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夢小説設定
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「オイ、大丈夫か?しっかりしろ」
ふっくらした頬を、燐が叩けば少年はうっすらと目を開けた。
ホッとする二人。
「よかった。目、開けた」
「お前、ケガは!?どっか痛いとこねーか!?」
二人で少年の顔をのぞきこむ。
少年はぼんやりした目で二人を見つめると、
唇だけをパクパクと動かした。だが、声にならない。
少年は燐の腕の中で再び気を失ってしまった。
それきり、まるで死んだように動かなくなってしまう。
「あ!」
ハッとする玲薇に、慌てる燐。
「オイ!寝るな!!目を開けろ!オイ!!」
燐は大声で呼びかけながら、少年の華奢(きゃしゃ)な身体をゆさぶる。
そんな彼の背後で、ごそりと何かが動く音がした。
「!?」
振り返った燐が、両目を見開く。
そこに、煙の奥からこちらをうかがう幽霊列車の姿があった。
体中にびっしりと浮き出た不気味な目玉が、じいっと燐を見つめている。
まるで、獣が獲物に狙いを定めるかのよう・・・。
「くそっ・・・!」
燐が少年を腕に抱えた格好で身構え玲薇の前に立つ。
玲薇も幽霊列車に気がついた。
「燐!」
「動くなよ、玲薇」
そのとき、まばゆいライトが幽霊列車を照らした。
悪魔の注意が、燐からそちらへ逸れる。
燐も玲薇も、反射的に光のさしてくる方向を見た。
川の向こうから、かなりの速さでボートが近づいてくる。
その甲板に見知らぬ男と、シュラの姿があった。
川べりに寄せたボートが完全に止まりきらないうちに、
シュラがボートから岸に飛び移る。
「"八つ姫を喰らう 蛇を断つ"」
胸元に描かれた赤い魔法印に指先を突き入れ、魔剣を引き抜く。
魔剣を構えたシュラが幽霊列車のもとへ走りこみ、
短い気合いとともに、黒煙ごと切り裂いた。
だが、吹き飛ばされた煙の後に現れたのは瓦礫の山だった。
その奥に、シュラの太刀を避けた幽霊列車が、
闇に溶けこむように逃げていくのが見えた。
「ちっ」
舌打ちしたシュラが瓦礫の山に飛び乗り、その後を追う。
「シュラ・・・」
その場に残された燐たちの背後に、シュラが乗ってきたボートが止まった。
それに気づき、ボートの方へ振り向く。
燐が、船上にたたずむ男へ叫ぶ。
「早く、この子を病院に・・・!!」
切羽つまった叫びにも、男は答えない。
その完全なまでの無反応に、オイ、と再度、声をかける。
男はゆっくりと編み笠を取ると、鋭利な刃物のような双眸を燐へ向けた。
「・・・お前がサタンの落胤か」
「!!」
不躾(ぶしつけ)な視線と発言に、燐の表情が凍りつく。
だが、男はまるで意に介した様子もなく、視線を燐から、
彼の腕の中で瞑目する幼い少年に移した。
「・・・・・・・」
かすかにその双眸が細まったが、それ以外、
能面のような表情に変化はなかった。
ふっくらした頬を、燐が叩けば少年はうっすらと目を開けた。
ホッとする二人。
「よかった。目、開けた」
「お前、ケガは!?どっか痛いとこねーか!?」
二人で少年の顔をのぞきこむ。
少年はぼんやりした目で二人を見つめると、
唇だけをパクパクと動かした。だが、声にならない。
少年は燐の腕の中で再び気を失ってしまった。
それきり、まるで死んだように動かなくなってしまう。
「あ!」
ハッとする玲薇に、慌てる燐。
「オイ!寝るな!!目を開けろ!オイ!!」
燐は大声で呼びかけながら、少年の華奢(きゃしゃ)な身体をゆさぶる。
そんな彼の背後で、ごそりと何かが動く音がした。
「!?」
振り返った燐が、両目を見開く。
そこに、煙の奥からこちらをうかがう幽霊列車の姿があった。
体中にびっしりと浮き出た不気味な目玉が、じいっと燐を見つめている。
まるで、獣が獲物に狙いを定めるかのよう・・・。
「くそっ・・・!」
燐が少年を腕に抱えた格好で身構え玲薇の前に立つ。
玲薇も幽霊列車に気がついた。
「燐!」
「動くなよ、玲薇」
そのとき、まばゆいライトが幽霊列車を照らした。
悪魔の注意が、燐からそちらへ逸れる。
燐も玲薇も、反射的に光のさしてくる方向を見た。
川の向こうから、かなりの速さでボートが近づいてくる。
その甲板に見知らぬ男と、シュラの姿があった。
川べりに寄せたボートが完全に止まりきらないうちに、
シュラがボートから岸に飛び移る。
「"八つ姫を喰らう 蛇を断つ"」
胸元に描かれた赤い魔法印に指先を突き入れ、魔剣を引き抜く。
魔剣を構えたシュラが幽霊列車のもとへ走りこみ、
短い気合いとともに、黒煙ごと切り裂いた。
だが、吹き飛ばされた煙の後に現れたのは瓦礫の山だった。
その奥に、シュラの太刀を避けた幽霊列車が、
闇に溶けこむように逃げていくのが見えた。
「ちっ」
舌打ちしたシュラが瓦礫の山に飛び乗り、その後を追う。
「シュラ・・・」
その場に残された燐たちの背後に、シュラが乗ってきたボートが止まった。
それに気づき、ボートの方へ振り向く。
燐が、船上にたたずむ男へ叫ぶ。
「早く、この子を病院に・・・!!」
切羽つまった叫びにも、男は答えない。
その完全なまでの無反応に、オイ、と再度、声をかける。
男はゆっくりと編み笠を取ると、鋭利な刃物のような双眸を燐へ向けた。
「・・・お前がサタンの落胤か」
「!!」
不躾(ぶしつけ)な視線と発言に、燐の表情が凍りつく。
だが、男はまるで意に介した様子もなく、視線を燐から、
彼の腕の中で瞑目する幼い少年に移した。
「・・・・・・・」
かすかにその双眸が細まったが、それ以外、
能面のような表情に変化はなかった。