第五話 A組
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寮に戻り、皆を共有スペースに集合させる。緑谷を皆で見つけるために。
「それ・・・本当に?」
麗日が聞き返し、轟が答える。
「推測でしかねェけど・・・」
「十中八九、エンデヴァーたちといる。あのクソナード!!」
「推測・・・?連絡をして、確認を取ったんじゃないのか?君たちの師に・・・」
飯田が首をかしげ聞いてくる。
「幾度もしたさ」
「ホークスは全然出てくれない」
「ジーパンも」
「親父もだ。忙しいとは言え、不自然だ。俺たちに隠し事してるとしか思えねぇ」
オールマイトも戻ってない、それに加え外出もままならない現状細かい情報を得にくい。
「ジーパンとヘラ鳥は、病院でデクに接触してる。オールマイトとも・・・この手紙・・・」
爆豪がバラバラに破いた手紙の一欠片を、握り見せる。
「雄英に近づくことすらビビってんなら、誰がコソコソ真夜中ドアに挟み込んだ?
オールマイトしかいねぇ・・・!あいつら、きっと組んで動いてる!」
「・・・大人といるんなら、むしろ安心していいんじゃなウィ☆?」
「トップ3のチームアップしかニュースないぜ?オールマイトは入ってない」
「だからだよ」
きっと爆豪は、緑谷をこのクラスメイトの中で一番よく理解しているから。
幼なじみで、ずっと一緒の二人だから。
「俺はエンデヴァーたちより、デクの事もオールマイトの事も知ってる。多分、考え得る、最悪のパターンだ」
「じゃあ、連絡手段をどうするか!?だな!!」
切島の言葉に、歌恋たちは頷く。連絡を取れない自分たちでは、もうどうしようもない。
他の、みんなの案でなにかないか。一番に立ち上がったのは、麗日だ。
「エンデヴァーって、雄英卒だよね・・・」
「!」
轟がハッと、顔をあげる。
「強引に行こう」
麗日の提案で、校長に話をつけにいく。
数日後、校長室にてエンデヴァーの前に雄英の制服をきちんと着こなしたA組のクラスがいた。
逃げ場をなくしたエンデヴァーは、冷や汗を流す。
「校長、ハメましたね・・・!?」
「彼らの話を聞いて、対話の余地があると判断した。私は常にアップデートするのさ」
クラスで最初に口を開いたのは、エンデヴァーを父親としてもつ轟だ。
「何で、俺のことスルーした?燈矢兄を、一緒に止めようって言ったよな!?」
それを聞いて、歌恋は人知れず拳を握っている。轟の、強い決意だから。
「焦凍、その気持ちだけで俺は救われているんだ」
「俺は救われねぇよ。緑谷だけは例外か!?エンデヴァー、デクとオールマイト二人にしてるだろ」
エンデヴァーは答えない。反論もなにもない。これは決定だ。
「っぱな・・・」
前に出ていた轟を軽く押し退け、爆豪が前に出る。
「あぁ、正しいと思うぜ。概ね正しい選択だよ・・・!デクの事、わかってねぇんだ・・・。
デクは・・・イカレてんだよ、頭ぁ。自分を勘定に入れねぇ、大丈夫だって・・・。
オールマイトもそうやって平和の象徴になったから、デクを止められねぇ。
エンデヴァー!二人にしちゃいけない奴等なんだよ!」
その言葉を受け、エンデヴァーは何を思っているのだろう。一番緑谷を理解している爆豪だからこその。
「しかし・・・」
懐から、何か機械を取り出すエンデヴァーに、瀬呂が聞く。
「それ、GPSのやつっスか?」
答えのないエンデヴァーに向かって、瀬呂を先頭に皆が走り出す。
「こっ・・・これ!!借りていースか!?あのっ・・・俺!偶々同じクラスになっただけスけど!」
瀬呂に・・・。
「僕も・・・一年一緒に過ごしただけ。だけど」
口田に・・・。
「ワン・フォー・オールの悩みを打ち明けてくんなかったのも、あんな手紙で納得すると思われてんのもショックだけど」
轟に・・・。
「我々A組は、彼について行き、彼と行動します」
飯田の言葉に、下がっていた顔を歌恋も上げた。
「ワン・フォー・オールがどれだけ大きな責任を伴っていようが、緑谷くんは友達です。
友人が茨の道を歩んでいると知りながら、明日を笑う事は出来ません」
「・・・外は危険だ、秩序がない。おまえたちまで」
悩むエンデヴァーに、動いたのは校長だ。
「大人になったね・・・轟くん・・・!私は・・・ヴィランの目的である彼が、雄英に戻りたがらない事を踏まえチームアップを是とした。
でも、いいのさ、戻って来ても。合格通知を出した以上は、私たちが守るべき生徒さ」
合格通知を受け取ったあの日。
『おいで!ここが君の、ヒーローアカデミアさ』
両親と一緒に大喜びしたあの日から、物語が始まっている。
けど、ここでも肯定しないのはエンデヴァーだ。
「しかし、避難者の安全が・・・彼らの中にはまだ」
ヒーローを信じきれてない人がいるから。
「何も敷地面積だけで指定避難所を受け入れたわけじゃない。彼らには、私から何とか伝えよう。
文化祭開催に伴い強化したが、結局出番の無かったセキュリティ"雄英バリア"その真価と共にね。
いいんだよ・・・オールマイトだってここで育った!君たちの手で・・・連れ戻してあげておくれ」
エンデヴァーから預かった緑谷がいる場所を示すGPSを頼りに、A組が総出で動く。
外は、皆の心の内を反映しているかのように薄暗く雨が降り続いていた。
今もタルタロスで捕まっていたダツゴクたちが暴れているかもしれない。
危険を顧みず、少し離れた距離でトップスリーも動いてくれている。
皆が黙ったまま、重たく暗い空気。だけど、それをどうこうできない自分。
この選択が正しいのか間違ってるのかも分からない。
「近いぞ、爆豪」
GPSを持った爆豪を先頭に、障子が目で確認していた。爆豪はそれを聞くと一人で行ってしまう。
「待って爆豪くん!持ってって!」
ここで爆豪だけで行かせるわけには行かない。だからって、皆が同じスピードじゃない。
爆破で突破される前に、歌恋は桜を飛ばす。爆豪は少し振り向いてそれを掴んでくれた。
これで少し離れても大丈夫だ。
「助かりました」
「心配なんはみんな一緒だ!だけどついてけねーよ!」
お礼を言ってくれる八百万に、少し泣きそうな峰田。
「爆豪くんが一番焦ってるから」
爆破のスピードについていける飯田がついてる。瀬呂も尾白も常闇もすぐ後ろにいるだろう。
「一枚なら、そんな体力使わないから、響香ちゃんもヤオモモも体力温存しといてほしいし」
爆豪のスピードに、轟だってついていける筈だ。だけど彼は、残りの皆より後ろを走ってくれている。
(スピードを合わせてくれてる。ダツゴクと対峙した時のことも考えてくれてる)
離されてるのに、変なところで優しさは変わってない。
「いたぞ、てめェら」
爆豪からの報せだ。
皆がまた、安心して過ごせるように。皆とまた、笑って過ごせるように。
「それ・・・本当に?」
麗日が聞き返し、轟が答える。
「推測でしかねェけど・・・」
「十中八九、エンデヴァーたちといる。あのクソナード!!」
「推測・・・?連絡をして、確認を取ったんじゃないのか?君たちの師に・・・」
飯田が首をかしげ聞いてくる。
「幾度もしたさ」
「ホークスは全然出てくれない」
「ジーパンも」
「親父もだ。忙しいとは言え、不自然だ。俺たちに隠し事してるとしか思えねぇ」
オールマイトも戻ってない、それに加え外出もままならない現状細かい情報を得にくい。
「ジーパンとヘラ鳥は、病院でデクに接触してる。オールマイトとも・・・この手紙・・・」
爆豪がバラバラに破いた手紙の一欠片を、握り見せる。
「雄英に近づくことすらビビってんなら、誰がコソコソ真夜中ドアに挟み込んだ?
オールマイトしかいねぇ・・・!あいつら、きっと組んで動いてる!」
「・・・大人といるんなら、むしろ安心していいんじゃなウィ☆?」
「トップ3のチームアップしかニュースないぜ?オールマイトは入ってない」
「だからだよ」
きっと爆豪は、緑谷をこのクラスメイトの中で一番よく理解しているから。
幼なじみで、ずっと一緒の二人だから。
「俺はエンデヴァーたちより、デクの事もオールマイトの事も知ってる。多分、考え得る、最悪のパターンだ」
「じゃあ、連絡手段をどうするか!?だな!!」
切島の言葉に、歌恋たちは頷く。連絡を取れない自分たちでは、もうどうしようもない。
他の、みんなの案でなにかないか。一番に立ち上がったのは、麗日だ。
「エンデヴァーって、雄英卒だよね・・・」
「!」
轟がハッと、顔をあげる。
「強引に行こう」
麗日の提案で、校長に話をつけにいく。
数日後、校長室にてエンデヴァーの前に雄英の制服をきちんと着こなしたA組のクラスがいた。
逃げ場をなくしたエンデヴァーは、冷や汗を流す。
「校長、ハメましたね・・・!?」
「彼らの話を聞いて、対話の余地があると判断した。私は常にアップデートするのさ」
クラスで最初に口を開いたのは、エンデヴァーを父親としてもつ轟だ。
「何で、俺のことスルーした?燈矢兄を、一緒に止めようって言ったよな!?」
それを聞いて、歌恋は人知れず拳を握っている。轟の、強い決意だから。
「焦凍、その気持ちだけで俺は救われているんだ」
「俺は救われねぇよ。緑谷だけは例外か!?エンデヴァー、デクとオールマイト二人にしてるだろ」
エンデヴァーは答えない。反論もなにもない。これは決定だ。
「っぱな・・・」
前に出ていた轟を軽く押し退け、爆豪が前に出る。
「あぁ、正しいと思うぜ。概ね正しい選択だよ・・・!デクの事、わかってねぇんだ・・・。
デクは・・・イカレてんだよ、頭ぁ。自分を勘定に入れねぇ、大丈夫だって・・・。
オールマイトもそうやって平和の象徴になったから、デクを止められねぇ。
エンデヴァー!二人にしちゃいけない奴等なんだよ!」
その言葉を受け、エンデヴァーは何を思っているのだろう。一番緑谷を理解している爆豪だからこその。
「しかし・・・」
懐から、何か機械を取り出すエンデヴァーに、瀬呂が聞く。
「それ、GPSのやつっスか?」
答えのないエンデヴァーに向かって、瀬呂を先頭に皆が走り出す。
「こっ・・・これ!!借りていースか!?あのっ・・・俺!偶々同じクラスになっただけスけど!」
瀬呂に・・・。
「僕も・・・一年一緒に過ごしただけ。だけど」
口田に・・・。
「ワン・フォー・オールの悩みを打ち明けてくんなかったのも、あんな手紙で納得すると思われてんのもショックだけど」
轟に・・・。
「我々A組は、彼について行き、彼と行動します」
飯田の言葉に、下がっていた顔を歌恋も上げた。
「ワン・フォー・オールがどれだけ大きな責任を伴っていようが、緑谷くんは友達です。
友人が茨の道を歩んでいると知りながら、明日を笑う事は出来ません」
「・・・外は危険だ、秩序がない。おまえたちまで」
悩むエンデヴァーに、動いたのは校長だ。
「大人になったね・・・轟くん・・・!私は・・・ヴィランの目的である彼が、雄英に戻りたがらない事を踏まえチームアップを是とした。
でも、いいのさ、戻って来ても。合格通知を出した以上は、私たちが守るべき生徒さ」
合格通知を受け取ったあの日。
『おいで!ここが君の、ヒーローアカデミアさ』
両親と一緒に大喜びしたあの日から、物語が始まっている。
けど、ここでも肯定しないのはエンデヴァーだ。
「しかし、避難者の安全が・・・彼らの中にはまだ」
ヒーローを信じきれてない人がいるから。
「何も敷地面積だけで指定避難所を受け入れたわけじゃない。彼らには、私から何とか伝えよう。
文化祭開催に伴い強化したが、結局出番の無かったセキュリティ"雄英バリア"その真価と共にね。
いいんだよ・・・オールマイトだってここで育った!君たちの手で・・・連れ戻してあげておくれ」
エンデヴァーから預かった緑谷がいる場所を示すGPSを頼りに、A組が総出で動く。
外は、皆の心の内を反映しているかのように薄暗く雨が降り続いていた。
今もタルタロスで捕まっていたダツゴクたちが暴れているかもしれない。
危険を顧みず、少し離れた距離でトップスリーも動いてくれている。
皆が黙ったまま、重たく暗い空気。だけど、それをどうこうできない自分。
この選択が正しいのか間違ってるのかも分からない。
「近いぞ、爆豪」
GPSを持った爆豪を先頭に、障子が目で確認していた。爆豪はそれを聞くと一人で行ってしまう。
「待って爆豪くん!持ってって!」
ここで爆豪だけで行かせるわけには行かない。だからって、皆が同じスピードじゃない。
爆破で突破される前に、歌恋は桜を飛ばす。爆豪は少し振り向いてそれを掴んでくれた。
これで少し離れても大丈夫だ。
「助かりました」
「心配なんはみんな一緒だ!だけどついてけねーよ!」
お礼を言ってくれる八百万に、少し泣きそうな峰田。
「爆豪くんが一番焦ってるから」
爆破のスピードについていける飯田がついてる。瀬呂も尾白も常闇もすぐ後ろにいるだろう。
「一枚なら、そんな体力使わないから、響香ちゃんもヤオモモも体力温存しといてほしいし」
爆豪のスピードに、轟だってついていける筈だ。だけど彼は、残りの皆より後ろを走ってくれている。
(スピードを合わせてくれてる。ダツゴクと対峙した時のことも考えてくれてる)
離されてるのに、変なところで優しさは変わってない。
「いたぞ、てめェら」
爆豪からの報せだ。
皆がまた、安心して過ごせるように。皆とまた、笑って過ごせるように。