第十三話 分岐点
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「と、いうワケでこれからは、霧隠シュラ先生が剣技と兼任してたっていう、
"魔法円・印章術"をぼくが担当します、ヨロシクね!」
玲薇達の今の目の前の担当の教師はあの、ルーイン・ライトだ。
そして、クラスの賑わいが今までと全然違っていた。
いつもはガラガラのこの教室が、いまや人で埋め尽くされ誰もが身動き出来ない状態。
「しかし、盛大に紹介してもらったせいか、こんな大勢に受講してもらえるなんて・・・、
ぼく、嬉しくって涙が出ちゃうよ・・・!じゃあ、さっそく授業を始めよう!」
ライトニングは黒板に、○+△□のマークを並べさせて書いていく。
「これ、なーんだ!はーい、じゃあ、サタンの落胤にして青き焔の使い手、奥村燐くん答えて!」
「やめろよ」
指名の呼びように、じゃっかん燐は焦る。ここにいる祓魔師はもう、燐の事で驚く者はいないだろうけど。
(ホント、やめてくれ・・・)
内心、玲薇もそう願ってしまった。
それでも、指名された燐は答える。
「えーっと・・・プレスタのコントローラーのボタン?」
燐の呆れた答えに、玲薇は頭を垂れる。
「惜しい!!答えはぼくが普段悪魔召喚などに使ってる印章です」
「全然惜しくねぇ!?」
自身でボケてツッこむ燐。
「簡単でしょ?実戦ではスピーディーな対応が求められる。
そういう時、複雑な魔法円や長ったらしい詠唱を簡略化させる方法を教えます!」
なんと、詠唱騎士や手騎士を目指す者ならば聞き入れたい言葉。
さすが、アークナイトなだけあると、玲薇は集中する。
「まずは」
ドキドキと、期待を膨らませながら耳を傾ける。
「悪魔と仲良くなろう!もしくは、悪魔の権力者とのコネをつくろう!!以下省略!!」
・・・期待していた自分達がバカだった。
それを聞いた瞬間、教室はいつもの様に人がいなくなる。
「あれれ、あっという間に生徒が減っちゃった。冗談だったのに〜残念」
それと同時に、終了を告げるベルが鳴る。
「あっ、授業も終わっちゃった」
そんな軽い調子のライトニングを見て、燐が言う。
「アイツ、まともに教える気あんのか!?」
「・・・・・・・」
何故だろう、なんだか勝呂が酷く落胆しているように見えるのは。
「それに、「悪魔と仲良くなろう!」って、そりゃムチャゆーなってなるだろ」
ボソボソ愚痴る燐を、勝呂が突っ込む。
「それをお前が言うか」
「でも、ライトニングの言う事は真理よ。実際に人間は、
悪魔の力を借りなきゃ悪魔と戦えないのが現実だわ。あたしもそーだし」
「確かに」
出雲の意見に頷き、玲薇は自分の持つ魔法円を見ながら言う。
「私も、リニュウがいなかったら戦えてなかった・・・」
「上級祓魔師になるには、上級悪魔との契約は不可欠やていいますしね」
子猫丸の隣では、しえみが二ーちゃんに頬を寄せている。
「いい悪魔もいるものね・・・。燐も二ーちゃんもやさしいし!」
「いや、俺ハーフだからな!二ーちゃんとならべんなよ」
なんて軽く毒を付く燐だが、やさしいというしえみの言葉には少ながらず照れているようだ。
「あっ、そーだ君たち!誰か二人くらい、ぼくを手伝ってくれないかな?力持ち希望!」
候補生の中で力持ちといったら、やはりこの二人だろう。
もちろん、燐と勝呂である。
「あ、でも俺・・・」
と、燐は玲薇に目を向け助けをもとめるも、彼女に心無しに手を振られた。
行ってこい、という合図なのだろう。目げても仕方ないので、出雲にも目を合わせた。
出雲は出雲で小さくため息をつく。燐の言いたい事はだいたい理解したから。
「玲薇、どーせ暇になるから一緒にあたしたちの寮で勉強しましょ」
「え、拒否権なし?」
「当たり前よ。認定試験の日程だって早まったんだから、やるだけやったげるわよ」
「ぅ・・・」
確かに、一人でいたら余計な事をまた考えそうだし、勉強にも身が入らないのは事実。
それに、たぶん皆にもバレてるであろう下がってるテストの点数。
「はい・・・」
玲薇はただ返事を返し、とぼとぼ出雲のあとについていった。
ライトニングの後についていくときに、ふと勝呂は燐に聞いてみた。
「奥村」
「ん?」
「なんや、風美夜の奴になんやあったんか?」
「えっ」
明らかに燐は挙動不審になっている。変に捉えられたくないので、勝呂は誤魔化した。
「いや・・・やっぱなんもあらへん」
「び、ビックリさせんなよっ」
「すまん(・・・なんかあったんやな)」
分かりやすく動揺する燐だったが、何も話さない事を見て、勝呂は何も言い返さなかった。
勝呂の問いかけにドキリとした燐だったが、玲薇の事を知ってるのは出雲だけで大丈夫だと思ったからだ。
これ以上、仲間に話が広がっても、また玲薇本人に気にさせてしまうだろう。
女友達同士の、頼れる出雲がいてくれてよかったと心から思っていた。
"魔法円・印章術"をぼくが担当します、ヨロシクね!」
玲薇達の今の目の前の担当の教師はあの、ルーイン・ライトだ。
そして、クラスの賑わいが今までと全然違っていた。
いつもはガラガラのこの教室が、いまや人で埋め尽くされ誰もが身動き出来ない状態。
「しかし、盛大に紹介してもらったせいか、こんな大勢に受講してもらえるなんて・・・、
ぼく、嬉しくって涙が出ちゃうよ・・・!じゃあ、さっそく授業を始めよう!」
ライトニングは黒板に、○+△□のマークを並べさせて書いていく。
「これ、なーんだ!はーい、じゃあ、サタンの落胤にして青き焔の使い手、奥村燐くん答えて!」
「やめろよ」
指名の呼びように、じゃっかん燐は焦る。ここにいる祓魔師はもう、燐の事で驚く者はいないだろうけど。
(ホント、やめてくれ・・・)
内心、玲薇もそう願ってしまった。
それでも、指名された燐は答える。
「えーっと・・・プレスタのコントローラーのボタン?」
燐の呆れた答えに、玲薇は頭を垂れる。
「惜しい!!答えはぼくが普段悪魔召喚などに使ってる印章です」
「全然惜しくねぇ!?」
自身でボケてツッこむ燐。
「簡単でしょ?実戦ではスピーディーな対応が求められる。
そういう時、複雑な魔法円や長ったらしい詠唱を簡略化させる方法を教えます!」
なんと、詠唱騎士や手騎士を目指す者ならば聞き入れたい言葉。
さすが、アークナイトなだけあると、玲薇は集中する。
「まずは」
ドキドキと、期待を膨らませながら耳を傾ける。
「悪魔と仲良くなろう!もしくは、悪魔の権力者とのコネをつくろう!!以下省略!!」
・・・期待していた自分達がバカだった。
それを聞いた瞬間、教室はいつもの様に人がいなくなる。
「あれれ、あっという間に生徒が減っちゃった。冗談だったのに〜残念」
それと同時に、終了を告げるベルが鳴る。
「あっ、授業も終わっちゃった」
そんな軽い調子のライトニングを見て、燐が言う。
「アイツ、まともに教える気あんのか!?」
「・・・・・・・」
何故だろう、なんだか勝呂が酷く落胆しているように見えるのは。
「それに、「悪魔と仲良くなろう!」って、そりゃムチャゆーなってなるだろ」
ボソボソ愚痴る燐を、勝呂が突っ込む。
「それをお前が言うか」
「でも、ライトニングの言う事は真理よ。実際に人間は、
悪魔の力を借りなきゃ悪魔と戦えないのが現実だわ。あたしもそーだし」
「確かに」
出雲の意見に頷き、玲薇は自分の持つ魔法円を見ながら言う。
「私も、リニュウがいなかったら戦えてなかった・・・」
「上級祓魔師になるには、上級悪魔との契約は不可欠やていいますしね」
子猫丸の隣では、しえみが二ーちゃんに頬を寄せている。
「いい悪魔もいるものね・・・。燐も二ーちゃんもやさしいし!」
「いや、俺ハーフだからな!二ーちゃんとならべんなよ」
なんて軽く毒を付く燐だが、やさしいというしえみの言葉には少ながらず照れているようだ。
「あっ、そーだ君たち!誰か二人くらい、ぼくを手伝ってくれないかな?力持ち希望!」
候補生の中で力持ちといったら、やはりこの二人だろう。
もちろん、燐と勝呂である。
「あ、でも俺・・・」
と、燐は玲薇に目を向け助けをもとめるも、彼女に心無しに手を振られた。
行ってこい、という合図なのだろう。目げても仕方ないので、出雲にも目を合わせた。
出雲は出雲で小さくため息をつく。燐の言いたい事はだいたい理解したから。
「玲薇、どーせ暇になるから一緒にあたしたちの寮で勉強しましょ」
「え、拒否権なし?」
「当たり前よ。認定試験の日程だって早まったんだから、やるだけやったげるわよ」
「ぅ・・・」
確かに、一人でいたら余計な事をまた考えそうだし、勉強にも身が入らないのは事実。
それに、たぶん皆にもバレてるであろう下がってるテストの点数。
「はい・・・」
玲薇はただ返事を返し、とぼとぼ出雲のあとについていった。
ライトニングの後についていくときに、ふと勝呂は燐に聞いてみた。
「奥村」
「ん?」
「なんや、風美夜の奴になんやあったんか?」
「えっ」
明らかに燐は挙動不審になっている。変に捉えられたくないので、勝呂は誤魔化した。
「いや・・・やっぱなんもあらへん」
「び、ビックリさせんなよっ」
「すまん(・・・なんかあったんやな)」
分かりやすく動揺する燐だったが、何も話さない事を見て、勝呂は何も言い返さなかった。
勝呂の問いかけにドキリとした燐だったが、玲薇の事を知ってるのは出雲だけで大丈夫だと思ったからだ。
これ以上、仲間に話が広がっても、また玲薇本人に気にさせてしまうだろう。
女友達同士の、頼れる出雲がいてくれてよかったと心から思っていた。