第十四話 根幹
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1-Bでは、静かにイライラしている玲薇がいた。
同じクラスに転入してきたしえみには慣れ始めたつもりだったが、やはり燐絡みとなれば話は別だ。
「風美夜さん、燐の怪我もう大丈夫そう?今度は雪ちゃんの連絡聞いてビックリして・・・」
「大丈夫だよ、心配してくれてありがとう」
「よかった・・・私、まだまだ皆に追いつけてなくて、燐のあったかい炎に頼ってて・・・」
「・・・杜山さん・・・」
「なぁに?」
玲薇は手にした教科書を見つめながら聞いてみた。
「・・・・・・・杜山さんは・・・燐の事、好きなんだよね?」
「好きだよ!」
彼女は顔を真っ赤にさせてハッキリ言う。
「雪ちゃんも好き!」
「・・・・・・・そっか・・・燐にも、好きって言ってる?」
「うん。燐の炎、私大好きって」
「・・・ありがとう・・・」
自分で何でお礼を言ってるのか謎だ。
だけど、燐がよそよそしい原因がなんとなく分かった。やっぱり原因は彼女、杜山しえみだ。
けど、そう燐が他に原因を作ってしまうのは自分の責任でもあるワケだ。
(バカみたい、私・・・)
椅子にずり座り、腕で顔を隠す。
「風美夜さん・・・?」
首を横に小さく振り、一言だけ言った。
「なにもない」
-----
「ホラ、雪男。お前の好きなサバサンド、まだまだありますよ」
「ありがとう」
みんなで雪男のお見舞いに来ている時、燐が作りたてを用意していた。
「でも、もう十分だよ」
「アラ、そう」
「皆さんも、お見舞いありがとうございます」
雪男が軽く頭を下げる。
「いいえぇ」
「本当に、命に別状なくてよかったです」
「しかも、もう仕事してはるなんてすごいわぁ〜」
「骨が折れてる以外は健康なので・・・四日後には退院ですし」
「無理はせんで下さい」
そう気遣わしく言ってくれる勝呂のポケットから音が鳴り、それを子猫丸が指摘する。
「坊、携帯鳴ってますよ」
「もしもし・・・」
勝呂はすぐ、用件だけを耳に入れてから申し訳なく言う。
「師匠がしびれ切らしとる。今、大事な手伝いをまかされとって・・・先に失礼しますわ」
「大丈夫ですよ、忙しいところありがとうございました」
丁寧にお礼を述べる雪男に対し、燐は軽く手をあげる。
「お疲れ〜」
「・・・・・それじゃ!」
勝呂は帰り際に、燐と雪男の顔を、そして玲薇の顔を見た。
「ん?」
「あぁ、いや・・・また、任務で」
竜騎士での事もあるのだろう、別に二人にとって深い意味はない。
「うん、またね」
それから子猫丸は時間を確認するため、携帯を見る。
「あ、そろそろ面会時間終わるや。僕らもおいとましましょう」
「雪ちゃん!」
慌てて声をかけるのはしえみで。
「お花、花瓶に生けたよ。五日くらいなら、このままもつから!」
「ありがとうございます」
「じゃ、また退院の時にね」
「あ!そうだ、しえみさん」
足を止め、しえみは振り返る。
「祓魔師認定試験の志望称号記入用紙・・・しえみさんだけまだ提出されてないようですが、
提出期限は三日なので、忘れないように」
「あ、はいっ」
「この通り、祓魔師は危険な仕事です。よく考えて決めて下さい」
「はい!」
元気よく返事は返したものの、しえみは廊下に出ると俯き考えこんでしまう。
そんな中、いつの間にか燐としえみが廊下で二人きりになっていた。
「あ・・・」
玲薇との会話や、この間の燐との任務から変に緊張してしまっている。
「朔ちゃんと、神木さんと、風美夜さんは・・・?」
「・・・トイレに行ってくるって」
「そ、そっか・・・!」
二人の間に流れる微妙な空気に、燐が痺れを切らす。
「気まずい、先帰る!!」
「!り・・・燐!」
玲薇にも聞かれ、改めて思い考えていた。
『好きなんだよね?』
その言葉の意味を。それに、ずっと気まずいままは嫌だ。
「この間ありがと、私"も"燐が好き!!」
しえみの告白の言葉が、廊下に響く。
「でも、恋愛の好きと友達の好きは、どう違うの?」
「・・・・・・・・・は?」
まさかの衝撃な言葉に、燐は唖然とする。
「どうしたら恋愛の好きなの?風美夜さんの好きと、どう違うの?」
そんな中、女子トイレの出口付近で固まる玲薇に、出雲と朴がアタフタしている。
「・・・ウソでしょ!?いつの間にアイツらこんな事になったのよ!?」
「え?え?でも、奥村くんは玲薇ちゃんが好きなんだよね?」
「・・・・・・・もう、知らない・・・・」
「しっかりしなさい!玲薇!」
「と、とりあえず落ち着こう?」
果たして、燐はどう答えを出すのだろう。いや、見ているだけなのはつまらない。
いっそのこと、突き放すいい機会なのでは?一度お互い、違う人と付き合ってみるのもいいかもしれない。
燐はきっと、しえみとの二人の任務で何かあったんだ。しえみは燐の炎が好きだと言っていたし。
本人にも好きだと伝えてれば燐だって満更でもないだろう。現にいま、玲薇とは亀裂があるわけだし。
「いーんじゃないの?二人で付き合っちゃえば」
イライラがおさまらなくて、口喧嘩は何度もやってきたけど、今回はもう違う。
「げっ・・・玲薇!?」
一緒に隠れていた出雲と朴も、開いた口が塞がらない。
同じクラスに転入してきたしえみには慣れ始めたつもりだったが、やはり燐絡みとなれば話は別だ。
「風美夜さん、燐の怪我もう大丈夫そう?今度は雪ちゃんの連絡聞いてビックリして・・・」
「大丈夫だよ、心配してくれてありがとう」
「よかった・・・私、まだまだ皆に追いつけてなくて、燐のあったかい炎に頼ってて・・・」
「・・・杜山さん・・・」
「なぁに?」
玲薇は手にした教科書を見つめながら聞いてみた。
「・・・・・・・杜山さんは・・・燐の事、好きなんだよね?」
「好きだよ!」
彼女は顔を真っ赤にさせてハッキリ言う。
「雪ちゃんも好き!」
「・・・・・・・そっか・・・燐にも、好きって言ってる?」
「うん。燐の炎、私大好きって」
「・・・ありがとう・・・」
自分で何でお礼を言ってるのか謎だ。
だけど、燐がよそよそしい原因がなんとなく分かった。やっぱり原因は彼女、杜山しえみだ。
けど、そう燐が他に原因を作ってしまうのは自分の責任でもあるワケだ。
(バカみたい、私・・・)
椅子にずり座り、腕で顔を隠す。
「風美夜さん・・・?」
首を横に小さく振り、一言だけ言った。
「なにもない」
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「ホラ、雪男。お前の好きなサバサンド、まだまだありますよ」
「ありがとう」
みんなで雪男のお見舞いに来ている時、燐が作りたてを用意していた。
「でも、もう十分だよ」
「アラ、そう」
「皆さんも、お見舞いありがとうございます」
雪男が軽く頭を下げる。
「いいえぇ」
「本当に、命に別状なくてよかったです」
「しかも、もう仕事してはるなんてすごいわぁ〜」
「骨が折れてる以外は健康なので・・・四日後には退院ですし」
「無理はせんで下さい」
そう気遣わしく言ってくれる勝呂のポケットから音が鳴り、それを子猫丸が指摘する。
「坊、携帯鳴ってますよ」
「もしもし・・・」
勝呂はすぐ、用件だけを耳に入れてから申し訳なく言う。
「師匠がしびれ切らしとる。今、大事な手伝いをまかされとって・・・先に失礼しますわ」
「大丈夫ですよ、忙しいところありがとうございました」
丁寧にお礼を述べる雪男に対し、燐は軽く手をあげる。
「お疲れ〜」
「・・・・・それじゃ!」
勝呂は帰り際に、燐と雪男の顔を、そして玲薇の顔を見た。
「ん?」
「あぁ、いや・・・また、任務で」
竜騎士での事もあるのだろう、別に二人にとって深い意味はない。
「うん、またね」
それから子猫丸は時間を確認するため、携帯を見る。
「あ、そろそろ面会時間終わるや。僕らもおいとましましょう」
「雪ちゃん!」
慌てて声をかけるのはしえみで。
「お花、花瓶に生けたよ。五日くらいなら、このままもつから!」
「ありがとうございます」
「じゃ、また退院の時にね」
「あ!そうだ、しえみさん」
足を止め、しえみは振り返る。
「祓魔師認定試験の志望称号記入用紙・・・しえみさんだけまだ提出されてないようですが、
提出期限は三日なので、忘れないように」
「あ、はいっ」
「この通り、祓魔師は危険な仕事です。よく考えて決めて下さい」
「はい!」
元気よく返事は返したものの、しえみは廊下に出ると俯き考えこんでしまう。
そんな中、いつの間にか燐としえみが廊下で二人きりになっていた。
「あ・・・」
玲薇との会話や、この間の燐との任務から変に緊張してしまっている。
「朔ちゃんと、神木さんと、風美夜さんは・・・?」
「・・・トイレに行ってくるって」
「そ、そっか・・・!」
二人の間に流れる微妙な空気に、燐が痺れを切らす。
「気まずい、先帰る!!」
「!り・・・燐!」
玲薇にも聞かれ、改めて思い考えていた。
『好きなんだよね?』
その言葉の意味を。それに、ずっと気まずいままは嫌だ。
「この間ありがと、私"も"燐が好き!!」
しえみの告白の言葉が、廊下に響く。
「でも、恋愛の好きと友達の好きは、どう違うの?」
「・・・・・・・・・は?」
まさかの衝撃な言葉に、燐は唖然とする。
「どうしたら恋愛の好きなの?風美夜さんの好きと、どう違うの?」
そんな中、女子トイレの出口付近で固まる玲薇に、出雲と朴がアタフタしている。
「・・・ウソでしょ!?いつの間にアイツらこんな事になったのよ!?」
「え?え?でも、奥村くんは玲薇ちゃんが好きなんだよね?」
「・・・・・・・もう、知らない・・・・」
「しっかりしなさい!玲薇!」
「と、とりあえず落ち着こう?」
果たして、燐はどう答えを出すのだろう。いや、見ているだけなのはつまらない。
いっそのこと、突き放すいい機会なのでは?一度お互い、違う人と付き合ってみるのもいいかもしれない。
燐はきっと、しえみとの二人の任務で何かあったんだ。しえみは燐の炎が好きだと言っていたし。
本人にも好きだと伝えてれば燐だって満更でもないだろう。現にいま、玲薇とは亀裂があるわけだし。
「いーんじゃないの?二人で付き合っちゃえば」
イライラがおさまらなくて、口喧嘩は何度もやってきたけど、今回はもう違う。
「げっ・・・玲薇!?」
一緒に隠れていた出雲と朴も、開いた口が塞がらない。