第十話 さよなら
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「ブヒッ、フヒヒッ」
何もなくなってしまった外道院は、その場に腰が抜ける。
「ぼくはどこでボタンを掛け違った・・・!?ルシフェルさま直々に認めていただけるチャンスだったのに・・・、
どうしてこんな事に!?こんなハズじゃなかったんだよォ!!ぼくは特別なんだぁあ!!」
泣き叫ぶ外道院を他所に、雪男が玉雲の生存を確認するが、やはりもう・・・。
言葉なく、雪男は首を横に振る。それだけで、皆分かるから。
出雲に掛けてあげられる言葉が見つからない。沈む空気の中、小さく言葉を発したのは燐だった。
「・・・そうか。母ちゃん、出雲を守って死んだんだな」
あの時、獅郎が自分にしてくれたことが脳裏をかすめる。
「それが何だって言うんだよ」
この場の雰囲気をぶち壊す奴に、玲薇は目を向け睨む。
「人間なんて一日20万人単位でゴミクズみたいに生まれては消えてんだ。
今さらババアが一匹消えたくらいで、ピーピー泣いてんじゃねぇゴミ共が!!
ぼくは違う・・・!特別だ!!ぼくはゴミ共とは違うんだ!!」
「・・・外道院」
出雲が名前を呟く。アイツが、ここまで来る途中散々邪魔してきた張本人か。
攻撃されない事をいい事に、外道院は出雲に被らせたあのマシーンを自分に被っている。
「今からこの"セイバー仮面"で悪魔をぼくに強制憑依させるんだよ。なぜなら・・・ぼくは"選ばれし者"だからだ!」
「!?」
「ぼくが自分の体でエリクサー実験してなかったと思うのか!?当然やった!そして生き残ったんだ!!
九尾が手に入って研究が軌道に乗ってからは悪魔を体に憑依させる事は諦めていたんだ。
だが、それはもうおしまいだよ!!対象を絞らず使えば何に憑依されるか判らないが・・・、
きっとぼくに相応しい美しい悪魔に違いない・・・!!」
言うや外道院はスイッチを押し、苦痛な声を上げながらどんどん姿を変豹させていく。
「ブゴオオオォオッ」
「「「!!!」」」
変豹は顔だけじゃない。体も更にまるびを帯びていき、巨大になっていく。
「まじかよ・・・!」
「皆さん、下がって!!」
「ブゴォッ、ブギキキ!!わかる、わかるぞ・・・!?悪魔を感じる!!
細胞のひとつヒトツガ生まレ変わっていくのが判る・・・!」
「脱出口は・・・」
勝呂が辺りを確認する中、雪男が言う。
「一つだけあるが、外道院が邪魔だ!」
やはり出入口はあの扉しかないようだ。
「戦うしかないわけやな・・・!」
きっと何分も経っていない。しかし、外道院の姿はもう人としての姿はなくなっていた。
尻尾のような形をした何本もの触手を生やし、口が大きく開かれた奇妙な姿になっている。
「これでぼくモ、ツいに悪魔だ・・・!!ギャーヒヒへへ!二んげんはミンナシねぇ~!!」
「なっ・・・」
玲薇は目の前に繰り広げられる光景に目を見張る。
悪魔に憑依した以上、もう外道院には仲間とか味方とか呼べる存在の者はないのだろう。
任務の場数が多い雪男も、唖然としているようだ。
「ゾンビを捕食している・・・!?」
「あの姿・・・ネクロファージャーが憑依しとるんかもしれません」
子猫丸が手持ちの端末で何やら調べてくれているようで。
「ネクロファージャーの弱点は・・・」
ただ、調べ物に集中してしまい、外道院からの攻撃に気付くのに遅れてしまう。
「!!?」
避ける間もなく、勝呂がバズーカで触手をぶっぱなした。
「ひゃっ」
雪男が銃で対応しながら説明を入れてくれる。
「どちらにしても、エリクサー実験で強化された肉体を持っている以上、それが弱点といえるかどうか・・・!」
「そうか、ネクロファージャーと言っても更に不死のゾンビも捕食してるから」
「ややこしいなぁ」
銃で対抗する雪男と玲薇の前で、燐が降魔剣を振りながらため息混じりで言う。
「奥村くん、また不浄王や僕らを浄化したみたいに出来ひんかな!?」
子猫丸の提案に、燐はハッとする。
「火生三昧か!?あ、あれ難しいんだぞ。あん時は、ウチシュマーが手伝ってくれたから出来たんだ」
「せやったん!?」
まさかの情報に驚く。しまいには勝呂に突っ込まれた。
「何やねん。お前の持ち技サタンスラッシュだけやないやろな!?」
「んなワケねーだろ!!見てろ!!サタンボム!!」
外道院の元で爆発させるが、イマイチ効果は現れない。
「・・・・・・・・」
勝呂も、どっから突っ込んでいいのかもう判らないようだ。
中々決着をつけられない中、玉雲から視線を外し、出雲が外道院に目を向ける。
「神木さん?」
「外道院・・・!」
ここにいる誰よりも外道院に恨みがあるのに。戦わなくちゃいけないのに、身体が言うことを聞いてくれない。
「ダメ!!その身体、動いちゃ・・・!」
しえみに呼び止められなくても、自分の身体の事はわかる。でも、アイツだけはどうしても許せないのだ。
「あたしも、戦わなきゃ・・・!(武器はもうない。それでも・・・あいつだけは・・・!!)
母さん・・・月雲、ウケ、ミケ、あたしに力を貸してね・・・!!」
《《出雲!!》》
どこからともかく聞こえた、ウケとミケの声。
見れば、出雲の両隣にはいつものように、当たり前にウケとミケの姿があった。
《遅い!!》
《やっと呼んでくれたね・・・!待ってたよ!》
「ウケ!!ミケ!!」
喜びの声を上げ、出雲はウケとミケを抱きしめた。
「でもどうして!?たしか志摩廉造に・・・」
《話は後だ!》
《今は刻が惜しいよ!ボクらを使って!!》
誰も、自分を"出雲"を助けてくれないと思っていた。だから自分の殻にこもっていたのに。
周りに目を向ければ、こんなにも皆、自分を助けてくれている。ちゃんと、伝えなくちゃ。
何もなくなってしまった外道院は、その場に腰が抜ける。
「ぼくはどこでボタンを掛け違った・・・!?ルシフェルさま直々に認めていただけるチャンスだったのに・・・、
どうしてこんな事に!?こんなハズじゃなかったんだよォ!!ぼくは特別なんだぁあ!!」
泣き叫ぶ外道院を他所に、雪男が玉雲の生存を確認するが、やはりもう・・・。
言葉なく、雪男は首を横に振る。それだけで、皆分かるから。
出雲に掛けてあげられる言葉が見つからない。沈む空気の中、小さく言葉を発したのは燐だった。
「・・・そうか。母ちゃん、出雲を守って死んだんだな」
あの時、獅郎が自分にしてくれたことが脳裏をかすめる。
「それが何だって言うんだよ」
この場の雰囲気をぶち壊す奴に、玲薇は目を向け睨む。
「人間なんて一日20万人単位でゴミクズみたいに生まれては消えてんだ。
今さらババアが一匹消えたくらいで、ピーピー泣いてんじゃねぇゴミ共が!!
ぼくは違う・・・!特別だ!!ぼくはゴミ共とは違うんだ!!」
「・・・外道院」
出雲が名前を呟く。アイツが、ここまで来る途中散々邪魔してきた張本人か。
攻撃されない事をいい事に、外道院は出雲に被らせたあのマシーンを自分に被っている。
「今からこの"セイバー仮面"で悪魔をぼくに強制憑依させるんだよ。なぜなら・・・ぼくは"選ばれし者"だからだ!」
「!?」
「ぼくが自分の体でエリクサー実験してなかったと思うのか!?当然やった!そして生き残ったんだ!!
九尾が手に入って研究が軌道に乗ってからは悪魔を体に憑依させる事は諦めていたんだ。
だが、それはもうおしまいだよ!!対象を絞らず使えば何に憑依されるか判らないが・・・、
きっとぼくに相応しい美しい悪魔に違いない・・・!!」
言うや外道院はスイッチを押し、苦痛な声を上げながらどんどん姿を変豹させていく。
「ブゴオオオォオッ」
「「「!!!」」」
変豹は顔だけじゃない。体も更にまるびを帯びていき、巨大になっていく。
「まじかよ・・・!」
「皆さん、下がって!!」
「ブゴォッ、ブギキキ!!わかる、わかるぞ・・・!?悪魔を感じる!!
細胞のひとつヒトツガ生まレ変わっていくのが判る・・・!」
「脱出口は・・・」
勝呂が辺りを確認する中、雪男が言う。
「一つだけあるが、外道院が邪魔だ!」
やはり出入口はあの扉しかないようだ。
「戦うしかないわけやな・・・!」
きっと何分も経っていない。しかし、外道院の姿はもう人としての姿はなくなっていた。
尻尾のような形をした何本もの触手を生やし、口が大きく開かれた奇妙な姿になっている。
「これでぼくモ、ツいに悪魔だ・・・!!ギャーヒヒへへ!二んげんはミンナシねぇ~!!」
「なっ・・・」
玲薇は目の前に繰り広げられる光景に目を見張る。
悪魔に憑依した以上、もう外道院には仲間とか味方とか呼べる存在の者はないのだろう。
任務の場数が多い雪男も、唖然としているようだ。
「ゾンビを捕食している・・・!?」
「あの姿・・・ネクロファージャーが憑依しとるんかもしれません」
子猫丸が手持ちの端末で何やら調べてくれているようで。
「ネクロファージャーの弱点は・・・」
ただ、調べ物に集中してしまい、外道院からの攻撃に気付くのに遅れてしまう。
「!!?」
避ける間もなく、勝呂がバズーカで触手をぶっぱなした。
「ひゃっ」
雪男が銃で対応しながら説明を入れてくれる。
「どちらにしても、エリクサー実験で強化された肉体を持っている以上、それが弱点といえるかどうか・・・!」
「そうか、ネクロファージャーと言っても更に不死のゾンビも捕食してるから」
「ややこしいなぁ」
銃で対抗する雪男と玲薇の前で、燐が降魔剣を振りながらため息混じりで言う。
「奥村くん、また不浄王や僕らを浄化したみたいに出来ひんかな!?」
子猫丸の提案に、燐はハッとする。
「火生三昧か!?あ、あれ難しいんだぞ。あん時は、ウチシュマーが手伝ってくれたから出来たんだ」
「せやったん!?」
まさかの情報に驚く。しまいには勝呂に突っ込まれた。
「何やねん。お前の持ち技サタンスラッシュだけやないやろな!?」
「んなワケねーだろ!!見てろ!!サタンボム!!」
外道院の元で爆発させるが、イマイチ効果は現れない。
「・・・・・・・・」
勝呂も、どっから突っ込んでいいのかもう判らないようだ。
中々決着をつけられない中、玉雲から視線を外し、出雲が外道院に目を向ける。
「神木さん?」
「外道院・・・!」
ここにいる誰よりも外道院に恨みがあるのに。戦わなくちゃいけないのに、身体が言うことを聞いてくれない。
「ダメ!!その身体、動いちゃ・・・!」
しえみに呼び止められなくても、自分の身体の事はわかる。でも、アイツだけはどうしても許せないのだ。
「あたしも、戦わなきゃ・・・!(武器はもうない。それでも・・・あいつだけは・・・!!)
母さん・・・月雲、ウケ、ミケ、あたしに力を貸してね・・・!!」
《《出雲!!》》
どこからともかく聞こえた、ウケとミケの声。
見れば、出雲の両隣にはいつものように、当たり前にウケとミケの姿があった。
《遅い!!》
《やっと呼んでくれたね・・・!待ってたよ!》
「ウケ!!ミケ!!」
喜びの声を上げ、出雲はウケとミケを抱きしめた。
「でもどうして!?たしか志摩廉造に・・・」
《話は後だ!》
《今は刻が惜しいよ!ボクらを使って!!》
誰も、自分を"出雲"を助けてくれないと思っていた。だから自分の殻にこもっていたのに。
周りに目を向ければ、こんなにも皆、自分を助けてくれている。ちゃんと、伝えなくちゃ。