第六話 仲間
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歌恋の返信を待ってる間、父親であるエンデヴァーから電話がきていた。
出る場所に困ったが、歌恋が来てくるだろうと願いながら、共有スペースにいた。
[焦凍、やはり配置の再考を・・・]
[オール・フォー・ワンはどうすんだよ。今残ってるヒーローで、あれの相手をまともにできるのがアンタしかいないように、
緑谷が、死柄木を止めるように、対燈矢兄には俺の力が適任だし、俺もそうしたい]
[・・・俺の使命だ・・・]
["皆"で、だ]
その時、常闇がここに来るのが見えた。確か歌恋は、常闇と耳郎と話していたハズだ。
話が終わったのだろうか、自然と足は、彼女の部屋に向かう。
[それぞれやれるべきことをやって・・・皆で、燈矢兄もヴィランも・・・止めるんだ!だから親父は・・・]
言いかけて迷う。クラスメイトを、仲間を、彼女を、死なせるなと。
[なんだ?]
[・・・いや、大丈夫だ]
歌恋の部屋がある廊下を、行ったり来たりしながら父親との電話を終えた。
ラインの方の返信は、[わかった]と歌恋からはいっていただけ。約束の時間とかないけど。
息を吐き、落ち着きを取り戻す。そして、ドアをノックした。
部屋にいた歌恋は、ノックの音にビクッとする。
「歌恋、いるか・・・?」
「・・・焦凍・・・?」
あれだけ二人で遠ざけた。それでも、話してくれる気になってくれた轟。ドアノブを持つ手が震える。
でも、これでやっとまた、もとに戻れるかもしれないという期待。
ドアを開ければ、やっぱりそこには轟がいた。
「・・・焦凍・・・」
逸る気持ちはある。けど、中々視線を合わせずらい。
「・・・その・・・なんだ・・・」
また何か言われてしまいそうで、歌恋はドアを閉めようとした。
「待ってくれ!」
慌ててドアを押さえる。
「ずっと、話せないで悪かった。急に来て、驚かせて、悪い。でも、聞いて欲しい・・・!」
「・・・焦凍は、他の女の子と楽しく話してた」
「それは・・・歌恋としか話せないようなことはしてねぇ」
「・・・ずっと、寂しかったよ。焦凍の心配しないようにしたよ。見ないようにしてたよ。話って、何を?」
怒ってしまいそうになる。聞いてあげなきゃと思うのに、溜まってた鬱憤が、爆発していく。
「・・・病院に入院して怒鳴って避けちまったの、俺が怖かったからだ。ずっと燈矢兄の嗤った顔が頭から離れなくて、
歌恋の隣にいるのが、燈矢兄になっちまった・・・俺の隣にいる歌恋は、ずっと泣かせて、泣いていて・・・。
俺じゃないほうがいいって、何度も自分に言い聞かせて・・・燈矢兄がどこで見てるか分からないから。
歌恋を、これ以上巻き込みたくなかったから・・・でも、それでも戦わせることになっちまった・・・」
彼が優しいってことは、誰より知ってるつもりだった。
「気持ちが宙ぶらりんで、こんな状態で戦えねぇと思って・・・こんな時ばかり弱気みせて・・・。
けど、俺は燈矢兄を避けることはできねぇ。兄貴を止めるのは、俺たちだから・・・。だから・・・」
言葉が濁る。ここまで、ただの言い訳だ。八つ当たりだ。自分が何も出来ないから。
燈矢を止めれば、この焦る気持ちも落ち着くと思っていた。けど、もしかしたら・・・伝える気持ちが早かったのかもしれない。
「戦いが終わるまで・・・どうすればいいのか、分かんねぇ・・・」
辛い思いして、悲しませて。最後に答え求める。最低だ。
「・・・焦凍、触っていい・・・?」
彼に対して怒鳴ることも、文句を言うことも違う気がした。言葉なんて、これ以上いらなくて。
ただ、抱きとめたくて。何をするわけでもない。崩れる彼を、優しく受け止める。
皆で、戦いを終わらせよう。
作戦決行当日。
まずは、オールマイト達が話してくれたように、オール・フォー・ワンを誘い出す為に、心操が上手く"個性"を使ってくれた。
お酒を持たせる為に息子、青山優雅を向かわせると。待ち合わせる場所に、青山が緑谷を呼び出す。
「来てくれてありがとう」
「青山くん、何でここに・・・留置所にいたんじゃ・・・」
「両親の弁護士が釈放してくれた」
「皆に伝えるよ!これからまた捜索に・・・」
「待って」
逸る気持ちの緑谷は、その言葉に足をとめ、再び青山と向き合う。
「君と話をしたい」
始まった青山の話は、崩壊した日本で裁判所はまだ生きてる。けど、こんな状態で従来の生き方を貫いて何になると。
青山の言葉に、緑谷は動揺しだす。
「オール・フォー・ワンの本当の目的を教えてあげる」
日本が崩壊しだし、突如円の価値が大暴落。多くの日本企業が倒産し始め、その煽りとヴィランの一斉活性化で各国にダメージ。
世界大恐慌や超常発現と似た流れがさし迫っていると。世界的な雇用の消失、貨幣の信用失墜、大混乱時代。
長期政策を施行する体力を失えば、どんどん目先の安全を求め争い貧しくなる。
日本は見捨てられる。各国、自国の安全が最優先だから。そんな世の中に、例えば、水が足りない国に、
飲み水を出せる"個性"が現れたら、電気もガスも"力"も退廃と混乱の世界へ突入していく中、
唯一人・・・彼は、世界の裁定者になる。
「どこか一つ、均衡を崩せれば、きっと何でもよかったんだよ」
「そんなの変だよ・・・世界が許すハズがないよ・・・それに、まだ僕たちがいるよ・・・!」
彼はまだ諦めていない。緑谷の目は、死んでいない。それが余計に、青山を苦しめる。
「そうだね。だからきっと、これは最後の詰めなんだ。ごめんね、やっぱり僕は、パパンとママンの安全を守りたい」
冷たい風が吹いたかと思うと、青山の後ろに地上からオール・フォー・ワンが姿を現した。
あんなに探しても見つかることのなかったオール・フォー・ワンが、容易く優雅に緑谷の前に。
「オール・フォー・ワン!!!」
相手はマスクしている為、表情は見えない。けど、きっとこの状況を楽しんでいるハズだ。
語りかける声色が、それを物語っている。
「よくやってくれたね、青山優雅。恐ろしかったろう、友を裏切るのは。心苦しかったろう、信頼されるというのは。
よく乗り越えた!」
出る場所に困ったが、歌恋が来てくるだろうと願いながら、共有スペースにいた。
[焦凍、やはり配置の再考を・・・]
[オール・フォー・ワンはどうすんだよ。今残ってるヒーローで、あれの相手をまともにできるのがアンタしかいないように、
緑谷が、死柄木を止めるように、対燈矢兄には俺の力が適任だし、俺もそうしたい]
[・・・俺の使命だ・・・]
["皆"で、だ]
その時、常闇がここに来るのが見えた。確か歌恋は、常闇と耳郎と話していたハズだ。
話が終わったのだろうか、自然と足は、彼女の部屋に向かう。
[それぞれやれるべきことをやって・・・皆で、燈矢兄もヴィランも・・・止めるんだ!だから親父は・・・]
言いかけて迷う。クラスメイトを、仲間を、彼女を、死なせるなと。
[なんだ?]
[・・・いや、大丈夫だ]
歌恋の部屋がある廊下を、行ったり来たりしながら父親との電話を終えた。
ラインの方の返信は、[わかった]と歌恋からはいっていただけ。約束の時間とかないけど。
息を吐き、落ち着きを取り戻す。そして、ドアをノックした。
部屋にいた歌恋は、ノックの音にビクッとする。
「歌恋、いるか・・・?」
「・・・焦凍・・・?」
あれだけ二人で遠ざけた。それでも、話してくれる気になってくれた轟。ドアノブを持つ手が震える。
でも、これでやっとまた、もとに戻れるかもしれないという期待。
ドアを開ければ、やっぱりそこには轟がいた。
「・・・焦凍・・・」
逸る気持ちはある。けど、中々視線を合わせずらい。
「・・・その・・・なんだ・・・」
また何か言われてしまいそうで、歌恋はドアを閉めようとした。
「待ってくれ!」
慌ててドアを押さえる。
「ずっと、話せないで悪かった。急に来て、驚かせて、悪い。でも、聞いて欲しい・・・!」
「・・・焦凍は、他の女の子と楽しく話してた」
「それは・・・歌恋としか話せないようなことはしてねぇ」
「・・・ずっと、寂しかったよ。焦凍の心配しないようにしたよ。見ないようにしてたよ。話って、何を?」
怒ってしまいそうになる。聞いてあげなきゃと思うのに、溜まってた鬱憤が、爆発していく。
「・・・病院に入院して怒鳴って避けちまったの、俺が怖かったからだ。ずっと燈矢兄の嗤った顔が頭から離れなくて、
歌恋の隣にいるのが、燈矢兄になっちまった・・・俺の隣にいる歌恋は、ずっと泣かせて、泣いていて・・・。
俺じゃないほうがいいって、何度も自分に言い聞かせて・・・燈矢兄がどこで見てるか分からないから。
歌恋を、これ以上巻き込みたくなかったから・・・でも、それでも戦わせることになっちまった・・・」
彼が優しいってことは、誰より知ってるつもりだった。
「気持ちが宙ぶらりんで、こんな状態で戦えねぇと思って・・・こんな時ばかり弱気みせて・・・。
けど、俺は燈矢兄を避けることはできねぇ。兄貴を止めるのは、俺たちだから・・・。だから・・・」
言葉が濁る。ここまで、ただの言い訳だ。八つ当たりだ。自分が何も出来ないから。
燈矢を止めれば、この焦る気持ちも落ち着くと思っていた。けど、もしかしたら・・・伝える気持ちが早かったのかもしれない。
「戦いが終わるまで・・・どうすればいいのか、分かんねぇ・・・」
辛い思いして、悲しませて。最後に答え求める。最低だ。
「・・・焦凍、触っていい・・・?」
彼に対して怒鳴ることも、文句を言うことも違う気がした。言葉なんて、これ以上いらなくて。
ただ、抱きとめたくて。何をするわけでもない。崩れる彼を、優しく受け止める。
皆で、戦いを終わらせよう。
作戦決行当日。
まずは、オールマイト達が話してくれたように、オール・フォー・ワンを誘い出す為に、心操が上手く"個性"を使ってくれた。
お酒を持たせる為に息子、青山優雅を向かわせると。待ち合わせる場所に、青山が緑谷を呼び出す。
「来てくれてありがとう」
「青山くん、何でここに・・・留置所にいたんじゃ・・・」
「両親の弁護士が釈放してくれた」
「皆に伝えるよ!これからまた捜索に・・・」
「待って」
逸る気持ちの緑谷は、その言葉に足をとめ、再び青山と向き合う。
「君と話をしたい」
始まった青山の話は、崩壊した日本で裁判所はまだ生きてる。けど、こんな状態で従来の生き方を貫いて何になると。
青山の言葉に、緑谷は動揺しだす。
「オール・フォー・ワンの本当の目的を教えてあげる」
日本が崩壊しだし、突如円の価値が大暴落。多くの日本企業が倒産し始め、その煽りとヴィランの一斉活性化で各国にダメージ。
世界大恐慌や超常発現と似た流れがさし迫っていると。世界的な雇用の消失、貨幣の信用失墜、大混乱時代。
長期政策を施行する体力を失えば、どんどん目先の安全を求め争い貧しくなる。
日本は見捨てられる。各国、自国の安全が最優先だから。そんな世の中に、例えば、水が足りない国に、
飲み水を出せる"個性"が現れたら、電気もガスも"力"も退廃と混乱の世界へ突入していく中、
唯一人・・・彼は、世界の裁定者になる。
「どこか一つ、均衡を崩せれば、きっと何でもよかったんだよ」
「そんなの変だよ・・・世界が許すハズがないよ・・・それに、まだ僕たちがいるよ・・・!」
彼はまだ諦めていない。緑谷の目は、死んでいない。それが余計に、青山を苦しめる。
「そうだね。だからきっと、これは最後の詰めなんだ。ごめんね、やっぱり僕は、パパンとママンの安全を守りたい」
冷たい風が吹いたかと思うと、青山の後ろに地上からオール・フォー・ワンが姿を現した。
あんなに探しても見つかることのなかったオール・フォー・ワンが、容易く優雅に緑谷の前に。
「オール・フォー・ワン!!!」
相手はマスクしている為、表情は見えない。けど、きっとこの状況を楽しんでいるハズだ。
語りかける声色が、それを物語っている。
「よくやってくれたね、青山優雅。恐ろしかったろう、友を裏切るのは。心苦しかったろう、信頼されるというのは。
よく乗り越えた!」
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