第二話 激戦
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「響香ちゃん!上鳴くん!」
「勝手に一番に飛び出すから!」
今も走り出そうとする歌恋を捕まえる尾白。
「目的!連合よりも巨人眠らせるのが先」
「だって」
皆が一斉に、八百万特性の麻酔薬のビンを巨人の口に目掛けていた。
「「「うわぁあ!」」」
しかし、それは巨人の一息でまるで突風の如く歌恋たちは吹き飛ばされる。
「皆ァ!!」
「息臭ェ!!」
「あっ・・・」
荼毘の青い炎が、巨人との境界線を引くように炎を広げる。
「腕、大丈夫ですか」
燃える荼毘の腕を見て、無意識か、興味なさそうでも一応心配しているようで。
「登坂歌恋ねえ・・・」
あれは確か、焦凍が名前を呼んでた女の子だ。死柄木が、爆豪と捉えろと捕まえた奴だ。
神野の件から何ヵ月か経ったけど、焦凍を見る時、大抵一緒にいた女。
『あんたは許さない!』
「ふーん・・・」
一度はヴィラン連合の仲間になることを拒否られたけど、今回は違う意味で彼女を自分の傍に置いたらどうなるだろう。
轟家の事情を、焦凍はどこまで彼女に話しているのだろう。
「ミスター、またストックは使えるか?」
「ん?何をする気?」
「いいこと思い付いた。さて、どさくさに紛れてどうするか・・・」
立ち上がろうとした巨人。
「!!」
どうしたことか、背が沈む。柔化した地面の底に、爆弾が設置されていたようだ。
沈んだ身体を戻そうと暴れる巨人のところに、追い付いたヒーロー達が応戦する。
「「ヴィラン連合ォー!!」」
Mt.レディが巨人の背にのしかかり、口を大きく開けた。
「(口になにか放り込もうとしてた)アーンしなさい、ホラ、あーん!(こいつを止める方法が今あるなら!!
信じるよ!!雄英のヒヨッ子さん達!!)」
炎のせいで巨人と距離が出来てしまった。そう簡単に炎の中に飛び込めるものはいない。
けど、ようやくプロヒーロー達も集合できてヴィラン連合に攻撃出来てきたところだ。
炎が大丈夫な芦戸は、粘性アーマーを全身に纏って炎の中を走り、鉄哲は対抗戦で轟の炎を耐えていた。
切島は、潰れないだけで炎の体制はないはずなのに・・・。
敵討ちなんて、ヴィランがしそうなことはしたくない。それでも悔しくて。あの時の荼毘の表情が脳裏にこびりついている。
ヒーローと戦う事をまるで楽しんで・・・常闇もホークスも荼毘からダメージを受けていると伺えた反応だ。
ああ、これはヒーロー殺しステインの後を追いかけた飯田の気持ちと一緒かもしれない。
昔の、出会った頃の焦凍の気持ち・・・。
アイツ、荼毘ってのにも大切な人がいれば気持ちは分かる筈。ヴィラン連合皆にその気持ちがあればこんな戦いする必要ないのに。
相手にそういう人がいなければ、何をやってもいい・・・?
巨人の口を開けていたMt.レディが、周りにいたプロヒーローを道連れに放りなげられる。
近くには芦戸がいて、麻酔薬のビンを手から滑らせてしまっていた。
ドバッと、芦戸の代わりに巨人の張り手を食らったのは切島だ。
「行くぞ!!立てる!?マッドマンが沈めて消火する」
「鉄哲!切島が!!」
「ああ・・・!あんにゃろ、俺と違って燃えねえだけで熱ィだろうに・・・俺より速く!突っ走って行きやがった!!」
ヴィラン連合の仲間を頭の後ろに乗せながら、巨人が完全に立ち上がってしまう。
「蝿は払った。同志よ、掴まってろ」
その巨人の硬い皮膚を登っていく切島。
「俺は、烈怒頼雄斗!俺の後ろに!!血はァ流れねえ!!」
「小蝿」
切島が持っていた麻酔薬は、トガがナイフを投げビンを割る。
(今のは俺の分!!芦戸!!おめーの漢気は、俺が受けとった!!)
顔の近くまで登りつめた切島が、巨人の口の中にビンを投げ入れた。
切島を捕まえる為にのびる巨人の手より素早く、取蔭が切島を救出し、八百万の創造で作った大砲で気を引かせる。
「暴れる程回りが早まるはずです!マジェスティック!!」
すでに連絡を入れていた八百万のお陰で、再び動き出すプロヒーロー。
「委細承知した!さすが百ちゃん、俺の見込んだ女だよ!さあ皆さん!インターン生に頼りっぱなしはここまでにしよう!」
「小蝿は、キリがない」
早い戦闘の展開に追いつけなくなりそうだ。巨人の顔に、保護するようバイザーが現れ、
指は更に大きく爪がのびた。姿形が、より一層大きくなったのだ。
ここで話を聞くのは野暮なことかも知れない。だから焦凍に『幸せ家族』と言われてしまったのはしょうがない。
その家族のあり方しか歌恋は知らないから。話し合いでこの戦争が終わらないのも明らかだろうけど。
自身に桜を纏い、ホークスのもとで培った"個性"を使い高く空を飛ぶ。
暴れ狂う巨人に近付けないヒーロー達。マジェスティックがインターンの皆を逃がしてるのがみえる。
腕を巨人の背中に掴み、乗り上げた。
「わざわざどうも!」
「っ・・・!」
向けられる手のひら。纏っていたほとんどの桜を目の前に集合させ、青い炎を避ける。
「敵陣に一人で突っ込むなんて、やっぱ大胆だね歌恋ちゃん」
広い巨人の背中の端の部分にしか居場所がないのをいいことに、連合が荼毘を中心に囲んできた。
「来てくれて私は嬉しいです!」
囲むだけ囲んで、両脇にいるMr.コンプレスにトガヒミコは何をしてこようともない。
ジリジリとした緊張感が、ただ歌恋の鼓動を速くする。
「一人で俺ら全員とやり合おうってつもりじゃねぇんだろ?昔のよしみだ、話は聞くぜヒーロー」
「・・・・・・・ワザワザ手加減してくれたね、プロヒーローは皆すぐだったのに。私一人簡単に燃やせた筈でしょ?」
「死柄木に会わせても面白いと思ったんだよ。それに、あの乱戦の中無視通してきたんはアンタだろ。
助けられた命を助けなかったのはアンタの意思だ。何を俺らに求める?」
「・・・・・・あなた達には、大切な人はいないの?いないからこんな簡単に戦いを初められるの?なんの為に戦ってるの?」
こんな事聞いたって、どうにもならないことはわかってる。でも、聞きたかった質問だ。
「・・・大切な人・・・」
トガヒミコが呟く。笑顔だった表情は、完全に消え伏せていた。
「おっと。待って、殺すなよイカレ野郎」
荼毘がツギハギだらけの顔を分かりやすい程ニヤリと口角を上げる。
「俺らの仲間だったトゥワイスは、アンタが大好きなホークス様が殺したよ」
歌恋はその話に目を丸くする。ホークスが、殺した・・・?
「仁くんは、大切な人でした。ヒーローは何でも知ってるようで知りません」
後ろに控えているスピナーとロン毛の男は顔を合わせている。
「ホークスが大切か?クラスメイトが大切か?轟焦凍が大好きか?」
「は・・・?」
「轟家の事情をどこまで焦凍が話してくれた?知って近づいてんだろ?」
荼毘の瞳の中で、青い炎が揺らめく。
「まぁ、知らないから呑気にそんな言葉を向けてくるんだよな。皮肉なもんだぜ。焦凍も優しくなっちまったよ」
言い様のない不安が押し寄せる。まるで知ってるような口振り。いや、ただ煽られてるだけかもしれない。
微動だにしない彼らに動揺がバレないようにひた隠す。隠せてるか分からないけれど。
「焦凍の事はいま関係ないでしょ・・・?答えになってない。なんの為に戦ってるの」
「強いて言えば自分を見せる為か見て欲しいから、か。そんなんはどうでもいいんだよ。
そうだな、アンタにも面白いモン一緒に観てもらいたいからな。現地につくまでここにいりゃいい。
轟燈矢。知ってるか知らねぇが、焦凍から聞いてりゃ多少は理解出来るだろ?」
さっきから、荼毘が伝えたいことは何なのだろう。
「轟・・・とう、や・・・?」
燈矢は確か、焦凍の一番上のお兄さんの名前。もういないと、彼は話してくれた。
それを、どう理解しろと?頭の中が混乱する。
「歌恋ちゃん、大丈夫ですか?」
トガヒミコがピョンピョンと、嬉しそうに近付いてくる。ハッと我に返り、再び警戒体制になる。
「そんな構えちゃうと寂しいですね」
荼毘がやれやれと呆れながら、歌恋が初めて見るロン毛の男に肩越しに振り返りながら声をかけた。
「スケプティック、用意は出来てるな」
「ここで流すのか」
「いや、ご本人がいなきゃつまんねえさ。調整もバッチリしといてくれよ」
巨人の動きが鈍ることもなくひたすらに走っている。
(全然眠ってくれない・・・眠ってくれれば少しは隙が出来ると思ったのに。
このまま真っ直ぐ進まれたら、街が潰される。避難誘導してる皆と鉢合わせだ。
死柄木はいま、エンデヴァーが戦っている。巨人が叫んでる主の下へって、死柄木の事だよね。
だから連合の連中が一緒にいるってこと。きっと合流したらヒーローの勝ち目はない。
だから、街まで行っちゃえばお茶子ちゃんがいる。梅雨ちゃんも飯田くんも。
焦凍も・・・私一人じゃ無理でも、皆と合流出来れば・・・!)
ただ、一つ引っ掛かるのは、荼毘の言った轟家の事と燈矢の事。彼は何を企んでいるのだろう。
「勝手に一番に飛び出すから!」
今も走り出そうとする歌恋を捕まえる尾白。
「目的!連合よりも巨人眠らせるのが先」
「だって」
皆が一斉に、八百万特性の麻酔薬のビンを巨人の口に目掛けていた。
「「「うわぁあ!」」」
しかし、それは巨人の一息でまるで突風の如く歌恋たちは吹き飛ばされる。
「皆ァ!!」
「息臭ェ!!」
「あっ・・・」
荼毘の青い炎が、巨人との境界線を引くように炎を広げる。
「腕、大丈夫ですか」
燃える荼毘の腕を見て、無意識か、興味なさそうでも一応心配しているようで。
「登坂歌恋ねえ・・・」
あれは確か、焦凍が名前を呼んでた女の子だ。死柄木が、爆豪と捉えろと捕まえた奴だ。
神野の件から何ヵ月か経ったけど、焦凍を見る時、大抵一緒にいた女。
『あんたは許さない!』
「ふーん・・・」
一度はヴィラン連合の仲間になることを拒否られたけど、今回は違う意味で彼女を自分の傍に置いたらどうなるだろう。
轟家の事情を、焦凍はどこまで彼女に話しているのだろう。
「ミスター、またストックは使えるか?」
「ん?何をする気?」
「いいこと思い付いた。さて、どさくさに紛れてどうするか・・・」
立ち上がろうとした巨人。
「!!」
どうしたことか、背が沈む。柔化した地面の底に、爆弾が設置されていたようだ。
沈んだ身体を戻そうと暴れる巨人のところに、追い付いたヒーロー達が応戦する。
「「ヴィラン連合ォー!!」」
Mt.レディが巨人の背にのしかかり、口を大きく開けた。
「(口になにか放り込もうとしてた)アーンしなさい、ホラ、あーん!(こいつを止める方法が今あるなら!!
信じるよ!!雄英のヒヨッ子さん達!!)」
炎のせいで巨人と距離が出来てしまった。そう簡単に炎の中に飛び込めるものはいない。
けど、ようやくプロヒーロー達も集合できてヴィラン連合に攻撃出来てきたところだ。
炎が大丈夫な芦戸は、粘性アーマーを全身に纏って炎の中を走り、鉄哲は対抗戦で轟の炎を耐えていた。
切島は、潰れないだけで炎の体制はないはずなのに・・・。
敵討ちなんて、ヴィランがしそうなことはしたくない。それでも悔しくて。あの時の荼毘の表情が脳裏にこびりついている。
ヒーローと戦う事をまるで楽しんで・・・常闇もホークスも荼毘からダメージを受けていると伺えた反応だ。
ああ、これはヒーロー殺しステインの後を追いかけた飯田の気持ちと一緒かもしれない。
昔の、出会った頃の焦凍の気持ち・・・。
アイツ、荼毘ってのにも大切な人がいれば気持ちは分かる筈。ヴィラン連合皆にその気持ちがあればこんな戦いする必要ないのに。
相手にそういう人がいなければ、何をやってもいい・・・?
巨人の口を開けていたMt.レディが、周りにいたプロヒーローを道連れに放りなげられる。
近くには芦戸がいて、麻酔薬のビンを手から滑らせてしまっていた。
ドバッと、芦戸の代わりに巨人の張り手を食らったのは切島だ。
「行くぞ!!立てる!?マッドマンが沈めて消火する」
「鉄哲!切島が!!」
「ああ・・・!あんにゃろ、俺と違って燃えねえだけで熱ィだろうに・・・俺より速く!突っ走って行きやがった!!」
ヴィラン連合の仲間を頭の後ろに乗せながら、巨人が完全に立ち上がってしまう。
「蝿は払った。同志よ、掴まってろ」
その巨人の硬い皮膚を登っていく切島。
「俺は、烈怒頼雄斗!俺の後ろに!!血はァ流れねえ!!」
「小蝿」
切島が持っていた麻酔薬は、トガがナイフを投げビンを割る。
(今のは俺の分!!芦戸!!おめーの漢気は、俺が受けとった!!)
顔の近くまで登りつめた切島が、巨人の口の中にビンを投げ入れた。
切島を捕まえる為にのびる巨人の手より素早く、取蔭が切島を救出し、八百万の創造で作った大砲で気を引かせる。
「暴れる程回りが早まるはずです!マジェスティック!!」
すでに連絡を入れていた八百万のお陰で、再び動き出すプロヒーロー。
「委細承知した!さすが百ちゃん、俺の見込んだ女だよ!さあ皆さん!インターン生に頼りっぱなしはここまでにしよう!」
「小蝿は、キリがない」
早い戦闘の展開に追いつけなくなりそうだ。巨人の顔に、保護するようバイザーが現れ、
指は更に大きく爪がのびた。姿形が、より一層大きくなったのだ。
ここで話を聞くのは野暮なことかも知れない。だから焦凍に『幸せ家族』と言われてしまったのはしょうがない。
その家族のあり方しか歌恋は知らないから。話し合いでこの戦争が終わらないのも明らかだろうけど。
自身に桜を纏い、ホークスのもとで培った"個性"を使い高く空を飛ぶ。
暴れ狂う巨人に近付けないヒーロー達。マジェスティックがインターンの皆を逃がしてるのがみえる。
腕を巨人の背中に掴み、乗り上げた。
「わざわざどうも!」
「っ・・・!」
向けられる手のひら。纏っていたほとんどの桜を目の前に集合させ、青い炎を避ける。
「敵陣に一人で突っ込むなんて、やっぱ大胆だね歌恋ちゃん」
広い巨人の背中の端の部分にしか居場所がないのをいいことに、連合が荼毘を中心に囲んできた。
「来てくれて私は嬉しいです!」
囲むだけ囲んで、両脇にいるMr.コンプレスにトガヒミコは何をしてこようともない。
ジリジリとした緊張感が、ただ歌恋の鼓動を速くする。
「一人で俺ら全員とやり合おうってつもりじゃねぇんだろ?昔のよしみだ、話は聞くぜヒーロー」
「・・・・・・・ワザワザ手加減してくれたね、プロヒーローは皆すぐだったのに。私一人簡単に燃やせた筈でしょ?」
「死柄木に会わせても面白いと思ったんだよ。それに、あの乱戦の中無視通してきたんはアンタだろ。
助けられた命を助けなかったのはアンタの意思だ。何を俺らに求める?」
「・・・・・・あなた達には、大切な人はいないの?いないからこんな簡単に戦いを初められるの?なんの為に戦ってるの?」
こんな事聞いたって、どうにもならないことはわかってる。でも、聞きたかった質問だ。
「・・・大切な人・・・」
トガヒミコが呟く。笑顔だった表情は、完全に消え伏せていた。
「おっと。待って、殺すなよイカレ野郎」
荼毘がツギハギだらけの顔を分かりやすい程ニヤリと口角を上げる。
「俺らの仲間だったトゥワイスは、アンタが大好きなホークス様が殺したよ」
歌恋はその話に目を丸くする。ホークスが、殺した・・・?
「仁くんは、大切な人でした。ヒーローは何でも知ってるようで知りません」
後ろに控えているスピナーとロン毛の男は顔を合わせている。
「ホークスが大切か?クラスメイトが大切か?轟焦凍が大好きか?」
「は・・・?」
「轟家の事情をどこまで焦凍が話してくれた?知って近づいてんだろ?」
荼毘の瞳の中で、青い炎が揺らめく。
「まぁ、知らないから呑気にそんな言葉を向けてくるんだよな。皮肉なもんだぜ。焦凍も優しくなっちまったよ」
言い様のない不安が押し寄せる。まるで知ってるような口振り。いや、ただ煽られてるだけかもしれない。
微動だにしない彼らに動揺がバレないようにひた隠す。隠せてるか分からないけれど。
「焦凍の事はいま関係ないでしょ・・・?答えになってない。なんの為に戦ってるの」
「強いて言えば自分を見せる為か見て欲しいから、か。そんなんはどうでもいいんだよ。
そうだな、アンタにも面白いモン一緒に観てもらいたいからな。現地につくまでここにいりゃいい。
轟燈矢。知ってるか知らねぇが、焦凍から聞いてりゃ多少は理解出来るだろ?」
さっきから、荼毘が伝えたいことは何なのだろう。
「轟・・・とう、や・・・?」
燈矢は確か、焦凍の一番上のお兄さんの名前。もういないと、彼は話してくれた。
それを、どう理解しろと?頭の中が混乱する。
「歌恋ちゃん、大丈夫ですか?」
トガヒミコがピョンピョンと、嬉しそうに近付いてくる。ハッと我に返り、再び警戒体制になる。
「そんな構えちゃうと寂しいですね」
荼毘がやれやれと呆れながら、歌恋が初めて見るロン毛の男に肩越しに振り返りながら声をかけた。
「スケプティック、用意は出来てるな」
「ここで流すのか」
「いや、ご本人がいなきゃつまんねえさ。調整もバッチリしといてくれよ」
巨人の動きが鈍ることもなくひたすらに走っている。
(全然眠ってくれない・・・眠ってくれれば少しは隙が出来ると思ったのに。
このまま真っ直ぐ進まれたら、街が潰される。避難誘導してる皆と鉢合わせだ。
死柄木はいま、エンデヴァーが戦っている。巨人が叫んでる主の下へって、死柄木の事だよね。
だから連合の連中が一緒にいるってこと。きっと合流したらヒーローの勝ち目はない。
だから、街まで行っちゃえばお茶子ちゃんがいる。梅雨ちゃんも飯田くんも。
焦凍も・・・私一人じゃ無理でも、皆と合流出来れば・・・!)
ただ、一つ引っ掛かるのは、荼毘の言った轟家の事と燈矢の事。彼は何を企んでいるのだろう。