵で錠を開けた。
「俺、行ってくる!」
玲薇に一言残し、少年を横抱きにかかえ、
階段の脇にある共用トイレに飛びこんだ。
「ふー、間に合った・・・って、ん?」
燐が、自身の抱えている少年から発する異臭に気づき、
少年の頭にくんくんと鼻を近づける。
その途端、トイレの個室に漂っているアンモニアの臭いが、
気にならなくなるほどの悪臭が、ツーンと鼻を刺激した。
「くっ、くっせぇー・・・!!」
頭がくらくらする。燐が思わず天を仰いだ。
「牛乳拭いてほったらかしといたゾーキンとジジイの靴下の臭いだな、こりゃ」
そうつぶやくと、燐の腕の中で少年がキッと両眉を吊り上げた。
「ぶれいもの!くさいとはなんだッ!!」
「!?」
叫び声やうめき声以外で初めて聞いた少年の声に、燐が目を丸くする。
「お・・・お前、しゃべれるのか!?」
少年の顔をのぞきこもうとすると、がぶりと腕を噛まれた。