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「ど、どうやって入れたんだよ!?これ・・・」
男子寮旧館の自室に戻ってきた燐は、部屋の真ん中に吊り下げられた檻を見るなり、
棒立ちになった。理事長室にあった檻だ。中には、例の悪魔の子供がいる。
先に部屋に戻っていた雪男は、そんな兄の疑問に答えることなく、
ボードを胸の前に押し付けてきた。
「はい、兄さん。謹慎中の兄さんのスケジュール、書いといたから」
受け取った燐が、几帳面な字でびっしりと書かれた予定に、
うっ・・・という顔になる。
「掃除にゴミ出し、冬休みの宿題、ちゃんとやっといてよ。
じゃあ、僕は行くから」
雪男は一気にまくしたてると、兄の顔をろくに見ようとせず部屋を出た時だった。
「「!」」
玲薇とばったり出会う。
「おー」
ドア付近で立ち止まった雪男に不思議に思った燐だったが、
玲薇の姿を見て声をかける。
「おかえり、燐」
「あれ・・・?そういや、玲薇の机とベッド、なくなってねーか?」
「・・・・・・」
出来ればその話題に振られる前に、部屋を出たかったんだ。
仕方なく、兄に説明してやる。
「檻が部屋に入らなかったから、玲薇は隣の部屋に移動してもらったよ」
「はぁ!?なんで玲薇をどかすんだよ」
また喧嘩になる前に、二人の間に入る。
「燐!そのことは私も承知済みだから。一人でも平気だから」
「けどよ・・・誰かに襲われたらどうすんだよ!?」
「兄さんと一緒にいられるよりは、よっぽど安心だ。
それに、いざという時は大声出せば聞こえるでしょ」
「なっ・・・」
捨て台詞のような言葉を残し、雪男はさっさと行ってしまった。
「待てよ、雪男!」
「燐!」
玲薇が燐の腕を掴む。
「今は、雪男のことそっとしといてあげて。
無理難題なことばかり私たちがやるから、雪男に迷惑かけてるの分かるの。
だから・・・それに、部屋は別だけどなるべく雪男がいない時、こっちに来るよ」
燐が肩を落とす。玲薇に言われちゃ、しょうがない。
それに、男子寮旧館を追い出されたわけじゃないんだ。
雪男の機嫌しだいで、どうなるかわからないけれど。
会おうと思えば、いつだって会える。
「・・・ってかアイツ、まだ怒ってんだな」
それだけ、玲薇のことが好きってこと。
だからって、譲ってやる気はさらさらない。
「じゃ・・・取り合えず今日は大丈夫かな」
「そう?」
少年の後ろ姿を見ていた玲薇に、声をかける。
「また何かあったら呼ぶ」
「うん」
玲薇を見送った後、かすかな物音に顔を向ける。
檻の中の少年が、肩越しにこちらを振り向いたところだった。
燐と目が合うと、少年は歯をむき出しにしてシャーッと威嚇してきた。
だが、すぐにぷいっと顔を背け、檻の底に背中を丸めて横たわった。
先ほどまでの手負いの猪のような様子から一変、
ひどくおとなしくなってしまった少年の姿に、
燐は声をかけあぐね・・・とりあえず自分の椅子に腰かける。
「・・・・・・・」
妙に静かになった部屋。一人になった部屋は、ここまで淋しいもんだったけ。
雪男はいない時はしばしばあったけど、いつも玲薇がいてくれてたから。
檻の中の少年をもう一度、しばらく、様子を見ていたが、
そのうち、抑えきれない眠気が襲ってきて目を閉じた・・・。
男子寮旧館の自室に戻ってきた燐は、部屋の真ん中に吊り下げられた檻を見るなり、
棒立ちになった。理事長室にあった檻だ。中には、例の悪魔の子供がいる。
先に部屋に戻っていた雪男は、そんな兄の疑問に答えることなく、
ボードを胸の前に押し付けてきた。
「はい、兄さん。謹慎中の兄さんのスケジュール、書いといたから」
受け取った燐が、几帳面な字でびっしりと書かれた予定に、
うっ・・・という顔になる。
「掃除にゴミ出し、冬休みの宿題、ちゃんとやっといてよ。
じゃあ、僕は行くから」
雪男は一気にまくしたてると、兄の顔をろくに見ようとせず部屋を出た時だった。
「「!」」
玲薇とばったり出会う。
「おー」
ドア付近で立ち止まった雪男に不思議に思った燐だったが、
玲薇の姿を見て声をかける。
「おかえり、燐」
「あれ・・・?そういや、玲薇の机とベッド、なくなってねーか?」
「・・・・・・」
出来ればその話題に振られる前に、部屋を出たかったんだ。
仕方なく、兄に説明してやる。
「檻が部屋に入らなかったから、玲薇は隣の部屋に移動してもらったよ」
「はぁ!?なんで玲薇をどかすんだよ」
また喧嘩になる前に、二人の間に入る。
「燐!そのことは私も承知済みだから。一人でも平気だから」
「けどよ・・・誰かに襲われたらどうすんだよ!?」
「兄さんと一緒にいられるよりは、よっぽど安心だ。
それに、いざという時は大声出せば聞こえるでしょ」
「なっ・・・」
捨て台詞のような言葉を残し、雪男はさっさと行ってしまった。
「待てよ、雪男!」
「燐!」
玲薇が燐の腕を掴む。
「今は、雪男のことそっとしといてあげて。
無理難題なことばかり私たちがやるから、雪男に迷惑かけてるの分かるの。
だから・・・それに、部屋は別だけどなるべく雪男がいない時、こっちに来るよ」
燐が肩を落とす。玲薇に言われちゃ、しょうがない。
それに、男子寮旧館を追い出されたわけじゃないんだ。
雪男の機嫌しだいで、どうなるかわからないけれど。
会おうと思えば、いつだって会える。
「・・・ってかアイツ、まだ怒ってんだな」
それだけ、玲薇のことが好きってこと。
だからって、譲ってやる気はさらさらない。
「じゃ・・・取り合えず今日は大丈夫かな」
「そう?」
少年の後ろ姿を見ていた玲薇に、声をかける。
「また何かあったら呼ぶ」
「うん」
玲薇を見送った後、かすかな物音に顔を向ける。
檻の中の少年が、肩越しにこちらを振り向いたところだった。
燐と目が合うと、少年は歯をむき出しにしてシャーッと威嚇してきた。
だが、すぐにぷいっと顔を背け、檻の底に背中を丸めて横たわった。
先ほどまでの手負いの猪のような様子から一変、
ひどくおとなしくなってしまった少年の姿に、
燐は声をかけあぐね・・・とりあえず自分の椅子に腰かける。
「・・・・・・・」
妙に静かになった部屋。一人になった部屋は、ここまで淋しいもんだったけ。
雪男はいない時はしばしばあったけど、いつも玲薇がいてくれてたから。
檻の中の少年をもう一度、しばらく、様子を見ていたが、
そのうち、抑えきれない眠気が襲ってきて目を閉じた・・・。