第八話 あたしの一番大切なもの
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『"わ・・・我々は世界を調和に導き、悪魔も人間もない、
・・・たった一つの世界を創造するために立ち上がった勇士・・・!
行く手にどんな苦難があろうとも迷いはない"・・・誓います!!
誓います!誓います!!誓います!!!助けて!!!』
『ブッキキキ、そぉ~だ!中途半端な人道主義なんていらないんだよ!!思い知ったか!
・・・いいだろう、ルシフェル様に代わってこのぼくが許してやる!』
命乞い出来た。そう安心し、マリアは出雲と視線を合わせる。
『・・・なーんて、許すワケないだろバァカ』
忘れていた。人は人に、簡単に嘘を吐く。
『・・・ひ、ぎゃあァああ!!』
エリクサーが入った注射が、マリアの首筋に針が刺さり液が身体に入っていった。
『キャキャキャキャ』
非道も非道すぎる。
『さぁさぁさぁ!来いッ成功しろッ!』
苦しさにジタバタ暴れる身体を、無邪気な子供のような笑顔で楽しむ外道院。
しかし、数分もしない内に、彼女の身体から意識が手放された。
『・・・チッ』
外道院の舌打ちが、余計耳に響く。
『あーあ、即死かよ。予想通り使えねーな。おっと、放置しちゃってゴメンね~出雲ちゃん』
『!』
『キミのお母さんはね、人体の細胞を活性化させる不死の妙薬エリクサーをつくる為の材料なんだ』
そこで初めて映像越しから見せられた、醜い母の姿。
『キミ達姉妹は、お母さんがダメになった時のストック。
そうだ、神降ろしはお母さんから習ってる?』
『・・・・・・』
出雲は答えない。いや、目の前で見せられた出来事に声も出ないのか。
『あれれ?お返事は?』
近寄ってくる外道院にさらに出雲の身体は強ばる。
『まぁ、その事はまた後で考えようか。いくつか方法は考えてあるんだ。
キミにはゆくゆく、九尾を継いでもらわなきゃなんないからね♡』
『いやぁあ』
『フーン・・・そんな態度でいいの?妹の月雲ちゃんの居場所を突き止めるのも連れ戻すのも、
ぼく達イルミナティには簡単だ。でも、キミが従順なら、月雲ちゃんをしばらくは放っておいてあげる』
こうなったのは全部、あたしが人を頼ったせいだ
『本当ね・・・?』
もう、月雲だけには手を出させない。
あたしはもう二度と誰も頼らないし、誰も信じない
お前ら全員、寝首掻いてやる
『・・・言うことを聞くわ・・・!だから月雲に、手を出さないで!!』
(そう。これが、本当のあたしだった)
みんなは、知ることはない。きっと自分からは話さない・・・。
ーーーーー
《見ろ。大社のほど近くに聳えるあの宮殿を》
ミケが入っているキツネの人形が指す方を見ると、稲生ゆめタウンがある。
《奴らはあそこから地下に出入りする》
「!!」
「地下・・・」
玲薇が呟く。やはり厄介な場所に存在するものだ。
《それに、あの宮殿の中にこの横丁で腑抜けにした人間共を集めておるのだ》
「どういう事です?」
雪男が聞く。
《怒りも悲しみも・・・恐れも妬みも、憎しみも苦しみもない。
無邪気な餓鬼のように、ただ食い物を貪る。この土地のものを一口でも飲み食いすると、皆ああなる》
「「「え・・・!?」」」
みんなの声が重なる。なぜなら・・・。
《この横丁は、奴らの縄張りだ。気をつけろ。食えば喰うほど、虜になるからな》
先程からずっと、貪り続ける燐がいたからだ。
「ん?」
みんなの視線に、きょとんとする燐。
「燐、ミケさんの話聞いてた?」
改めて玲薇がかしこまって燐に訊ねた。
「玲薇も喰うか?」
彼の返事に、彼女は頭をかかえた。
「吐けゴルァ!!」
そしてすぐに、勝呂に胸ぐらを掴まれる始末。
「は!?」
「燐、もう食べちゃダメッ!!」
しえみが燐から袋を奪い取る。
「あっ、なにすんだコラ、もったいねーだろ!」
ここは取っ組み合いに慣れてる勝呂に、燐の説教を任せる。
「・・・というか、ぼ・・・僕達も食べましたよね・・・?蕎麦」
子猫丸の言葉に青ざめる雪男と玲薇。そんな三人に、ミケが言葉をつけた。
《お前達は薬草系の魔除けが効いている》
「魔除け・・・?」
首を傾げながら雪男を見る玲薇。
「そんなもの施した覚えは・・・ん?薬草?」
ハッと子猫丸も気付いたようで、彼らの声が重なった。
「「しえみさんの草サンド!?」」
「えっ」
まさか、偶然助けられていたというのか。
《食い物でこの地の虜となった人間は最後、皆バスに乗ってあの宮殿へ行く。
そして、二度と戻らない。定期的に新しい人間がやってきては、あの宮殿の中へ消えてゆくのだ》
「つまり、イルミナティは集団洗脳した一般市民を、稲生ゆめタウンに集めて軟禁していると・・・!?
一体何の目的で!?」
《ハッ、奴らの目的など知らん。ただ一つ言える事は、この地はもはや面こそ美しく飾り立ててはいるが、
中身は腐り、蛆が湧いているも同然だ》
・・・たった一つの世界を創造するために立ち上がった勇士・・・!
行く手にどんな苦難があろうとも迷いはない"・・・誓います!!
誓います!誓います!!誓います!!!助けて!!!』
『ブッキキキ、そぉ~だ!中途半端な人道主義なんていらないんだよ!!思い知ったか!
・・・いいだろう、ルシフェル様に代わってこのぼくが許してやる!』
命乞い出来た。そう安心し、マリアは出雲と視線を合わせる。
『・・・なーんて、許すワケないだろバァカ』
忘れていた。人は人に、簡単に嘘を吐く。
『・・・ひ、ぎゃあァああ!!』
エリクサーが入った注射が、マリアの首筋に針が刺さり液が身体に入っていった。
『キャキャキャキャ』
非道も非道すぎる。
『さぁさぁさぁ!来いッ成功しろッ!』
苦しさにジタバタ暴れる身体を、無邪気な子供のような笑顔で楽しむ外道院。
しかし、数分もしない内に、彼女の身体から意識が手放された。
『・・・チッ』
外道院の舌打ちが、余計耳に響く。
『あーあ、即死かよ。予想通り使えねーな。おっと、放置しちゃってゴメンね~出雲ちゃん』
『!』
『キミのお母さんはね、人体の細胞を活性化させる不死の妙薬エリクサーをつくる為の材料なんだ』
そこで初めて映像越しから見せられた、醜い母の姿。
『キミ達姉妹は、お母さんがダメになった時のストック。
そうだ、神降ろしはお母さんから習ってる?』
『・・・・・・』
出雲は答えない。いや、目の前で見せられた出来事に声も出ないのか。
『あれれ?お返事は?』
近寄ってくる外道院にさらに出雲の身体は強ばる。
『まぁ、その事はまた後で考えようか。いくつか方法は考えてあるんだ。
キミにはゆくゆく、九尾を継いでもらわなきゃなんないからね♡』
『いやぁあ』
『フーン・・・そんな態度でいいの?妹の月雲ちゃんの居場所を突き止めるのも連れ戻すのも、
ぼく達イルミナティには簡単だ。でも、キミが従順なら、月雲ちゃんをしばらくは放っておいてあげる』
こうなったのは全部、あたしが人を頼ったせいだ
『本当ね・・・?』
もう、月雲だけには手を出させない。
あたしはもう二度と誰も頼らないし、誰も信じない
お前ら全員、寝首掻いてやる
『・・・言うことを聞くわ・・・!だから月雲に、手を出さないで!!』
(そう。これが、本当のあたしだった)
みんなは、知ることはない。きっと自分からは話さない・・・。
ーーーーー
《見ろ。大社のほど近くに聳えるあの宮殿を》
ミケが入っているキツネの人形が指す方を見ると、稲生ゆめタウンがある。
《奴らはあそこから地下に出入りする》
「!!」
「地下・・・」
玲薇が呟く。やはり厄介な場所に存在するものだ。
《それに、あの宮殿の中にこの横丁で腑抜けにした人間共を集めておるのだ》
「どういう事です?」
雪男が聞く。
《怒りも悲しみも・・・恐れも妬みも、憎しみも苦しみもない。
無邪気な餓鬼のように、ただ食い物を貪る。この土地のものを一口でも飲み食いすると、皆ああなる》
「「「え・・・!?」」」
みんなの声が重なる。なぜなら・・・。
《この横丁は、奴らの縄張りだ。気をつけろ。食えば喰うほど、虜になるからな》
先程からずっと、貪り続ける燐がいたからだ。
「ん?」
みんなの視線に、きょとんとする燐。
「燐、ミケさんの話聞いてた?」
改めて玲薇がかしこまって燐に訊ねた。
「玲薇も喰うか?」
彼の返事に、彼女は頭をかかえた。
「吐けゴルァ!!」
そしてすぐに、勝呂に胸ぐらを掴まれる始末。
「は!?」
「燐、もう食べちゃダメッ!!」
しえみが燐から袋を奪い取る。
「あっ、なにすんだコラ、もったいねーだろ!」
ここは取っ組み合いに慣れてる勝呂に、燐の説教を任せる。
「・・・というか、ぼ・・・僕達も食べましたよね・・・?蕎麦」
子猫丸の言葉に青ざめる雪男と玲薇。そんな三人に、ミケが言葉をつけた。
《お前達は薬草系の魔除けが効いている》
「魔除け・・・?」
首を傾げながら雪男を見る玲薇。
「そんなもの施した覚えは・・・ん?薬草?」
ハッと子猫丸も気付いたようで、彼らの声が重なった。
「「しえみさんの草サンド!?」」
「えっ」
まさか、偶然助けられていたというのか。
《食い物でこの地の虜となった人間は最後、皆バスに乗ってあの宮殿へ行く。
そして、二度と戻らない。定期的に新しい人間がやってきては、あの宮殿の中へ消えてゆくのだ》
「つまり、イルミナティは集団洗脳した一般市民を、稲生ゆめタウンに集めて軟禁していると・・・!?
一体何の目的で!?」
《ハッ、奴らの目的など知らん。ただ一つ言える事は、この地はもはや面こそ美しく飾り立ててはいるが、
中身は腐り、蛆が湧いているも同然だ》