第一話 海神
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携帯を取り返された玲薇は、少し頬を膨らませてみるも、シュラには効果なし。
「お前な、本当に処刑されるぞ」
"処刑"という言葉にドキっとするも、当の本人はケロっとしていた。
「だからさ、俺はこれ以上状況が悪くなる事ねーじゃん。他の皆はそんな勝手できねーだろうけど。
俺が動けば丸くおさまると思ったんだよ!」
「・・・お前、バカ。不浄王の時とは状況が違うんだぞ、バカ!」
酷い言われようだ・・・玲薇はフォロー出来ずにいる。
「でも、目の前で人が殺られんだぞ!?それをジィーッと眺めてろなんて気持ち悪ィだろ!!
皆だって、そう思ってたはず・・・」
「・・・シュラさん、とりあえず指示下さい」
燐の言葉を遮ったのは、雪男だった。
「今、どこにいる?」
「ビーチから見て、左側にある小島にいます」
「・・・そいつはちょーど良かった!」
「?」
「調べによると、この海域ワダツミ信仰の名残があった。一千五百年も前だ。
今は忘れ去られてるが、丁度お前達のいるその島で、古くはワダツミを祀っていたらしい」
「そんな古いワダツミ・・・まだ生きてるんですか?」
「恐らくな。クラーケンがこのビーチに入ってこなかったのは、そのワダツミの所為だ。
その島には、ワダツミを祀る祠か何かが必ずあるはずだ。探し出して、また連絡しろ」
島の探索を始めた3人の前にはシーモンクが現れ、まるでついて来いというように誘導される。
行き着いた場所、そこには巨大なクジラがいたのだ。
「ワダツミです」
すぐに雪男から連絡がくる。生きてるのかも定かでなかったワダツミが、うっすらと目を開けてこう言った。
[私は、アマツミヒコと申す者。ここまでお導きしたのは他でもありません・・・]
「しゃべった・・・!!」
[・・・貴方を高貴な方と見込んでの事・・・]
その視線の先は、燐だ。
「俺!?」
[どうか、あの遠海の巨獣から私の海を守る力をお貸し願いたい。
なにぶん、長く忘れさられたこの老躯ゆえ、すっかり力も弱まってしまいました。
彼奴に敵にならぬと気付かれれば、私は殺され、この海は荒れ果てるでしょう]
「・・・だ、そうですよ、シュラさん」
と、雪男。
「よし、じゃあ接待しろ!」
「は!?」
「え!?」
まさかのシュラの提案に、雪男だけでなく玲薇までも驚いた。
「供物とワダツミ祓を捧げて、祀ってさし上げるんだ。忘れられた神を、表舞台へ引きずり出す・・・!」
そして、同時に玲薇たちにも命令が下った。
「皆、聞けー!奥村他、候補生二名はワダツミの接待にあたる。今夜はワダツミに動きがあるまで総員待機だ!解散!」
結局、こちらからは何も出来ない。しぶしぶ玲薇はみんながいる所へ向かった。
「はい、玲薇の」
「ありがとー、出雲」
お弁当を受け取り、一緒に階段に腰をおろす。
「いやー、それにしても奥村兄弟と杜山さん、無人島に三人きりでどうなっとるんやろね~♪」
たぶん、志摩には悪気はないのだろう。けれど玲薇はバキッと、割り箸を折ってしまった。
サァーと、顔を青くする志摩に、皆の視線を集める。
「あ、ゴメン。折れた」
いつもより声のトーンが低い。それだけ、引き離れたことに苛立っているのか、それとも嫉妬か何かか・・・。
「新しいの貰ってくる」
フラフラと、その場を離れる玲薇。
「サイテー」
「出雲ちゃーん・・・」
「今のは志摩さんが悪い」
「子猫さんまで!」
皆の所を離れて、玲薇は落ち着くためにひとまず深呼吸をした。
そして、今は暗闇と化した空を仰ぐ。
「・・・燐・・・」
そう、呟いて・・・。
その頃、燐たちはヘリからアマツミヒコの接待道具を受け取っていた。
大きな箱の中身は、食材と調理器具に神酒までもが。
それらの食材で燐としえみが料理を作り、雪男は銃の整備にお経を詠む。
アマツミヒコに与えた料理は、どうやら全部口に合ったようだ。
「お前な、本当に処刑されるぞ」
"処刑"という言葉にドキっとするも、当の本人はケロっとしていた。
「だからさ、俺はこれ以上状況が悪くなる事ねーじゃん。他の皆はそんな勝手できねーだろうけど。
俺が動けば丸くおさまると思ったんだよ!」
「・・・お前、バカ。不浄王の時とは状況が違うんだぞ、バカ!」
酷い言われようだ・・・玲薇はフォロー出来ずにいる。
「でも、目の前で人が殺られんだぞ!?それをジィーッと眺めてろなんて気持ち悪ィだろ!!
皆だって、そう思ってたはず・・・」
「・・・シュラさん、とりあえず指示下さい」
燐の言葉を遮ったのは、雪男だった。
「今、どこにいる?」
「ビーチから見て、左側にある小島にいます」
「・・・そいつはちょーど良かった!」
「?」
「調べによると、この海域ワダツミ信仰の名残があった。一千五百年も前だ。
今は忘れ去られてるが、丁度お前達のいるその島で、古くはワダツミを祀っていたらしい」
「そんな古いワダツミ・・・まだ生きてるんですか?」
「恐らくな。クラーケンがこのビーチに入ってこなかったのは、そのワダツミの所為だ。
その島には、ワダツミを祀る祠か何かが必ずあるはずだ。探し出して、また連絡しろ」
島の探索を始めた3人の前にはシーモンクが現れ、まるでついて来いというように誘導される。
行き着いた場所、そこには巨大なクジラがいたのだ。
「ワダツミです」
すぐに雪男から連絡がくる。生きてるのかも定かでなかったワダツミが、うっすらと目を開けてこう言った。
[私は、アマツミヒコと申す者。ここまでお導きしたのは他でもありません・・・]
「しゃべった・・・!!」
[・・・貴方を高貴な方と見込んでの事・・・]
その視線の先は、燐だ。
「俺!?」
[どうか、あの遠海の巨獣から私の海を守る力をお貸し願いたい。
なにぶん、長く忘れさられたこの老躯ゆえ、すっかり力も弱まってしまいました。
彼奴に敵にならぬと気付かれれば、私は殺され、この海は荒れ果てるでしょう]
「・・・だ、そうですよ、シュラさん」
と、雪男。
「よし、じゃあ接待しろ!」
「は!?」
「え!?」
まさかのシュラの提案に、雪男だけでなく玲薇までも驚いた。
「供物とワダツミ祓を捧げて、祀ってさし上げるんだ。忘れられた神を、表舞台へ引きずり出す・・・!」
そして、同時に玲薇たちにも命令が下った。
「皆、聞けー!奥村他、候補生二名はワダツミの接待にあたる。今夜はワダツミに動きがあるまで総員待機だ!解散!」
結局、こちらからは何も出来ない。しぶしぶ玲薇はみんながいる所へ向かった。
「はい、玲薇の」
「ありがとー、出雲」
お弁当を受け取り、一緒に階段に腰をおろす。
「いやー、それにしても奥村兄弟と杜山さん、無人島に三人きりでどうなっとるんやろね~♪」
たぶん、志摩には悪気はないのだろう。けれど玲薇はバキッと、割り箸を折ってしまった。
サァーと、顔を青くする志摩に、皆の視線を集める。
「あ、ゴメン。折れた」
いつもより声のトーンが低い。それだけ、引き離れたことに苛立っているのか、それとも嫉妬か何かか・・・。
「新しいの貰ってくる」
フラフラと、その場を離れる玲薇。
「サイテー」
「出雲ちゃーん・・・」
「今のは志摩さんが悪い」
「子猫さんまで!」
皆の所を離れて、玲薇は落ち着くためにひとまず深呼吸をした。
そして、今は暗闇と化した空を仰ぐ。
「・・・燐・・・」
そう、呟いて・・・。
その頃、燐たちはヘリからアマツミヒコの接待道具を受け取っていた。
大きな箱の中身は、食材と調理器具に神酒までもが。
それらの食材で燐としえみが料理を作り、雪男は銃の整備にお経を詠む。
アマツミヒコに与えた料理は、どうやら全部口に合ったようだ。