第一話 海神
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
楽しそうなアマツミヒコたちを見て、雪男の隣でホッと胸をなでおろすしえみ。
「・・・よかった。アマツミヒコさま楽しそう・・・!燐のごちそう作戦も、喜んでくれたみたいだし・・・」
「しかし、これで何か変わるんだろうか・・・?」
「おーい!俺たちもそろそろ余りを喰おうぜ!」
そこへ、料理を運ぶ燐がやってきた。
「わぁあ、嬉しい・・・お腹ペコペコだよ~!」
「ほら、雪男」
「・・・」
しかし、雪男は手渡されたそれを受け取らない。
「僕はいらない」
否定の言葉に、燐は眉を寄せる。
「はぁ?何だ、お前。まだ怒ってんのか?」
「海水につかった銃の掃除が最優先だ。いつ使うか判らない・・・急がなきゃ」
「・・・ったく、使う前に腹ペコで力出なくても知らねーぞ」
「僕にそんな少年マンガの主人公みたいな特徴はないよ」
だが、言葉とは裏腹に、雪男のお腹は鳴るばかり。
「素直にくえよ!!」
「うるさい!!ちゃんと準備して計画を立てて行動するんだ。人に迷惑をかけないようにね。
僕は、兄さんとは違う」
「・・・お前、やっぱりまだ怒ってんだろ?」
「怒ってない。呆れてるだけだよ。
自分を恐れないのか!?僕が兄さんの立場だったら、発狂してる」
いつぶりだろう、こんな言い争いを兄弟でするのは。
「俺はそうなるくらいなら、バカになるね!」
「それでどれだけの人間を巻きこむと思ってる!」
「バカの方がまだマシだろ!!俺はこの力を役立てたいだけなんだよ!」
「さっきから、よくそんな事を・・・兄さんは不浄王を倒して調子に乗ってるんだ」
「調子に乗ってる!?俺が!?ふざけるな!?」
2人が喧嘩しているのが我慢ならなかった。
「やめて・・・」
けれどしえみが振り絞ってだした声は小さく、2人に届かない。
雪男の怒りはおさまらない。
「今は運がいいだけだ!それはサタンの力だぞ!神父さんを殺した・・・!!」
「んな事・・・ッお前に言われんでも・・・俺が一番よく知ってんだ!!」
「それなのにッ」
ギリッと、雪男は奥歯を噛み締める。
「そのまま玲薇も神父さんのように殺すのか!?」
「!!」
ビクッと、燐は思わず体を震わす。言葉が見つからない。
「兄さんが無茶すれば、玲薇も無茶するって分からないの?」
「それは・・・」
燐だって、それは理解していた。玲薇が一番隣にいてくれているのは自分だと思ってるから。
「今回だけじゃない。兄さんはいつもいつも彼女を巻き込んでるじゃないか!
僕が相手だったら、絶対に・・・」
そこでハッと我に返る。あの日、玲薇に無理やり口付けした事を。
ぐいっと、燐はおもむろに雪男の胸ぐらを掴んだ。
「何なんだよお前は!俺の何が気に入らねーんだ!!」
「全部だ!」
「やめて!!!ケンカしないで!!」
思いがけないしえみの声量に、二人は大人しくなる。
「あ・・・す、すみません!」
「すまん・・・」
二人の謝罪に、ハッと我に返るしえみ。
「・・・俺、ちょっと頭冷やしてくる」
「燐!」
燐が離れて、雪男と二人になったしえみ。彼女から語りかけられた。
「私、今まで雪ちゃんは怒ったりしない人だと思ってた」
「・・・!すみません。見苦しいところをお見せして」
「ううん。二人とも、あんまり自分の話しないから、きっとこんがらがっちゃったんだね。
雪ちゃん、燐とちゃんと話して。よ・・・余計なお世話だと思うんだけど、今のままはよくないと思うから。
私!あっちに行ってるね・・・!」
「あ・・・しえみさん・・・!」
「雪男」
しえみと入れ替わるように来たのは燐。
「話がある」
そう言って二人は向き合った。
「・・・よかった。アマツミヒコさま楽しそう・・・!燐のごちそう作戦も、喜んでくれたみたいだし・・・」
「しかし、これで何か変わるんだろうか・・・?」
「おーい!俺たちもそろそろ余りを喰おうぜ!」
そこへ、料理を運ぶ燐がやってきた。
「わぁあ、嬉しい・・・お腹ペコペコだよ~!」
「ほら、雪男」
「・・・」
しかし、雪男は手渡されたそれを受け取らない。
「僕はいらない」
否定の言葉に、燐は眉を寄せる。
「はぁ?何だ、お前。まだ怒ってんのか?」
「海水につかった銃の掃除が最優先だ。いつ使うか判らない・・・急がなきゃ」
「・・・ったく、使う前に腹ペコで力出なくても知らねーぞ」
「僕にそんな少年マンガの主人公みたいな特徴はないよ」
だが、言葉とは裏腹に、雪男のお腹は鳴るばかり。
「素直にくえよ!!」
「うるさい!!ちゃんと準備して計画を立てて行動するんだ。人に迷惑をかけないようにね。
僕は、兄さんとは違う」
「・・・お前、やっぱりまだ怒ってんだろ?」
「怒ってない。呆れてるだけだよ。
自分を恐れないのか!?僕が兄さんの立場だったら、発狂してる」
いつぶりだろう、こんな言い争いを兄弟でするのは。
「俺はそうなるくらいなら、バカになるね!」
「それでどれだけの人間を巻きこむと思ってる!」
「バカの方がまだマシだろ!!俺はこの力を役立てたいだけなんだよ!」
「さっきから、よくそんな事を・・・兄さんは不浄王を倒して調子に乗ってるんだ」
「調子に乗ってる!?俺が!?ふざけるな!?」
2人が喧嘩しているのが我慢ならなかった。
「やめて・・・」
けれどしえみが振り絞ってだした声は小さく、2人に届かない。
雪男の怒りはおさまらない。
「今は運がいいだけだ!それはサタンの力だぞ!神父さんを殺した・・・!!」
「んな事・・・ッお前に言われんでも・・・俺が一番よく知ってんだ!!」
「それなのにッ」
ギリッと、雪男は奥歯を噛み締める。
「そのまま玲薇も神父さんのように殺すのか!?」
「!!」
ビクッと、燐は思わず体を震わす。言葉が見つからない。
「兄さんが無茶すれば、玲薇も無茶するって分からないの?」
「それは・・・」
燐だって、それは理解していた。玲薇が一番隣にいてくれているのは自分だと思ってるから。
「今回だけじゃない。兄さんはいつもいつも彼女を巻き込んでるじゃないか!
僕が相手だったら、絶対に・・・」
そこでハッと我に返る。あの日、玲薇に無理やり口付けした事を。
ぐいっと、燐はおもむろに雪男の胸ぐらを掴んだ。
「何なんだよお前は!俺の何が気に入らねーんだ!!」
「全部だ!」
「やめて!!!ケンカしないで!!」
思いがけないしえみの声量に、二人は大人しくなる。
「あ・・・す、すみません!」
「すまん・・・」
二人の謝罪に、ハッと我に返るしえみ。
「・・・俺、ちょっと頭冷やしてくる」
「燐!」
燐が離れて、雪男と二人になったしえみ。彼女から語りかけられた。
「私、今まで雪ちゃんは怒ったりしない人だと思ってた」
「・・・!すみません。見苦しいところをお見せして」
「ううん。二人とも、あんまり自分の話しないから、きっとこんがらがっちゃったんだね。
雪ちゃん、燐とちゃんと話して。よ・・・余計なお世話だと思うんだけど、今のままはよくないと思うから。
私!あっちに行ってるね・・・!」
「あ・・・しえみさん・・・!」
「雪男」
しえみと入れ替わるように来たのは燐。
「話がある」
そう言って二人は向き合った。