第二話 激戦
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歌恋の周りには、桜の花が無数飛んでいる。これはホークスの羽根を真似してやってみた。
ずっと意識を向けてるから疲れてしまうけど、持続時間が長くなったおかげでいちいち髪の毛を千切る必要もなくなっていたのだ。
「・・・登坂さんの髪の毛が伸びたら、また私が染めてもよろしいですか?」
「もちろん!嬉しい、ありがとうヤオモモ!」
そんなのんびりとした雰囲気もあっという間。
「なに!?包囲が突破された!?」
プロヒーローに、通信が入り耳郞がイヤホンを地面に突き刺す。
「うわあ!」
「!?」
耳郞らしかぬ大声に、歌恋はビックリした。
「響香ちゃん?」
「ヤバイ!!めっちゃデカイのが向かってる!」
耳郞の情報を頼りにしてくれたのだろう、プロヒーローが動き出す。
「前に詰めるぞ、ラインを下げるな!」
「インターン生はその場で待機!!」
状況は、悪くなる一方だ・・・。
心臓の音が、五月蝿い・・・。
「聞こえるかしら、クリエティ!!」
ヒーローが向かって数分足らず、歌恋たちの通信に、ミッドナイトの声がした。
「ミッドナイト先生!?」
応じるのは、八百万だ。
「状況は・・・わかってるね?」
「ええ。耳郞さんの"音"と障子さんの"目"で!」
「力押しでは誰も止められない。眠らせたい」
一瞬、ミッドナイトの言ってることが理解できなかった。
「法律違反になっちゃうけど・・・事態が事態よ。麻酔で眠らせるの」
「何を仰っているのですか、先生!?」
ミッドナイトの"個性"は眠り香だ。身体から眠くなる香りを出して、相手は為すすべなく眠ってしまう。
彼女の"個性"は、学校の授業でも何回も見たから生徒なら誰も知ってる。だから、疑問だった。
「ヒーローに麻酔を渡して・・・!その場を離れなさい・・・!難しければ・・・すぐ、避難を・・・!あなたの判断に・・・委ねます」
通信が、きれた。
「先生?」
返事がない。
「先生!?」
茫然と立ち尽くす。何で、どういう事なんだと、皆の視線は八百万に向けられる。
「何だよ、今の通信・・・」
「ヤオモモに委ねる?」
「眠らせるって、何で先生がやらねんだよ・・・」
「ヤオモモ・・・」
八百万一人に、選択の重圧がのしかかってる。これではダメなのはわかってるけれど。
さっきからドオンドオンと、地面を揺るがすほどの衝撃が近付いている。
耳郞の言っていた巨人が、もう目の前まで迫ってきているのだ。
「「イヤホンジャック」!「テンタクル」!!」
八百万の声が響く。
「音の位置から、距離とここへの到達時間を!巨人の大きさを、目算でいいのでお伝え下さい!
「マッドマン」あなたの力もお貸し下さい!皆さん動く準備を!!」
歌恋は、耳郞とともに頷く。大丈夫、八百万の作戦はいつも頼りになってる。
数々の授業で、クラス皆の実力は分かってるから。
「つーか、もう見えてるし!速いよ、10秒もかかんない・・・!!!」
巨人の鈍った動きに、耳郞は目を見開く。巨人の動きを止めようとしているMt.レディとシンリンカムイの姿が見えた。
「減速した!!でも、少し」
目算できる障子が伝えてくれる。
「約25mだ。Mt.レディより大きい!」
そして八百万は、麻酔薬の入ったビンを創造で作っていく。
「敵に背を見せるヒーローになれと・・・教わった事はございません」
「ったりめーだ!!」
「私は・・・戦います・・・!皆さんは・・・」
「言うな、ヤボだぜ。コス着て外出りゃヒーローなんだ」
やはりここはクラスの中でムードメーカーである切島と上鳴だ。いつも元気をもらってる。
「ここで迎えうちます!」
誰だって、こんな戦争は早く終わらせたい。ここで巨人を押さえ込めればヒーロー側の勝利が目の前の筈だ。
だが、障子の言葉で、与えてくれた情報で歌恋の思考が止まる。
「背中から、青い炎が見えた」
「・・・・・・・えっ」
「恐らく背中に連合が乗ってる」
頭の中がフラッシュバックしたように、館から見えてしまったホークスのモノと見えた炎の中に燃える羽根を思い出す。
青い炎の使い手、連合にいる荼毘。そいつがいるって事はホークスはどうなった?
常闇は何をしている、どうなってる?彼らは無事なのか。二人がいなくなっていたら、助けに行かなかった自分のせい?
「・・・登坂」
震える歌恋の手から落ちる麻酔薬の入ったビン。それを拾ったのは上鳴だ。
「まだ決まってねぇ!」
「かみ、なりくん・・・」
「常闇だって、ホークスだって、きっと無事だ!引き止めて悪かったけどよ、アイツらそんな簡単にやられねえよ!
また会う為に、俺たちがここで勝つんだ!常闇を追いかけたファットガムから何もないってことは、無事なんだよ!」
これ以上被害を出さない為にも、動かなくちゃならないんだ。そうだ、上鳴の言った通りだ。
何かあればファットガムから連絡が来る筈だ。何もない、大丈夫。
「ごめんね上鳴くん。前線いたとき上鳴くんの弱気に怒ったのに、何度も声をかけてくれて」
「怖いのは一緒だかんな」
「うん。(でも、ごめんね・・・絶対許せない)」
ヴィラン連合の荼毘・・・!
八百万が麻酔薬の使い方を説明してくれる。
「通常であれば溶液を注射するのですが、あの大きさですと約30Lは必要でしょう。
大きさに加え、極めて活発。注入する隙はないものと考え、経口投与を試みます。この一ビンが、希釈なしでの有効量です」
「誰か一つでも口に放れば、眠ってくれるってわけだな!」
「・・・ミッドナイト・・・生きてるよな・・・?」
峰田の声に答えたのは、芦戸。彼女もきっと不安だろうに、持ち前の明るい笑顔で言った。
「きっと大丈夫だよ!また皆で授業受けるんだもんね!」
巨人特有の大きな足音が響く。突っ走っていた巨人は、八百万たちと共に作った罠に引っ掛かってくれた。
「かかった!!」
ドオオンと地響きをたて、骨抜の"個性"で柔らかくした地面に巨人が沈んでくれる。
「位置ドンピシャあ!!」
「「ゴーゴー、ゴーゴー!!」」
引っ掛かった縄を、全員で巨人が起き上がらないように引っ張っていく。
「立ち上がられたら望み薄ですぞ!!」
「寝ええてええろオォ!!!」
ガクンと下がった巨人の丸まった背中から見えた、ヴィラン連合の奴ら。
彼らを見た途端、言い様のない怒りが込み上げる。
「あ!バカ、登坂!」
上鳴のポインターを受け取りながら、尾白が一人飛び出す歌恋を呼び止める。けど、それは耳に入ってこなくて。
「荼毘!!あんたは許さない!!」
背後に飛び上がった歌恋を見て、荼毘はニヤリと怪しく笑った。
(私の大事な人達を傷付ける・・・!)
「いつぞやのヒーロー気取りじゃねえか」
「ホークスは!常闇くんは!」
「ああ、焼き鳥どもか。知らねぇな」
「っ・・・!」
荼毘の腕が、青い炎で纏っていく。
「歌恋ちゃんですね。仲間になりにきてくれたんですね」
トガヒミコに、Mr.コンプレス。スピナーにあと、ロン毛のパソコンを持った男が一人。
喜びを露にするトガに向け、こんな時に荼毘と重なった否定的な言葉。
「ああ?」
「誰が」
向けられた炎は、跳躍するために使った左腕の幹と逆に、右手の葉っぱでガードしようと試みる。
だが、すぐ後を追っていた尾白が、歌恋のコスチュームを掴み引っ張る。
「!尾白く、ん」
彼は一瞬の隙に巨人の背中を尻尾の足場にし、再び跳躍した。
荼毘の横を通る耳郞のスピーカー。
「いっ」
彼女の音が響く前に、荼毘の青い炎がそれを燃やす。
尾白は歌恋を抱えたまま、障子と上鳴のポインターをヴィラン連合の足元にばらまいた。
(ポインターで皆には当たらねェ!!)
柳の"個性"ポルターガイストで上鳴が浮かんでいる。
「ぬあ!!?」
彼の攻撃が放たれる前に、無数の人の身長よりも大きな瓦礫が上鳴に激突した。
「危ねー!山荘で電撃吸ってたもんなァ!思わずストック使い切っちまった」
ずっと意識を向けてるから疲れてしまうけど、持続時間が長くなったおかげでいちいち髪の毛を千切る必要もなくなっていたのだ。
「・・・登坂さんの髪の毛が伸びたら、また私が染めてもよろしいですか?」
「もちろん!嬉しい、ありがとうヤオモモ!」
そんなのんびりとした雰囲気もあっという間。
「なに!?包囲が突破された!?」
プロヒーローに、通信が入り耳郞がイヤホンを地面に突き刺す。
「うわあ!」
「!?」
耳郞らしかぬ大声に、歌恋はビックリした。
「響香ちゃん?」
「ヤバイ!!めっちゃデカイのが向かってる!」
耳郞の情報を頼りにしてくれたのだろう、プロヒーローが動き出す。
「前に詰めるぞ、ラインを下げるな!」
「インターン生はその場で待機!!」
状況は、悪くなる一方だ・・・。
心臓の音が、五月蝿い・・・。
「聞こえるかしら、クリエティ!!」
ヒーローが向かって数分足らず、歌恋たちの通信に、ミッドナイトの声がした。
「ミッドナイト先生!?」
応じるのは、八百万だ。
「状況は・・・わかってるね?」
「ええ。耳郞さんの"音"と障子さんの"目"で!」
「力押しでは誰も止められない。眠らせたい」
一瞬、ミッドナイトの言ってることが理解できなかった。
「法律違反になっちゃうけど・・・事態が事態よ。麻酔で眠らせるの」
「何を仰っているのですか、先生!?」
ミッドナイトの"個性"は眠り香だ。身体から眠くなる香りを出して、相手は為すすべなく眠ってしまう。
彼女の"個性"は、学校の授業でも何回も見たから生徒なら誰も知ってる。だから、疑問だった。
「ヒーローに麻酔を渡して・・・!その場を離れなさい・・・!難しければ・・・すぐ、避難を・・・!あなたの判断に・・・委ねます」
通信が、きれた。
「先生?」
返事がない。
「先生!?」
茫然と立ち尽くす。何で、どういう事なんだと、皆の視線は八百万に向けられる。
「何だよ、今の通信・・・」
「ヤオモモに委ねる?」
「眠らせるって、何で先生がやらねんだよ・・・」
「ヤオモモ・・・」
八百万一人に、選択の重圧がのしかかってる。これではダメなのはわかってるけれど。
さっきからドオンドオンと、地面を揺るがすほどの衝撃が近付いている。
耳郞の言っていた巨人が、もう目の前まで迫ってきているのだ。
「「イヤホンジャック」!「テンタクル」!!」
八百万の声が響く。
「音の位置から、距離とここへの到達時間を!巨人の大きさを、目算でいいのでお伝え下さい!
「マッドマン」あなたの力もお貸し下さい!皆さん動く準備を!!」
歌恋は、耳郞とともに頷く。大丈夫、八百万の作戦はいつも頼りになってる。
数々の授業で、クラス皆の実力は分かってるから。
「つーか、もう見えてるし!速いよ、10秒もかかんない・・・!!!」
巨人の鈍った動きに、耳郞は目を見開く。巨人の動きを止めようとしているMt.レディとシンリンカムイの姿が見えた。
「減速した!!でも、少し」
目算できる障子が伝えてくれる。
「約25mだ。Mt.レディより大きい!」
そして八百万は、麻酔薬の入ったビンを創造で作っていく。
「敵に背を見せるヒーローになれと・・・教わった事はございません」
「ったりめーだ!!」
「私は・・・戦います・・・!皆さんは・・・」
「言うな、ヤボだぜ。コス着て外出りゃヒーローなんだ」
やはりここはクラスの中でムードメーカーである切島と上鳴だ。いつも元気をもらってる。
「ここで迎えうちます!」
誰だって、こんな戦争は早く終わらせたい。ここで巨人を押さえ込めればヒーロー側の勝利が目の前の筈だ。
だが、障子の言葉で、与えてくれた情報で歌恋の思考が止まる。
「背中から、青い炎が見えた」
「・・・・・・・えっ」
「恐らく背中に連合が乗ってる」
頭の中がフラッシュバックしたように、館から見えてしまったホークスのモノと見えた炎の中に燃える羽根を思い出す。
青い炎の使い手、連合にいる荼毘。そいつがいるって事はホークスはどうなった?
常闇は何をしている、どうなってる?彼らは無事なのか。二人がいなくなっていたら、助けに行かなかった自分のせい?
「・・・登坂」
震える歌恋の手から落ちる麻酔薬の入ったビン。それを拾ったのは上鳴だ。
「まだ決まってねぇ!」
「かみ、なりくん・・・」
「常闇だって、ホークスだって、きっと無事だ!引き止めて悪かったけどよ、アイツらそんな簡単にやられねえよ!
また会う為に、俺たちがここで勝つんだ!常闇を追いかけたファットガムから何もないってことは、無事なんだよ!」
これ以上被害を出さない為にも、動かなくちゃならないんだ。そうだ、上鳴の言った通りだ。
何かあればファットガムから連絡が来る筈だ。何もない、大丈夫。
「ごめんね上鳴くん。前線いたとき上鳴くんの弱気に怒ったのに、何度も声をかけてくれて」
「怖いのは一緒だかんな」
「うん。(でも、ごめんね・・・絶対許せない)」
ヴィラン連合の荼毘・・・!
八百万が麻酔薬の使い方を説明してくれる。
「通常であれば溶液を注射するのですが、あの大きさですと約30Lは必要でしょう。
大きさに加え、極めて活発。注入する隙はないものと考え、経口投与を試みます。この一ビンが、希釈なしでの有効量です」
「誰か一つでも口に放れば、眠ってくれるってわけだな!」
「・・・ミッドナイト・・・生きてるよな・・・?」
峰田の声に答えたのは、芦戸。彼女もきっと不安だろうに、持ち前の明るい笑顔で言った。
「きっと大丈夫だよ!また皆で授業受けるんだもんね!」
巨人特有の大きな足音が響く。突っ走っていた巨人は、八百万たちと共に作った罠に引っ掛かってくれた。
「かかった!!」
ドオオンと地響きをたて、骨抜の"個性"で柔らかくした地面に巨人が沈んでくれる。
「位置ドンピシャあ!!」
「「ゴーゴー、ゴーゴー!!」」
引っ掛かった縄を、全員で巨人が起き上がらないように引っ張っていく。
「立ち上がられたら望み薄ですぞ!!」
「寝ええてええろオォ!!!」
ガクンと下がった巨人の丸まった背中から見えた、ヴィラン連合の奴ら。
彼らを見た途端、言い様のない怒りが込み上げる。
「あ!バカ、登坂!」
上鳴のポインターを受け取りながら、尾白が一人飛び出す歌恋を呼び止める。けど、それは耳に入ってこなくて。
「荼毘!!あんたは許さない!!」
背後に飛び上がった歌恋を見て、荼毘はニヤリと怪しく笑った。
(私の大事な人達を傷付ける・・・!)
「いつぞやのヒーロー気取りじゃねえか」
「ホークスは!常闇くんは!」
「ああ、焼き鳥どもか。知らねぇな」
「っ・・・!」
荼毘の腕が、青い炎で纏っていく。
「歌恋ちゃんですね。仲間になりにきてくれたんですね」
トガヒミコに、Mr.コンプレス。スピナーにあと、ロン毛のパソコンを持った男が一人。
喜びを露にするトガに向け、こんな時に荼毘と重なった否定的な言葉。
「ああ?」
「誰が」
向けられた炎は、跳躍するために使った左腕の幹と逆に、右手の葉っぱでガードしようと試みる。
だが、すぐ後を追っていた尾白が、歌恋のコスチュームを掴み引っ張る。
「!尾白く、ん」
彼は一瞬の隙に巨人の背中を尻尾の足場にし、再び跳躍した。
荼毘の横を通る耳郞のスピーカー。
「いっ」
彼女の音が響く前に、荼毘の青い炎がそれを燃やす。
尾白は歌恋を抱えたまま、障子と上鳴のポインターをヴィラン連合の足元にばらまいた。
(ポインターで皆には当たらねェ!!)
柳の"個性"ポルターガイストで上鳴が浮かんでいる。
「ぬあ!!?」
彼の攻撃が放たれる前に、無数の人の身長よりも大きな瓦礫が上鳴に激突した。
「危ねー!山荘で電撃吸ってたもんなァ!思わずストック使い切っちまった」