第十四話 根幹
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「・・・・・僕は・・・一体・・・」
「「!?」」
雪男の弱々しい声に二人は気づき、ハッと振り返る。
「雪男!」
「うお、起きた!」
何事もなかったかのように、玲薇は燐の手からすり抜け起き上がらろうとする雪男に近付く。
「・・・玲薇・・・?ッ!」
起き上がろうとしたタイミングで、体が痛む雪男は表情を崩す。
「あ、あまり動かない方が」
「・・・・・・・・・」
再び枕に頭を預け、彼女の顔を見てはいるが頭がボーッとしていた。
「・・・ここは?」
そう問いかける雪男のタイミングで、席を外していたシュラが戻ってきた。
保護者代表として、いろいろ手続きをすませてくれて、医師からの話も聞いていた。
「ここは、正十字総合病院だ。お前、倒れてヤバかったから、
あの後すぐ鍵を使って戻ってきたんだ。手術はもう終わってる。
リハビリも入れて、全治二ヶ月だってよ」
「二ヶ月・・・」
「まー、ちょーどよかったんじゃねーか。お前、ここんとこ忙しそーだったし・・・」
そう話すのは燐で。
「休暇だと思ってゆっくり休めよ。休んで元気になったら、
修業でも力試しでもすればいい。おらっ、青森のリンゴくえ。頑張れ、雪男」
兄からの頑張れがいま、どれ程いまツラく雪男にとって場違いで重たい言葉なのか。
どんどんどんどん、力の差を見せつけられて・・・。
「・・・・・・うん・・・・・」
いまはそう、返事をする事しかできない。
「また皆連れてくるからな」
「無理しないでね」
それぞれそう言い残し、病院を後にした。
正直、この状況で燐といるのは居心地悪いのだがしょうがない。
・・・燐がどうして不安がってるのか、心がさ迷ってるのか理由は少し分かってる。
シュラとも別れ、二人になった勢いで言った。
「り・・・燐・・・!」
「なんだよ」
ぶっきらぼうで素っ気ない返事が返ってくる。さっきからなので仕方ない。
「その・・・っ」
見られてる恥ずかしさにドキドキしながらギュッと拳をつくる。
本当は、こんな形で言い出したくなかったけど、離れるのは嫌だ。
「きょ・・・今日なら・・・」
辺りはすっかり暗闇の中。彼女の真っ赤になった表情を見るのは、街灯の明かりのみ。
「ャ・・・ヤッテモ・・・あのっ・・・」
「〜ッ!はっ、え!?」
「こ、これ以上は恥ずかしいっ」
お互い真っ赤になり、いざどう踏み込んでいいのか知らない。
「なっ、なんか裏でもねーよな?」
「そ、そんなことないっ!ただ・・・」
そう、ただ願いは一つ・・・。
「私は、もう燐と離れ離れになるのが嫌だ・・・っ」
こんなことしたって、体を求めて繋がったとしても、二人が離れないという保証はどこにもないけれど。
燐が小さく笑った。
「バカだな」
「いっ!」
燐にデコピンされ、おデコをおさえる。
「本当は怖いんだろ?表情がかてーって」
「っ・・・」
ほんの少し前までは、こっちが嫌でも求めてくれたのに。
「さっきは、俺が悪かった」
「なんで・・・どうして・・・」
燐の考えてる事がもう、分からない。
「震えてる」
「!」
玲薇はビクッと肩を揺らす。
「玲薇は、大事だから」
真っ直ぐで、燐の優しさが伝わってくる。
「怖い思い出やって、怖い状態でやって欲しくない。そんなんでヤったって、俺は嬉しくねーし。
ま、まぁ・・・思い切って言ってくれたのは嬉しかったけどなっ」
照れながら言う燐は、瞳をキョロキョロ泳がせている。
優しさなのか、ただ呆れているのか、もうどうでもいいのか、不の感情しか思い浮かばないけれど。
(悔しい・・・)
なにもない人間なら、いっその事燐と同じように悪魔の子なら。
悪魔同士でどうにでもなれたのか?自分の出生が、正体が知りたい。
メフィストは教えてくれるだろうか?いや、教えてくれないから泳がせられている。
どちらにしろ、メフィスト本人が言っていた。私たちは奴の駒の一部にしかないのだ。
「玲薇?」
「あ・・・ううん、燐、じゃあ一緒のベッドで寝るのはいいでしょ?」
「!?・・・ま、まぁ・・・それなら・・・」
一緒に手を繋いで帰ろう。
(・・・・・・・・)
彼女の温もりは変わらないのに。隣で笑顔で喋ってくれる玲薇はいつも通りなのに。
この拭えない不安はなんだろう。
「玲薇」
「ん?」
一緒のベッドで寝るのは、なんだかくすぐったくて。
「い、今更だけど照れるなっ・・・寝れねぇ」
ぐるっと、燐は反対方向に向いてしまう。確かに同じベッドに寝るのは初めてだけど。
「むぅ・・・」
そんな燐を無理矢理振り向かせるワケもなく玲薇は背中にしがみつく。
「っ・・・なんか、企んでる?」
「別に?ただ、好きなだけだよ。ねぇ、明日みんな連れて雪男のお見舞い行くんだよね」
「あぁ、しえみとか、スゲー心配してたからな」
「そっか・・・おやすみ、燐」
モゾッと動く玲薇は、ほんの少し燐と距離を置く。
「お、おやすみ・・・(寝れるかよっ!)」
天井を見つめ、燐はボーッとする。
「ったく、なんだよ・・・」
「「!?」」
雪男の弱々しい声に二人は気づき、ハッと振り返る。
「雪男!」
「うお、起きた!」
何事もなかったかのように、玲薇は燐の手からすり抜け起き上がらろうとする雪男に近付く。
「・・・玲薇・・・?ッ!」
起き上がろうとしたタイミングで、体が痛む雪男は表情を崩す。
「あ、あまり動かない方が」
「・・・・・・・・・」
再び枕に頭を預け、彼女の顔を見てはいるが頭がボーッとしていた。
「・・・ここは?」
そう問いかける雪男のタイミングで、席を外していたシュラが戻ってきた。
保護者代表として、いろいろ手続きをすませてくれて、医師からの話も聞いていた。
「ここは、正十字総合病院だ。お前、倒れてヤバかったから、
あの後すぐ鍵を使って戻ってきたんだ。手術はもう終わってる。
リハビリも入れて、全治二ヶ月だってよ」
「二ヶ月・・・」
「まー、ちょーどよかったんじゃねーか。お前、ここんとこ忙しそーだったし・・・」
そう話すのは燐で。
「休暇だと思ってゆっくり休めよ。休んで元気になったら、
修業でも力試しでもすればいい。おらっ、青森のリンゴくえ。頑張れ、雪男」
兄からの頑張れがいま、どれ程いまツラく雪男にとって場違いで重たい言葉なのか。
どんどんどんどん、力の差を見せつけられて・・・。
「・・・・・・うん・・・・・」
いまはそう、返事をする事しかできない。
「また皆連れてくるからな」
「無理しないでね」
それぞれそう言い残し、病院を後にした。
正直、この状況で燐といるのは居心地悪いのだがしょうがない。
・・・燐がどうして不安がってるのか、心がさ迷ってるのか理由は少し分かってる。
シュラとも別れ、二人になった勢いで言った。
「り・・・燐・・・!」
「なんだよ」
ぶっきらぼうで素っ気ない返事が返ってくる。さっきからなので仕方ない。
「その・・・っ」
見られてる恥ずかしさにドキドキしながらギュッと拳をつくる。
本当は、こんな形で言い出したくなかったけど、離れるのは嫌だ。
「きょ・・・今日なら・・・」
辺りはすっかり暗闇の中。彼女の真っ赤になった表情を見るのは、街灯の明かりのみ。
「ャ・・・ヤッテモ・・・あのっ・・・」
「〜ッ!はっ、え!?」
「こ、これ以上は恥ずかしいっ」
お互い真っ赤になり、いざどう踏み込んでいいのか知らない。
「なっ、なんか裏でもねーよな?」
「そ、そんなことないっ!ただ・・・」
そう、ただ願いは一つ・・・。
「私は、もう燐と離れ離れになるのが嫌だ・・・っ」
こんなことしたって、体を求めて繋がったとしても、二人が離れないという保証はどこにもないけれど。
燐が小さく笑った。
「バカだな」
「いっ!」
燐にデコピンされ、おデコをおさえる。
「本当は怖いんだろ?表情がかてーって」
「っ・・・」
ほんの少し前までは、こっちが嫌でも求めてくれたのに。
「さっきは、俺が悪かった」
「なんで・・・どうして・・・」
燐の考えてる事がもう、分からない。
「震えてる」
「!」
玲薇はビクッと肩を揺らす。
「玲薇は、大事だから」
真っ直ぐで、燐の優しさが伝わってくる。
「怖い思い出やって、怖い状態でやって欲しくない。そんなんでヤったって、俺は嬉しくねーし。
ま、まぁ・・・思い切って言ってくれたのは嬉しかったけどなっ」
照れながら言う燐は、瞳をキョロキョロ泳がせている。
優しさなのか、ただ呆れているのか、もうどうでもいいのか、不の感情しか思い浮かばないけれど。
(悔しい・・・)
なにもない人間なら、いっその事燐と同じように悪魔の子なら。
悪魔同士でどうにでもなれたのか?自分の出生が、正体が知りたい。
メフィストは教えてくれるだろうか?いや、教えてくれないから泳がせられている。
どちらにしろ、メフィスト本人が言っていた。私たちは奴の駒の一部にしかないのだ。
「玲薇?」
「あ・・・ううん、燐、じゃあ一緒のベッドで寝るのはいいでしょ?」
「!?・・・ま、まぁ・・・それなら・・・」
一緒に手を繋いで帰ろう。
(・・・・・・・・)
彼女の温もりは変わらないのに。隣で笑顔で喋ってくれる玲薇はいつも通りなのに。
この拭えない不安はなんだろう。
「玲薇」
「ん?」
一緒のベッドで寝るのは、なんだかくすぐったくて。
「い、今更だけど照れるなっ・・・寝れねぇ」
ぐるっと、燐は反対方向に向いてしまう。確かに同じベッドに寝るのは初めてだけど。
「むぅ・・・」
そんな燐を無理矢理振り向かせるワケもなく玲薇は背中にしがみつく。
「っ・・・なんか、企んでる?」
「別に?ただ、好きなだけだよ。ねぇ、明日みんな連れて雪男のお見舞い行くんだよね」
「あぁ、しえみとか、スゲー心配してたからな」
「そっか・・・おやすみ、燐」
モゾッと動く玲薇は、ほんの少し燐と距離を置く。
「お、おやすみ・・・(寝れるかよっ!)」
天井を見つめ、燐はボーッとする。
「ったく、なんだよ・・・」