第十四話 根幹
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「朔ちゃん・・・」
他の人に相談して、正解だったのかもしれない。
自分一人の考えだけじゃ切羽詰まることも、こうやって正解の糸口が見えてくる。
「そっか・・・そうだよね・・・」
朴の隣で、ゴロンと仰向けになる玲薇。
「求めてるだけじゃダメなんだよね・・・人一倍馬鹿なアイツには、言葉で足らない事もあるし」
「私は奥村くんじゃないから、奥村くんの正確な気持ちは分からないけど、なんとなく思うのは、
奥村くんが嫉妬するのは、玲薇ちゃんが好きだからだと思うし、しえみちゃんとか、
他の子に手出しちゃうのは玲薇ちゃんに構って欲しいからだよ、きっと。男の子って、単純な部分があるし」
ふと、みんなで慰安の目的で行った温泉でスリーワイズモンキーがいた時、燐の本音が聞けた。
『玲薇は、俺のもんだー!』って、本音じゃなかったら出ない言葉だ。今更ながらに顔が赤くなる。
「ふふっ」
そんな照れる玲薇を見て、朴が笑う。
「もぅ・・・」
恥ずかしくて、自分の顔を隠す。
「・・・燐の気持ちはね、正直嬉しいの。私も、燐が好きだよ」
「うん」
「子供が欲しいって、女なら思う時もあるでしょ?」
「うん」
「でも、事実を知って、子供を産んで将来その子を可哀想な目にあわせるくらいなら、って。
・・・恋愛は難しいね、悔しいよ・・・っ」
この世界は、理不尽がたくさん溢れてる。
「朔ちゃんの事が、羨ましいって思う時もあるの。ごめんねっ・・・」
「大丈夫だよ、いいんだよ」
そうやって励まして、抱きしめて頭を撫でてくれる朴の手が温もりが優しくて。
「だからって、私が他の人を好きになるのも違うような気がして・・・燐の事も犠牲にはしたくなくてっ・・・」
「うん、うん」
「だからっ、勝呂くんにだって、思わせぶりして、私が逃げて逃げるから・・・」
だから、わざと志摩が言ったんだ。『好きやったの、気付いてたんやろ』って。
薄々は分かってたけど。勝呂も、カッコイイし強いから仕方ないけど。
けど、もう気がついた。逃げる必要ない、真っ向から燐にちゃんと気持ちを告げよう。
好きなだけの軽い気持ちではなかったこと、ちゃんと将来も共にしたいからこそ。
「朔ちゃん、相談に乗ってくれてありがとう。逃げてたのは、私の方だ」
「気持ちは、落ち着いた?」
「うん。きっと、大丈夫だよね・・・」
「もう一度、奥村くんにちゃんと玲薇ちゃんの気持ち伝えれば大丈夫だよ」
そう、昨夜話したのに、燐に会う勇気がなくて朴と一緒に教室まで行かせてもらった。
「ダメだな〜も・・・」
机の上に腕を伸ばしのびをする。またあれこれ考え出したらもう、負のループ。
いい加減脱出しなければ話も進まないし、自分が前を向けない。
話にケリをつけて、燐がどう答え出してこようがしょうがない。
「お、おはよう・・・」
声がかかり、顔を上げる。
「おはよう」
しえみは挨拶だけ交わし、そのまま自分の席に戻っていた。
「・・・・・・・・・」
お互い気まずさマックスなので、どうしようもないけど。
「朝のホームルーム始めるよ!」
チャイムが鳴り、先生が教室に入る。玲薇は、開いた口が塞がらなかった。
目の錯覚?いや、事実奴は目の前にいる。どうしてここに?
一方、勝呂は学校に来ていたものの、急遽ライトニングに呼び出されていた。
「何かあったんですか!?塾と学校はサボるな言うてはったんに・・・」
「ああ、忙しかったら来なくてよかったのに」
「そういう訳にはいきませんよ!」
「はは、学校で何か面白い事あった?」
ライトニング的に気をつかってくれてるのか、
「・・・アマイモンが、学校に現れて朝から大変やったんです」
「えー!?本当!!」
「制服着てたし、編入してくるのかもしらん」
「いいな〜楽しそー学園生活!」
ハハハと、大袈裟に笑うライトニングだが、急に声のトーンが下がった。
「・・・しかし、このタイミングでアマイモンとはフェレス卿め。何か意味があるのかな?
そうだ、同級生なら今度紹介してくれない?一度ぜひ、話してみたい!」
「友達やない!!」
勘違いされたくなくて、すかさず突っ込む。
「それより、今どこに向かってるんです?名簿を調べるんじゃ・・・」
「図書館の利用期限も今日までだったし、一人で調べてたら面白い名前が出てきてね」
勝呂は渡された用紙に目を通す。
「面白い名前・・・?」
いくつもある名簿から、見たことある名前に目を見開いた。
「イゴール・ネイガウス!?」
かつて自分たちの教師であった人物だ。
まさかネイガウスの居場所が分かり、今から会いに行くのか聞いたが、行方は知らぬままどうやら違うようだ。
ライトニングが気にしたのは別の三人の名前。彼らは同じ場所で暮らし、その場所が場所なのだと。
今はその場所を目指している。
「やぁ、ここだ!"南十字男子修道院"。奥村兄弟と、風美夜玲薇が育った場所だよ」
「!?」
「養父である元・聖騎士 藤本獅郎が院長をしていた修道院だ」
「・・・・・・・・・・」
勝呂はふと思い出した。
『両親の顔・・・憶えてないんだよね』
玲薇のあの言葉。嘘は言ってないと思っていたが、ずっと脳裏にひっかかっていた事。
他の人に相談して、正解だったのかもしれない。
自分一人の考えだけじゃ切羽詰まることも、こうやって正解の糸口が見えてくる。
「そっか・・・そうだよね・・・」
朴の隣で、ゴロンと仰向けになる玲薇。
「求めてるだけじゃダメなんだよね・・・人一倍馬鹿なアイツには、言葉で足らない事もあるし」
「私は奥村くんじゃないから、奥村くんの正確な気持ちは分からないけど、なんとなく思うのは、
奥村くんが嫉妬するのは、玲薇ちゃんが好きだからだと思うし、しえみちゃんとか、
他の子に手出しちゃうのは玲薇ちゃんに構って欲しいからだよ、きっと。男の子って、単純な部分があるし」
ふと、みんなで慰安の目的で行った温泉でスリーワイズモンキーがいた時、燐の本音が聞けた。
『玲薇は、俺のもんだー!』って、本音じゃなかったら出ない言葉だ。今更ながらに顔が赤くなる。
「ふふっ」
そんな照れる玲薇を見て、朴が笑う。
「もぅ・・・」
恥ずかしくて、自分の顔を隠す。
「・・・燐の気持ちはね、正直嬉しいの。私も、燐が好きだよ」
「うん」
「子供が欲しいって、女なら思う時もあるでしょ?」
「うん」
「でも、事実を知って、子供を産んで将来その子を可哀想な目にあわせるくらいなら、って。
・・・恋愛は難しいね、悔しいよ・・・っ」
この世界は、理不尽がたくさん溢れてる。
「朔ちゃんの事が、羨ましいって思う時もあるの。ごめんねっ・・・」
「大丈夫だよ、いいんだよ」
そうやって励まして、抱きしめて頭を撫でてくれる朴の手が温もりが優しくて。
「だからって、私が他の人を好きになるのも違うような気がして・・・燐の事も犠牲にはしたくなくてっ・・・」
「うん、うん」
「だからっ、勝呂くんにだって、思わせぶりして、私が逃げて逃げるから・・・」
だから、わざと志摩が言ったんだ。『好きやったの、気付いてたんやろ』って。
薄々は分かってたけど。勝呂も、カッコイイし強いから仕方ないけど。
けど、もう気がついた。逃げる必要ない、真っ向から燐にちゃんと気持ちを告げよう。
好きなだけの軽い気持ちではなかったこと、ちゃんと将来も共にしたいからこそ。
「朔ちゃん、相談に乗ってくれてありがとう。逃げてたのは、私の方だ」
「気持ちは、落ち着いた?」
「うん。きっと、大丈夫だよね・・・」
「もう一度、奥村くんにちゃんと玲薇ちゃんの気持ち伝えれば大丈夫だよ」
そう、昨夜話したのに、燐に会う勇気がなくて朴と一緒に教室まで行かせてもらった。
「ダメだな〜も・・・」
机の上に腕を伸ばしのびをする。またあれこれ考え出したらもう、負のループ。
いい加減脱出しなければ話も進まないし、自分が前を向けない。
話にケリをつけて、燐がどう答え出してこようがしょうがない。
「お、おはよう・・・」
声がかかり、顔を上げる。
「おはよう」
しえみは挨拶だけ交わし、そのまま自分の席に戻っていた。
「・・・・・・・・・」
お互い気まずさマックスなので、どうしようもないけど。
「朝のホームルーム始めるよ!」
チャイムが鳴り、先生が教室に入る。玲薇は、開いた口が塞がらなかった。
目の錯覚?いや、事実奴は目の前にいる。どうしてここに?
一方、勝呂は学校に来ていたものの、急遽ライトニングに呼び出されていた。
「何かあったんですか!?塾と学校はサボるな言うてはったんに・・・」
「ああ、忙しかったら来なくてよかったのに」
「そういう訳にはいきませんよ!」
「はは、学校で何か面白い事あった?」
ライトニング的に気をつかってくれてるのか、
「・・・アマイモンが、学校に現れて朝から大変やったんです」
「えー!?本当!!」
「制服着てたし、編入してくるのかもしらん」
「いいな〜楽しそー学園生活!」
ハハハと、大袈裟に笑うライトニングだが、急に声のトーンが下がった。
「・・・しかし、このタイミングでアマイモンとはフェレス卿め。何か意味があるのかな?
そうだ、同級生なら今度紹介してくれない?一度ぜひ、話してみたい!」
「友達やない!!」
勘違いされたくなくて、すかさず突っ込む。
「それより、今どこに向かってるんです?名簿を調べるんじゃ・・・」
「図書館の利用期限も今日までだったし、一人で調べてたら面白い名前が出てきてね」
勝呂は渡された用紙に目を通す。
「面白い名前・・・?」
いくつもある名簿から、見たことある名前に目を見開いた。
「イゴール・ネイガウス!?」
かつて自分たちの教師であった人物だ。
まさかネイガウスの居場所が分かり、今から会いに行くのか聞いたが、行方は知らぬままどうやら違うようだ。
ライトニングが気にしたのは別の三人の名前。彼らは同じ場所で暮らし、その場所が場所なのだと。
今はその場所を目指している。
「やぁ、ここだ!"南十字男子修道院"。奥村兄弟と、風美夜玲薇が育った場所だよ」
「!?」
「養父である元・聖騎士 藤本獅郎が院長をしていた修道院だ」
「・・・・・・・・・・」
勝呂はふと思い出した。
『両親の顔・・・憶えてないんだよね』
玲薇のあの言葉。嘘は言ってないと思っていたが、ずっと脳裏にひっかかっていた事。