第八話 あたしの一番大切なもの
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そうやって、奴らは少しずつこの地に忍び寄ってきた。
この頃から、玉雲は少しずつおかしくっていったように思う。
何度も、何度も宗爾に子供たちに会うようお願いをしたのに、彼は会いたくないといい、
しまいには子供の話をすれば玉雲にも会いたくなくなると言う。
ある日のおつとめでは・・・キツネ達に心配されていた。
《玉雲?》
《玉ちゃん、少し休みなよ》
《そうだ!》
《そんな心の有り様で神降ろしなど、逆に九尾に付け入られるぞ!》
だが、玉雲はお面越しからでも笑ってみせる。
『平気』
しかし、ほどなくして玉雲はつとめをさけるようになり、
毎日のように稲神の宮司の所へ入り浸った。
出雲が止めるも、とうとう家にも戻らなくなってしまう。
ある学校の帰り、何やら稲神家の方が騒がしい。救急車まできているのだ。
『・・・あの、何かあったんですか?』
出雲が尋ねる。
『稲神家のご家族が、そろって急に倒れたのよ!』
『意識不明の重体だとかって・・・』
『それなのに、宮司様は玉雲様と宿舎から出てこないっていうじゃない。
こういっちゃなんだけど、あんたらのお母様はとんだ女ですよ。
これだって、もしかしたら・・・』
出雲はその場を後にし、家で月雲を寝かしつける。
どうすればいいのだろうかと、考えていた時だった。
『・・・!?』
二人しかいないと思っていた家に、物騒な音が響く。
『なに・・・!?』
出雲は怯えながらも、襖を開けた。廊下には、大量の血の後がある。
奥を覗けば、九尾の尻尾に、耳をつけてるものの見た事のある後ろ姿。
『・・・母さん?』
振り返ったそれは、出雲の知る玉雲の姿ではない。
『出雲・・・また、玉ちゃんの邪魔する気なの・・・なにも・・・かも・・・、
なに・・・も・・・かも・・・あんた達のせいだ!!あんた達がいたから、
宗さまはつれなくなったんだよ!!産んだのが間違い、
あんた達さえいなければ・・・』
『・・・ひ・・・』
九尾の玉雲が、出雲に襲いかかる。
『きゃぁあ』
ふと、うなだれる月雲に気づいた玉雲は、ニヤリと不気味に口角を上げた。
『や・・・やめてぇ!』
振り上げられた爪が食い込むまえに月雲を救出したのは、ミケだった。
それを合図に、玉雲の怒りは膨れ上がる。
『おのれ、神使風情があぁっ』
《ええい玉雲よ!!嘘だと言うてくれい!!》
『ウケ、ミケ!!』
ウケが月雲を出雲に預ける。
《玉ちゃんはもう駄目だ・・・!!完全に九尾と同化してしまった。逃げて!!》
玉雲と対戦していたミケが、押し負ける。
《ミケ!!》
平穏だった神木家は、一瞬で崩壊し奇妙な笑い声が響いたのだった。
(母さん)
出雲はただ、月雲を抱きひた走る。
(母さん、母さん・・・!!)
何かにつまづいてしまい、転んでしまった。
『う・・・っうぁあーん、いたい・・・』
その拍子で、月雲が起きてしまった。
『ごめん、月雲!!』
そして、目に入るあの名刺。
困った事があったら、連絡して。
出雲は迷うことなく、公衆電話を使い吉田マリアに電話をかけた。
『神木出雲です。母が九尾に取り憑かれました』
『え?出雲ちゃん、どうしたの?』
『母さんから九尾を取り出して!!』
そして、イルミナティによって、玉雲は捕えられた。その陰で、殺生石は消滅。
それは玉雲を得た事によって、九尾が再び復活した事を意味していた。
九尾の復活は、逆に奴らにとっては好都合だったようだ。
祓魔師に見つかれば玉雲は殺されてしまうといい彼らに連れていかれるが、
イルミナティは九尾の力を手中とする為に、玉雲に死よりも辛い苦しみを与え続けた。
その禍々しさは、想像を絶する。
出雲と月雲は、玉雲が実験台として使えなくなった時の代用品として、囚われの身となった。
《これが我が話せる全て》
自分が思っていた以上に、出雲の過去が辛い・・・。だからあんなに、皆をさけてたのか?
(出雲・・・)
もう、一人ぼっちじゃないのに。けど、彼女は既に玉雲の代わりに連れ戻されてしまった。
(助けたい・・・!)
玲薇はぎゅっと拳を握る。
「その、イルミナティの研究所の場所は判るの?」
キツネの人形に問いかけた。
《奴らはこの土地を地下から侵している》
「地下!?」
驚く玲薇に、雪男が言う。
「出入口はどこに?」
《知らんが、怪しい場所はある。案内してやる》
「至急、地下研究所入口を探しましょう!!」
彼らを見守るミケは、この先の秘密は隠していた。
《我に話せる全ては話した。だが、真実の話はより残酷だ》
これ以上は、出雲に申し訳が立たない。
この頃から、玉雲は少しずつおかしくっていったように思う。
何度も、何度も宗爾に子供たちに会うようお願いをしたのに、彼は会いたくないといい、
しまいには子供の話をすれば玉雲にも会いたくなくなると言う。
ある日のおつとめでは・・・キツネ達に心配されていた。
《玉雲?》
《玉ちゃん、少し休みなよ》
《そうだ!》
《そんな心の有り様で神降ろしなど、逆に九尾に付け入られるぞ!》
だが、玉雲はお面越しからでも笑ってみせる。
『平気』
しかし、ほどなくして玉雲はつとめをさけるようになり、
毎日のように稲神の宮司の所へ入り浸った。
出雲が止めるも、とうとう家にも戻らなくなってしまう。
ある学校の帰り、何やら稲神家の方が騒がしい。救急車まできているのだ。
『・・・あの、何かあったんですか?』
出雲が尋ねる。
『稲神家のご家族が、そろって急に倒れたのよ!』
『意識不明の重体だとかって・・・』
『それなのに、宮司様は玉雲様と宿舎から出てこないっていうじゃない。
こういっちゃなんだけど、あんたらのお母様はとんだ女ですよ。
これだって、もしかしたら・・・』
出雲はその場を後にし、家で月雲を寝かしつける。
どうすればいいのだろうかと、考えていた時だった。
『・・・!?』
二人しかいないと思っていた家に、物騒な音が響く。
『なに・・・!?』
出雲は怯えながらも、襖を開けた。廊下には、大量の血の後がある。
奥を覗けば、九尾の尻尾に、耳をつけてるものの見た事のある後ろ姿。
『・・・母さん?』
振り返ったそれは、出雲の知る玉雲の姿ではない。
『出雲・・・また、玉ちゃんの邪魔する気なの・・・なにも・・・かも・・・、
なに・・・も・・・かも・・・あんた達のせいだ!!あんた達がいたから、
宗さまはつれなくなったんだよ!!産んだのが間違い、
あんた達さえいなければ・・・』
『・・・ひ・・・』
九尾の玉雲が、出雲に襲いかかる。
『きゃぁあ』
ふと、うなだれる月雲に気づいた玉雲は、ニヤリと不気味に口角を上げた。
『や・・・やめてぇ!』
振り上げられた爪が食い込むまえに月雲を救出したのは、ミケだった。
それを合図に、玉雲の怒りは膨れ上がる。
『おのれ、神使風情があぁっ』
《ええい玉雲よ!!嘘だと言うてくれい!!》
『ウケ、ミケ!!』
ウケが月雲を出雲に預ける。
《玉ちゃんはもう駄目だ・・・!!完全に九尾と同化してしまった。逃げて!!》
玉雲と対戦していたミケが、押し負ける。
《ミケ!!》
平穏だった神木家は、一瞬で崩壊し奇妙な笑い声が響いたのだった。
(母さん)
出雲はただ、月雲を抱きひた走る。
(母さん、母さん・・・!!)
何かにつまづいてしまい、転んでしまった。
『う・・・っうぁあーん、いたい・・・』
その拍子で、月雲が起きてしまった。
『ごめん、月雲!!』
そして、目に入るあの名刺。
困った事があったら、連絡して。
出雲は迷うことなく、公衆電話を使い吉田マリアに電話をかけた。
『神木出雲です。母が九尾に取り憑かれました』
『え?出雲ちゃん、どうしたの?』
『母さんから九尾を取り出して!!』
そして、イルミナティによって、玉雲は捕えられた。その陰で、殺生石は消滅。
それは玉雲を得た事によって、九尾が再び復活した事を意味していた。
九尾の復活は、逆に奴らにとっては好都合だったようだ。
祓魔師に見つかれば玉雲は殺されてしまうといい彼らに連れていかれるが、
イルミナティは九尾の力を手中とする為に、玉雲に死よりも辛い苦しみを与え続けた。
その禍々しさは、想像を絶する。
出雲と月雲は、玉雲が実験台として使えなくなった時の代用品として、囚われの身となった。
《これが我が話せる全て》
自分が思っていた以上に、出雲の過去が辛い・・・。だからあんなに、皆をさけてたのか?
(出雲・・・)
もう、一人ぼっちじゃないのに。けど、彼女は既に玉雲の代わりに連れ戻されてしまった。
(助けたい・・・!)
玲薇はぎゅっと拳を握る。
「その、イルミナティの研究所の場所は判るの?」
キツネの人形に問いかけた。
《奴らはこの土地を地下から侵している》
「地下!?」
驚く玲薇に、雪男が言う。
「出入口はどこに?」
《知らんが、怪しい場所はある。案内してやる》
「至急、地下研究所入口を探しましょう!!」
彼らを見守るミケは、この先の秘密は隠していた。
《我に話せる全ては話した。だが、真実の話はより残酷だ》
これ以上は、出雲に申し訳が立たない。