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夢小説設定
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暗いトンネル内を暴走する幽霊列車の前方では、
悪魔の内部にとりこまれた燐が、そばにある触手を握りしめ、
なんとか這い出てきていた。
燐につかまれた部分が、青い炎によって焼かれ、
ジュウゥゥウ・・・と、いう音をもらす。
肉の焦げるような嫌な臭いが周囲に充満した。
「この野郎!!止まりやがれ!!」
降魔剣を構えた燐が、青く輝く剣をその場に突き刺す。
剣の刺さった場所から青い炎が放出する・・・直後、
この世のものとは思えない叫び声を上げた幽霊列車が、
悶え苦しんだ後に、その進路を変えた。
左脇に見える、現在使われていない引きこみ線へと侵入すると、
車止めを跳ね飛ばし、そのまま突っ込んだ。
線路の先にある鉄の扉を突き破り、旧車両庫に出た列車は、
倉庫を暴走し、再び壁をぶち破ると、その外にある立体駐車場に躍り出た。
停まっている車を次から次に跳ね飛ばし、なおも進んでいく。
その震動は、先導部にしがみつく燐にも、
最高裁に連結したトロッコにいる三人にも、
等しく伝わっていた・・・。
「きゃあ!!」
トロッコの車体に必死にしがみついていたしえみが、
こらえきれず悲鳴をもらす。
幽霊列車は次々と車を巻き込みながら駐車場を暴走していく。
それに引きずられ、トロッコ車両の前輪は半ば宙に浮き、
地面についた部分は摩擦の熱で激しい火花を散らしていた。
(・・・もう、これ以上は無理だ)
そう判断した雪男は、一瞬だけ列車に残った兄を案ずるも、
それを振りきり、非常用の切り離しボタンを拳の脇で叩く。
歯を喰いしばりながら、トロッコから振り下ろされないようにと、
必死にしがみつく玲薇は燐が無事でいるであろう前方を見ていた。
そのせいか、雪男が例の赤いボタンを押したのが分かってしまった。
「雪男!燐がまだ」
「もう、これ以上は待てない!」
「でも!」
「仕方ないけど、今はこうするほかないんだ・・・!」
雪男の表情は、いつになく苦しそうだった。
その表情は、自ら重い決断を下したような・・・。
それが悔しくて、たまらない。
『わかった!絶対、ぶった切れ!』
なんであんな背中を押すような言葉を、燐に言ってしまったんだろう。
「リニュウ!お願い、燐のとこへ連れてって!」
《!?》
「なにを」
「燐を迎えに行く!!」
「待て、玲薇ー!!」
雪男の声も虚しく、玲薇たちは行ってしまった。
それを気にすべく間もなく、幽霊列車から伸びた触手が、
離れゆくトロッコ車両をつかもうと蠢く。
させまいと、雪男が銃弾で触手を撃ち抜いた。
無事、幽霊列車から切り離されたトロッコは、
駐車場の傾斜路を上がっていく幽霊列車と別れ、
その脇にある傾斜路を下っていった。
下り坂で加速したトロッコの車体が大きく跳ねる。
振り落とされぬようトロッコの鉄柵にしがみつきながら、
雪男がブレーキのレバーに手をかける。
それに気づいたしえみが、自分もレバーに右手をかけた。
高い音を立てて前後の車輪にロックがかかる。
地面に車輪が擦れ、火花が弾け飛ぶ。
トロッコはそのまま左右に大きく振れつつ、
前方にある料金所へと向かっていった。
「燐!」
幽霊列車の先頭部にしがみついている燐を見つけた。
先頭部に降り立ち、リニュウを戻しつつ燐の目の前に膝をおろす。
「玲薇!?」
再びこんな場所に戻ってきた彼女に、驚きを隠せない。
「つかまって!」
燐に手を伸ばせば、届く距離。
力いっぱい引き寄せれば、不安定な場所にいた燐は足場を取り戻す。
「お前、雪男のとこにいたんじゃねぇのかよ!?」
「燐が帰ってこないんだもん、いいじゃない。
とにかく、リニュウを呼ぶから」
「・・・ったく」
最近、やたら玲薇は心配性になった気がする。
そう思う中、激しい爆発音が響いた。
「「!?」」
その方向へ振り向けば、トロッコが料金所に激突している。
雪男としえみの姿は、爆風でどこにいるのか分からない。
一瞬のうちに、すべてが煙に包まれた。
「「ゆきおぉぉ!!」」
悪魔の内部にとりこまれた燐が、そばにある触手を握りしめ、
なんとか這い出てきていた。
燐につかまれた部分が、青い炎によって焼かれ、
ジュウゥゥウ・・・と、いう音をもらす。
肉の焦げるような嫌な臭いが周囲に充満した。
「この野郎!!止まりやがれ!!」
降魔剣を構えた燐が、青く輝く剣をその場に突き刺す。
剣の刺さった場所から青い炎が放出する・・・直後、
この世のものとは思えない叫び声を上げた幽霊列車が、
悶え苦しんだ後に、その進路を変えた。
左脇に見える、現在使われていない引きこみ線へと侵入すると、
車止めを跳ね飛ばし、そのまま突っ込んだ。
線路の先にある鉄の扉を突き破り、旧車両庫に出た列車は、
倉庫を暴走し、再び壁をぶち破ると、その外にある立体駐車場に躍り出た。
停まっている車を次から次に跳ね飛ばし、なおも進んでいく。
その震動は、先導部にしがみつく燐にも、
最高裁に連結したトロッコにいる三人にも、
等しく伝わっていた・・・。
「きゃあ!!」
トロッコの車体に必死にしがみついていたしえみが、
こらえきれず悲鳴をもらす。
幽霊列車は次々と車を巻き込みながら駐車場を暴走していく。
それに引きずられ、トロッコ車両の前輪は半ば宙に浮き、
地面についた部分は摩擦の熱で激しい火花を散らしていた。
(・・・もう、これ以上は無理だ)
そう判断した雪男は、一瞬だけ列車に残った兄を案ずるも、
それを振りきり、非常用の切り離しボタンを拳の脇で叩く。
歯を喰いしばりながら、トロッコから振り下ろされないようにと、
必死にしがみつく玲薇は燐が無事でいるであろう前方を見ていた。
そのせいか、雪男が例の赤いボタンを押したのが分かってしまった。
「雪男!燐がまだ」
「もう、これ以上は待てない!」
「でも!」
「仕方ないけど、今はこうするほかないんだ・・・!」
雪男の表情は、いつになく苦しそうだった。
その表情は、自ら重い決断を下したような・・・。
それが悔しくて、たまらない。
『わかった!絶対、ぶった切れ!』
なんであんな背中を押すような言葉を、燐に言ってしまったんだろう。
「リニュウ!お願い、燐のとこへ連れてって!」
《!?》
「なにを」
「燐を迎えに行く!!」
「待て、玲薇ー!!」
雪男の声も虚しく、玲薇たちは行ってしまった。
それを気にすべく間もなく、幽霊列車から伸びた触手が、
離れゆくトロッコ車両をつかもうと蠢く。
させまいと、雪男が銃弾で触手を撃ち抜いた。
無事、幽霊列車から切り離されたトロッコは、
駐車場の傾斜路を上がっていく幽霊列車と別れ、
その脇にある傾斜路を下っていった。
下り坂で加速したトロッコの車体が大きく跳ねる。
振り落とされぬようトロッコの鉄柵にしがみつきながら、
雪男がブレーキのレバーに手をかける。
それに気づいたしえみが、自分もレバーに右手をかけた。
高い音を立てて前後の車輪にロックがかかる。
地面に車輪が擦れ、火花が弾け飛ぶ。
トロッコはそのまま左右に大きく振れつつ、
前方にある料金所へと向かっていった。
「燐!」
幽霊列車の先頭部にしがみついている燐を見つけた。
先頭部に降り立ち、リニュウを戻しつつ燐の目の前に膝をおろす。
「玲薇!?」
再びこんな場所に戻ってきた彼女に、驚きを隠せない。
「つかまって!」
燐に手を伸ばせば、届く距離。
力いっぱい引き寄せれば、不安定な場所にいた燐は足場を取り戻す。
「お前、雪男のとこにいたんじゃねぇのかよ!?」
「燐が帰ってこないんだもん、いいじゃない。
とにかく、リニュウを呼ぶから」
「・・・ったく」
最近、やたら玲薇は心配性になった気がする。
そう思う中、激しい爆発音が響いた。
「「!?」」
その方向へ振り向けば、トロッコが料金所に激突している。
雪男としえみの姿は、爆風でどこにいるのか分からない。
一瞬のうちに、すべてが煙に包まれた。
「「ゆきおぉぉ!!」」