第九話 それぞれの戦い
夢小説設定
燐が爆発を起こしてくれたことにより、檻が一部破壊され外に出ることが出来た玲薇。
燐の炎だから、熱くない。安心できる。だが、足取りはフラフラだ。
頭の中も真っ白だ。ルシフェルとの会話が、脳裏に焼き付いている。
「玲薇!」
どうやら、隣の檻は雪男と宝だったようで。
「・・・・・・・」
「良かった、ゾンビは倒したんだね」
「え?ん・・・」
なんて話せばいいのか、咄嗟に思い浮かばない。
彼女の様子がおかしい。
「玲薇・・・まさか」
『もう一人、会っておきたい方がいます・・・』
仮面の奥に隠れる口から、そう言葉を聞いた。
(いや、でもまさか・・・っ)
そう考えた。けど、聞いたところで自分にも被害が及びかねない。
「雪男、私・・・」
話していいのか分からない。いや、やめておいた方が賢明な判断か。
「ごめんね、何でもない!急ごう!」
「!っ・・・」
彼女に対してどうにもしてあげることが出来ない。いつもそうだ・・・。
疑問を残したまま、三人は先を急ぐ。
その先にやっと、燐、しえみ、子猫丸と合流する事が出来た。
「みんな!」
不安だった玲薇の表情が明るくなる。今は、あの出来事は忘れよう。
「雪ちゃん!風美夜さん!」
「遅い!!」
「えーっ!?出会いがしらになんだよ!」
折角助けてやったのに、雪男と顔があった途端すぐこれだ。
「あ、坊!!」
しかし、燐と雪男の口喧嘩が始まる前に遅れて勝呂が来てくれた事によりその場はおさまった。
「よかった!よかったぁ・・・!!」
みんなとの合流を喜ぶのも束の間。
キィィンと、耳障りな音が響く。
「キヒヒッ、静粛に」
「な!?」
奇妙な笑い声と共に流れるアナウンス。
「ようこそ、目障りなゴキブリ共。
ぼくはこのイルミナティ極東研究所所長、外道院ミハエルだ!」
「げ、外道いん・・・!?」
燐が首を傾げる。
「え、名前?」
「キサマら、よくもこのぼくの聖域を侵してくれたな。
ここは不死の妙薬、エリクサー実験の聖域だ!!
聖域を侵したお前達は、万死に値する!その罪深さを存分に理解させてから、
皆殺しにしてやる・・・!!」
「エリクサー?」
「不死?」
「何の話や・・・!?」
それぞれが、疑問を抱く。
「つまり、神木さんはエリクサー・・・不死の薬を作る為の実験体として攫われた・・・!」
「!!」
雪男の言葉に、目を見開く。
「そして恐らく、今まで戦わされてきたゾンビ達も、この実験の犠牲者・・・!」
「そうとも、ブキキッ」
外道院が怪しく笑う。
「ゾンビ共は全て人体実験の失敗作。稲生ゆめタウンに集めた観光客だよ。
より強力な再生能力を持つエリクサーを創るためには、大量の人体実験が必要だ」
「は・・・嘘だろ!?」
燐の声が僅かに震えている。ここに来るまでに、沢山の観光客を見てきているから。
「なぁーに、安心しろ」
しかし、外道院は自らの人体実験を何も悪くないというように喋り出す。
「おきつね横丁で販売していた食い物や飲料には、脳が常に幸福感を得るように調合した麻薬が混入してある。
食えば食うほど欲しくなり、おきつね横丁無しでは生きていけない身体になった観光客どもを、
稲生ゆめタウンの住人・・・実験体として演出するのだ。薬のせいで実験中、恐怖や苦痛を感じる事も少ないからな。
無理矢理実験に使っていらぬ苦痛を与えるのは酷だという、ルシフェル様のお優しい計らいによるものだ。
人道的だろう?ブキャハハハハハ!!!」
この外道院には、人としての心はないのだろうか。いや、もしかして自分らと同じ立場なのだろうか。
燐が不思議に問い出す。
「お前・・・悪魔なのか?」
だが、外道院の答えは分かり切っていて。
「いーや、ぼくは人間だ。残念ながらな!!」
言うや、更に彼はゾンビ達に残酷な姿を与える。何かの拍子に残っていたゾンビが集結し、
さらに人の姿はない、ただの化け物の肉体だ。外道院が説明を付け加える。
「元々、体内に埋め込んでいたエリクサーカプセルを爆発させただけだ。
まぁ、ドーピングのようなものだと思ってくれればいい、キキキ!!エリクサーの過剰摂取により、
肉体は破壊と再生を繰り返し、人の原形を保っていられなくなる。異常な再生力を維持する為に、
周囲の物質を吸収し続け、エネルギーを求めて蠢く肉塊と化す・・・!!キャッハハハハハ!!」
ゾンビとされてしまった人たちの虚しさや哀しさから、玲薇は目を逸らしたくなる。
なんでこんな事が出来るのだろう、どうして彼は、外道院は同じ人なのに何食わぬ様子で殺せるのだろう。
仮にも、自分らと同じ半分悪魔とでもあれば少なくとも・・・分かりたくはないけれど・・・。
「よくも・・・よくもこんな事・・・!!」
燐でさえ、人間に攻撃する事は悩んでいるのに。
「何とも思わねーのかよ!!」
「思わないね」
外道院は軽く鼻で笑って言った。
「ぼくは人間が大ッッ嫌いだ!!
科学実験に様々な動物が使われているのを知っているだろう。
自分達が生きる為に、他の生物を殺す。人間はそーゆう生き物だ!!
本来自分の事は自分で始末をつけるべきじゃないか??人間が人間を使って実験する、それは正義だ!!
間違ってると思うならぼくを論破してみろよ、え?んー?出来ないか?じゃあ黙ってろ!!
キャーハハハハハ、薄汚ねぇ薄っぺらな偽善者共が、聖人面して死ねぇッ」
燐の怒りはもう、抑えられない。
「・・・の、外道がぁああ!!!」
燐の炎だから、熱くない。安心できる。だが、足取りはフラフラだ。
頭の中も真っ白だ。ルシフェルとの会話が、脳裏に焼き付いている。
「玲薇!」
どうやら、隣の檻は雪男と宝だったようで。
「・・・・・・・」
「良かった、ゾンビは倒したんだね」
「え?ん・・・」
なんて話せばいいのか、咄嗟に思い浮かばない。
彼女の様子がおかしい。
「玲薇・・・まさか」
『もう一人、会っておきたい方がいます・・・』
仮面の奥に隠れる口から、そう言葉を聞いた。
(いや、でもまさか・・・っ)
そう考えた。けど、聞いたところで自分にも被害が及びかねない。
「雪男、私・・・」
話していいのか分からない。いや、やめておいた方が賢明な判断か。
「ごめんね、何でもない!急ごう!」
「!っ・・・」
彼女に対してどうにもしてあげることが出来ない。いつもそうだ・・・。
疑問を残したまま、三人は先を急ぐ。
その先にやっと、燐、しえみ、子猫丸と合流する事が出来た。
「みんな!」
不安だった玲薇の表情が明るくなる。今は、あの出来事は忘れよう。
「雪ちゃん!風美夜さん!」
「遅い!!」
「えーっ!?出会いがしらになんだよ!」
折角助けてやったのに、雪男と顔があった途端すぐこれだ。
「あ、坊!!」
しかし、燐と雪男の口喧嘩が始まる前に遅れて勝呂が来てくれた事によりその場はおさまった。
「よかった!よかったぁ・・・!!」
みんなとの合流を喜ぶのも束の間。
キィィンと、耳障りな音が響く。
「キヒヒッ、静粛に」
「な!?」
奇妙な笑い声と共に流れるアナウンス。
「ようこそ、目障りなゴキブリ共。
ぼくはこのイルミナティ極東研究所所長、外道院ミハエルだ!」
「げ、外道いん・・・!?」
燐が首を傾げる。
「え、名前?」
「キサマら、よくもこのぼくの聖域を侵してくれたな。
ここは不死の妙薬、エリクサー実験の聖域だ!!
聖域を侵したお前達は、万死に値する!その罪深さを存分に理解させてから、
皆殺しにしてやる・・・!!」
「エリクサー?」
「不死?」
「何の話や・・・!?」
それぞれが、疑問を抱く。
「つまり、神木さんはエリクサー・・・不死の薬を作る為の実験体として攫われた・・・!」
「!!」
雪男の言葉に、目を見開く。
「そして恐らく、今まで戦わされてきたゾンビ達も、この実験の犠牲者・・・!」
「そうとも、ブキキッ」
外道院が怪しく笑う。
「ゾンビ共は全て人体実験の失敗作。稲生ゆめタウンに集めた観光客だよ。
より強力な再生能力を持つエリクサーを創るためには、大量の人体実験が必要だ」
「は・・・嘘だろ!?」
燐の声が僅かに震えている。ここに来るまでに、沢山の観光客を見てきているから。
「なぁーに、安心しろ」
しかし、外道院は自らの人体実験を何も悪くないというように喋り出す。
「おきつね横丁で販売していた食い物や飲料には、脳が常に幸福感を得るように調合した麻薬が混入してある。
食えば食うほど欲しくなり、おきつね横丁無しでは生きていけない身体になった観光客どもを、
稲生ゆめタウンの住人・・・実験体として演出するのだ。薬のせいで実験中、恐怖や苦痛を感じる事も少ないからな。
無理矢理実験に使っていらぬ苦痛を与えるのは酷だという、ルシフェル様のお優しい計らいによるものだ。
人道的だろう?ブキャハハハハハ!!!」
この外道院には、人としての心はないのだろうか。いや、もしかして自分らと同じ立場なのだろうか。
燐が不思議に問い出す。
「お前・・・悪魔なのか?」
だが、外道院の答えは分かり切っていて。
「いーや、ぼくは人間だ。残念ながらな!!」
言うや、更に彼はゾンビ達に残酷な姿を与える。何かの拍子に残っていたゾンビが集結し、
さらに人の姿はない、ただの化け物の肉体だ。外道院が説明を付け加える。
「元々、体内に埋め込んでいたエリクサーカプセルを爆発させただけだ。
まぁ、ドーピングのようなものだと思ってくれればいい、キキキ!!エリクサーの過剰摂取により、
肉体は破壊と再生を繰り返し、人の原形を保っていられなくなる。異常な再生力を維持する為に、
周囲の物質を吸収し続け、エネルギーを求めて蠢く肉塊と化す・・・!!キャッハハハハハ!!」
ゾンビとされてしまった人たちの虚しさや哀しさから、玲薇は目を逸らしたくなる。
なんでこんな事が出来るのだろう、どうして彼は、外道院は同じ人なのに何食わぬ様子で殺せるのだろう。
仮にも、自分らと同じ半分悪魔とでもあれば少なくとも・・・分かりたくはないけれど・・・。
「よくも・・・よくもこんな事・・・!!」
燐でさえ、人間に攻撃する事は悩んでいるのに。
「何とも思わねーのかよ!!」
「思わないね」
外道院は軽く鼻で笑って言った。
「ぼくは人間が大ッッ嫌いだ!!
科学実験に様々な動物が使われているのを知っているだろう。
自分達が生きる為に、他の生物を殺す。人間はそーゆう生き物だ!!
本来自分の事は自分で始末をつけるべきじゃないか??人間が人間を使って実験する、それは正義だ!!
間違ってると思うならぼくを論破してみろよ、え?んー?出来ないか?じゃあ黙ってろ!!
キャーハハハハハ、薄汚ねぇ薄っぺらな偽善者共が、聖人面して死ねぇッ」
燐の怒りはもう、抑えられない。
「・・・の、外道がぁああ!!!」