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夢小説設定
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「そんな・・・」
肩を落とし、力をなくす玲薇。
しかし、暴走する幽霊列車は止まることはなく、
揺れる体を寄り添わせ、抱き止める。
駐車場の最上階に出た列車の悪魔は、
奥に立てられた看板の裏を目がけて駐車場を駆け抜けた。
そのまま、巨大な看板を突き破って、夜空に舞う。
その勢いで、二人の身体が空中に放り出された。
この手だけは、離さない・・・。
燐は胸板に顔を埋める玲薇を庇いながら小さく頭を動かすと、
眼下にはきらびやかなネオンライトに彩られた正十字学園町の市街地が・・・、
すぐ真下には、工事中の区画が広がっていた。
目前に工事中のビルの間に立つクレーンが迫っている。
「!!」
幽霊列車が先にクレーンに串刺しになる。
悪魔は身体をぐにゃりと曲げ、蛇のようにクレーンに絡みついた。
燐のおかげでどうにか串刺しを避け、
幽霊列車を踏み台にしてクレーンの上に着地するも、
足を滑らせ、ギリギリのところでクレーンの一部をつかんだ。
だが、安堵したのも束の間。
クレーンが激突のショックでぐらぐらとゆれている。
いたるところに亀裂が入り、やがて、二人のぶら下がっている上部が、
小枝のようにポキッと折れた。
幽霊列車とクレーンの破片とともに、夜空を落下していく。
幸運にも、工事区画の真横を流れている川に頭から落ちた二人は、
飛び込んだ勢いで川底近くまで沈んでしまった。
クレーンの破片がその周囲に相次いで落下してくる。
ぐらぐらと揺れる視界に、どちらが上か下かわからなくなる。
それでも、なんとか浮上し、水面から大きく顔を出した。
「ぷはぁー!!」
「ゲホッ」
口から水を吐き出し、大きく咳き込みながら燐は周囲を見わたした。
息をめいいっぱい吸う玲薇。
燐がそばにいてくれたおかげで、離れずにすんだ。
しかし、意識が朦朧とし、目の前がぼやける。
生きている安心感に安堵すると同時、緊張感が一気になくなった。
「燐・・・」
崩壊している工事中のビルやその他の建造物の片隅に、
小さな身体が倒れているのを見つけていた燐だが、
消え入るその小さな声に振り向けば、沈みかけている玲薇の姿。
「玲薇!」
急いで抱き上げ泳ぎ、倒れていた子供のいる岸へと上がる。
「玲薇、あそこに子供が倒れてんだ。ちょっと、行ってくるから」
「え・・・」
動けない今の状態、燐を見送ることしか出来ない。
そして、その視線の先に玲薇も子供を見つけていた・・・。
倒れている子供に駆け寄る燐。
古風な着物姿の幼い少年が、固く目をつぶっている。
ピクリとも動かない。
慌てて少年を抱き上げる燐だったが、
頭上に感じた気配に少年を抱え、本能的にその場を離れる。
直後、倒壊したビルの瓦礫がその場に降り注いだ。
凄まじい重低音が響きわたり、あたりに灰色の煙が立ちこめる。
今の今まで自分たちがいた場所にざっくりと突き刺さった鉄の塊に、
愕然としながらも、玲薇の待つ安全な場所へ急ぐ。
「玲薇!」
「燐!」
身体を小さく丸めて待っていた玲薇の顔が上がる。
抱えていたその少年を、彼女の目の前に下ろすのだった。
肩を落とし、力をなくす玲薇。
しかし、暴走する幽霊列車は止まることはなく、
揺れる体を寄り添わせ、抱き止める。
駐車場の最上階に出た列車の悪魔は、
奥に立てられた看板の裏を目がけて駐車場を駆け抜けた。
そのまま、巨大な看板を突き破って、夜空に舞う。
その勢いで、二人の身体が空中に放り出された。
この手だけは、離さない・・・。
燐は胸板に顔を埋める玲薇を庇いながら小さく頭を動かすと、
眼下にはきらびやかなネオンライトに彩られた正十字学園町の市街地が・・・、
すぐ真下には、工事中の区画が広がっていた。
目前に工事中のビルの間に立つクレーンが迫っている。
「!!」
幽霊列車が先にクレーンに串刺しになる。
悪魔は身体をぐにゃりと曲げ、蛇のようにクレーンに絡みついた。
燐のおかげでどうにか串刺しを避け、
幽霊列車を踏み台にしてクレーンの上に着地するも、
足を滑らせ、ギリギリのところでクレーンの一部をつかんだ。
だが、安堵したのも束の間。
クレーンが激突のショックでぐらぐらとゆれている。
いたるところに亀裂が入り、やがて、二人のぶら下がっている上部が、
小枝のようにポキッと折れた。
幽霊列車とクレーンの破片とともに、夜空を落下していく。
幸運にも、工事区画の真横を流れている川に頭から落ちた二人は、
飛び込んだ勢いで川底近くまで沈んでしまった。
クレーンの破片がその周囲に相次いで落下してくる。
ぐらぐらと揺れる視界に、どちらが上か下かわからなくなる。
それでも、なんとか浮上し、水面から大きく顔を出した。
「ぷはぁー!!」
「ゲホッ」
口から水を吐き出し、大きく咳き込みながら燐は周囲を見わたした。
息をめいいっぱい吸う玲薇。
燐がそばにいてくれたおかげで、離れずにすんだ。
しかし、意識が朦朧とし、目の前がぼやける。
生きている安心感に安堵すると同時、緊張感が一気になくなった。
「燐・・・」
崩壊している工事中のビルやその他の建造物の片隅に、
小さな身体が倒れているのを見つけていた燐だが、
消え入るその小さな声に振り向けば、沈みかけている玲薇の姿。
「玲薇!」
急いで抱き上げ泳ぎ、倒れていた子供のいる岸へと上がる。
「玲薇、あそこに子供が倒れてんだ。ちょっと、行ってくるから」
「え・・・」
動けない今の状態、燐を見送ることしか出来ない。
そして、その視線の先に玲薇も子供を見つけていた・・・。
倒れている子供に駆け寄る燐。
古風な着物姿の幼い少年が、固く目をつぶっている。
ピクリとも動かない。
慌てて少年を抱き上げる燐だったが、
頭上に感じた気配に少年を抱え、本能的にその場を離れる。
直後、倒壊したビルの瓦礫がその場に降り注いだ。
凄まじい重低音が響きわたり、あたりに灰色の煙が立ちこめる。
今の今まで自分たちがいた場所にざっくりと突き刺さった鉄の塊に、
愕然としながらも、玲薇の待つ安全な場所へ急ぐ。
「玲薇!」
「燐!」
身体を小さく丸めて待っていた玲薇の顔が上がる。
抱えていたその少年を、彼女の目の前に下ろすのだった。