第四話 審議
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あれから三日が経った。街のパニックも、収まっていない。不安が、伝染していた。
けれど、皆が皆、ただ責め立てたいワケじゃなかったと思う。清廉潔白であってくれ。
間違いなど犯してないと言ってくれ。不安だから、安心させてくれ。すがるような想いがあったのだと思う。
「真実です。お詫びの申し上げようもございません」
エンデヴァーが病院を退院した後行われたトップ3の記者会見。
高校に戻った歌恋たちは、皆でそれを見ていた。ただ、まだ緑谷は病院で入院のまま。
そして、轟とはあれ以来、喋らなくなっていた。完全に彼から距離を置かれてしまったのだ。
エンデヴァー自身か、家族のおぞましい過去を滔々と語ってから。
気にするな、と切島や上鳴が励ましても、轟は上の空だった。
記者会見は続き、標的はエンデヴァーからホークス、ベストジーニストと続く。
「真実と仰りましたが、ホークスとベストジーニストは真実と異なる様ですが・・・!」
ホークスはマスクが取れ、かすれた声で話を繋げていた。誰も、万全な状態じゃないのに。
「ジーニストさん殺害は、潜入の為の工作であり、告発の全てを覆すものではありません。
父の件も、逃げる敵を刺し殺したのも事実です。父について隠していたことにつきまして、謝罪申し上げます。
分倍河原の件に関しましては、あぁするより他になかったと考えております。
彼に"個性"を発動されていれば、被害想定は今の比じゃありませんでした。彼に罪を償わせる事ができなかったのは、
私の不徳と致すところであり、残念に思います」
「よろしいでしょうか。ギガントマキアの"縦断"によって、私の母は重症を負いました。
「全て真実でした、すみません」じゃ、取り返しのつかない事態なんですよ!
この一週間弱で、どれだけの人が住む家を失ったかご存知ですか!?なぜ、そんな澄ました顔でいられるんですか!?
やったのは敵!!しかし!己の過ちがそうさせたのだとわかっている顔には見えませんが!!」
「・・・憔悴した顔で泣いていれば、取り返しがつきますか?」
エンデヴァーの言葉に、血相を変える。
「はぁ!?つくわきゃねーだろ!!社会の不安を取り除け!!敵を全部片付けろ!!それが・・・それが・・」
「仰る通りです。それが今、エンデヴァーにできる償いです」
ベストジーニストが続ける。
「とはいえ、ヒーローも減ってしまった今、全ての人々を守るのは困難です。
つきましては、守るべき範囲を、削減します」
これに、会場が一気にざわつく。
「政府との相談の上、本日より雄英をはじめとした広大な敷地と、十分なセキュリティを持つヒーロー科の学校を、
指定避難所として開いて頂く運びとなりました。既に学生の家族には、避難を進めてもらっています」
「先の見えない避難所生活なんて・・・」
「納得できるか!」
「先を見る為です・・・。非難も不安も・・・私だけに向けて欲しい。
これから命を張る者たちにではなく!みんなで俺を、見ていてくれ!」
ヒーローが篩に掛けられた。
人々から求められる者をヒーローだと言うならば、あの日ヒーローは消えた。
それでも、まだ立ち上がる人はいる。エンデヴァーは「ワン・フォー・オール」について聞かれ、
「わからない」と答えた。緑谷とオールマイトに、石が投げられないように。
「みんな、大変だ!!」
記者会見から翌日だ。歌恋たちはそれぞれの部屋に挟まれていた緑谷からの手紙を、唖然と眺めていた。
「おまえも・・・!?」
「なんだよ、これ・・・」
【今までありがとう。僕の秘密を、A組のみんなには伝えなくてはいけないと思い、手紙を書き残しておきます】
歌恋はぐしゃりと、手紙を握る。
(やっぱりあの時、ホークスたちと話を聞いておくんだった・・・!私が、動けばよかった・・・!!)
【僕の力は、オールマイトから授かった特別なもので、死柄木とオール・フォー・ワンは、僕を狙って動いています】
4月。デクくんがヒーローアカデミアを去った。
けれど、皆が皆、ただ責め立てたいワケじゃなかったと思う。清廉潔白であってくれ。
間違いなど犯してないと言ってくれ。不安だから、安心させてくれ。すがるような想いがあったのだと思う。
「真実です。お詫びの申し上げようもございません」
エンデヴァーが病院を退院した後行われたトップ3の記者会見。
高校に戻った歌恋たちは、皆でそれを見ていた。ただ、まだ緑谷は病院で入院のまま。
そして、轟とはあれ以来、喋らなくなっていた。完全に彼から距離を置かれてしまったのだ。
エンデヴァー自身か、家族のおぞましい過去を滔々と語ってから。
気にするな、と切島や上鳴が励ましても、轟は上の空だった。
記者会見は続き、標的はエンデヴァーからホークス、ベストジーニストと続く。
「真実と仰りましたが、ホークスとベストジーニストは真実と異なる様ですが・・・!」
ホークスはマスクが取れ、かすれた声で話を繋げていた。誰も、万全な状態じゃないのに。
「ジーニストさん殺害は、潜入の為の工作であり、告発の全てを覆すものではありません。
父の件も、逃げる敵を刺し殺したのも事実です。父について隠していたことにつきまして、謝罪申し上げます。
分倍河原の件に関しましては、あぁするより他になかったと考えております。
彼に"個性"を発動されていれば、被害想定は今の比じゃありませんでした。彼に罪を償わせる事ができなかったのは、
私の不徳と致すところであり、残念に思います」
「よろしいでしょうか。ギガントマキアの"縦断"によって、私の母は重症を負いました。
「全て真実でした、すみません」じゃ、取り返しのつかない事態なんですよ!
この一週間弱で、どれだけの人が住む家を失ったかご存知ですか!?なぜ、そんな澄ました顔でいられるんですか!?
やったのは敵!!しかし!己の過ちがそうさせたのだとわかっている顔には見えませんが!!」
「・・・憔悴した顔で泣いていれば、取り返しがつきますか?」
エンデヴァーの言葉に、血相を変える。
「はぁ!?つくわきゃねーだろ!!社会の不安を取り除け!!敵を全部片付けろ!!それが・・・それが・・」
「仰る通りです。それが今、エンデヴァーにできる償いです」
ベストジーニストが続ける。
「とはいえ、ヒーローも減ってしまった今、全ての人々を守るのは困難です。
つきましては、守るべき範囲を、削減します」
これに、会場が一気にざわつく。
「政府との相談の上、本日より雄英をはじめとした広大な敷地と、十分なセキュリティを持つヒーロー科の学校を、
指定避難所として開いて頂く運びとなりました。既に学生の家族には、避難を進めてもらっています」
「先の見えない避難所生活なんて・・・」
「納得できるか!」
「先を見る為です・・・。非難も不安も・・・私だけに向けて欲しい。
これから命を張る者たちにではなく!みんなで俺を、見ていてくれ!」
ヒーローが篩に掛けられた。
人々から求められる者をヒーローだと言うならば、あの日ヒーローは消えた。
それでも、まだ立ち上がる人はいる。エンデヴァーは「ワン・フォー・オール」について聞かれ、
「わからない」と答えた。緑谷とオールマイトに、石が投げられないように。
「みんな、大変だ!!」
記者会見から翌日だ。歌恋たちはそれぞれの部屋に挟まれていた緑谷からの手紙を、唖然と眺めていた。
「おまえも・・・!?」
「なんだよ、これ・・・」
【今までありがとう。僕の秘密を、A組のみんなには伝えなくてはいけないと思い、手紙を書き残しておきます】
歌恋はぐしゃりと、手紙を握る。
(やっぱりあの時、ホークスたちと話を聞いておくんだった・・・!私が、動けばよかった・・・!!)
【僕の力は、オールマイトから授かった特別なもので、死柄木とオール・フォー・ワンは、僕を狙って動いています】
4月。デクくんがヒーローアカデミアを去った。