第十一話 ライトニング
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ルシフェルの力なら、雪男をいま無理やりイルミナティに連行するのは簡単だろう。
だが、そうしなかったのは何故か・・・ルシフェル自体力が弱まっていたか、はたまた別の用事があったからか。
『今日はこのまま辞退します。無理強いはしたくない。それに、他にも会っておきたい方がいるので』
『・・・?』
この時、彼女の事を言っているのだと判っていたら、自分は何かしてあげられただろうか。
いや・・・何も、助ける事は出来なかっただろう。
『しかし、これだけは覚えておいて下さい。私は君に"力"を与えることが出来る』
『!!?』
『君の潜在的な力や可能性を呼び覚ますことが出来るでしょう。その眼の謎や、隠された出生の秘密を知りたくはないですか?』
『!!!』
なぜ、その事まで知られているのだろう。
『それらの真実が、君に"力"を与える。私は君を救いたい』
『必要ない・・・!!』
『そうですね、しかし、恐らくまた会えます。君は心もそう強くない』
そう言い残し、ルシフェルは消えた。
「先生?」
志摩の声に、現実に戻される。
「・・・大丈夫ですか?顔、むっちゃコワイんですけど」
「・・・・・・・・・」
「いやー、なんかすんません。俺も立場上イルミナティのスパイとしても働かなあかんもんで~」
「「必要ない」そう伝えて下さい」
「・・・りょーかいです。まー、あんま重くとらんで下さい。じゃ!」
「玲薇には・・・」
踵を返そうとした志摩に、言葉を投げかける。
「玲薇にはなんて話をされたんですか」
すると志摩は、得意の飄々とした笑顔を見せた。
「玲薇ちゃんにはこれからで~まぁ、総帥には"私が隣に居たいのは燐だけだ"と言わはったみたいですよ~。
いやー、相変わらずおアツい二人ですわ。いずれ玲薇ちゃんの不思議な力がイルミナティに必要なる思いますけど」
「・・・・・・不思議な力?それはリニュウとか、竜騎士ではなくて?」
「あら、奥村先生は目撃したことないですか?玲薇ちゃんの青い不思議な光」
「・・・・・・?青い光・・・?」
「ま、本人に直接聞くのが早いちゃいますか?」
もし、今の志摩の話が本当で、これからイルミナティのスパイとしても働く志摩が、
玲薇にも同じような会話を持ちかけたらどうなるだろう。
そういえば、不浄王戦が終わった後燐と付き合うという話の流れになった時、彼女を無理矢理押し付けた時。
青くなりかけた眼を見られそうになった・・・。けど、今問いただすべきは。
「君は本当に、正十字騎士團の味方なんですよね」
雪男の真剣な疑問に、志摩はヘラッと笑って答えた。
「・・・そんなん、当たり前やないですか~。味方やから忠告しときますけど、
奥村先生こそ、この件は誰かに相談すべきやないですか?
・・・って、まー俺は結局、中立の立場なんで忠告くらいしか出来ませんけどね~♪
さて、玲薇ちゃんにはいつ話そうっかな~」
震えが止まらない。自分で答えを見つけられない。
「くそォッ」
自分自身にも腹が立つ。それでいて、玲薇にも。不思議な力?なんだ、それは。
彼女との任務は少なくはないが、主に燐達との行動が多い。そのせいか、その力で戦っているのを知らなかった。
不浄王の時も、キメラゾンビの時も、最初の方で言えばアマイモン襲撃の時か・・・。
どれも一緒に自分はいてあげられていない。
「どうして・・・なんで兄さんなんだよ、玲薇っ・・・」
その日の夜、彼女に問い詰めることが出来ればいい。雪男が帰れば、二人になる時間は少なくともある。
燐が一足先に寝室件勉強机から離れるのは、ご飯の時と風呂に入りに行く時。そこをうまく狙えれば。
「玲薇、少し話いいかな」
「ん?いいけど」
「兄さんは?」
「燐なら最近、粗大ゴミの日だとコタツ探しに行ってるよ」
「え?」
「夏は何とか扇風機で乗り切ったけど、やっぱ冬はコタツ欲しいよなって話で」
「ふーん・・・」
「おー、雪男!帰ってたのか!」
「兄さん」
「おかえり、燐。今日はあった?」
「いーや、今回もハズレ。また今度行ってみるよ。俺、風呂入っていいか?」
「いいよ」
「雪男も一緒に入っちまうか?」
「いや、僕は後でいいよ。ちょっと玲薇と話したい事があるし」
「・・・そーか?」
「うん」
燐は心配そうに玲薇を見る。
「ん?」
「あ、いや・・・じゃあ、ちょっと行ってくるな」
改めて雪男と向き直る。二人きりになるのは久しぶりだ。
「話って、なに?」
緊張して変に強ばりそうにならないように気をつける。
「単刀直入に聞くけど、僕達も青い炎を継いでると思う?」
「え?それは・・・」
思わず口ごもる。確かに燐とはもしもの時の話はしたりするけど。
「検査してるから、大丈夫なんでしょ?」
「志摩くんから聞いたんだけど、青い光って何?」
その言葉にビクッと体が震えた。
「兄さんはその光の事、知ってるの?」
「・・・・・・・・ッ」
いまここではぐらかそうとしても、この雪男からは逃げられない。逃げ道がない。
雪男と目を合わせられない、視線が泳ぐ。
「・・・・・・・知ってる」
「その力、怖くないの?」
「怖い、時もあるよ・・・。でも今は、一人じゃないから戦える」
「玲薇・・・」
彼女は強くなっている。それは、精神的にも。
(僕なんかよりも、きっと・・・。隣に兄さんがいるから?)
何故だか、問い詰めて怖い思いはもうさせたくなかったけど。
「そっか」
呆気からんとそう答える。
「・・・雪男?」
恐る恐る名前を呼ばれる。本当は、ぎこちない間柄にはなりたくないんだけど。
「僕はこれから出掛けるから、夕食はいらないって兄さんに伝えて」
「え・・・」
これ以上、口論しても無意味だろう。
だったら自分たちの力はなんなのか、自分たちで探し出す必要がある。
だが、そうしなかったのは何故か・・・ルシフェル自体力が弱まっていたか、はたまた別の用事があったからか。
『今日はこのまま辞退します。無理強いはしたくない。それに、他にも会っておきたい方がいるので』
『・・・?』
この時、彼女の事を言っているのだと判っていたら、自分は何かしてあげられただろうか。
いや・・・何も、助ける事は出来なかっただろう。
『しかし、これだけは覚えておいて下さい。私は君に"力"を与えることが出来る』
『!!?』
『君の潜在的な力や可能性を呼び覚ますことが出来るでしょう。その眼の謎や、隠された出生の秘密を知りたくはないですか?』
『!!!』
なぜ、その事まで知られているのだろう。
『それらの真実が、君に"力"を与える。私は君を救いたい』
『必要ない・・・!!』
『そうですね、しかし、恐らくまた会えます。君は心もそう強くない』
そう言い残し、ルシフェルは消えた。
「先生?」
志摩の声に、現実に戻される。
「・・・大丈夫ですか?顔、むっちゃコワイんですけど」
「・・・・・・・・・」
「いやー、なんかすんません。俺も立場上イルミナティのスパイとしても働かなあかんもんで~」
「「必要ない」そう伝えて下さい」
「・・・りょーかいです。まー、あんま重くとらんで下さい。じゃ!」
「玲薇には・・・」
踵を返そうとした志摩に、言葉を投げかける。
「玲薇にはなんて話をされたんですか」
すると志摩は、得意の飄々とした笑顔を見せた。
「玲薇ちゃんにはこれからで~まぁ、総帥には"私が隣に居たいのは燐だけだ"と言わはったみたいですよ~。
いやー、相変わらずおアツい二人ですわ。いずれ玲薇ちゃんの不思議な力がイルミナティに必要なる思いますけど」
「・・・・・・不思議な力?それはリニュウとか、竜騎士ではなくて?」
「あら、奥村先生は目撃したことないですか?玲薇ちゃんの青い不思議な光」
「・・・・・・?青い光・・・?」
「ま、本人に直接聞くのが早いちゃいますか?」
もし、今の志摩の話が本当で、これからイルミナティのスパイとしても働く志摩が、
玲薇にも同じような会話を持ちかけたらどうなるだろう。
そういえば、不浄王戦が終わった後燐と付き合うという話の流れになった時、彼女を無理矢理押し付けた時。
青くなりかけた眼を見られそうになった・・・。けど、今問いただすべきは。
「君は本当に、正十字騎士團の味方なんですよね」
雪男の真剣な疑問に、志摩はヘラッと笑って答えた。
「・・・そんなん、当たり前やないですか~。味方やから忠告しときますけど、
奥村先生こそ、この件は誰かに相談すべきやないですか?
・・・って、まー俺は結局、中立の立場なんで忠告くらいしか出来ませんけどね~♪
さて、玲薇ちゃんにはいつ話そうっかな~」
震えが止まらない。自分で答えを見つけられない。
「くそォッ」
自分自身にも腹が立つ。それでいて、玲薇にも。不思議な力?なんだ、それは。
彼女との任務は少なくはないが、主に燐達との行動が多い。そのせいか、その力で戦っているのを知らなかった。
不浄王の時も、キメラゾンビの時も、最初の方で言えばアマイモン襲撃の時か・・・。
どれも一緒に自分はいてあげられていない。
「どうして・・・なんで兄さんなんだよ、玲薇っ・・・」
その日の夜、彼女に問い詰めることが出来ればいい。雪男が帰れば、二人になる時間は少なくともある。
燐が一足先に寝室件勉強机から離れるのは、ご飯の時と風呂に入りに行く時。そこをうまく狙えれば。
「玲薇、少し話いいかな」
「ん?いいけど」
「兄さんは?」
「燐なら最近、粗大ゴミの日だとコタツ探しに行ってるよ」
「え?」
「夏は何とか扇風機で乗り切ったけど、やっぱ冬はコタツ欲しいよなって話で」
「ふーん・・・」
「おー、雪男!帰ってたのか!」
「兄さん」
「おかえり、燐。今日はあった?」
「いーや、今回もハズレ。また今度行ってみるよ。俺、風呂入っていいか?」
「いいよ」
「雪男も一緒に入っちまうか?」
「いや、僕は後でいいよ。ちょっと玲薇と話したい事があるし」
「・・・そーか?」
「うん」
燐は心配そうに玲薇を見る。
「ん?」
「あ、いや・・・じゃあ、ちょっと行ってくるな」
改めて雪男と向き直る。二人きりになるのは久しぶりだ。
「話って、なに?」
緊張して変に強ばりそうにならないように気をつける。
「単刀直入に聞くけど、僕達も青い炎を継いでると思う?」
「え?それは・・・」
思わず口ごもる。確かに燐とはもしもの時の話はしたりするけど。
「検査してるから、大丈夫なんでしょ?」
「志摩くんから聞いたんだけど、青い光って何?」
その言葉にビクッと体が震えた。
「兄さんはその光の事、知ってるの?」
「・・・・・・・・ッ」
いまここではぐらかそうとしても、この雪男からは逃げられない。逃げ道がない。
雪男と目を合わせられない、視線が泳ぐ。
「・・・・・・・知ってる」
「その力、怖くないの?」
「怖い、時もあるよ・・・。でも今は、一人じゃないから戦える」
「玲薇・・・」
彼女は強くなっている。それは、精神的にも。
(僕なんかよりも、きっと・・・。隣に兄さんがいるから?)
何故だか、問い詰めて怖い思いはもうさせたくなかったけど。
「そっか」
呆気からんとそう答える。
「・・・雪男?」
恐る恐る名前を呼ばれる。本当は、ぎこちない間柄にはなりたくないんだけど。
「僕はこれから出掛けるから、夕食はいらないって兄さんに伝えて」
「え・・・」
これ以上、口論しても無意味だろう。
だったら自分たちの力はなんなのか、自分たちで探し出す必要がある。