第八話 あたしの一番大切なもの
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『じゃ、玉ちゃん今日は外におつとめがあるから、月雲を社務所に預けてね。お願いよ』
『はいはい!』
出雲が月雲を抱き上げたのを見て、また玉雲は涙ぐむ。
『あ~ん!!離れるのさびしいぃ、私の宝物ぉ!!』
そして、勢いよく抱きついて抱きついてきた。
『ちょ、ちょっとやめてよ!!』
"神降ろし"の時の玉雲は、出雲でさえ凄いと憧れに似た感情を持っていたのに。
こうに泣きつかれたりすると、どうすればいいのか悩みどころだ。
けれど、玉雲は憎むに憎みきれない、不思議な女だった。
出雲と月雲は、本家の当代宮司稲神宗爾の外腹の子という、
それはもう複雑な立場で育ち、その上殺生石を扱う神木の子ということで、
嫌な顔をしたり、嘲ったりする者もいた。
社務所につくも、月雲は出雲から離れようとしない。
『月雲をよろしくお願いします』
『ああ、どうぞ』
『ほら、月雲』
そんな月雲は、出雲にしがみつく。
『・・・やだぁ』
『大丈夫だよ。ねねがあげたお守り、出してごらん』
『ん!』
『これがあれば月雲は一人じゃないの、無敵よ!
さ、くまの中にちゃんとしまっておきな。学校終わったらすぐ帰ってくるからね』
『うん・・・』
出雲は学校に行っても、月雲の事が心配でならない。
いつも隣にいてくれるウケに、話しかける。
『月雲、冷たい仕打ちされてなきゃいいけど』
《ボクの兄弟に見守らせてるし・・・大丈夫だよ》
『でも、やっぱり・・・あんたも見に行ってくれない?』
《しょーがないなぁ~!》
この小学校に、悪魔が見える生徒が他にいないせいで、常に出雲は一人だった。
クラスの子らには、霊感少女なんて呼ばれるのは日常茶飯事。
言い返すのは面倒だし、ケンカして目立ってもさらに居ずらくなるだけだ。
触らぬが神に祟りなし、だ。
仕方ない、あたしは誰も頼れない。しっかりしなきゃ•••!
学校帰り、神社で一人"神降ろし"の練習をしてみる。
『ふえっ』
だが、まだ慣れる事なく、出雲は足を挫いて転んでしまった。
一人だと思っていた所に、キツネ達にはしっかり見られていたようで。
《・・・下手クソめ!》
《なっ》
いつの間にいたのだろう。
《まさか、玉雲の"神降ろし"のマネか?全然なっとらんわ!》
『ちっちち違う!!あたしも早く、お・・・お・・・覚えなきゃって思っただけで・・・!』
《神降ろしを覚えようが、玉雲を継ごうが、我らは汝の僕にはぜっったいならんからな》
《かわいくないもんね》
《そうだ、かわいくない》
人がせっかく頑張っているのに、全否定するとは、なんてキツネ達。
『なによ!?基準がかわいさってなによ!?』
『キャキャ』
不意に聞こえた、不気味な笑い声。
『さすが稲生大社♪キツネだらけだねぇ~。はじめまして、神木出雲ちゃん♡キャキャ』
『・・・!?』
出雲は知らぬ者達に、後ずさる。
『外道院博士、ここは私に』
唯一、女性の人が名乗り出た。
『・・・チッ。女の方が警戒されないか。まぁ、いいだろう』
『・・・急に話しかけてごめんね。私達は、イルミナティという先端悪魔研究施設の研究員です』
『悪魔・・・!?イル・・・ミ・・・?』
『ああ・・・私達は、普通の人の目に見えないそこのお狐さん達みたいなものを、
"悪魔"として総称しているの』
《だっ、誰が悪魔だ!!》
キツネ達は否定するも、出雲にとっては初めて見える人に出逢え驚きを隠せない。
『コ・・・コイツらが見えるの!?』
『ええ。ちょうど良かった。実は私達、あなたのお家で管理してる、
"殺生石"について聞きたくてやってきたの』
『!』
『私達イルミナティは、人間と悪魔の隔たりをなくすために活動しています。
"殺生石"の研究が進んで、石から九尾の力を取り出すことが出来れば、
悪魔と人の区別のない、みんなが仲良くなれる世界がくるわ。
よかったら少し、話を聞かせてもらえない?』
『・・・・・・』
幼い頃より賢い出雲は、話していいのか迷うものの、しっかりと否定した。
『なにそれ・・・うさんくさ!第一、殺生石は神木以外は誰も触れない石なんですけど。
九尾の力を取り出すなんて、信じられない!失礼します!』
『待って!』
呼び止められ、出雲は振り向いてしまう。そして、彼女の名刺を渡された。
『今すぐじゃなくてもいいわ。それに私達は、悪魔の研究をしてるの。
・・・何か困った事があったら連絡して。私も子供の頃、悪魔が見えて苦労したから。
悩み相談くらい出来るかもしれないし』
『・・・!』
彼らが去って、出雲は彼女が渡していった名刺に目を落とす。
吉田マリア。そうに書いてあった。
『ただいまー・・・。母さん!今さっき、変な奴らが・・・』
『あ~~ん!!出雲ぉ、玉ちゃん今からデートなの!!
久しぶりに宗さまに会えるのよ、嬉しい!!月雲お願いね!!』
『・・・いってらっしゃい・・・』
『ん~私の宝物達!いってくる!』
すぐに話たかったのに、仕方ない。
『めいしだ!!』
玉雲が行った後、月雲が気づいた。
『・・・欲しい?月雲にあげる』
『あいがと~!つくももめいしもってう、ねねにあげう!』
あたしが、しっかりしなきゃ
『はいはい!』
出雲が月雲を抱き上げたのを見て、また玉雲は涙ぐむ。
『あ~ん!!離れるのさびしいぃ、私の宝物ぉ!!』
そして、勢いよく抱きついて抱きついてきた。
『ちょ、ちょっとやめてよ!!』
"神降ろし"の時の玉雲は、出雲でさえ凄いと憧れに似た感情を持っていたのに。
こうに泣きつかれたりすると、どうすればいいのか悩みどころだ。
けれど、玉雲は憎むに憎みきれない、不思議な女だった。
出雲と月雲は、本家の当代宮司稲神宗爾の外腹の子という、
それはもう複雑な立場で育ち、その上殺生石を扱う神木の子ということで、
嫌な顔をしたり、嘲ったりする者もいた。
社務所につくも、月雲は出雲から離れようとしない。
『月雲をよろしくお願いします』
『ああ、どうぞ』
『ほら、月雲』
そんな月雲は、出雲にしがみつく。
『・・・やだぁ』
『大丈夫だよ。ねねがあげたお守り、出してごらん』
『ん!』
『これがあれば月雲は一人じゃないの、無敵よ!
さ、くまの中にちゃんとしまっておきな。学校終わったらすぐ帰ってくるからね』
『うん・・・』
出雲は学校に行っても、月雲の事が心配でならない。
いつも隣にいてくれるウケに、話しかける。
『月雲、冷たい仕打ちされてなきゃいいけど』
《ボクの兄弟に見守らせてるし・・・大丈夫だよ》
『でも、やっぱり・・・あんたも見に行ってくれない?』
《しょーがないなぁ~!》
この小学校に、悪魔が見える生徒が他にいないせいで、常に出雲は一人だった。
クラスの子らには、霊感少女なんて呼ばれるのは日常茶飯事。
言い返すのは面倒だし、ケンカして目立ってもさらに居ずらくなるだけだ。
触らぬが神に祟りなし、だ。
仕方ない、あたしは誰も頼れない。しっかりしなきゃ•••!
学校帰り、神社で一人"神降ろし"の練習をしてみる。
『ふえっ』
だが、まだ慣れる事なく、出雲は足を挫いて転んでしまった。
一人だと思っていた所に、キツネ達にはしっかり見られていたようで。
《・・・下手クソめ!》
《なっ》
いつの間にいたのだろう。
《まさか、玉雲の"神降ろし"のマネか?全然なっとらんわ!》
『ちっちち違う!!あたしも早く、お・・・お・・・覚えなきゃって思っただけで・・・!』
《神降ろしを覚えようが、玉雲を継ごうが、我らは汝の僕にはぜっったいならんからな》
《かわいくないもんね》
《そうだ、かわいくない》
人がせっかく頑張っているのに、全否定するとは、なんてキツネ達。
『なによ!?基準がかわいさってなによ!?』
『キャキャ』
不意に聞こえた、不気味な笑い声。
『さすが稲生大社♪キツネだらけだねぇ~。はじめまして、神木出雲ちゃん♡キャキャ』
『・・・!?』
出雲は知らぬ者達に、後ずさる。
『外道院博士、ここは私に』
唯一、女性の人が名乗り出た。
『・・・チッ。女の方が警戒されないか。まぁ、いいだろう』
『・・・急に話しかけてごめんね。私達は、イルミナティという先端悪魔研究施設の研究員です』
『悪魔・・・!?イル・・・ミ・・・?』
『ああ・・・私達は、普通の人の目に見えないそこのお狐さん達みたいなものを、
"悪魔"として総称しているの』
《だっ、誰が悪魔だ!!》
キツネ達は否定するも、出雲にとっては初めて見える人に出逢え驚きを隠せない。
『コ・・・コイツらが見えるの!?』
『ええ。ちょうど良かった。実は私達、あなたのお家で管理してる、
"殺生石"について聞きたくてやってきたの』
『!』
『私達イルミナティは、人間と悪魔の隔たりをなくすために活動しています。
"殺生石"の研究が進んで、石から九尾の力を取り出すことが出来れば、
悪魔と人の区別のない、みんなが仲良くなれる世界がくるわ。
よかったら少し、話を聞かせてもらえない?』
『・・・・・・』
幼い頃より賢い出雲は、話していいのか迷うものの、しっかりと否定した。
『なにそれ・・・うさんくさ!第一、殺生石は神木以外は誰も触れない石なんですけど。
九尾の力を取り出すなんて、信じられない!失礼します!』
『待って!』
呼び止められ、出雲は振り向いてしまう。そして、彼女の名刺を渡された。
『今すぐじゃなくてもいいわ。それに私達は、悪魔の研究をしてるの。
・・・何か困った事があったら連絡して。私も子供の頃、悪魔が見えて苦労したから。
悩み相談くらい出来るかもしれないし』
『・・・!』
彼らが去って、出雲は彼女が渡していった名刺に目を落とす。
吉田マリア。そうに書いてあった。
『ただいまー・・・。母さん!今さっき、変な奴らが・・・』
『あ~~ん!!出雲ぉ、玉ちゃん今からデートなの!!
久しぶりに宗さまに会えるのよ、嬉しい!!月雲お願いね!!』
『・・・いってらっしゃい・・・』
『ん~私の宝物達!いってくる!』
すぐに話たかったのに、仕方ない。
『めいしだ!!』
玉雲が行った後、月雲が気づいた。
『・・・欲しい?月雲にあげる』
『あいがと~!つくももめいしもってう、ねねにあげう!』
あたしが、しっかりしなきゃ