第十三話 分岐点
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燐から聞いた、勝呂がライトニングに弟子入りを申し込んだ話は、塾生にあっという間に広がる。
「坊が土下座で弟子入り!?ライトニングに!?」
「はぁ!!?」
さすが、想像していた以上に驚く子猫丸と志摩。
「そーなんだよ。しかも、あんな信用できねー奴に・・・!!」
「で、どう答えたん?ライトニングは」
恐る恐る志摩が訊ねた。
「どうって」
『えー、やだ。ぼかぁ、弟子なんてとった事ないんだ。教えるのも苦手だしね。
それに君、優秀そーだし、ぼくが教える必要ないでしょ?』
『あります・・・!!弟子がダメなら、助手でもなんでもええんです!』
『勝呂・・・』
『参ったなぁ。そうだ、じゃあ"あれ"をぼくにくれたら弟子にしてあげる!』
『あれ!?』
ライトニングが「あれ」に指をさしたのは、なんと燐が持つ降魔剣だ。
それには流石の燐が黙っちゃいられない。
『何で勝呂の頼みで俺のもんを!?ダメに決まってんだろ!!』
『えー、ダメ?君には友の為に身を切る気持ちがないのかい?
冷たいなー!まるでサタンの息子だよ』
『サタンの息子だよ!!』
冗談にもギャグにもならない言い草に、燐が突っ込む。
『実はそんな魔剣、初めて見るから色々試してみたくて。
あーんな事やそーんな事をいっぱいね〜』
ゾワッと、寒気を覚える燐は自身を抱きとめる。
『ついに正体を現したな、この変態が!!てめーなんかに教わる必要はない!
帰ろーぜ、勝呂!!』
「・・・ってワケで、この話はもう終わりだ!皆も、あいつには気をつけろ」
「俺はまだ諦めてへん!!」
「え!?」
勝呂の言葉に、燐は咄嗟に降魔剣を抱きしめる。
「いや、お前の剣には頼らん!
・・・でも、俺はどーしてもあの人に教わりたいんや・・・!」
彼の決意は固い。今まで勝呂が、ここまで人に惹き付けられることがあっただろうか。
思い当たる節がない。子猫丸が何となしに聞いてみる。
「坊・・・どーしてそこまで・・・」
「あの人・・・ライトニングは、能力も精神面でも、今の俺に足らんもんを持っとる。
・・・その、つまり・・・惚れたんや・・・!!」
「「!!!」」
唖然とする京都二人組。
「理屈ではうまく説明出来ひんけど・・・」
「・・・・・・そんな・・・・・」
子猫丸が何故か、後ずさる。
「坊が誰かに惚れるやなんて、なんか・・・ショックや・・・!!
坊はずっと、僕らの親分みたいなもんやったのに・・・!」
「はぁ!?」
続けて、志摩が冗談混じりでカラ笑しながら言ってくる。
「そ・・・そーですよ。坊は生粋(きっすい)のボス猿気質でしょ?下っ端なんて絶対ムリですって〜!」
「お前らが俺をこうしたんやぞ!!」
明陀育ちの面々だけでなく、勝呂の立ち位置を何となく理解している玲薇達も、気持ちは分かる。
「いや、俺は小さい頃から上に祭り上げられて育った。正直、それ以外の事何も知らん。
俺なりに人の下について、頑張ってみたいんや・・・!!」
「そんなん、俺達のボス猿やない!!」
叫ぶ志摩に、さらに子猫丸は涙を見せる。
「坊・・・本気なんですね・・・」
そんな子猫丸を、燐が慰める。
「泣くな、子猫丸。勝呂はやっぱり、セージツな男だぜ・・・!!俺は応援するよ!!」
そんな彼らに、勝呂は頭を抱える。
「おまえら、ちょっと黙っててくれへんか?」
てんやわんやの男子達を、女子は遠くで眺めていた。
彼らのやり取りに、出雲はため息をついている。
「ツッコミ不在ね」
「でも、みんな仲良しでよかったよ」
(どうなのかな・・・)
塾の帰りに、またもやライトニングに捕まり勝呂と燐は残りの片付けをしに行ってしまった。
その時に、玲薇は何があったか知らないが、帰ってきた燐に、
良い報告として勝呂が無事、ライトニングの弟子になった事を聞かされる。
(う〜ん、最近燐とも時間がバラバラだ)
普通の学園生活を送れているのに、何故か玲薇はご立腹である。
(そろそろ雪男捕まえて、認定試験の用紙渡さなくちゃ)
夜、寮が一緒なのでその時に渡せばいいのだが、それすら最近叶わない。
いったい夜遅くまで、雪男は何をやっているのか全然知らない。
勝呂と雪男がいる特進の教室を覗いてもいいが、如何せん二人の人気は今も衰えていない。
(あまり大事にしたくない内容なんだけど・・・皆渡すの早いよ)
聞けば、出雲はとっくに提出していたし、京都の三人組は・・・正直、聞けない。
「どうしよ・・・」
認定試験の用紙を持ったまま、特進の教室についてしまった。
「なんや、珍しな」
頭上から振る京都弁と、知る声に振り返る。
「勝呂く・・・」
言葉が止まる。
「ん?」
「・・・・・・・・・誰?」
「俺や!勝呂竜士や!!」
「あ、あぁ・・・勝呂くん、か。ビックリした・・・」
あのトサカ頭からすっかり離れた髪型が変わった勝呂竜士を見て、焦った玲薇は深呼吸する。
「なんやねん、自分」
廊下を通る女子は、変わった勝呂を見ても、黄色い声はやまない。
「短髪にしたんだ」
「まぁな。それより、どないしたん」
「うん、雪男いる?」
「坊が土下座で弟子入り!?ライトニングに!?」
「はぁ!!?」
さすが、想像していた以上に驚く子猫丸と志摩。
「そーなんだよ。しかも、あんな信用できねー奴に・・・!!」
「で、どう答えたん?ライトニングは」
恐る恐る志摩が訊ねた。
「どうって」
『えー、やだ。ぼかぁ、弟子なんてとった事ないんだ。教えるのも苦手だしね。
それに君、優秀そーだし、ぼくが教える必要ないでしょ?』
『あります・・・!!弟子がダメなら、助手でもなんでもええんです!』
『勝呂・・・』
『参ったなぁ。そうだ、じゃあ"あれ"をぼくにくれたら弟子にしてあげる!』
『あれ!?』
ライトニングが「あれ」に指をさしたのは、なんと燐が持つ降魔剣だ。
それには流石の燐が黙っちゃいられない。
『何で勝呂の頼みで俺のもんを!?ダメに決まってんだろ!!』
『えー、ダメ?君には友の為に身を切る気持ちがないのかい?
冷たいなー!まるでサタンの息子だよ』
『サタンの息子だよ!!』
冗談にもギャグにもならない言い草に、燐が突っ込む。
『実はそんな魔剣、初めて見るから色々試してみたくて。
あーんな事やそーんな事をいっぱいね〜』
ゾワッと、寒気を覚える燐は自身を抱きとめる。
『ついに正体を現したな、この変態が!!てめーなんかに教わる必要はない!
帰ろーぜ、勝呂!!』
「・・・ってワケで、この話はもう終わりだ!皆も、あいつには気をつけろ」
「俺はまだ諦めてへん!!」
「え!?」
勝呂の言葉に、燐は咄嗟に降魔剣を抱きしめる。
「いや、お前の剣には頼らん!
・・・でも、俺はどーしてもあの人に教わりたいんや・・・!」
彼の決意は固い。今まで勝呂が、ここまで人に惹き付けられることがあっただろうか。
思い当たる節がない。子猫丸が何となしに聞いてみる。
「坊・・・どーしてそこまで・・・」
「あの人・・・ライトニングは、能力も精神面でも、今の俺に足らんもんを持っとる。
・・・その、つまり・・・惚れたんや・・・!!」
「「!!!」」
唖然とする京都二人組。
「理屈ではうまく説明出来ひんけど・・・」
「・・・・・・そんな・・・・・」
子猫丸が何故か、後ずさる。
「坊が誰かに惚れるやなんて、なんか・・・ショックや・・・!!
坊はずっと、僕らの親分みたいなもんやったのに・・・!」
「はぁ!?」
続けて、志摩が冗談混じりでカラ笑しながら言ってくる。
「そ・・・そーですよ。坊は生粋(きっすい)のボス猿気質でしょ?下っ端なんて絶対ムリですって〜!」
「お前らが俺をこうしたんやぞ!!」
明陀育ちの面々だけでなく、勝呂の立ち位置を何となく理解している玲薇達も、気持ちは分かる。
「いや、俺は小さい頃から上に祭り上げられて育った。正直、それ以外の事何も知らん。
俺なりに人の下について、頑張ってみたいんや・・・!!」
「そんなん、俺達のボス猿やない!!」
叫ぶ志摩に、さらに子猫丸は涙を見せる。
「坊・・・本気なんですね・・・」
そんな子猫丸を、燐が慰める。
「泣くな、子猫丸。勝呂はやっぱり、セージツな男だぜ・・・!!俺は応援するよ!!」
そんな彼らに、勝呂は頭を抱える。
「おまえら、ちょっと黙っててくれへんか?」
てんやわんやの男子達を、女子は遠くで眺めていた。
彼らのやり取りに、出雲はため息をついている。
「ツッコミ不在ね」
「でも、みんな仲良しでよかったよ」
(どうなのかな・・・)
塾の帰りに、またもやライトニングに捕まり勝呂と燐は残りの片付けをしに行ってしまった。
その時に、玲薇は何があったか知らないが、帰ってきた燐に、
良い報告として勝呂が無事、ライトニングの弟子になった事を聞かされる。
(う〜ん、最近燐とも時間がバラバラだ)
普通の学園生活を送れているのに、何故か玲薇はご立腹である。
(そろそろ雪男捕まえて、認定試験の用紙渡さなくちゃ)
夜、寮が一緒なのでその時に渡せばいいのだが、それすら最近叶わない。
いったい夜遅くまで、雪男は何をやっているのか全然知らない。
勝呂と雪男がいる特進の教室を覗いてもいいが、如何せん二人の人気は今も衰えていない。
(あまり大事にしたくない内容なんだけど・・・皆渡すの早いよ)
聞けば、出雲はとっくに提出していたし、京都の三人組は・・・正直、聞けない。
「どうしよ・・・」
認定試験の用紙を持ったまま、特進の教室についてしまった。
「なんや、珍しな」
頭上から振る京都弁と、知る声に振り返る。
「勝呂く・・・」
言葉が止まる。
「ん?」
「・・・・・・・・・誰?」
「俺や!勝呂竜士や!!」
「あ、あぁ・・・勝呂くん、か。ビックリした・・・」
あのトサカ頭からすっかり離れた髪型が変わった勝呂竜士を見て、焦った玲薇は深呼吸する。
「なんやねん、自分」
廊下を通る女子は、変わった勝呂を見ても、黄色い声はやまない。
「短髪にしたんだ」
「まぁな。それより、どないしたん」
「うん、雪男いる?」