第二話 激戦
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蛇腔総合病院跡地。
何もなくなったこの場所に、死柄木弔が立っていた。
「死柄木!!」
「寝起きに早々No.1かよ」
エンデヴァーの灼熱業火の幕、ヘルカーテインで死柄木の逃げ場をなくす。
容赦ない灼熱の炎は、途端に死柄木の身体を燃え上がらせる。
(こいつは、一歩も先へ行かせてはならん!!一刻も早く戦闘不能に)
だが、燃えていた筈の死柄木の身体は、動いている。エンデヴァーの火力は、一般の人間なら動ける温度ではない。
それが動いているとすれば考えは一つ、やけた先から再生されているということ――。
死柄木と攻防を繰り返しながら、エンデヴァーは全員に通信をいれる。伝えなくては、この状況を。
「全員通信こちらエンデヴァー!!病院跡地にて、死柄木と交戦中!!
地に触れずとも動ける者は、すぐに包囲網を」
向かってきた拳を、エンデヴァーが咄嗟によけ手首を掴む。だがその手のひらは、
エンデヴァーに触れていなくとも瓦礫を引き寄せぶつけてきた。
ギリギリのところで死柄木を放しよける。
「先生が貯め混んでた"個性"・・・生まれつき備わっていたような感覚だ、この万能感・・・。
なのになんだ、満ち足りない(俺の中の"何か"が駆り立てる。手に入れなくちゃ)」
ワン――・・・フォ――・・・
「ワン・フォー・オールを」
「ワン・フォー・オール?」
それはまだ、エンデヴァーの通信は皆に繋がっていて。
バーニンがエンデヴァーに聞き返している。
「あ!?ワン・フォー何!?とりあえずアシスト向かう!」
市民の避難の中、緑谷はバーニンに声をかけていた。
「バーニン、待って!!」
けれどこのパニックになっている状況では、ゆっくり話をしている場合じゃない。
「君たちは、残るヒーローと避難を!!」
バーニンの"個性"でも、エンデヴァーが言っていた地に触れずとも動ける者に値する。
それにもとより、彼女はエンデヴァーのサイドキック。助けに行くのは当たり前。
「警察の指示に従って!!もっと遠くへ!!」
エンデヴァーの隙をついた死柄木は、勢いをつけ飛び上がる。
「避難先の方角に向かってる!戦闘区域を拡大しろ!!街の外にも避難命令を!!」
「急げ!!一分一秒を争うぞ!」
「アレが来る!!次来たら終わりだ!!」
緑谷と爆豪二人が、何処かへ行こうとするのが轟たちクラスメイトの視線に入る。
「おい!!どこ行くんだ」
「あっと!忘れ物!!忘れ物!!すぐ戻るから!!」
忘れ物・・・こんな非常時に取りに行くほど、緑谷はバカじゃない。
何かある。
「デクです!!個別通信失礼します!」
「!」
「死柄木は僕を狙ってる可能性があります!人のいない方へ誘導できるかも!!少し交信お願いします!!」
「何を言っている!」
緑谷の考えは、現在死柄木と戦っているエンデヴァーにとって理解できない。
一人でどうにかしようとしているのか、まだ緑谷は学生なのにと。
「訳は後で!!遠すぎるのと、土煙でこっちから死柄木が見えません!
進行方向を変えるような素振りがあれば教えて下さい!!」
「それどころでは」
エンデヴァーが追っているのには目もくれず、死柄木は一度地面に着地し、方向を変えて再び飛び上がる。
「変えた!!南西に進路を変えた!!」
「やっぱり・・・!!ありがとうございます!!避難の時間を稼げる!!このまま引きつけます!!」
「ぬう!?小僧!!」
一先ず緑谷との通信が途絶え、すぐエンデヴァーは全員に通信をいれた。
「皆聞け!!死柄木跳躍し、南西に進路変更!!"超再生"を持っている!!最早以前の奴ではない!!」
心臓の音が、五月蝿い。
好きな人の前でも、心臓は不思議とドキドキと音をたてる。それは緊張とか憧れとか恋おしいとか明るい気持ち。
でも、いまの心臓の音はそんな明るい気持ちのものではない。不安と恐怖が襲い足が動かなくなりそうになる。
ファットガムのお腹から放り出されて、ホークスを心配する気持ちを常闇に託した。
ここに一人じゃなくてよかった。自分の手を引いてくれる小森の手を振り払ってはダメだと意識する。
桜を使い、後方に控えているA組とB組がいる場所を見つけ、皆がいることに安堵した。
「歌恋!」
姿を見つけて安心してくれた親友は、ぎゅっと抱き締めてくれる。
「響香ちゃん」
「無事でよかった。まだ終わったわけじゃないけど、やっぱ安心するね」
「うん。皆と一緒だったから」
「上鳴になんもされなかった?アイツ、頼りになった?」
上鳴を見ると、切島と鉄哲らと話していた。そんな彼は気づかないだろうふと歌恋は微笑む。
「カッコよかったよ、上鳴くん」
歌恋の表情を見て、耳郞も微笑んだ。
「そっか、よかった!」
「あの、常闇さんは・・・?」
八百万に問われ、ハッとする。
「常闇くん、は・・・」
いまもハッキリ脳裏に焼き付いている、青い炎の中に見えたボロボロの見覚えのある羽根・・・。
いつも必死に追いかけた、背中に大きな翼をもち余裕な笑顔を見せる人。
「少し別れて、ホークスのところに行ったよ」
皆に心配させたくなくて、無理矢理笑顔を作って言った。それが作り笑顔だってことは、二人にはバレバレなんだろうけど。
二人は、きっと大丈夫・・・。
何もなくなったこの場所に、死柄木弔が立っていた。
「死柄木!!」
「寝起きに早々No.1かよ」
エンデヴァーの灼熱業火の幕、ヘルカーテインで死柄木の逃げ場をなくす。
容赦ない灼熱の炎は、途端に死柄木の身体を燃え上がらせる。
(こいつは、一歩も先へ行かせてはならん!!一刻も早く戦闘不能に)
だが、燃えていた筈の死柄木の身体は、動いている。エンデヴァーの火力は、一般の人間なら動ける温度ではない。
それが動いているとすれば考えは一つ、やけた先から再生されているということ――。
死柄木と攻防を繰り返しながら、エンデヴァーは全員に通信をいれる。伝えなくては、この状況を。
「全員通信こちらエンデヴァー!!病院跡地にて、死柄木と交戦中!!
地に触れずとも動ける者は、すぐに包囲網を」
向かってきた拳を、エンデヴァーが咄嗟によけ手首を掴む。だがその手のひらは、
エンデヴァーに触れていなくとも瓦礫を引き寄せぶつけてきた。
ギリギリのところで死柄木を放しよける。
「先生が貯め混んでた"個性"・・・生まれつき備わっていたような感覚だ、この万能感・・・。
なのになんだ、満ち足りない(俺の中の"何か"が駆り立てる。手に入れなくちゃ)」
ワン――・・・フォ――・・・
「ワン・フォー・オールを」
「ワン・フォー・オール?」
それはまだ、エンデヴァーの通信は皆に繋がっていて。
バーニンがエンデヴァーに聞き返している。
「あ!?ワン・フォー何!?とりあえずアシスト向かう!」
市民の避難の中、緑谷はバーニンに声をかけていた。
「バーニン、待って!!」
けれどこのパニックになっている状況では、ゆっくり話をしている場合じゃない。
「君たちは、残るヒーローと避難を!!」
バーニンの"個性"でも、エンデヴァーが言っていた地に触れずとも動ける者に値する。
それにもとより、彼女はエンデヴァーのサイドキック。助けに行くのは当たり前。
「警察の指示に従って!!もっと遠くへ!!」
エンデヴァーの隙をついた死柄木は、勢いをつけ飛び上がる。
「避難先の方角に向かってる!戦闘区域を拡大しろ!!街の外にも避難命令を!!」
「急げ!!一分一秒を争うぞ!」
「アレが来る!!次来たら終わりだ!!」
緑谷と爆豪二人が、何処かへ行こうとするのが轟たちクラスメイトの視線に入る。
「おい!!どこ行くんだ」
「あっと!忘れ物!!忘れ物!!すぐ戻るから!!」
忘れ物・・・こんな非常時に取りに行くほど、緑谷はバカじゃない。
何かある。
「デクです!!個別通信失礼します!」
「!」
「死柄木は僕を狙ってる可能性があります!人のいない方へ誘導できるかも!!少し交信お願いします!!」
「何を言っている!」
緑谷の考えは、現在死柄木と戦っているエンデヴァーにとって理解できない。
一人でどうにかしようとしているのか、まだ緑谷は学生なのにと。
「訳は後で!!遠すぎるのと、土煙でこっちから死柄木が見えません!
進行方向を変えるような素振りがあれば教えて下さい!!」
「それどころでは」
エンデヴァーが追っているのには目もくれず、死柄木は一度地面に着地し、方向を変えて再び飛び上がる。
「変えた!!南西に進路を変えた!!」
「やっぱり・・・!!ありがとうございます!!避難の時間を稼げる!!このまま引きつけます!!」
「ぬう!?小僧!!」
一先ず緑谷との通信が途絶え、すぐエンデヴァーは全員に通信をいれた。
「皆聞け!!死柄木跳躍し、南西に進路変更!!"超再生"を持っている!!最早以前の奴ではない!!」
心臓の音が、五月蝿い。
好きな人の前でも、心臓は不思議とドキドキと音をたてる。それは緊張とか憧れとか恋おしいとか明るい気持ち。
でも、いまの心臓の音はそんな明るい気持ちのものではない。不安と恐怖が襲い足が動かなくなりそうになる。
ファットガムのお腹から放り出されて、ホークスを心配する気持ちを常闇に託した。
ここに一人じゃなくてよかった。自分の手を引いてくれる小森の手を振り払ってはダメだと意識する。
桜を使い、後方に控えているA組とB組がいる場所を見つけ、皆がいることに安堵した。
「歌恋!」
姿を見つけて安心してくれた親友は、ぎゅっと抱き締めてくれる。
「響香ちゃん」
「無事でよかった。まだ終わったわけじゃないけど、やっぱ安心するね」
「うん。皆と一緒だったから」
「上鳴になんもされなかった?アイツ、頼りになった?」
上鳴を見ると、切島と鉄哲らと話していた。そんな彼は気づかないだろうふと歌恋は微笑む。
「カッコよかったよ、上鳴くん」
歌恋の表情を見て、耳郞も微笑んだ。
「そっか、よかった!」
「あの、常闇さんは・・・?」
八百万に問われ、ハッとする。
「常闇くん、は・・・」
いまもハッキリ脳裏に焼き付いている、青い炎の中に見えたボロボロの見覚えのある羽根・・・。
いつも必死に追いかけた、背中に大きな翼をもち余裕な笑顔を見せる人。
「少し別れて、ホークスのところに行ったよ」
皆に心配させたくなくて、無理矢理笑顔を作って言った。それが作り笑顔だってことは、二人にはバレバレなんだろうけど。
二人は、きっと大丈夫・・・。