第十二話 わだかまり
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「見ろよクロ!これがコタツだ!!」
燐が嬉しそうにコタツを持ってきた。
《しってる!おれ、こたつだいすきだ!》
「燐、よく見つけてくれたね」
「へへ、だろ?まだキレーそうだし、使えるだろ」
「うん」
そんな、燐が拾ったコタツをクロが不思議そうに眺めている。
《でも、おふとんがないこたつなのか?》
「布団はもっと寒くなってからな。寒くなったら、皆呼んで鍋パーティーするぞ!」
《えーっ、それいいなー!それ!》
「いいだろークロ?堪らんだろ?」
《たまらんなー!》
「ふふ、クロも嬉しそう」
クロは玲薇に抱かれ、ニャーと鳴く。
「クロも嬉しいってさ」
「燐が料理上手で良かったですねー」
「ニャー!」
「・・・ったく、クロと話てんだか俺と話してんだか分かんねー」
「ただいま」
賑やかに話してる中、雪男が帰ってきた。
「おかえり」
「おー、雪男」
「燐がね、コタツ拾ってきてくれたよ」
「設置してみたけどどーだ?・・・やっぱ邪魔?」
雪男は荷物を置きながらコタツに目を向ける。
「いいんじゃない?見た感じまだ新しいし・・・拾いものだね。
風呂に入ったらまた出掛けるから」
「夕飯は」
燐が聞く。
「いらないよ。しばらくこんな感じだから、二人も自由にしてくれていいよ」
そう言い残し、雪男はまた部屋を出ていく。
残された二人は顔を合わせ、再びドアに目を向けた。
「・・・あいつ、やっぱしおかしくね?」
「私・・・最近雪男が怖く見える・・・」
「ん?」
「あ、怖いって言ったら私みんな怖くなっちゃうよね!」
燐にも、同じようなこと言ってしまってるし。
アハハと、冗談に笑いつつもまた燐に怒られると思い黙る。けど、彼は黙って頭を撫でてくれるだけだった。
それだけなのに、無性に居心地が良くて泣けてきて・・・身体を燐に預けるように寄り添う。
「燐・・・」
「ん?」
「ううん、呼んだだけ」
-----
雪男に会うのは、薬草学の授業の時だった。
「では最後に、先日の小テストを返します。奥村」
「へーい」
「よく頑張りましたね」
「・・・え?どーゆーイミ?」
滅多に褒め言葉をもらえない燐は、点数を確認すると、自分でも驚いた。
「おー!?すげーいい点、俺すげー!!」
しえみにもテストが返ったところで、燐が聞く。
「しえみ〜俺すげーぞ、お前どうだった?」
「私、すごくよかったよ!」
「ほう・・・?じゃー勝負しよーぜ!!」
「え!?」
そして、お互い見せ合うテストの点数は、燐が68点、しえみ100点という大差でしえみが勝利する。
「ウソだろ!?」
驚く燐の横を歩く玲薇は、自分の点数をまじまじと見つめた。
(・・・燐と点数が、ほぼ変わってない・・・)
雪男にも、珍しく「もう少し頑張りましょう」と言われた。それと・・・『悩み事』を心配した表情を見せて。
「はぁ・・・」
「・・・・・・・・・・・」
そんな気落ちする玲薇を、隣にいる出雲は黙って見守ってくれる。
テストをそれぞれに返し終えた雪男が、終了のベルが鳴る中告げた。
「すみません皆さん、まだ話が。本日フェレス卿から通達がありました。
祓魔師認定試験の日程が、早まります」
「「「!!?」」」
「え!?」
これには全員驚く情報だ。
「詳しい説明は後日あるそうですが、日程変更に伴って取得希望称号を再度記入提出してもらいます。
この用紙に記入した称号が、最終決定となりますので、皆さんよく考えて決断して下さい」
皆が思い思いに、その用紙を眺める。
取得称号が、とうとう決定される・・・。
「・・・何で、急に早まったの・・・!?」
困惑を隠せない出雲の声に、子猫丸が大声を出した。
「・・・あ!!次の悪魔学、野外やった!!坊と神木さんもですよ!」
「あっ、せやった!スパイは?」
「俺も移動ですけど、暗唱術なんでー・・・て、普通に返事してもーた・・・」
「あ、私志摩くんと同じだ」
「マジで!?俺ラッキーやん♪」
志摩のあまりのテンションに、玲薇は身を引く。
「志摩!玲薇に変な手だしたら許さねーからな!!」
「えぇ、そんなんわからんわぁ」
「大丈夫、そしたら気絶させてあげるから」
「うは、怖っ!」
「と・・・俺、次何だっけ」
「私と同じ悪魔心理学なら移動ないよ」
「あー、そーだそれだ!」
移動するみんなを送りつつ、燐がふと雪男に聞いた。
「・・・雪男、お前今日も遅いんだよな?」
「うん」
「夜、何を食ってんの?」
「え?コンビニとか、ファストフードとか、栄養補助食品とか・・・?」
「アラヤダ、ずっとそんなんだけじゃ栄養片寄るんじゃないかしら。ママ心配よぉ!」
「大丈夫だよ、ママ。最近のは結構おいしいんだよ」
「いや、おいしいとかじゃなくてな」
「ありがとう。でも、大丈夫だから。たまには帰るし、その時何かつくってくれれば」
「あっそーー」
笑顔で言う雪男に、燐は素っ気なく返事を返す。
「それより兄さん、玲薇と離れないように」
「ん?」
「最近、玲薇の点数がどの授業でも落ちてるから心配で。
兄さんがいれば問題ないと思うけど、何かあったら聞いてあげてね」
「あ、まぁ・・・」
やけに優しい雪男の態度に、モヤモヤする。いま、ここにしえみがいるから変な事は聞けないけど。
「しえみさんも、何か進路で迷う事があったら相談して下さいね。それじゃ」
「あ・・・はいっ」
雪男の後ろ姿を見届けてから、しえみが言う。
「・・・燐」
「ん?」
「雪ちゃん、どうしちゃったの?」
「え!?」
「・・・なんとなくだけど・・・雪ちゃん、燐によそよそしくない?私にするのと同じ顔してる」
と・・・。
その頃、志摩と行動する玲薇はイライラしていた。何に対して、なのかもよく分からないけど。
燐が嬉しそうにコタツを持ってきた。
《しってる!おれ、こたつだいすきだ!》
「燐、よく見つけてくれたね」
「へへ、だろ?まだキレーそうだし、使えるだろ」
「うん」
そんな、燐が拾ったコタツをクロが不思議そうに眺めている。
《でも、おふとんがないこたつなのか?》
「布団はもっと寒くなってからな。寒くなったら、皆呼んで鍋パーティーするぞ!」
《えーっ、それいいなー!それ!》
「いいだろークロ?堪らんだろ?」
《たまらんなー!》
「ふふ、クロも嬉しそう」
クロは玲薇に抱かれ、ニャーと鳴く。
「クロも嬉しいってさ」
「燐が料理上手で良かったですねー」
「ニャー!」
「・・・ったく、クロと話てんだか俺と話してんだか分かんねー」
「ただいま」
賑やかに話してる中、雪男が帰ってきた。
「おかえり」
「おー、雪男」
「燐がね、コタツ拾ってきてくれたよ」
「設置してみたけどどーだ?・・・やっぱ邪魔?」
雪男は荷物を置きながらコタツに目を向ける。
「いいんじゃない?見た感じまだ新しいし・・・拾いものだね。
風呂に入ったらまた出掛けるから」
「夕飯は」
燐が聞く。
「いらないよ。しばらくこんな感じだから、二人も自由にしてくれていいよ」
そう言い残し、雪男はまた部屋を出ていく。
残された二人は顔を合わせ、再びドアに目を向けた。
「・・・あいつ、やっぱしおかしくね?」
「私・・・最近雪男が怖く見える・・・」
「ん?」
「あ、怖いって言ったら私みんな怖くなっちゃうよね!」
燐にも、同じようなこと言ってしまってるし。
アハハと、冗談に笑いつつもまた燐に怒られると思い黙る。けど、彼は黙って頭を撫でてくれるだけだった。
それだけなのに、無性に居心地が良くて泣けてきて・・・身体を燐に預けるように寄り添う。
「燐・・・」
「ん?」
「ううん、呼んだだけ」
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雪男に会うのは、薬草学の授業の時だった。
「では最後に、先日の小テストを返します。奥村」
「へーい」
「よく頑張りましたね」
「・・・え?どーゆーイミ?」
滅多に褒め言葉をもらえない燐は、点数を確認すると、自分でも驚いた。
「おー!?すげーいい点、俺すげー!!」
しえみにもテストが返ったところで、燐が聞く。
「しえみ〜俺すげーぞ、お前どうだった?」
「私、すごくよかったよ!」
「ほう・・・?じゃー勝負しよーぜ!!」
「え!?」
そして、お互い見せ合うテストの点数は、燐が68点、しえみ100点という大差でしえみが勝利する。
「ウソだろ!?」
驚く燐の横を歩く玲薇は、自分の点数をまじまじと見つめた。
(・・・燐と点数が、ほぼ変わってない・・・)
雪男にも、珍しく「もう少し頑張りましょう」と言われた。それと・・・『悩み事』を心配した表情を見せて。
「はぁ・・・」
「・・・・・・・・・・・」
そんな気落ちする玲薇を、隣にいる出雲は黙って見守ってくれる。
テストをそれぞれに返し終えた雪男が、終了のベルが鳴る中告げた。
「すみません皆さん、まだ話が。本日フェレス卿から通達がありました。
祓魔師認定試験の日程が、早まります」
「「「!!?」」」
「え!?」
これには全員驚く情報だ。
「詳しい説明は後日あるそうですが、日程変更に伴って取得希望称号を再度記入提出してもらいます。
この用紙に記入した称号が、最終決定となりますので、皆さんよく考えて決断して下さい」
皆が思い思いに、その用紙を眺める。
取得称号が、とうとう決定される・・・。
「・・・何で、急に早まったの・・・!?」
困惑を隠せない出雲の声に、子猫丸が大声を出した。
「・・・あ!!次の悪魔学、野外やった!!坊と神木さんもですよ!」
「あっ、せやった!スパイは?」
「俺も移動ですけど、暗唱術なんでー・・・て、普通に返事してもーた・・・」
「あ、私志摩くんと同じだ」
「マジで!?俺ラッキーやん♪」
志摩のあまりのテンションに、玲薇は身を引く。
「志摩!玲薇に変な手だしたら許さねーからな!!」
「えぇ、そんなんわからんわぁ」
「大丈夫、そしたら気絶させてあげるから」
「うは、怖っ!」
「と・・・俺、次何だっけ」
「私と同じ悪魔心理学なら移動ないよ」
「あー、そーだそれだ!」
移動するみんなを送りつつ、燐がふと雪男に聞いた。
「・・・雪男、お前今日も遅いんだよな?」
「うん」
「夜、何を食ってんの?」
「え?コンビニとか、ファストフードとか、栄養補助食品とか・・・?」
「アラヤダ、ずっとそんなんだけじゃ栄養片寄るんじゃないかしら。ママ心配よぉ!」
「大丈夫だよ、ママ。最近のは結構おいしいんだよ」
「いや、おいしいとかじゃなくてな」
「ありがとう。でも、大丈夫だから。たまには帰るし、その時何かつくってくれれば」
「あっそーー」
笑顔で言う雪男に、燐は素っ気なく返事を返す。
「それより兄さん、玲薇と離れないように」
「ん?」
「最近、玲薇の点数がどの授業でも落ちてるから心配で。
兄さんがいれば問題ないと思うけど、何かあったら聞いてあげてね」
「あ、まぁ・・・」
やけに優しい雪男の態度に、モヤモヤする。いま、ここにしえみがいるから変な事は聞けないけど。
「しえみさんも、何か進路で迷う事があったら相談して下さいね。それじゃ」
「あ・・・はいっ」
雪男の後ろ姿を見届けてから、しえみが言う。
「・・・燐」
「ん?」
「雪ちゃん、どうしちゃったの?」
「え!?」
「・・・なんとなくだけど・・・雪ちゃん、燐によそよそしくない?私にするのと同じ顔してる」
と・・・。
その頃、志摩と行動する玲薇はイライラしていた。何に対して、なのかもよく分からないけど。