第一話 暗雲
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そう、誰も知らない筈の自分の名。
「誰だ、おまえは」
「 」
聞いた途端、頭の中が真っ白になる。
「トゥワイスよりも、誰よりもおまえは俺をマークしなきゃいけなかったんだ。
連合も死柄木も、ハナからどうでもいい。一人の人間の、たった一つの執念で、世界は変えられる。
この世界に、本物の英雄なんていやしねえ。俺は、ステインの意志を全うする者だ。
おまえの生死も、俺にはどうでもいい」
先導を行くミルコを追うため、涌き出る喋る脳無を相手にしているエンデヴァーたち。
喋る脳無を数体相手にしていたミルコは、奥の研究室に引きこもった柄木を再び追うために、
脱兎の如く走りに集中し追い詰めていた。研究室に突入し、目の前には巨大なカプセルに液体を体に浸されている男がいる。
(視界に入った瞬間に、身体が理解しやがった。兎の生存本能。ダメなやつだ!!ダメだ、これは!!
これは、出しちゃいけねェ!!何を!差し置いても!!)
「やめろォオオオ!!!」
嘆く殻木の、驚いた叫び声を無視し、ミルコは脚を上げる。
「せまいっ」
ミルコを追いかけていた喋る脳無の触手が、上げていた脚に貫通した。
「あああああああああっ!!!(まだだ!!諦めねェ!!)」
ミルコの蹴りが、直撃する。殻木の見ていたパソコンのデータには、定着率74~75%と示され止まった。
(ルナアーク!!)
衝撃でカプセルは壊れ、同時にパソコンも制御不能。
「くっそ!」
だが、最後の一蹴りが行き届く前に、触手に引っ張られてしまった。
弾き出されるミルコを受け止めたのは、エンデヴァーだ。
「ミルコ!!」
「潰せ・・・!奥にいる・・・!死柄木と、ジジイ!!絶対に死柄木を起こさせるな!!」
満身創痍な状態のミルコに、エンデヴァーは治療をする為布を渡す。
「・・・傷を焼く!耐えろ!」
「奥に・・・!!」
「(報告から5分足らず・・・複数の喋る脳無を一人で相手していたのか)九州に続き、借りができた。死ぬなよ」
「つ~~~!何かっ貸したっつけ!?」
だがヒーローの彼らに、休む暇など与えてくれなくて。喋る脳無の残党が、エンデヴァーを見つけた。
「No.1だ。もっト、キモチ良くサセてくれソうっ」
エンデヴァーをミルコのもとへ行かせる為に、応戦していたクラスト、相澤先生、プレゼント・マイク。
その彼らに、ミルコからの通信が入った。
「皆、聞け・・・!死柄木は・・・カプセルに入ってる。カプセルは・・・恐らく起動装置だ。
そいつら、電気が走って動き始めた・・・!バチッつって。死柄木を起こすな!!
あれはもう、只の小悪党じゃねェ」
(数秒後には増援が来る・・・!が、その数秒が問題ってことだな、ミルコ)
いまここにいる三体の喋る脳無は、相澤先生の"個性"である「抹消」で再生能力を消している。
(「抹消」が解除された脳無は、恐らくエンデヴァーと戦闘を始めた。俺に見られないようにしている。
行って"個性"を消したいが、瞬きを挟まなくては・・・)
それでも、ここにいる脳無も放っておけない。
「(俺は、奥へは進めない)エクスレス!マイク!行ってくれ!」
だが脳無も、そう簡単に道を開けてくれるわけでもない。
「思い通りにイくとデも・・・」
(シュートシールド!)
クラストの盾の技が脳無に直撃した。
「GOォ!!」
それを合図に二人は奥へ走る。
「頼むわ」
ミルコに破壊され、中途半端に残った機械を弄っていた柄木。
「機器はイカレとるが、データは・・・よしっ・・・!これ以上溶液が抜ける前に起こさねば。
こんな・・・くそぅ、半端な形はまこと不本意じゃがっ、ワシとオール・フォー・ワンの夢の結晶・・・ああ、畜生!!
起きろ、死柄木弔ァ!」
(ラウンドヴォイス!!)
プレゼント・マイクの音が、残っていた機器をも粉々した。目の前の人物は、あの憎き殻木だ。
「真贋確認!D・Jパンチ!!」
殻木の顔面に、強烈なパンチをくらわした。
「それと、友だち泣かしたぶん!」
「・・・・・・・・・・?」
カプセルの中から倒れ出た死柄木を確認するエクスレス。
「息が、無い。心臓が止まってる」
プレゼント・マイクが捕まえている殻木が、その様子を説明する。
「仮死状態にして、定着の負担を軽減させるんじゃ。その容器は、定着促進・維持・蘇生装置。
ハッ・・・死柄木の為に生きてきた」
増援に向かっていたヒーローたちが、研究室に突入し、残りの脳無と戦っていく。
「終わる!終わってしまう!!魔王の、夢が!!」
少し前、群訝山荘前線より30m程、後方。
「あかん、ツクヨミ!キルシュ!」
ファットガムのお腹に運ばれている歌恋は必死に出ようともがく。
(ホークスが・・・!ホークスが・・・!)
館の一部の部屋から見えた青い炎に燃えている羽根。あれは、ホークスだ。
それに、あの青い炎には見覚えがある。神野事件の時戦った、連合の荼毘という奴の青い炎。
(ぬ、抜けない・・・!)
しかし、なんて脂肪の強さなのだろう。けど、それをいとも簡単に常闇は抜け出した。
「出たら、あかーーん!!」
「何してんだ、バカ!!」
「常闇くん!!」
皆の声に、常闇は振り返る。
「ホークスが、ホークスが!」
ファットガムの中から脱出を諦めた歌恋だが、きっと藁にもすがる思いだろう。
「俺だけでは不本意だろうが、行く!」
「(不本意とか・・・)そんなことない、お願い、常闇くん・・・!」
「御意!」
「御意じゃねーよ!何で!?」
二人の会話に、首を傾げる上鳴。
「見間違いじゃない・・・あれはきっと、ホークスの羽根!ホークスがピンチかもしれないの!ファットガム!」
行かせてくれ、と目で訴える。だが、ファットガムだって譲るきはない。
「ホークスがピンチなんはわかった。けど、ここまでや。君らはこっから後方に走り!ツクヨミを連れ戻したる!」
(出れた・・・!)
ポンッと、吸引力がなくなり、お腹から弾き出された。すぐ桜で飛ぼうとした、でもそれを止めたのは上鳴だ。
「「・・・・・・・・・」」
左手首を離してくれない上鳴を、歌恋が睨む。
「行かせて、ホークスのところに」
"個性"の使い方を教えてくれた。ヒーローとは何かと、教えてくれた。
彼は、一番世の中の平和を願ってる人だ。ヒーローが暇をもて余すって、そういう事だ。
だから彼はいつも、最高速度で飛んでいく。
「ダメだ、登坂は俺らと、皆んとこ戻るんだよ」
「何で」
「ホークスはNo.2だ!常闇が行ったんだ、大丈夫だ!」
常闇がクラスの中で強いのは知ってる。爆豪とか、轟とか、強い彼らの相手を出来るのは知ってる。
「・・・私じゃ、足手まとい・・・?」
勝ちを知ったのは、B組対抗戦の時。上鳴は言葉を詰まらせる、彼も言い方に迷ったのかもしれない。
けど、ハッキリと言葉にした。
「あぁ、そうだよ。いま行って、何が出来る?」
「・・・・っ・・・」
上鳴が言いたいことも分かる。分かるよ。一回連合に連れて行かれたから、心配してくれてるのは。
「柔軟に行こう?ツクヨミは行ったけど、ファットガムが追いかけていったわけだし。いまは皆との合流が先決でしょ」
「大丈夫のこ?不安なら手繋いでいこーよ。ここではぐれちゃダメキノコだよ」
「お、それいーな!皆で手繋ぐか!」
「・・・上鳴くんとなら、小森ちゃんと手繋ぐ」
「のこ!」
「えー?俺はー?」
人差し指を自分に向け、首を傾げる上鳴に歌恋は舌をべーっと出した。
「ひどい!」
つかの間の、平和な笑い声。
(ホークス、大丈夫だよね・・・常闇くん、大丈夫だよね・・・)
助けに行けなくて、ごめんなさいホークス・・・。私はまだまだ弱い。
少しでも強くなった気でいた自分が、バカみたいだ。
「ホークス!!」
「っ・・・!」
倒れまいとうつ伏せのまま顔を常闇に向ける。ダークシャドウは常闇の外套を使い、
ホークスの背中で燃える炎を消していく。その時に覚えた違和感。
「フミカゲ、まズいヨ・・・」
涙声のダークシャドウ。わかってる、言われなくともわかってる。
「言うな!」
歌恋に任されたのに、間に合わなかった。
「ホークスの背中が・・・ナイ・・・!」
剛翼が、一枚たりとも残っていなかった。
常闇が来て、少し安心したのか、ホークスは顔を地面につける。
以前、合宿の時に見たことある顔に、荼毘は呟く。
「雄英の・・・ダセェなァ、学生まで引っ張り出してんのか・・・」
何をおもったのか、荼毘は常闇に語りかけてきた。
「見ろよガキ」
荼毘が指さすところには、横たわる連合の一人、トゥワイスがいる。
「ホークスが殺した。仲間を守ろうと走る背中を、グサッと!」
『ホークスが殺した』、その言葉はひどく、重く心にのしかかる。でも、ホークスだってどうだ。
いまにも彼は、意識を失う寸前だ。
「何しに来た?助けに来たか?何を助けに来た?
おまえが健気に夢見るプロってやつぁ、俺たちなんかよりよっぽど薄汚えぞ」
「誰だ、おまえは」
「 」
聞いた途端、頭の中が真っ白になる。
「トゥワイスよりも、誰よりもおまえは俺をマークしなきゃいけなかったんだ。
連合も死柄木も、ハナからどうでもいい。一人の人間の、たった一つの執念で、世界は変えられる。
この世界に、本物の英雄なんていやしねえ。俺は、ステインの意志を全うする者だ。
おまえの生死も、俺にはどうでもいい」
先導を行くミルコを追うため、涌き出る喋る脳無を相手にしているエンデヴァーたち。
喋る脳無を数体相手にしていたミルコは、奥の研究室に引きこもった柄木を再び追うために、
脱兎の如く走りに集中し追い詰めていた。研究室に突入し、目の前には巨大なカプセルに液体を体に浸されている男がいる。
(視界に入った瞬間に、身体が理解しやがった。兎の生存本能。ダメなやつだ!!ダメだ、これは!!
これは、出しちゃいけねェ!!何を!差し置いても!!)
「やめろォオオオ!!!」
嘆く殻木の、驚いた叫び声を無視し、ミルコは脚を上げる。
「せまいっ」
ミルコを追いかけていた喋る脳無の触手が、上げていた脚に貫通した。
「あああああああああっ!!!(まだだ!!諦めねェ!!)」
ミルコの蹴りが、直撃する。殻木の見ていたパソコンのデータには、定着率74~75%と示され止まった。
(ルナアーク!!)
衝撃でカプセルは壊れ、同時にパソコンも制御不能。
「くっそ!」
だが、最後の一蹴りが行き届く前に、触手に引っ張られてしまった。
弾き出されるミルコを受け止めたのは、エンデヴァーだ。
「ミルコ!!」
「潰せ・・・!奥にいる・・・!死柄木と、ジジイ!!絶対に死柄木を起こさせるな!!」
満身創痍な状態のミルコに、エンデヴァーは治療をする為布を渡す。
「・・・傷を焼く!耐えろ!」
「奥に・・・!!」
「(報告から5分足らず・・・複数の喋る脳無を一人で相手していたのか)九州に続き、借りができた。死ぬなよ」
「つ~~~!何かっ貸したっつけ!?」
だがヒーローの彼らに、休む暇など与えてくれなくて。喋る脳無の残党が、エンデヴァーを見つけた。
「No.1だ。もっト、キモチ良くサセてくれソうっ」
エンデヴァーをミルコのもとへ行かせる為に、応戦していたクラスト、相澤先生、プレゼント・マイク。
その彼らに、ミルコからの通信が入った。
「皆、聞け・・・!死柄木は・・・カプセルに入ってる。カプセルは・・・恐らく起動装置だ。
そいつら、電気が走って動き始めた・・・!バチッつって。死柄木を起こすな!!
あれはもう、只の小悪党じゃねェ」
(数秒後には増援が来る・・・!が、その数秒が問題ってことだな、ミルコ)
いまここにいる三体の喋る脳無は、相澤先生の"個性"である「抹消」で再生能力を消している。
(「抹消」が解除された脳無は、恐らくエンデヴァーと戦闘を始めた。俺に見られないようにしている。
行って"個性"を消したいが、瞬きを挟まなくては・・・)
それでも、ここにいる脳無も放っておけない。
「(俺は、奥へは進めない)エクスレス!マイク!行ってくれ!」
だが脳無も、そう簡単に道を開けてくれるわけでもない。
「思い通りにイくとデも・・・」
(シュートシールド!)
クラストの盾の技が脳無に直撃した。
「GOォ!!」
それを合図に二人は奥へ走る。
「頼むわ」
ミルコに破壊され、中途半端に残った機械を弄っていた柄木。
「機器はイカレとるが、データは・・・よしっ・・・!これ以上溶液が抜ける前に起こさねば。
こんな・・・くそぅ、半端な形はまこと不本意じゃがっ、ワシとオール・フォー・ワンの夢の結晶・・・ああ、畜生!!
起きろ、死柄木弔ァ!」
(ラウンドヴォイス!!)
プレゼント・マイクの音が、残っていた機器をも粉々した。目の前の人物は、あの憎き殻木だ。
「真贋確認!D・Jパンチ!!」
殻木の顔面に、強烈なパンチをくらわした。
「それと、友だち泣かしたぶん!」
「・・・・・・・・・・?」
カプセルの中から倒れ出た死柄木を確認するエクスレス。
「息が、無い。心臓が止まってる」
プレゼント・マイクが捕まえている殻木が、その様子を説明する。
「仮死状態にして、定着の負担を軽減させるんじゃ。その容器は、定着促進・維持・蘇生装置。
ハッ・・・死柄木の為に生きてきた」
増援に向かっていたヒーローたちが、研究室に突入し、残りの脳無と戦っていく。
「終わる!終わってしまう!!魔王の、夢が!!」
少し前、群訝山荘前線より30m程、後方。
「あかん、ツクヨミ!キルシュ!」
ファットガムのお腹に運ばれている歌恋は必死に出ようともがく。
(ホークスが・・・!ホークスが・・・!)
館の一部の部屋から見えた青い炎に燃えている羽根。あれは、ホークスだ。
それに、あの青い炎には見覚えがある。神野事件の時戦った、連合の荼毘という奴の青い炎。
(ぬ、抜けない・・・!)
しかし、なんて脂肪の強さなのだろう。けど、それをいとも簡単に常闇は抜け出した。
「出たら、あかーーん!!」
「何してんだ、バカ!!」
「常闇くん!!」
皆の声に、常闇は振り返る。
「ホークスが、ホークスが!」
ファットガムの中から脱出を諦めた歌恋だが、きっと藁にもすがる思いだろう。
「俺だけでは不本意だろうが、行く!」
「(不本意とか・・・)そんなことない、お願い、常闇くん・・・!」
「御意!」
「御意じゃねーよ!何で!?」
二人の会話に、首を傾げる上鳴。
「見間違いじゃない・・・あれはきっと、ホークスの羽根!ホークスがピンチかもしれないの!ファットガム!」
行かせてくれ、と目で訴える。だが、ファットガムだって譲るきはない。
「ホークスがピンチなんはわかった。けど、ここまでや。君らはこっから後方に走り!ツクヨミを連れ戻したる!」
(出れた・・・!)
ポンッと、吸引力がなくなり、お腹から弾き出された。すぐ桜で飛ぼうとした、でもそれを止めたのは上鳴だ。
「「・・・・・・・・・」」
左手首を離してくれない上鳴を、歌恋が睨む。
「行かせて、ホークスのところに」
"個性"の使い方を教えてくれた。ヒーローとは何かと、教えてくれた。
彼は、一番世の中の平和を願ってる人だ。ヒーローが暇をもて余すって、そういう事だ。
だから彼はいつも、最高速度で飛んでいく。
「ダメだ、登坂は俺らと、皆んとこ戻るんだよ」
「何で」
「ホークスはNo.2だ!常闇が行ったんだ、大丈夫だ!」
常闇がクラスの中で強いのは知ってる。爆豪とか、轟とか、強い彼らの相手を出来るのは知ってる。
「・・・私じゃ、足手まとい・・・?」
勝ちを知ったのは、B組対抗戦の時。上鳴は言葉を詰まらせる、彼も言い方に迷ったのかもしれない。
けど、ハッキリと言葉にした。
「あぁ、そうだよ。いま行って、何が出来る?」
「・・・・っ・・・」
上鳴が言いたいことも分かる。分かるよ。一回連合に連れて行かれたから、心配してくれてるのは。
「柔軟に行こう?ツクヨミは行ったけど、ファットガムが追いかけていったわけだし。いまは皆との合流が先決でしょ」
「大丈夫のこ?不安なら手繋いでいこーよ。ここではぐれちゃダメキノコだよ」
「お、それいーな!皆で手繋ぐか!」
「・・・上鳴くんとなら、小森ちゃんと手繋ぐ」
「のこ!」
「えー?俺はー?」
人差し指を自分に向け、首を傾げる上鳴に歌恋は舌をべーっと出した。
「ひどい!」
つかの間の、平和な笑い声。
(ホークス、大丈夫だよね・・・常闇くん、大丈夫だよね・・・)
助けに行けなくて、ごめんなさいホークス・・・。私はまだまだ弱い。
少しでも強くなった気でいた自分が、バカみたいだ。
「ホークス!!」
「っ・・・!」
倒れまいとうつ伏せのまま顔を常闇に向ける。ダークシャドウは常闇の外套を使い、
ホークスの背中で燃える炎を消していく。その時に覚えた違和感。
「フミカゲ、まズいヨ・・・」
涙声のダークシャドウ。わかってる、言われなくともわかってる。
「言うな!」
歌恋に任されたのに、間に合わなかった。
「ホークスの背中が・・・ナイ・・・!」
剛翼が、一枚たりとも残っていなかった。
常闇が来て、少し安心したのか、ホークスは顔を地面につける。
以前、合宿の時に見たことある顔に、荼毘は呟く。
「雄英の・・・ダセェなァ、学生まで引っ張り出してんのか・・・」
何をおもったのか、荼毘は常闇に語りかけてきた。
「見ろよガキ」
荼毘が指さすところには、横たわる連合の一人、トゥワイスがいる。
「ホークスが殺した。仲間を守ろうと走る背中を、グサッと!」
『ホークスが殺した』、その言葉はひどく、重く心にのしかかる。でも、ホークスだってどうだ。
いまにも彼は、意識を失う寸前だ。
「何しに来た?助けに来たか?何を助けに来た?
おまえが健気に夢見るプロってやつぁ、俺たちなんかよりよっぽど薄汚えぞ」