第十五話 ハッピーメリクリバースデー
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「おはよッス」
「おはよう、みんな」
燐にあぁに話した後、彼は納得してくれたのか良くも悪くも、昔のような関係にストンと戻ってしまった。
自然な成り行き、実質もうこんなんでいいのかなとさえ思ってしまう。
明らかに様子の可笑しい二人のニコニコ笑顔に、何か察したのか勝呂と出雲は黙っている。
「なんやありました?お二人さん・・・」
ストレートに聞いてくる志摩に、二人して首を横に振る。
「別に?」
「なんもねーよ」
「「・・・・・・・・」」
そんな異様な雰囲気に、頭を悩ませる子猫丸が話題を振る。
「奥村くん、勉強できた?」
「とちゅうでねた。もうあきらめる」
「ははは」
「今日のテストさえ乗り切れば、あとは冬休みや!!」
「冬休み・・・」
燐は、出雲と話している玲薇を見る。冬休みは、楽しめそうにない・・・。
「みんなー、おはよー」
そこへ、しえみも合流。
「冬休み、皆どーすんだ?」
と、燐が聞く。
「俺は実家帰らへんよ〜〜。夏帰ったし、ええやろ」
「俺も忙しいわ。アカン、帰られへんて連絡しとかんと」
「坊も志摩さんも帰らへんなら、僕も残ろーかいな・・・」
「皆残るなら、認定試験の勉強会やらない?」
「ええなぁ」
出雲の意見に賛成する子猫丸とは逆に、志摩は露骨に嫌な顔をする。
「えー!!どうせ集まるなら、クリスマスパーティーせぇへん?」
「クリスマス・・・」
ハッと思い出されるように、呟く玲薇。
「クリスマスっていえば、俺と雪男の誕生日だ」
そう、彼らは双子だから誕生日は一緒なのは当然のこと。
「え!?奥村くん達、クリスマス生まれなん!?」
「いや、27日だけど大体クリスマスと一緒に祝われてた」
それに納得する志摩。
「あー、あるあるやなー。玲薇ちゃんは?」
聞かれ、ビクッとする。
「え、えっと・・・修道院来てから二人と一緒に祝ってもらってたんだ・・・」
印象に残ってる。初めての二人の誕生日を見て、一緒なのが羨ましいって思ったこと。
それからだった気がする。
「親父が一人別なん可哀想だからって、一緒にやってたんだよな」
燐が付け加えてくれた。玲薇自身、本当は自分の誕生日を知らなかった。
ちゃんと祝ってくれたのは、本当に修道院に、獅郎に拾ってもらってからだ。
その前に一緒に暮らしていたたくさんの子供達が集まる場所は、年に一回まとめてだった。
もう、だいぶ修道院に来る前のことはもう覚えていない。どうして獅郎が自分を連れ出してくれたのか。
どうやってあの場所から見つけてくれたのか、いま思えば何も聞いたことがなかった。
「ほら、二人も別ならなんてことなかったんだろうけど、双子でしょ?それが昔は羨ましかったんだ」
半分本音。半分は、嘘か本当かもわからない。
「なんや、ちいっさい頃からカワエーいーぐさやな」
それでも志摩はニコニコと話を続ける。それに少しホッとした。
「俺なんか、今年気付いたら過ぎとったんや。誰にも祝われんで〜」
彼はどうやら7月4日のようで。
「そんなん、俺かて過ぎたわ。8月20日」
「あたしも、島根の時に過ぎたわよ。10月11日」
と、勝呂に出雲。
「バタバタしとるうちに、過ぎてしもたって感じやねぇ〜」
「だったら、皆でクリスマス合同誕生日パーティーやろーやー」
「めちゃめちゃやないか・・・」
「そこまでして祝われたいわけ、アンタ・・・」
先程から、志摩を見る勝呂と出雲の視線が冷たい。
「そこ、めずらしく気ぃー合ーてるなぁ!?もっと学生生活エンジョイしてこーや!!」
「しえみさん!」
振り向くと、慌てた様子の雪男がやって来る。
「あ、セ・・・奥村くん、おはよーです」
「おはようございます」
「雪男・・・?」
こんな焦る雪男を見ることがない玲薇は眉を寄せた。
しえみが雪男と向き直る。
「祓魔師認定試験を受けないって、本当ですか?」
誰もがそれを聞き、目を見開く。
「・・・へ?」
「は!?」
「今朝、そう用紙提出あったと聞いて・・・」
「うん!祓魔師になるのはやめたんだ。やっぱり祓魔屋を継ごうと思って。
だから塾も、認定試験の時期になったらやめるつもりで・・・。あっ、でも学校は今まで通り・・・」
「だってお前、この前・・・」
「ふざけんじゃないわよ!!」
そう怒鳴り散らしたのは、出雲だった。
「どーせ、お母さんに反対されたんでしょ!?そのくらいでへし折られてんじゃないわよ!!」
「神木さん・・・」
「あーもー、ほんっっとに世話が焼ける奴ね。あたしがお母さんを説得してあげるわ。
今日、塾終わったら・・・」
「ありがとう・・・!」
そっとしえみは、出雲の肩に優しく手を当てた。
「でも、決めたの」
なんて表情。真っ直ぐ前を向く彼女の眼は、どこか遠い。
「おはよう、みんな」
燐にあぁに話した後、彼は納得してくれたのか良くも悪くも、昔のような関係にストンと戻ってしまった。
自然な成り行き、実質もうこんなんでいいのかなとさえ思ってしまう。
明らかに様子の可笑しい二人のニコニコ笑顔に、何か察したのか勝呂と出雲は黙っている。
「なんやありました?お二人さん・・・」
ストレートに聞いてくる志摩に、二人して首を横に振る。
「別に?」
「なんもねーよ」
「「・・・・・・・・」」
そんな異様な雰囲気に、頭を悩ませる子猫丸が話題を振る。
「奥村くん、勉強できた?」
「とちゅうでねた。もうあきらめる」
「ははは」
「今日のテストさえ乗り切れば、あとは冬休みや!!」
「冬休み・・・」
燐は、出雲と話している玲薇を見る。冬休みは、楽しめそうにない・・・。
「みんなー、おはよー」
そこへ、しえみも合流。
「冬休み、皆どーすんだ?」
と、燐が聞く。
「俺は実家帰らへんよ〜〜。夏帰ったし、ええやろ」
「俺も忙しいわ。アカン、帰られへんて連絡しとかんと」
「坊も志摩さんも帰らへんなら、僕も残ろーかいな・・・」
「皆残るなら、認定試験の勉強会やらない?」
「ええなぁ」
出雲の意見に賛成する子猫丸とは逆に、志摩は露骨に嫌な顔をする。
「えー!!どうせ集まるなら、クリスマスパーティーせぇへん?」
「クリスマス・・・」
ハッと思い出されるように、呟く玲薇。
「クリスマスっていえば、俺と雪男の誕生日だ」
そう、彼らは双子だから誕生日は一緒なのは当然のこと。
「え!?奥村くん達、クリスマス生まれなん!?」
「いや、27日だけど大体クリスマスと一緒に祝われてた」
それに納得する志摩。
「あー、あるあるやなー。玲薇ちゃんは?」
聞かれ、ビクッとする。
「え、えっと・・・修道院来てから二人と一緒に祝ってもらってたんだ・・・」
印象に残ってる。初めての二人の誕生日を見て、一緒なのが羨ましいって思ったこと。
それからだった気がする。
「親父が一人別なん可哀想だからって、一緒にやってたんだよな」
燐が付け加えてくれた。玲薇自身、本当は自分の誕生日を知らなかった。
ちゃんと祝ってくれたのは、本当に修道院に、獅郎に拾ってもらってからだ。
その前に一緒に暮らしていたたくさんの子供達が集まる場所は、年に一回まとめてだった。
もう、だいぶ修道院に来る前のことはもう覚えていない。どうして獅郎が自分を連れ出してくれたのか。
どうやってあの場所から見つけてくれたのか、いま思えば何も聞いたことがなかった。
「ほら、二人も別ならなんてことなかったんだろうけど、双子でしょ?それが昔は羨ましかったんだ」
半分本音。半分は、嘘か本当かもわからない。
「なんや、ちいっさい頃からカワエーいーぐさやな」
それでも志摩はニコニコと話を続ける。それに少しホッとした。
「俺なんか、今年気付いたら過ぎとったんや。誰にも祝われんで〜」
彼はどうやら7月4日のようで。
「そんなん、俺かて過ぎたわ。8月20日」
「あたしも、島根の時に過ぎたわよ。10月11日」
と、勝呂に出雲。
「バタバタしとるうちに、過ぎてしもたって感じやねぇ〜」
「だったら、皆でクリスマス合同誕生日パーティーやろーやー」
「めちゃめちゃやないか・・・」
「そこまでして祝われたいわけ、アンタ・・・」
先程から、志摩を見る勝呂と出雲の視線が冷たい。
「そこ、めずらしく気ぃー合ーてるなぁ!?もっと学生生活エンジョイしてこーや!!」
「しえみさん!」
振り向くと、慌てた様子の雪男がやって来る。
「あ、セ・・・奥村くん、おはよーです」
「おはようございます」
「雪男・・・?」
こんな焦る雪男を見ることがない玲薇は眉を寄せた。
しえみが雪男と向き直る。
「祓魔師認定試験を受けないって、本当ですか?」
誰もがそれを聞き、目を見開く。
「・・・へ?」
「は!?」
「今朝、そう用紙提出あったと聞いて・・・」
「うん!祓魔師になるのはやめたんだ。やっぱり祓魔屋を継ごうと思って。
だから塾も、認定試験の時期になったらやめるつもりで・・・。あっ、でも学校は今まで通り・・・」
「だってお前、この前・・・」
「ふざけんじゃないわよ!!」
そう怒鳴り散らしたのは、出雲だった。
「どーせ、お母さんに反対されたんでしょ!?そのくらいでへし折られてんじゃないわよ!!」
「神木さん・・・」
「あーもー、ほんっっとに世話が焼ける奴ね。あたしがお母さんを説得してあげるわ。
今日、塾終わったら・・・」
「ありがとう・・・!」
そっとしえみは、出雲の肩に優しく手を当てた。
「でも、決めたの」
なんて表情。真っ直ぐ前を向く彼女の眼は、どこか遠い。